
2025年6月16日、デビューから9年2カ月で通算1000勝を達成した加藤聡一(かとうそういち)騎手(名古屋)に、ここまで騎手として活躍してきての思いを聞きました。
1000勝を達成しての気持ちをお話し下さい。
まずは、シンプルに目の前のレースを勝ったので、嬉しかったです。それで、引き上げてきてみんなに1000勝おめでとうと言われたので、嬉しいと言うよりホッとしました。
1000勝というのは大きな区切りですが、自身ではこの数字をどう感じていますか?
確かに数字だけ見れば大きな数字なのですが、それまで負けた回数も多いですから。それでも乗せてくださった皆さまに対する感謝の気持ちが大きかったですし、頑張ってくれた馬にも「ありがとう」と思いました。
6月16日名古屋第4レース、タマモルピナスに騎乗して通算1000勝達成
いま、レースに騎乗する上で意識しているのはどんなことでしょうか?
全部のレースで、とにかく1つでも上の着に持ってくるようにという意識を、かなり強く持っています。そのためには、その馬のレースを普段から見ているわけですから、自分だったらこうしようああしようと思ったことを、レースに行って意識しながら乗ってみます。結果が出ればいいですし、出なければ反省する。それの繰り返しですね。
デビューから9年ちょっとで、考え方とか取り巻く環境とかで何か変化はありましたか?
デビューした頃から、自分が乗せて頂いている厩舎は、結果を出さないといけない、勝ったとしても内容も求められていましたし、勝っても内容が不十分だと、よく叱られたりもしていました。それは、当時も今も変わらないと思っています。
逆に、変わった部分は?
いまは、賞金がすごく上がってきているので、やはり"変なレース"は出来ないなと自分の中では思っています。馬主さんとか、ファンの方に対しては、不完全燃焼じゃないですけど......そういうレースはしないように意識しています。
責任感みたいなものが......。
より一層増してきたなっていうのは、感じます。馬主さんも、競馬場は以前より遠くなったのに、以前よりも一層よく臨場されるようになっていますし、賞金が上がるということは、自ずとそういう風になってくるということなのかなと実感しています。
周囲の雰囲気の変化はどうですか?ご自身も年を取って、メンバーも入れ替わっていますよね?
最初の頃は一番下でしたけれども、名古屋は年下の子が多く入ってくるようになって、ひとりずつ増えていたはずなんですけれども、気づけば後輩がどんどんどんどん増えてきていて......いま中堅みたいなポジションになってきています。
中堅、ですか?まだ若いですよ、相当(笑)
中堅ですね。若い人たちに教えていかなければいけないし、自分もそれと同様に伸びていかなければいけないっていう状況にはあるんですけれども、それはそれで純粋に楽しい、っていう感覚で乗れていますね。楽しく過ごせています。あいつがいるから頑張らないとと、素直に思います。
そういうポジションに変わって、気負いのようなものは?
ないですね。
しばらく年下の騎手が入ってこない時代もあったから、年もそれなりに離れていますよね?年下の騎手は、どんな存在として見えていますか?
「下の子」っていう感じですね。商売敵、とかいう感覚でもなく、見守る、という感覚でしょうか。
自分よりも若い騎手たちに、どんなことを伝えているんでしょう。
これは、騎手になる前にいた乗馬センターの恩師から言われた言葉なのですが、「下手でもいい。応援される人間になりなさい」ということですね。どんなに上手くても、乗せたいと思われなければそれまでだから。下手でも、「あいつ頑張ってるから乗せてやってくれよ」とか、みんなからそういう風に言われるようになっていったほうがいいよと。そういういうことを伝えています。
名古屋競馬の騎手相場も今年は一気に変わって、いまリーディングを若手と争う位置にいます。(6月まで年の半分が終わって、86勝で名古屋リーディング2位)。これについての意識はどうですか?
リーディングですか?取りたいですよ。取りたいですけど......自分はプロセスを大切にしたいんですよね。現状でも、勝てていないわけではないし、一鞍一鞍、変な騎乗はしていないつもりです。でも、数字に意識がいきすぎると、自分の場合失敗する。だから、リーディングについては、きちんとレースをした結果そうなっている、というのが理想です。
6月26日、マッドルーレットでトリトン争覇を制し1年3カ月ぶりに重賞勝利
話は変わって、プライベートのお話。仕事の合間の息抜きはどんなことをされていますか?
