二世ロッシーニって?
「二世ロッシーニ記念」では、私の大好きなアンローズが優勝。二世ロッシーニの美人な孫娘が制した訳で、誠におめでたい。
という訳で、今回は名種牡馬「二世ロッシーニ」について記そうと思う。思うけれども、前もって言っておくけれど、ばんえい競馬の種牡馬についての資料というのは驚くほど少ない。
サラブレッドなら、どんな馬でも血統や成績は、すぐに知ることが出来る。古い種牡馬だって、資料のバックナンバーを入手するか、今ならネットで検索すれば、何ほどの苦労もなく調べられる。
ところが、である。ばんえい競馬となると、レース出走馬の資料はあっても、未出走の種牡馬となると、もうお手上げ状態。だから、ばんえい史上初の1億円馬キンタローや名種牡馬マツノコトブキの父である二世ロッシーニといえども、産駒成績以外のこととなると、その全容を知るのは難儀極まるのである。
と、散々、気弱な前置きを書いたけれど、そうは言っても、私だって血統マニア。数年前には「北海道種雄馬銘鑑」という本を入手。この本、昭和59年に北海道挽用馬振興対策協議会なる会が製作。二世ロッシーニについても、写真と簡単な資料が掲載されている。それによれば、二世ロッシーニの体高は173cm、胸囲231cm、管囲に至っては30cmというから、やっぱり立派な体躯の馬だったのである。写真を見ても、首刺しの立派な、短背と長い腹を持ち合わせた優雅な体型。雄大で伸びもあるから、なるほど、産駒が活躍するのも当然である。
そんな立派な二世ロッシーニが、どんな馬であったのか、更に知りたくて、前回、当欄に記した我が「師匠」に、尋ねた。
「二世ロッシーニって、どんな馬だったんですか?」
名伯楽の師匠のこと、きっと偉大な種牡馬の長所を謳いあげるのだろう、と思いきや「あんまり素晴しい馬じゃなかったよ」とのこと。驚愕する私に、師匠は面白くもなさそうに、続けて「だから網走に行ったんだわ」
幼少の頃は、あまりパッとしなかった二世ロッシーニ。だから、種牡馬として買い上げられたものの、馬産地としては当時は遠隔地であった網走で繋養されたのだ、と、そういうことであるらしい。
そんな二世ロッシーニが、しかし、大方の予想を裏切って、活躍馬を続々輩出。ばんえい血統地図を塗り替え、記念レースにまで名を残すのだから、競馬は分からないもの。
この二世ロッシーニ系の血が、今後益々繁栄するのか、はたまた、これを凌ぐ名血統が台頭するのか、興味は尽きない。
尽きないけど、前述「北海道種雄馬銘鑑」以降、ばんえい種牡馬に関する書籍は出版されていなくて、だから、誰か、新しい銘鑑を作って! 誰か! お願い!