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馬券おやじは今日も行く(第10回)  古林英一

馬肥ゆる秋

 祝、4冠制覇!!!

 といっても、ディープインパクトの有馬記念orジャパンカップ制覇を先取りして言っているのではない。ばんえいファンなら先刻ご承知かと思うが、映画『雪に願うこと』が第18回東京映画祭で、東京サクラ・グランプリ(これが一等賞なんだろうと思う)をはじめとして、最優秀監督賞(根岸吉太郎)、最優秀男優賞(佐藤浩市)、そして観客賞の計4冠を獲得したのである。最優秀エキストラ賞があれば小生が……それはないわなあ。ともあれ、まことにもってめでたい話である。ばんえい競馬界にとっては久々の朗報といっていいだろう。公開が待ち遠しいかぎりだ。

 さて、北海道は先週あたりから急に冷え込んできた。今年は気温の高い日が続き、わが家の隣にある寺院の銀杏もなかなか色づかなかったのであるが、この急な冷え込みで一気に葉が黄金色に色づいている。まさに「天高く馬肥ゆる秋」である。この成句はあまりにも有名なのであるが、意外に出典がわからない。手元にある広辞苑(なんと第三版である。学生時代に古本屋で買い求めたものだ)にも出典は書かれていない。もしかすると新しい広辞苑には書かれているのかもしれないが。

 ともあれ、この「天高く馬肥ゆる秋」というのが中国の諺らしいということは比較的知られており、小生の理解しているところでは、秋になると、農耕民族である漢民族の収穫物を狙って、北方の騎馬民族(匈奴とか北狄とかよばれた民族のことだろうと思う)が、よく肥えた馬に乗って略奪に来るから気をつけよという意味である。ところが、インターネットで検索したところ、良く肥えた馬を狙って略奪に来るのを警戒する言葉だと理解している人もいる。また、小生は略奪に来るのは北方の騎馬民族だと思っているのだが、西方の民族と理解している人も少なからずいるようだ。

 いずれの解釈が正しいのか、ご存じの方がおられるなら、ぜひご教示いただきたいとことだ。中国の諺はともかくとして、確かに秋は「馬肥ゆる」季節なんだろうとは思う。我らがばん馬も、かつては、おそらく秋に高カロリーの穀物をしっかり食わし込んで冬の林業作業などに備えたのではないかと思う。ばん馬は農用馬といわれるが、実際のところ、少なくとも1960年代になると、北海道でも農耕用というよりは、むしろ砂利採取や冬の造山などで使役されていた馬が多かったのではないだろうか。当時のばんえい競馬は春から秋にかけて開催され、冬は開催されることはなかった。名人といわれた中西関松氏らは、冬場は馬を連れて山仕事に行っていたという。この山仕事が冬場の格好のトレーニングになっていたのかもしれない。

 時代は流れ、ばんえい競馬は、今年度からついに周年開催となった。かつて秋におこなわれたばんえい記念(その昔は大臣賞典とよばれていた)も、冬季開催の実施にともなって厳寒期のレースとなり、そして周年開催の実施にともなって今年度からは3月下旬のレースとなってしまった。ばん馬の場合、ハードトレーニングと高カロリー飼料によって体をつくっていく。まさに「馬肥ゆる」わけであるが、逆にシーズンオフには運動量が減るために飼料も少なめにする。したがってオフのばん馬は「馬やせる」状態である。開催日数の増加にともない、いったん馬体を緩めるという時期がなくなってしまう。このことが、はたして、馬自身にとってはいいことなのか、どうなのか。少し気にかかることである。

レース回顧(10/29~10/31)

2005年11月 1日(火)