以前からずっとやっている釣りの他に、最近はゴルフも。阪野さん(阪野学騎手)が名古屋に来てから、ゴルフに行く機会が増えました。本格的にやるようになりましたね。
スコアはどうなんですか?
言いません(笑)。行くのは楽しいです。
ゴルフは、どんなところが楽しいと感じますか?
単純に、うまく回れたらうれしいです。スコアを語れる腕前ではないのですが(苦笑)。あとは、あのロケーションの中で楽しめるというのがいいですね。スコアは全然良くないですけど、向上はしてきていて、いま「第2コーチ」に父を迎えています。道具も、初めは父のお下がりを使っていたのですが、最近全部自分で買い揃えました。
最後に、オッズパークで馬券を買って競馬を楽しんでおられるファンの方に、一言お願いします。
いま話したように、自分は最近は「1つでも上の着順」という意識で乗っていて、結果それで予想されているより良い結果、良い着順に繋がることもあります。そういう狙い方でうまく馬券に絡めてもらえれば、面白いんじゃないかなと思います。あとは、やはり実際に足を運んで生で観戦してもらいたいですね。是非名古屋競馬場にもお越し下さい。
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※インタビュー・写真 / 坂田博昭
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5月5日金沢競馬第12レースをヤマメクィーンで勝利し、地方競馬通算1000勝を達成した中島龍也騎手(金沢)。 昨年は177勝を挙げ、初の金沢リーディングを獲得。今年もすでに85勝(6月25日現在)を挙げ、金沢リーディング1位を独走しています。
まずは地方競馬通算1000勝達成、おめでとうございます。
ありがとうございます。達成した日はあと4勝で迎えたのですが、7レース、8レース、11レースと勝つことができて、いい流れのまま最終レースを勝って達成することができました。やはり1000勝というのは大きな区切りの数字ですし、ここまで来たんだなという嬉しさがありました。
これまでもリーディング上位の常連ではありましたが、昨年は177勝と大幅にキャリアハイを更新して、一気に突き抜けましたね。
そうですね。ありがたいことに自分でもびっくりするくらいの成績を挙げることができました。
何かきっかけはあるのでしょうか?
特に変わったことはしていないんですけど、昨年結婚したということもあって、生活面が変わったというか、家族からのサポートがあることですかね。あとは体の面で、筋力トレーニングは以前からずっとやっていたんですけど、その中でピラティスを取り入れて、体をつくり直したということもいい方に出たのかもしれません。
公私ともに充実しているんですね!リーディングを取って、何か変化はありましたか?
やはり周りの目というのは違うのかなと思います。乗り馬の質も変わって来ていると感じますし、今年も今のところリーディングにいさせてもらっているので、いい流れが継続していると思っています。たくさんいい馬に乗せていただき、関係者の方々に感謝しています。
金沢リーディングの看板を背負って、5月26日に行われた地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップに出場されました。印象はいかがですか?
トップジョッキーしかいないレースですから、どういう感じなんだろうと思っていました。もちろん緊張もありましたが、地元の金沢開催だったので他所でやるよりは気楽でしたね。結果は4着、4着、8着で総合5位だったので、もう少しいい成績を残したかったなとは思います。
利家盃を制したマンガン(写真:石川県競馬事業局)
4月27日に行われた利家盃では、追い込み馬のイメージが強いマンガンで2番手につけて勝利。スタート直後に出して行った時には驚きました。
小回りの金沢なので、どの馬でもなるべく前に行きたいと考えています。もちろんその馬に合ったリズムというものがありますが、これまでのマンガンのレースを見て思ったのが、最後の200メートルはいい脚を使うけど、上がり3ハロンを平均したらそんなに速くないんです。スタミナを活かして、周りの(馬の)脚が上がって差してくる競馬になりがちというか。直線が短い金沢では、そういう競馬だと勝ち切れないんですよ。そこまで上りが速くないから、前から行っても同じなんじゃないかと思って、1回目に乗った時に思ったよりもスタートを出てくれて、気合を付けて行けばだんだん出るようになるのではないかと、次に繋がるスタートの出し方をしたんです。そうしたら利家盃では逃げるのかっていうくらい出てくれて、行き過ぎ行き過ぎとなだめるくらいでした。ただ、百万石賞ではスタートを出た分、悪いポジションにハマってしまって......。3~4コーナーで射程にいれば馬が伸びてくれるので、マンガンに乗る時は直線勝負というよりも、3~4コーナーまでにどういいポジションに持ってくるかが勝負だと思っています。
金沢といえば、吉原寛人騎手が全国で大活躍していますが、中島騎手にとってはどんな存在ですか?
