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山本 聡哉 騎手(岩手)

2009年度に49勝、2010年度は68勝、2011年度も68勝。リーディングでは10位圏内を争うあたり......だったのが、今シーズンは既に117勝、リーディング2位を競り合うまでに伸びてきた若手がいる。山本聡哉騎手だ。

今年伸びた騎手は......と訊ねれば、盛岡なら齋藤雄一騎手、水沢ならまず山本聡哉騎手の名が挙がる赤丸急上昇の若手騎手。

そして、同騎手は盛岡所属の山本政聡騎手、船橋所属の山本聡紀騎手と三兄弟で現役騎手という、なかなか希な存在でもある。

今回はそんな注目株の山本聡哉騎手にお話を伺った。

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横川:農業の町・葛巻町出身という事で特に競馬とは関わりがなかったそうですね。

山本:実家が畜産もやっていたんで将来の仕事は動物系かな......とか思ってはいましたね。でも競馬はダビスタをやるくらいで。父親が"身体が小さいなら騎手だな"とか言っていたんですが、それもまあ冗談半分だったはずです。

横川:そこから騎手になろうと思い立ったきっかけはなんだったんですか?

山本:ひとつは兄(山本政聡騎手)が騎手を目指す、と競馬学校に入った事ですね。小さい頃から結構兄のあとをついていく弟だったんですよ。小学校の頃は野球をやっていたんですがそれも兄がやっていたからで。兄が競馬学校で騎乗している姿を見て"ビビッ"と来ましたね。"騎手になろう"って。

横川:「テシオ」の読者ハガキを送ってくれたよね。お兄さんも送ってくれてたけど、兄弟で"騎手を目指してます"って書いて来た時にはびっくりしました。

山本:当時はもうホントに"競馬ファン"でしたからね。最初は兄が買っていた「サラブレ」とか「テシオ」とかを見ていたんですが、中学校の時の担任の先生も競馬が好きだったんですよ。日曜日に社会見学と称して盛岡競馬場に連れて行ってもらったりして。その頃は忍さん(村上忍騎手)が好きだったんで、忍さんばかり見つめてましたね。「テシオ」はプレゼントが当たったんですよ。渡辺さん(渡邉正彦元騎手)と小野寺さん(小野寺純一元騎手)のピンバッチが当たって凄く喜んでました。

横川:その頃はどんな楽しみ方をしていたんですか。

山本:ノートに騎手の成績とかプロフィールとかを調べて書き込んで......。憧れの対象ですよ、もう。今でもなんか凄いなって思う時がありますよ。あの憧れだった人たちと一緒にレースで戦ったりプライベートで遊んでもらったりするんですから。

横川:基本的には競馬ファンなんだ?

山本:そうですね、ファン、おたく......。競馬が好き。そして馬っていうよりは騎手が好きですね。どんな乗り方をするのか、どんな人なのか興味深くて。中学生くらいの頃は騎手になるという事自体がスゴイ事だと思っていましたから、騎手になった自分がパドックを回ったりレースに乗っているのを想像して"そうなったら凄いな"って。だから兄がデビューして騎手になったじゃないですか。そんな憧れの騎手たちと一緒にパドックを回っている。一緒に生活をしてるんだ......と想像すると、兄が"凄い"って思った瞬間でしたね。

横川:さて、自身が騎手になるために教養センターに入りました。その頃は順調だった?

