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やっぱり馬が好き(第8回)  旋丸 巴

2005年9月23日(金)

競馬ファンの財産

 落語家なんかが良く言うセリフに、「名人の芸を生で見たことが私にとっての財産です」というのがあるけれど、競馬ファンも同じような感慨を抱くんじゃないだろうか。「ナリタブライアンのレースをライブで見たのが、自分の財産だ」なんてね。

 実質的財産皆無の私も、そういう「財産」なら、馬齢を重ねた分だけ、たくさん持っていて、様々な名勝負を生で観戦し、多くの名種牡馬にも会ったことがある。

 ただし、ばんえい競馬となると、平地競馬ほどの「財産」はないから、残念無念なのだけど、それでも、最近は色々な幸運に恵まれて「財産」が増えつつある。中でも、最大の「財産」と言えば、それは、もう、何たってスーパーペガサス様に謁見できたことである。

pegasus  昨冬の某日、取材を許されて帯広競馬場にでかけた。開催日ではない平日の昼前。大方の馬は調教を終えていたから、調教コースは閑散して、冬の青空を二羽の白鳥が横切っていた。と、厩舎の方向から一頭の雄大な栗毛が現れて、それが正しくスーパーペガサス!

 パドックでは至近距離で見たことがあるけれど、調教の姿を見るのは、また別の感慨があって、それで、感動にうち震える手でカメラのシャッターを押しまくった。

 と、それだけでも嬉しかったのに、ここで私を案内してくれていた知人が、ペガサス様の厩務員さんを呼び止めてくれて、それで私は、ペガサス様のお近くに寄り、何と首筋を撫でさせてもらうという極めつけの僥倖(ぎょうこう)に恵まれたのである。

 それにしても、である。この時のペガサスの態度は、実に実に凄かった。立ち止った彼は、私が近づいても泰然自若。すっくりと背を張ったまま、私なんぞ見向きもしないのだ。さすがは、王者の中の王者。彼の戦歴に畏敬の念を抱いていた私は、威風堂々たる彼の風格にも完全に魅了されてしまった。

 後になって、「あの名馬に会ったことがあるんだぜ」と「財産」をひけらかすのもいいけれど、名馬と同時代を生きている「今」こそが幸せなんじゃないか。と、柄にもなく真面目に考えさせられたのも、この時に感じたペガサス様の偉大さ故なんである。

今週のみどころ(9/24〜9/26)

 今週の開催では、道外でのイベントが予定されています。24日(土)は群馬県のBAOO高崎(元・高崎競馬場)、25日(日)は名古屋競馬場にて、ばんえい競馬現役馬2頭によるデモンストレーションが行われます。体験騎乗や記念撮影などを実施する予定で、道外ではなかなか見られない重種馬とふれあうことができます。さらに名古屋競馬場では、当ページでも予想を担当していただいている矢野吉彦アナウンサーとばんえいの現役騎手によるトークショー、さらに本走路を利用したレースデモを行う予定です。お近くのかたはぜひBAOO高崎、名古屋競馬場にお越しください。イベントの詳細はこちら
 24日(土)のメインレースは、駒園特別(3歳以上オープン)。ここは近2走連続2着のホクリュウイチに期待が集まるでしょう。アンローズやトカチプリティーなど、苦杯を嘗めさせられた実績馬もいないため、今回はきっちり勝利を収めたいはず。ただ800万円クラスを3連勝して勢いにあふれるエビスオウジャを筆頭に、昇級まもないヤマノキャプテン、スピードカザン、ツルマキシンザンなども登録。楽しみな一戦となりそうです。
 25日(日)に行われるのは山鳩賞(800万円未満)。この路線の上位常連馬ホシマツリトモエパワースーパーミントなどが出走予定となっています。いずれも勝ったり負けたりで、混戦模様を呈してきたこのクラス。ゴール前での力あふれる熱戦が期待できます。
 26日(月)に行われる北の大地特別は、650万円未満による一戦。今季の岩見沢開催では掲示板をはずしていないヤマトモンジューが中心となりそうです。現在も2連勝中で、対戦メンバーもこれまでと同じ顔ぶれ。ここはあっさり制して、800万クラスへの昇級に弾みをつけたいところでしょう。ほかでは、前走で混合800万円未満を制したコウリュウオーザあたりが人気となりそうです。

レース回顧(9/17〜9/19)

2005年9月21日(水)