 今回はイベントレース「マスターズカップ」が30日に行われました。優勝したのは“ミスターばんえい”金山明彦元騎手とサダエリコ(!)。重量差があるとはいえサダエリコを起用したあたりに、金山元騎手の意気込みを感じました。成績と映像はこちらをご覧ください。
 29日(土)に行われた温根湯特別(800万円未満)は、4歳馬のタケタカラニシキが優勝。4、5頭がほとんど同時に障害をクリアする混戦を、確実な末脚で見事に制しました。1番人気のトモエパワーは障害でわずかに後れを取ったものの、脚を伸ばして2着を確保しました。
 30日(日)のメインレースは、オータムカップ(3歳以上オープン)。これを制したのはトカチプリティーで、9月のオープンに続く今季2勝目を挙げました。隣枠のヨコハマボーイが終始追いすがる苦しい展開でしたが、それでも終いまできっちり脚を伸ばし、猛追を凌ぎきりました。2着に1番人気のヨコハマボーイ。今季は勝ち鞍がないのがものの、安定した成績を残しています。
 同じ30日に行われたききょう特別(2歳オープン)は、ウィナーハリケンが優勝しました。夏場は成績が安定しませんでしたが、ここへきて3連勝とデビュー直後の勢いを取り戻した印象です。また同日の第12レース(混合別定550万円未満)は、ヤマノミントが快勝。1番人気のギャンブラークインが2着、以下ホクショウファイト、トカチタカラと続き、好調馬が上位を占めました。
 31日(月)の川湯特別(650万円未満)は、4歳馬のキングファラオが優勝。近走は安定した末脚で好成績を残しており、今後の活躍が期待できそう。また2戦続けて2着のヤマトモンジューは、一時期の不振を脱した印象。このメンバーとの対戦であれば、毎回勝ち負けを演じられそうです。
 この日の第10レース(勝入別定390万円未満)は、3歳馬カネサブラックが優勝。フクイズミ、エンジュダイヤといった人気牝馬勢を一蹴しました。

映像はこちら

今週のみどころ(10/29〜10/31)

2005年10月28日(金)

 今週の日曜日は、イベントレースとして往年の名騎手が騎乗するマスターズカップが行われます。今回は金山明彦調教師や久田守調教師、皆川公二調教師などが出場予定。その衰えることを知らない華麗な手綱さばきを、ぜひご覧ください。
 29日(土)のメインレースは温根湯特別(800万円未満)。10月8日の阿寒湖特別同様、レオユウホーの切れと、トモエパワーのしぶとい末脚がぶつかり合う展開となりそうです。近走安定した成績のナリタビッグマンも争覇圏でしょう。
 30日(日)に行われるのはオータムカップ(3歳以上オープン)トカチプリティーミサキスーパーなどが出走を予定しています。今季勝ち鞍がないものの安定した成績のヨコハマボーイなども有力どころと言えそうです。
 31日(月)は川湯特別(650万円未満)が行われます。前走2着で、一時期の悪い流れを止めたヤマトモンジュー、つねに上位争いを演じるヤマノトップレディ、勢いのある4歳馬キングファラオなどに注目です。
 そのほかでは、30日の第10レースにききょう特別(2歳オープン)が組まれています。メダマやマルミシュンバ、エメラルドなどが出走を予定しています。同じ日の第12レース(勝入混合550万円未満)には、プリンセスサクラコやヤマノミント、ミスターハヤサキ、ギャンブラークインなどが出走する可能性があります。

やっぱり馬が好き(第10回)  旋丸 巴

二世ロッシーニって?

 「二世ロッシーニ記念」では、私の大好きなアンローズが優勝。二世ロッシーニの美人な孫娘が制した訳で、誠におめでたい。

 という訳で、今回は名種牡馬「二世ロッシーニ」について記そうと思う。思うけれども、前もって言っておくけれど、ばんえい競馬の種牡馬についての資料というのは驚くほど少ない。

 サラブレッドなら、どんな馬でも血統や成績は、すぐに知ることが出来る。古い種牡馬だって、資料のバックナンバーを入手するか、今ならネットで検索すれば、何ほどの苦労もなく調べられる。

 ところが、である。ばんえい競馬となると、レース出走馬の資料はあっても、未出走の種牡馬となると、もうお手上げ状態。だから、ばんえい史上初の1億円馬キンタローや名種牡馬マツノコトブキの父である二世ロッシーニといえども、産駒成績以外のこととなると、その全容を知るのは難儀極まるのである。