山本:入った当初は騎手になるってどんな事なのか分からない部分もありましたが、いざ始まればそんな事を考える暇もないくらいのめり込んでいきましたね。基本馬術の時は身体が小さい事もあってたいへんでしたが、競走騎乗をやる頃になったらだいぶ自信がついて来ました。

横川:そして騎手としてデビュー。兄弟で戦う日が来ましたが......。

山本:今だから言える事ですが、最初の頃は正直辛かったですね。同期の悠里(高橋悠里騎手)が先に活躍しているのに自分はレースに乗れない日もある。がむしゃらに乗ってがんばらないと、どんどん取り残されていくような感覚になって。このままでは自分が騎手をやっていたかどうかすら印象が残らずに終わってしまうのでは......と悩みました。

横川:そんな頃に高知の全日本新人王争覇戦で優勝しました(2007年)。

山本:本当にしんどい時期だったので嬉しかったですね。同じくらいのキャリアの騎手の中で勝てたのですから。

横川:その時岩手では、存廃論議で大もめの時期。ちょうど存廃の採決の日で、高知に行けなかったのを残念に思っていました。

山本:これも今だから言えますが、高知で悠里と"岩手の騎手としては最後の騎乗になるのかな......"なんて言いながら乗りました。岩手の情報は調教師が逐一伝えてくれて。自分が優勝したと伝えると喜んでもらえました。

横川:県議会の建物に関係者で詰めていて、暗いムードだった所に優勝の報が届いて皆喜んだね。

山本:中学校の時の先生が高知まで来て見ていてくれたんですよ。それも嬉しかったですね。

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横川:そんな聡哉騎手もいまやリーディング上位を争うようになりました。

山本:うーん。自分の腕にはまだそれほど自信がないですね。良い馬に乗せてもらえている、いろいろ恵まれている......そんな風には思いますけども。今年はデキ過ぎだと思っています。来年もこんなうまくいくとは思えない。調子が悪い時が来ても乗せてもらえるかどうか。乗せてもらえるように心がけていかないと。

横川:内田利雄騎手が、聡哉騎手の事を高く評価していましたよ。

山本:最初に来た頃からいろいろとアドバイスをもらっていたんですが、今年来た時には"自分からレースを動かす事も覚えていかないとね"という助言をいただきました。周りに合わせるだけじゃなくて自分でレースを作れ、と。これまで何年かにわたって、自分ができる事に合わせて徐々に助言のレベルも上がってきて、最後に一番大事な事を教えてもらえたんじゃないかと思います。

横川:ふむ。では来年もこんな活躍をするにはどうすればいいと思いますか。

山本:自分ががんばるのは当然として、周りとのコミュニケーションをきちんと取っていくのが大事かなと。

横川:それはどういう意図で?

山本:やっぱり競馬は自分だけの力でやっているものじゃないですから、関係者の皆さんと良い関係を作っていかないといけないと思っているんです。自分の最初の何年かの苦しい時期の事を考えてみると、例えば成績的に奮わなくても乗せてもらうには、普段から周りから好かれるような人間でないといけないんじゃないか。周りの関係者の皆さんと気持ちよく仕事ができる関係が作れていれば、自分が苦しい時でも周りに支えてもらえるんじゃないか? そんな風に思うんです。

横川:騎手として、人間性も重要だと?

山本:先輩たちを見ていても、いい成績を挙げている人たちは人間性の面でも優れている......と感じますね。自分もそうであろう、自分もそうなりたいと思っています。

横川:ちょっと珍しい考え方ですよね、騎手としては。

山本:よく言われます。"人間関係として見ているんだね"って。でも、自分にはすごく苦しい時期があったんで、そんな中でも雑に乗らない・苦しくても丁寧に人と人との関係をつくっていく。そう心がけようと考えたんです。きちんと土台を作らないと何かあった時に崩れるのも早いだろう。それが自分が苦しかった時期に行きついたひとつの答えですね。

横川:さて、聡哉騎手といえば三兄弟が騎手になっていますが、兄・政聡騎手は聡哉騎手にとってどんな存在ですか。

山本:最初にも話しましたが、小さい頃は兄の後ろをついていく弟だったんです。兄は昔からなんでもできて、何をするにも一緒で。そんな兄が騎手を目指したから自分も騎手になろうと思ったし、実は兄が競馬学校に入って半年ほど経った頃ですか、このまま続けるかどうか悩んでいた時期があって。兄が苦労したり悩んだりしているから"騎手って厳しいんだ"という心構えもできた。自分や弟は兄の切り開いた道を通る事ができたから良かったですね。兄弟で一番苦労したのは兄だと思います。

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兄・政聡騎手(右)と

横川:今年は兄をリスペクトする発言がよく出てきますよね。

山本:例えばダイヤモンドカップとか、ああいう思い切ったレースは兄にしかできない、自分にはできないと感じたんですよね。レースに関しての思い切りの良さは兄の方が上かなと。

横川:弟の聡紀騎手については?