本当にすごい方ですね。一緒に乗っていて馬の上での感じる力がすごいんです。馬を動かす、御す力を感じるというか、吉原さんが乗っているだけでこの馬動きそうだなって思います。強い馬に乗っているから勝てるっていう人がいるけど、僕はそうは思わないです。もちろん力のある馬には乗っていますが、それだけじゃなくて、吉原さんてすごく簡単そうに乗っているように見えるんですけど、難しい馬を簡単そうに、淡々と乗ってくるところがすごいなって。これは上手な人の共通点だと思いますけど、すごく強いなっていうレースができる人が、上手い人だと思うんです。強い勝ち方をした馬でも、吉原さんに聞いてみると実はいろいろ工夫していて。例えば、内にささったり外に張ったりする馬でもまっすぐ走らせるから、見た目ではわからないんですよね。そういうところが半端ないなって思います。
それに、技術面はもちろんですけど、人間性もすごいんですよね。出会った時からどれだけ結果を出しても変わらない。人当たりも良く腰も低くて、吉原さんがそういう感じなのに、自分が調子に乗れるのかっていう(笑)。そういう思考に繋がるので本当にありがたいです。
北日本新聞杯を制したクリノチャールズで臨んだ石川優駿は5着だった
今後の目標を教えてください。
1500勝、2000勝と勝っていきたいですし、重賞戦線でもいい成績を残したいです。吉原さんのようになれるかはわからないですけど、いつか全国から声がかかるように腕を磨きたいです。
では、オッズパーク・ユーザーの皆さんにメッセージをお願いします。
いつも金沢競馬を応援していただき、ありがとうございます。これからも金沢競馬を盛り上げていけるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。
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※インタビュー / 赤見千尋
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今年4月29日、地方競馬通算1000勝を達成した杉浦健太騎手。
デビュー16年目で、近年は安定してリーディング上位に名を連ねています。
地方通算1000勝達成、おめでとうございます。
ありがとうございます。一つの大きな区切りだったので、達成できて嬉しいです。園田では100勝ごとの区切りで「祝・何勝」と書かれた額を持って記念撮影をするので、1000勝が近づいてきているな、という意識はありました。あと10勝くらいからは強く意識していて、リーチがかかってからすぐ達成できてよかったです。
前週にリーチをかけてからすぐに決めましたね。1000勝目となった相棒はジョウショータイガ。高知からの移籍初戦でした。
レースで初めて跨ったんですけど、高知でのレース映像を見ていると短い距離(820m)でも十分対応できる感じを受けました。枠も良くて、スタートも上手く決まってスピードに乗ってくれました。リーチがかかっていて意識していたので、4コーナーを手応え良く回ってこられた時には「あ!」と思いました。
地方競馬通算1000勝達成してガッツポーズ
記念撮影にはお子さんも写っていましたね。
ちょうど祝日で学校が休みだったので、いいタイミングでした。松木(大地騎手)が息子に僕の勝負服を着せて連れてきてくれて、いい思い出になりました。僕が勝つと妻から「今日、お父さん勝ったよ」と聞くようで、息子も「おめでとう」と言ってくれます。普段は競馬は見ていないようですけど、やんわりと「騎手になりたい」と言っていて、聞いた時は嬉しかったです。だけど、危険だし大変な思いもするので、複雑。まだ小学生なので、まだまだ将来のことは分からないです。
1000勝目となったジョウショータイガは雑賀伸一郎厩舎。重賞2着のあるプリムロゼなど近年、この厩舎への騎乗が増えていますね。
元騎手の中越豊光厩務員や木村厩務員が僕を推してくださっている縁で乗りはじめました。最初の頃に結果が出て、そこから乗せていただくようになりました。中越さんには騎手時代から可愛がってもらっていて、二人で高知旅行をして、中越さんの実家に泊まったこともあります。