 ばんえい競馬のコースで親子リレーが月曜日に行われましたが、みなさんご覧になりましたか? 意外にお子さんたちより、お父さんやお母さんのほうが馬場に足を取られて転んでいましたね。観ているほうも、十分に楽しませていただきました。参加者のみなさま、お疲れさまでした。
 さて、18日(日)に行われたばんえい大賞典ですが、こちらは別掲の「ばんえい大賞典回顧」をご覧ください。
 19日(月)は3歳以上オープンによる石狩川特別が行われました。勝ったのは1番人気のアンローズ。今季はこれで2勝目となりました。しかしながら、ここ5戦は4着以下がない安定した成績を見せているだけに、10月2日の岩見沢記念も連覇が期待できそうです。2着は3番人気のホクリュウイチ。最近は上位争いを演じており、9歳馬らしいベテランの走りを見せています。
 同じく19日に行われたのはナナカマド賞(2歳)。単勝1.4倍に推された無敗馬マルミシュンキが7着に敗れる波乱となりました。第2障害でヒザを折ってしまったのが影響したのでしょう。勝ったのは2歳ナンバー2のメダマで、これでデビュー以来12戦して11連対と、相変わらずの安定ぶりを見せつけています。
 17日(土)の幾春別川特別(550万円未満)は、タカギクが優勝。最近は2着が続いていましたが、ここは見事に昇級初戦を飾りました。2着はニシキダイジン。前走を軽量で楽勝した勢いそのまま、重量が戻った今回も力のあるところを見せました。

映像はこちら

9/18ばんえい大賞典回顧

2005年9月20日(火)

一冠目はカネサブラック

Daishoten 9月18日(日)に行われた3歳三冠の第1弾ばんえい大賞典は、重賞初出走のカネサブラックが優勝しました。
 ウィナーサマー、エンジュダイヤの牝馬2頭がほぼ並んで最初に第2障害をクリア。3番手に続いたカネサブラックが徐々に前の2頭との差を詰め並びかけると、最後まで粘っていたエンジュダイヤをゴール前で差し切りました。最後はややバテてこの2頭との争いから脱落したウィナーサマーが3着に入り、3連勝中で単勝1番人気に支持されたキョウワテンリュウは4着に敗れました。

成績はこちら
映像はこちら

9/18ばんえい大賞典予想 矢野吉彦

2005年9月17日(土)

 ばんえいグランプリに続いてクインカップも的中! 当コラムもようやく調子が出てきたみたいですねぇ。とはいうものの、的中した2レースはどちらも本命サイドの決着。穴狙いが身上の私としては、まだまだ満足していられません。そろそろデカイのを当てたいところです。

 さて、今回は3歳馬限定の重賞・ばんえい大賞典。8月に行われた同じく3歳馬限定のオープン特別・はまなす賞の上位馬が揃って出てきました。とくに、そこで1~3着に入った馬=カネサブラック、エンジュダイヤ、ウィナーサマーは、中間2戦の成績もよく、順調に今回のレースを迎えたと言っていいでしょう。各馬共に今回は初めての高重量を曳くことなりますが、ここは3頭のうちのどの馬を軸にするかがポイントだと思います。
 安定度で言えばエンジュダイヤが一番です。今年の岩見沢では6戦して、1、2、1、2、1、2着とパーフェクト連対。順番からすると今度は1着、ですか? ベテラン・西弘美騎手との相性もいいようで、手堅くいくならこの馬から、というのがオススメです。
 一方、カネサブラックは、はまなす賞でガラリ変身。それまでの岩見沢シリーズのもたつきがウソのように、ここ3戦は好走しています。エンジュダイヤとは勝ったり負けたりの繰り返しですが、今のデキに賭けてみるのもおもしろそう。ただし、旭川のクリスタル特別で初めて620キロを曳いたときが5着、前々走で再び620キロを曳いたときもエンジュダイヤ(600キロ)の2着に敗れていますから、増量に弱いところがあるのかもしれません。これはちょっと気になります。
 で、もう1頭のウィナーサマーですが、これもエンジュダイヤより荷物が20キロ重かった7月のばんえいプリンセス賞と、同じく10キロ重かったはまなす賞で、いずれもエンジュダイヤに敗れています。今回はまたしてもエンジュダイヤより20キロ重い荷物。やっぱり分が悪いですよね。
 あとは、7月の前走から一息入ってどうかのキョウワテンリュウ、これといい勝負をしていたニシキヤマト、前走でひと叩きしたナリタボブサップあたりでしょうが、どれも軸にするにはインパクト不足。ということで、デカイのを当てたいのはヤマヤマですが、今回も無理な穴狙いはしないことに決めました。
 で、結論は、エンジュダイヤを頭に馬単。相手はカネサブラック、ウィナーサマー、キョウワテンリュウ、ニシキヤマト、ナリタボブサップ。押さえはカネサブラックからエンジュダイヤの馬単とします。

 デカイ馬券を当てるチャンスはまだまだ先にあるハズ。重賞で当てなくても、その他のレースで当てたっていいわけですしね。ところで、今月26日(月)、名古屋競馬場で、ばんえい競馬の場外発売とPRイベントが行われます。現役競走馬が本馬場をデモンストレーション走行するほか、現役ジョッキーをゲストにトークショーも予定されています。こちらは私が司会を務めさせていただくことになっていますので、名古屋周辺のばんえい競馬ファンのみなさん、お知り合いとお誘い合わせの上、ぜひ名古屋競馬場にご来場下さい。よろしくお願いします。では、今回はこのへんで。

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