山本:がんばってますよね。最初は兄と一緒にずいぶん心配したし、自分の経験からも"最初からうまくいく事はないんだぞ"とアドバイスしたりもしていたんですが、うまく周りと良い関係を作っているようです。あいつは世渡り上手なんですよ。もう大丈夫でしょう。だから最近はあまり細かい事は言わないようにしています。

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船橋からデビューした弟・聡紀騎手(写真は教養センター時代)

横川:いつか3人で戦う所を見たいですね。

山本:自分もやってみたいですね。去年あった"東北騎手招待レース"みたいなので弟を呼んでくれたらいいな。それぞれ性格も違うし、面白いレースになると思うんですよ。あの二人が真面目な顔してゲートに入っているのを見ると、自分は後ろで笑っちゃうかもしれませんね。なにか良い機会ができればいいですね。

yt05.jpg

インタビュー中にも出てきたが、以前「テシオ」という雑誌を出していた時、兄の山本政聡騎手から読者ハガキをもらった事がある。「騎手に憧れていて......騎手を目指していて......」というような事を書いてあった様に思うが、まあ中学生くらいの読者のハガキにはよく書かれている話。熱心なファンがいるな、とは思ったが、それ以上は特に気にもとめずにいた。

それが、その政聡君からハガキが来なくなってしばらくして、政聡君の弟と名乗る聡哉君からハガキが届いた。「兄は騎手を目指して競馬学校に入りました。自分もいずれ騎手になろうと思っています」。驚いた事ったらなかった。

しばらくして聡哉君からもハガキが来なくなった。その頃には兄のデビューが間近で、兄の口から弟君も教養センターに入った事を教えてもらった。

もう10年ほど前の出来事だが、いまだに忘れられない。競馬ファンから騎手に......というある意味競馬ファン冥利に尽きる路線。騎手としては楽しい事ばかりではなかっただろうが、これからも兄弟の活躍を楽しみにしている。

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※インタビュー・写真 / 横川典視

2012/12/26
岩手

山口 勲 騎手(佐賀)

11月24日・25日に東京競馬場でワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)が行われました。地方競馬代表は、佐賀の3000勝ジョッキー、山口勲騎手。大接戦となったスーパージョッキーズトライアル(SJT)を制し、WSJSの切符を手にしました。本戦初出場、そして東京競馬場も初騎乗という山口勲騎手に、このシリーズを振り返っていただきました。

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秋田:11月22日(木)に、WSJSのウェルカムパーティーに出席されましたが、雰囲気はいかがでしたか?

山口:やっぱり、何でもすごいって感じでしたよ。パーティーで寂しい思いをしないようにって言われてたから、レースより先にこっちの方ばかり考えちゃって。でも、知り合いもいるし、寂しい思いはしませんでしたよ(笑)。

秋田:東京競馬場での騎乗は初めてですよね。誰かにアドバイスを聞いたりしましたか?

山口:聞きませんでした。第1戦が本当に最初のレースだけど、とにかく馬場に出てみないと分からないですからね。そこは、自分の感覚でしかないと思っていました。

秋田:佐賀からは、どのように送りだされましたか?

山口:SJTの時は接戦だったから、騎手中間がかなり応援してくれたんですよね。今回ももちろん、がんばれと言ってくれました。

秋田:第1戦(芝1600m)は15着でした。初めての東京競馬場の感想は?