今年は1月に姫路競馬場で兵庫ウインターカップをスペシャルエックス(北海道)でも勝ちました。
チャンスある馬で依頼をいただいて、結果を出せたことは大きな自信になりました。これまでのレースからも、促して促して、直線を向いてもう1回伸びるというのがこの馬に対するイメージでした。だから、向正面で追うのは想定内で、「ここさえ辛抱して、ポジションをキープできれば」という思いで直線まで凌ぎました。
直線では一瞬、進路がないかもと思う場面もありましたけど、外にスペースが空くとそこから抜け出しました。
直線は伸びる確信を持っていたので、少しでも空いた所があったら行こうと思っていました。姫路は外有利なので、ジョッキー心理としては直線は外に振る傾向があります。外を見た時にちょうどスパッと空いてくれたので、そこに行きました。勝つ時って、上手くいきますね。
北海道のスペシャルエックスで兵庫ウインターカップを勝利
さて、オフの時間には騎手仲間で野球チームを作って、他場の野球チームとも対戦していますね。
野球は見るのもやるのも大好きで、ジョッキーを集めて「やろうか」となりました。以前はチーム自体はなかったものの、JRA栗東トレセンの厩務員さんチームと定期的に試合をやっていました。「ジョッキーズのチームを作って、定期的にやろうや!」と言い始めたのは僕や鴨宮(祥行騎手)。若い子も増えてきたので面白そうと思って、レース以外でも楽しんでいます。
オリジナルのユニフォームもできていますね。
形から入るタイプなんです。総監督の新子雅司調教師が「作ったるわ」と言ってくださって、お揃いです。
話を競馬に戻します。かねてより目標に掲げていた年間100勝には届きそうで届かないものの、毎年安定した勝ち星を挙げています。何か課題は感じていますか?
目標は達成できていないですけど、良くも悪くも平均的に勝たせてもらっていることが1000勝に繋がったのかなと思います。その中でも2着が多いので、それを1着に持ってこられたら目標の100勝にさらに近づくのかなと思います。今年は例年に比べて取りこぼしが減ったとは思うんですけど、勝ち星がもう一つ伸び切れていないので、きっかけがあれば、と思います。
これからの目標は?
区切りは達成できたので、年間100勝ですね。ずっと言い続けているので、そろそろ実現させないといけないと思っています。
最後に、オッズパーク会員のみなさんにメッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます。これからも若手騎手に負けないようアグレッシブに元気よく頑張るので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大恵陽子(写真:大恵陽子、兵庫県競馬組合)
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今年4月、園田競馬場でデビューした小谷哲平騎手 。父は同地の騎手会長も務める小谷周平騎手で、所属するのはイグナイターやアラジンバローズなど有力馬を多く擁する新子雅司厩舎です。恵まれた環境のように見えますが、トレーニングを積み重ねて1年足らずで体重を5kg増量するなど努力家でもあります。
騎手になったきっかけから教えてください。
競馬場内に住んでいましたけど、競馬は全く見ていませんでした。小学1年生の時に父がトーコーヴィーナスで園田プリンセスカップを勝って重賞初制覇をした時も「勝ったんやな」くらいで、覚えていません。小学2年生からはずっとサッカーをやっていたんですけど、中学2年生の時に父から「乗馬に行ってみないか?」と言われて、興味本位で阪神競馬場の乗馬スポーツ少年団に応募したら運よく通ったのがきっかけです。乗ってみたら1頭1頭違う楽しさが忘れられなくて、「もっと続けたい」「ジョッキーになりたい」と思うようになりました。
騎手候補生時代、厩舎実習中にはアラジンバローズの調教や、イグナイターの厩舎周りでの前運動に乗ったこともありました。その背中はどうでしたか?