Photo_5  と、散々、気弱な前置きを書いたけれど、そうは言っても、私だって血統マニア。数年前には「北海道種雄馬銘鑑」という本を入手。この本、昭和59年に北海道挽用馬振興対策協議会なる会が製作。二世ロッシーニについても、写真と簡単な資料が掲載されている。それによれば、二世ロッシーニの体高は173cm、胸囲231cm、管囲に至っては30cmというから、やっぱり立派な体躯の馬だったのである。写真を見ても、首刺しの立派な、短背と長い腹を持ち合わせた優雅な体型。雄大で伸びもあるから、なるほど、産駒が活躍するのも当然である。

 そんな立派な二世ロッシーニが、どんな馬であったのか、更に知りたくて、前回、当欄に記した我が「師匠」に、尋ねた。

 「二世ロッシーニって、どんな馬だったんですか?」

 名伯楽の師匠のこと、きっと偉大な種牡馬の長所を謳いあげるのだろう、と思いきや「あんまり素晴しい馬じゃなかったよ」とのこと。驚愕する私に、師匠は面白くもなさそうに、続けて「だから網走に行ったんだわ」

 幼少の頃は、あまりパッとしなかった二世ロッシーニ。だから、種牡馬として買い上げられたものの、馬産地としては当時は遠隔地であった網走で繋養されたのだ、と、そういうことであるらしい。

 そんな二世ロッシーニが、しかし、大方の予想を裏切って、活躍馬を続々輩出。ばんえい血統地図を塗り替え、記念レースにまで名を残すのだから、競馬は分からないもの。

 この二世ロッシーニ系の血が、今後益々繁栄するのか、はたまた、これを凌ぐ名血統が台頭するのか、興味は尽きない。

 尽きないけど、前述「北海道種雄馬銘鑑」以降、ばんえい種牡馬に関する書籍は出版されていなくて、だから、誰か、新しい銘鑑を作って! 誰か! お願い!

レース回顧(10/22〜10/24)

2005年10月24日(月)

 二世ロッシーニが残した優良種牡馬といえば、なんといってもマツノコトブキ。23日(日)に行われた二世ロッシーニ記念特別には、アンローズとヤマノキャプテンの、2頭のマツノコトブキ産駒が出走しました。さすがにワンツーフィニッシュとはいきませんでしたが、アンローズがきっちり優勝して、祖父の名に恥じない走りを見せてくれました。今後アンローズは、北見記念連覇へ向けていっそう力のこもった走りを見せてくれるはず。北見開催の中心的存在となることを期待しましょう。
 その二世ロッシーニ記念特別(3歳以上オープン)。前述のとおり、牝馬2強の一角アンローズが優勝しました。断然の1番人気に推されたサダエリコは、猛烈に追い込んだものの3着止まり。2着には最低人気のツルマキシンザンが入り、馬連単万馬券を演出しました。
 第2障害はツルマキシンザンが先頭でクリア。差なくアンローズが続き、この一騎打ちが最後まで続く展開。軽馬場だっただけに先行2頭は止まらず、サダエリコの末脚も不発に終わりました。驚いたのはツルマキシンザンで、相手関係から見れば苦戦が予想されましたが、あっさり障害をクリアしたあたりは条件戦時の勢いを彷彿させるもの。もともと軽馬場には強く、それが功を奏したのでしょう。
 なお同日に行われた第10レース(混合800万円未満)は、オープンのヒカルセンプーが優勝。待ちに待った今季初勝利を挙げました。
 22日(土)に行われたのは、いちょう特別(550万円未満)。好調馬が揃った注目の一戦でしたが、これを制したのは1番人気のプリンセスサクラコでした。第2障害を詰まることなく越えたのには目を瞠るばかりで、近走の好調ぶりもうなずけます。またヤマノミントも豪快に追い込み2着に奮闘。開催が北見に移ってから3戦1勝2着2回と好調です。今後も注目でしょう。
 24日(月)のもみじ特別(470万円未満)は、ミスターハヤサキが優勝。6頭がほぼ同時に第2障害をクリアする大激戦を制しました。これで2連勝として、相変わらずの好調ぶりをアピールしています。2着はギャンブラークインが食い込み、こちらも大崩れのない安定した成績を残しています。

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