山口:圧倒されましたねぇ。スタートから3コーナーが見えないし(笑)。直線はもちろん長かったです。コースが広い分、左回りは思ったより大丈夫でしたね。でも1回乗って安心しました。

秋田:道中は好位の外で手ごたえも良さそうでしたが。

山口:はい、良い感じでしたね。陣営からは、キレる馬ではないと聞いていたので、あの位置になりました。でも4コーナー手前から手ごたえがあやしくなってしまいましたね。

秋田:第2戦(芝1400m)は、本当に見事な勝利でした! 馬に跨った雰囲気は?

山口:調子がいいって聞いていたので、感触は良かったです。でも、ゲートが良くなかったんですよ。中でガタガタ、蹴ったりして。あぁ、スタートが......って思っていたら、意外と上手く出てくれました。

秋田:3、4コーナー回って、直線に向いた時の感触はどうでしたか?

山口:東京競馬場は初めてだし、手ごたえのわりに、ちょっと先頭に立つのが早かったかもしれませんね。直線はとにかく一生懸命追いましたよ。ゴール板のところでやっと、勝ったと思いました。

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秋田:東京競馬場での騎乗2戦目にして、初勝利!! そして、JRA初勝利がこんな大舞台というのはすごいですね!!

山口:そうですね! みんなが注目しているレースで勝てて、とにかく嬉しいです。1レース目は少し緊張しましたが、2レース目は楽に乗れたというのが良かったのかもしれません。中央のファンのみなさんは自分のことをあまり知らないと思うから、少しでも顔を覚えてもらえたかなと。ウィナーズサークルは、やっぱりいいもんでしたよ。

秋田:第3戦(ダート1600m)は、区分Aの騎乗馬でした。結果が7着というのは、悔しかったのでは?

山口:内田博幸騎手から、もまれない方がいい馬だと聞いていたんです。でも、スタートで、ちょうど頭を上げた時にゲートが切られてしまって出遅れ。その上、出てからすぐ外から寄られてしまったから、外に出すこともできずに、馬群の中になってしまいました。結局、道中は動くに動けなくて。手ごたえもあったし4コーナーで少しでも空けば伸びる手ごたえはあったんですけど、まったく前が開きませんでした。馬にもかわいそうなレースをしてしまって、満足のいくレースじゃありませんでしたね。

秋田:外国人騎手とのレースは、馬群が固まっている感じですか?

山口:そうですね、詰まっていますよね。隙がないです。レースビデオを見ると、1戦目にしても自分は間が開いているなと感じました。でも、さすがにみんな綺麗に乗りますね。

秋田:最終戦の第4戦(芝2000m)は、14着。厳しいレースになってしまいましたね。

山口:道中、ついて行くのもいっぱいでしたから。なんとか内から伸びてくれないかと思ったんですが。

秋田:4レースに騎乗しましたが、全体的なレースの流れは違うものですか?

山口:芝自体あまり分からないし、流れは掴めない部分はありました。でもどの騎手も綺麗にのりますから、安心してレースはできました。それに、みんな意外と声をあげるんですよ。勝負どころもそうですし、スタートの時も。あんな風に声を出すとは思いませんでした。僕は声をあげるところまで行けなかったですけどね(笑)。

秋田:WSJSの最終結果は6位。終わってみての気持ちは?

山口:3戦目がうまくいかなかったので悔いは残りますけど、勝つこともできたし、自分の中ではとても良い経験になりました。この世界の15人の中で1勝できたんですもんね。でも、まだまだ勉強しなきゃいけないなと思いました。また来たいです!

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秋田:この2日間、山口騎手への声援も大きかったですよね。そんなファンのみなさんへメッセージをお願いします。

山口:横断幕も出ていたし、応援の声も多くてとても有り難く、嬉しかったです。これからもこういう機会があればがんばりたいと思いますので、応援よろしくおねがいします!