アラジンバローズは前駆が強くて、短い乗馬経験の中でも背中がしっかりしていることが分かるほどでした。イグナイターもガッシリしていて、「すごい厩舎に所属させてもらったな」と思いました。
デビュー2日目に初勝利。父・小谷周平騎手(左)、所属する新子雅司調教師(右)と(写真:兵庫県競馬組合)
初勝利はデビューから2日目の4月16日、自厩舎のアルディートクライ。逃げる父・周平騎手を直線で交わしました。
4コーナーで前を見たら、父の黄色い勝負服が見えたので「これは交わしにいかないといけない」と思って、必死に追うだけでした。勝てて本当に嬉しかったです。前日のデビュー日は8鞍も乗せてもらっていたのになかなか上手くいかなくて、新子先生からも「お前ならもっとできるのにな」と言われてヘコんでいたので、勝ててホッとしました。
新子調教師はデビュー前から高い期待を寄せていましたからね。このインタビューの直前、6月5日園田9レースで接戦を制して勝った時も、検量前の枠場まで出てきていました。レースは序盤から積極的な運びで2番手につけました。
石橋満先生からも逃げる競馬をしてほしいとのことだったので、スタートを出てから押っ付けました。内から他の馬が来ていたので2番手外に収まって、3~4コーナーは手応えがあったので。人間がバテない限り大丈夫かなと思っていました。外から2着馬が伸びてきているのは視界に入っていて、ゴールの瞬間は負けたかと思いましたが、勝ててよかったです。普段は園田競馬場で調教に乗っていますが、西脇トレセンの馬で勝てたのはこれが初めてで、それも嬉しかったです。
6月5日園田第9レース。石橋満厩舎のレベッカレインボーで勝利
こうした追い比べでも、騎乗フォームが大きくブレないように感じます。厩舎実習の頃から新子調教師の指導の下、しっかりトレーニングを行っていたそうですね。
厩舎実習の時から「毎日木馬に乗るのと、走りなさい」と言われて、それを実践してきました。いまも休日にはジムに行ったり、体のケアをしています。厩舎実習に来た時は体重が43kgだったんですけど、いまは48kg。とにかく食べることを意識しています。たくさん食べることはキツいですけど、少しずつですね。ご飯は実家に食べに行っています。
それだけ筋肉がついたんですね。小谷騎手は口数が少ない印象ですけど、負けず嫌いエピソードとかありますか?
密かに同期の(米玉利)燕三には負けたくないと思っています。
だけど、彼だけじゃなくて先輩に近づきたいという思いの方が大きいです。
米玉利騎手も父が厩務員で、子供の頃からお互いを知っているだけに、ライバル心も強くなるでしょうね。他にも子供の頃から知っている人が多いのでは?
園田所属のジョッキーはほとんどが顔見知りで、小さい頃からよく遊んでもらったりしていました。
川原(正一)騎手さんは「すごく上手に乗ってきているよ」って言ってくださいます。
小谷家といえば、大家族。6人きょうだいで、小谷騎手は上から2番目の長男です。
僕がジョッキーになってから、みんな「ジョッキーになりたい」と言い始めました。今年から乗馬を始めた弟(次男、4番目)や、最近ジョッキーが練習に使う木馬に乗っている妹(三女、5番目)など。嬉しいですし、もっと僕もしっかりしないといけないな、と思いました。
弟や妹たちにとってカッコいいお兄ちゃんなんですね。父・周平騎手からはレースに関してアドバイスなどは受けますか?
調整ルームの部屋が隣で、晩ご飯を食べ終わってから一緒に騎乗したレースを振り返って、次の日に生かしています。
これからの目標は?
年内に100勝したいです。そうしたら、新子先生が重賞に乗せてくれる、と言ってくださっているんです。
オッズパーク会員のみなさんにメッセージをお願いします。
これからも全力で頑張るので、応援お願いします。
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※インタビュー・写真 / 大恵陽子
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今年4月5日に高知競馬場でデビューを果たした近藤翔月騎手。
初日から5鞍に騎乗し、最終レースで初勝利を挙げました。記念すべき初勝利や、騎手を目指したきっかけ、これからの目標などを伺いました。
まずはデビューおめでとうございます。実際のレースに騎乗してみていかがですか?
すごく難しいです。見ているのとは違って、なかなか自分が思っているようには乗れないですね。
そんな中でもデビュー初日に初勝利を挙げました。
強い馬に乗せていただいて、馬が頑張ってくれました。乗せていただいた関係者の皆さまに感謝しています。初日から5鞍乗せていただいて、初勝利の前に4鞍乗ったのですが上位に入ることができませんでした。勝った時はずっと馬の手応えがよくて、1着でゴールした時にはものすごく嬉しかったです。ファンの方々からの声援も聞こえましたし、あの光景は一生忘れないですね。
4月5日第11レース、ノーブルシェイドに騎乗して勝利
デビュー2カ月で9勝(6月8日現在)、ご自身ではどう感じていますか?
たくさんいい馬に乗せていただいて、順調に勝たせていただいていると思います。先ほども言いましたが、まだまだ難しいことが多くて、もっと成長しなければという気持ちが強いです。
具体的にはどんなところが難しいですか?
自分でイメージしたことを実際に競馬でなかなかできないことです。特にスタートしてからのポジション取りが難しいですね。今はそこが一番の課題だと思います。先輩方に質問したり、自分なりにいろいろ試行錯誤しているところです。
よく質問する騎手はどなたですか?
皆さん本当に優しいので質問すれば教えてくれる方ばかりです。その中でも年齢的に近いこともあって、聞きやすいのは井上瑛太騎手です。山崎雅由騎手にもよく質問しています。所属の宮川浩一先生や厩務員さんにもよく教えていただきますし、浩一先生の兄弟である宮川実さんともお話させていただいて、とてもいい環境でやらせていただいています。
勝負服のデザインは、厩舎カラーの紫と、兄弟子の妹尾将充さんのデザインを取り入れたそうですね。
将充さんは自分の中でお兄ちゃんみたいな存在なんです。毎日のように連絡を取っていますし、競馬開催中は将充さんがレース後コメントを取っているんですけど、そのコメントのやり取りだけではなくて、もっとこの辺りを走ってくれば良かったんじゃないかとか、もう少し早めに仕掛けたら良かったね、という風なアドバイスもくれるので、とてもありがたいです。
愛媛県出身の近藤騎手ですが、どんなきっかけで騎手を目指したのですか?
小学校1年生の時にたまたま阪神競馬場の近くへ行く用事があって、ちょうどその日に宝塚記念があるということで、本当にたまたま競馬場へ行ったのがきっかけです。その時ラブリーデイが勝ったのですが、レースを見て「これだ!」と思いました。最初は両親も驚いていましたが、自分が本気で目指したいと伝えたら本気でサポートしてくれて、小学4年生からは乗馬クラブにも通わせてくれました。けっこう費用がかかるのに通わせてくれて、とても感謝しています。愛媛には競馬場がないですから、騎手という仕事を知らない同級生も多かったのですが、自分の中ではまったくブレず、ずっと騎手になりたいと思っていました。諦めそうになったことは一度もないですね。
宮川浩一厩舎に入ったのはどんなきっかけですか?
教養センターに入った時には所属が決まっていなかったので、高知競馬所属を希望して、公募という形でどなたか所属にして下さる先生はいないか聞いていただいたところ、8名の先生が手を上げてくれて。各先生とリモート面談をした時に、浩一先生が競馬場実習からどういう風に育成していくかという計画を立てていてくれて、そのお話を聞いた時に自分の中でとても響いたんです。それで決めさせていただきました。
実際に厩舎に入ってみていかがでしたか?
競馬場実習で競馬場に行った時、最初は緊張していたんですけど、すぐに皆さんが話しかけてくれて、仲良くしてくださったので、すんなりと馴染むことができました。
競馬場実習の時には、ユメノホノオに跨ったことが印象深かったそうですね。
あの時は本当にいい経験をさせていただきました。僕の調教が全頭終わったタイミングでユメノホノオが馬場に行くところが見えたので、せっかくだからと思って調教を見ていたんです。馬場から帰って来た時に、「すごい馬ですね」って山頭信義厩務員に話しかけたら、「跨ってみるか?」って言ってくれて、整理運動をさせていただきました。常歩ですけど、背中ががっちりしていて跨った雰囲気も全然違いました。すごい馬の背中を感じることができて、とても嬉しかったです。
デビュー当日に行われた紹介式
今後の目標を教えてください。
浩一先生からは、5年でリーディング争いに食い込めるようになれと言われています。難しいことだとは思いますが、そのくらい期待してくれているということなので、その期待に応えられるよう頑張ります。目の前の目標としては、今は減量があるので、その減量を活かして積極的な騎乗をしたいです。
では、オッズパークユーザーの皆様にメッセージをお願いします。
まだまだ未熟ですが、これから高知競馬を盛り上げていけるよう全力で頑張ります。応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:NAR、高知県競馬組合)
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