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※インタビュー / 秋田奈津子 (写真:斎藤修)

2012/11/29
佐賀

木村 健 騎手(兵庫)

園田競馬ファンの期待を一身に背負って、JBCスプリントに参戦したオオエライジン。願いは届かず、結果は6着。それでも地方馬最先着は果たしたのだから、メンツは保てたんだろうけど、やっぱり残念...。騎乗した木村健騎手に、話を伺って振り返ることにします。

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竹之上:調子は凄く良いって陣営から聞いていたけど、調教から乗っていてどんな感じだった?

木村:調子は絶好調でした。馬が沸いてましたもん。

「沸く」という表現を、他の地区ではどうかは分かりませんが。兵庫県競馬関係者は、よく口にします。絶好調のときに、力が漲っているように思える状態のとことです。細胞のひとつひとつが小躍りでもしているのでしょうか。

木村:これまで園田では元気でも、輸送をするとシュンとしてしまうところがあったんです。それが今回は川崎についてからも元気で、やっぱり輸送に慣れてきたんやなぁと思いましたね。

竹之上:うん、それは陣営もすごく気にしていたことやったけど、その元気さを見て、ひとつ課題はクリアできたと思ったわ。それで、本場馬入場のときに、サーッと馬場を流すのではなく、ゆっくり誘導場についていったよね。

木村:あれはね、ライジンに馬場をしっかり見せたかったんです。前走の大井では、ゲート地点で物見して、そこから動いてくれなかったから、結局走るところを下見させることができなかったんですね。だから今回はそのあたり不安を取るためにしたんですけど、しっかりできましたね。

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竹之上:不安と言えば、左回りの不安ってのもあったよね。

木村:調教では園田の内馬場を使って練習していたんですが、1回目は外に張って行きましてね、やっぱり無理なんかなと思ってたんです。でも2回目からはすんなり行って、やっぱり賢い馬やなと思いました。レースのときも返し馬で回ってみたんですが、何の問題もなく回れたので、おっ!これやったら行けるっ!と思いましたよ。

しかし、トップスピードでコーナーに入る実戦では、稽古とは大きな違いがあったようです。スタートは少し躓くようになりましたが、それでもスッと前に取り付き、4番手で1コーナーを迎えます。

木村:元気すぎで、以前によく出していた悪い癖の出遅れがないか心配してたんですが、それほど悪くなかったですし、前のグループについて行けましたね。ええ感じや!と思ってコーナーに入ったら、そこで外に張って行ったんです。やっぱりレースでは違いました...。

1、2コーナーで早くもムチを使って外に張るのを防ぐ木村騎手。

木村:外に張って行くので、肩ムチを入れてなんとか矯正しました。飛んで行ってしまいそうで、他の馬にも迷惑をかけるわけにいかないし...。

竹之上:向正面では内を突いて上がっていったよね。あのときの手応えは良く見えたんやけどね。期待は高まったよ。

木村:ぼくも向正面では、一瞬思いましたけど、最初にムチを入れてたんで、馬が行く気になっていましたからね。それで3コーナーに入ったらまた外に張って...。そこでまたムチを入れるわけですから、結局息が入らないんですよね。悔いが残ります。

さすがに息が入れられず向いた直線では、JRA勢の瞬発力に敵うはずもなく6着に沈んでしまいます。ただ、"悔いが残る"という木村騎手の言葉に、決して失望していない明るいものを感じとることができます。

木村:確実に成長を感じるんです。だからもっとスムーズにレースをさせられたら、いいレースができたんじゃないかってね。帝王賞(10着)のときは初めて内で包まれる競馬をして、頭を上げて馬がヤル気をなくしてしまってたんです。でも、東京盃(7着)のときは包まれても嫌気を出さずにレースができたんです。今回も輸送が一番良くて、レースでも怯むところはなかったですしね。

竹之上:落鉄もあったって聞いたけど。

木村:どこでやったかわわからないんですが落鉄していました。爪がめくれ上がって、人間でいえば深爪みたいになって、かわいそうでした。何度もコーナーでぎこちない走りをさせてしまったからですかね...。

竹之上:でも、悔しい思いがあるってことは、巻き返す自信もあるってことやね。

木村:左回りでも何度もやれば慣れては来るでしょうけど、使えるところがあまりないですし、やぱっり難しいでしょうね。でも、右回りやったら、慣れた園田の馬場やったら、巻き返せるという思いはあります。

竹之上:年末(12月26日)の『兵庫ゴールドトロフィー』やね!

木村:その前に『園田金盃』(1870m)を使います。今年からファン投票のレースになったので、選ばれればファンの期待に応えたいですし。でも、短いところを使って思ったのですが、やっぱり適性は短距離だと思います。だから、1400mの『兵庫ゴールドトロフィー』で迎え撃つつもりです。地元では負けられないって気持ちです。

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最後は力強く締めくくってくれた木村騎手。昨年3着に敗れてしまった舞台。1年を経て心身ともに成長を遂げたオオエライジンなら、きっと好結果をもたらすものと信じています。ファンの熱気に包まれながら行われる年末の大一番。歓喜に"沸いている"園田競馬場の光景が目に浮かぶ。

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※インタビュー / 竹之上次男

2012/11/16
兵庫

畑中 信司 騎手(金沢)

白山大賞典JpnIIIでは中央の強豪を相手に2着と健闘したナムラダイキチ。金沢の王者として君臨する、そのナムラダイキチの主戦をつとめるのが、デビューして12年目を迎える畑中信司騎手です。今年のシーズン前には福山での期間限定騎乗でも結果を残し、金沢のトップジョッキーのひとりとして活躍中です。

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大川:白山大賞典ではナムラダイキチで2着。

畑中:くやしいですねえ。もうちょっとがんばれるかな、とは思っとったんですけどね。周囲の期待は感じていましたね。レース中も、1周目スタンド前でスゴい声援があったんで、うれしかったです。道中、ボクがイメージしていたのよりペースが落ち着いたんで、向正面ぐらいで、『あ、これは3コーナーまでガマンすると、逃げてるエーシンモアオバーが残っちゃうな』と思ったんですよ。ニホンピロアワーズの手応えはハンパなかったんでね。『あ、ちょっとこれにはかなわんな』とは思ったんですが、エーシンモアオバーはかわしたいなって。

大川:ペース上がらず、よくなかった?

畑中:ああ、そうですね。2コーナーの立ち上がりのところで、一度ひかえてから外に出す感じになっちゃったんですよね。もうちょっとペースが上がっとったら、ひかえて出すっていうより、流して出せたんですけどね。できるものなら、もうちょっとスムーズに、サーっと出していけたらよかったですね。

大川:残り800を切る前に動きました。

畑中:ペースが遅いなと思ったのもあったし、外に出したときにダイキチがいい感じにちょっとハミとっちゃったんで、無理矢理おさえるよりも、このまま流してったほうがいいかなと思って。交わせるなら交わしちゃったほうがよかったんですけど、内の手応え見たら、もう絶対かわせないなと思って(笑)。それほどニホンピロアワーズの手応えは、良さそうでしたね、横で見とって。3コーナー過ぎまで行ってから、一瞬ビュッて離されたじゃないですか。離されて、直線入ってからちょっとフワフワしたんですよ、ニホンピロアワーズが。その時にもう1回、交わせるかなって思って(笑)、がんばってみたんですけど、でも追いつかなかったですね。

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イヌワシ賞(2012年9月4日)勝利時のナムラダイキチ(撮影:石川県競馬事業局)

大川:ナムラダイキチはよくやったという声も大きいですが?

畑中:ゴールしてからも、上がってきたら、「ようがんばった!」って、ファンの方から。負けたのにねえ、大きな声援を(笑)。2着でようがんばったって拍手もらったり、声援をあびるのは初めてですね。また来年はいいとこ見せられるように、交流重賞でがんばるので、応援よろしくお願いします。ボクも、『ナムラダイキチさん、ホント、ありがとうございました』って感じです(笑)。

大川:その後のナムラダイキチは?

畑中:涼しくなったせいか、またより一層元気になっちゃいましたね(笑)。白山大賞典でけっこうダメージ食らうかなと思ってたら、逆に元気になった(笑)。若さなんやろなあと思いますけどね。回復力がハンパねえな、って。タフですわ、ホントあの馬。

大川:ナムラダイキチは、これまでに出会った馬のなかで...。

畑中:一番ですね、やっぱ。レースに関しても無駄な動きをしないですね。遅くなったら遅くなったペースで走れるし、速くなったら速くなったペースでも走れるし。無駄に、こう、ガーって引っかかったりとかしないんですね。で、行くときはちゃんと行ってくれるし。一完歩がでかいですね。それもいいところだし、頭もいいし。競馬に行っても頭がいいですね。教えられることばっかりですね。

大川:出会ったことについて。

畑中:ホント感謝してますよね。ダイキチさまのおかげで、ボクもこうやってインタビューを受けさせてもらったりとか、みんな注目してくれたりとか。結局、乗り役なんて見られてナンボの商売ですからねえ。ホントありがたいです。

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大川:騎手になったキッカケは?

畑中:中学校のときに、アレを見に行ったんです、阪神大賞典。96年の、ナリタブライアンとマヤノトップガンの一騎打ち。ナマで見て、うわ、めっちゃカッコええやん、って。競馬ナマ観戦は、そんとき初めてだったんですよ。テレビでしか見たことなかったのが、初めてのナマで、あの一騎打ちを見てしまって。乗り役になりたいなと。母に騎手になりたいって言ったのは、中学校の進路相談の三者面談のときにね。先生に「畑中くん、何にするの?」って聞かれて、「ボク騎手になります」って言ったら、「はぁ!?」って(笑)。お母さんも初耳、先生も初耳(笑)。結局、ダメだって言われて高校に進学したんですけど。高校3年生のまた進路相談のときですわ、先生に「どうするんや」って聞かれて、「進学します」って言って、「進学ってお前、学力ないのに進学できんぞ」「いや騎手になりたいんで、その学校に」って言ったら、その先生も、「そんなんなりたかったんや」っていうふうで、けっこう動いてくれたんです。一度、中央の試験受けて、不合格で。で、近くの貝塚市にある牧場、春木競馬で厩務員やってた方の牧場かな、そこで「お願いします」って言うたら、「そんなら知ってるやつが金沢で調教師やってるから、そこで面倒見てもらえや」みたいな。そこで(現在の師匠である)寺田茂先生を紹介してもらいました。

大川:ナムラダイキチとコンビを組んでもうすぐ1年、冬季の期間限定騎乗でも結果をだしました(騎乗期間終了時点で福山リーディング1位)。

畑中:福山では、そんなに勝てると思ってなかったんですけど、行く前に寺田先生にも気合い入れられて。春木におった厩務員さんとかが福山で働いてるとか、けっこうおるらしいんですわ。「お前、オレの勝負服着て行くんやから恥をかかすなよ」って。ボク、先生の勝負服デザイン、もらったんですよ。乗り役として、コレはみんなよりうまいんちゃうかなあと思うワザをみがかないといけないな、と思うんですけどね。逃げるのは、あんま好きじゃないんですけど、周りのひとから見ると、『逃げたら残るじゃんアイツ』、みたいに見られることが多いんですよ。でも、ボクとしては、逃げ方が上手くなったのは、福山での騎乗が大きいですね。アレはホント勉強になりましたよ。ホント、今年は上手な逃げ方を覚えさせてもらったなあ、あの競馬場では。ダイキチに乗るようになって、乗り役として、自信が持てるようになりましたね。他のレースでも、落ち着いて周りが見えるようになりました。余裕、ゆとりがあるから、『ああ、前にコレとコレとコレがおって、ああ、コレとコッチは下がるし、コレの後ろではアカンし』みたいな。以前よりそういうものを、敏感に感じるようになりましたね。気持ちにゆとりができたんでしょうね。他の馬に乗っても、その馬の力のある程度の容量なんかを、敏感に感じるようになりましたね。もう今年は、ダイキチでも福山でもスゴい勉強させてもらいましたね。ホント、充実した1年でした(笑)。

大川:まだ今年、終わってませんが(笑)。最後に金沢を代表する騎手としてひと言。

畑中:ボク自身、知名度が上がるような活躍して、金沢競馬のために宣伝でもなんでもして、普段は競馬しないひとでも、「あんなイケメンジョッキーが乗ってるなら行ってみようか」って思ってもらえるならうれしいですね(笑)。

大川:金沢競馬のイケメンは誰ですか?...畑中騎手以外で。

畑中:ボクをのぞくとですか? ドングリの背比べですね(笑)。

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※インタビュー / 耳目社・大川充夫

2012/11/09
金沢

桑村 真明 騎手(北海道)

若手騎手の台頭が目立つホッカイドウ競馬の中でも、ここ数年リーディング上位に入る活躍をみせている桑村真明騎手。今年8年目の25歳で、435勝をあげています(10月27日現在)。10月25日には、エーデルワイス賞をハニーパイで制しました。

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斎藤:エーデルワイス賞、おめでとうございます。前回は先行しましたが、今回は好位につけて抜け出しましたね。

桑村:ありがとうございます。流れが速かったので、そのまま流れに乗っていきました。もともと臆病なところがある馬ですが、今回は周りにも動じず、折り合いを取ることができました。状態も良かったのもあるのでしょう。

斎藤:では、騎手になったきっかけを教えてください。

桑村:出身は東京の神田です。父親が競馬ファンで、小学生のころから競馬中継を見ていて、中学の時に騎手になりたいと思いました。中学3年の時にJRAの試験を受けたのですが、落ちてしまって。北海道の大地に憧れたこともあって、高校1年の時に、競走馬の牧場にアルバイトに行きました。牧場に片っ端から電話して、競走馬のふるさと案内所に紹介してもらった牧場を経営していたのが、中村光春調教師の息子さんだったんです。「地方はどうだ」と聞かれて地方競馬のことを知り、翌年教養センターに入所しました。しんどかったですね。仲がいいのは高橋悠里(岩手)です。一昨年南関東に行った時には、町田直希(川崎)とよく遊びました。

斎藤:そして中村光春厩舎からデビュー。中村先生がその年に定年を迎え、清水日出夫厩舎に移籍しましたが、翌年清水先生が他界されて、角川厩舎へ。

桑村:勝負服はナイターでも目立つようにと考えました。
最初は生活が慣れなくて。朝早いのが辛かったです。仕事は多いし。
光春厩舎時代の兄弟子は服部さんで、今でも目標です。また、騎手時代に光春厩舎に所属していた角川先生の話をよく聞かされていました。「調教がうまい」と。

斎藤:角川厩舎に所属した3年目から、リーディング8位と成績が伸びましたね。

桑村:いい馬に乗せてもらっているからです。よく角川先生に言われるのは、「スタートが大事」「人間の気持ちが馬に伝わる」ということ。先生は、2歳の馴致でも、他の人がやっても動かせない馬を動かすし、おとなしくなり、折り合いもつく。

斎藤:角川厩舎の2歳の活躍の理由がみえた気がします。冬の馴致は大変ではないですか。

桑村:先生も一番大事にしているので、辛いけど頑張ります。ここでしっかりやらないと、翌年走らないので。

斎藤:活躍していた2歳が道営離れたら寂しくないですか?

桑村:「勝ってるな~」って。離れれば気にしないんです。

斎藤:今年は春に怪我をされましたね。

桑村:調教中、ひっくり返って馬の下敷きになり、耳の骨を折りました。1年目の冬に骨折したくらいで、あまり大きなケガはないですね。休んでいた時に阿部騎手がかなり乗れていたので、負けてられないな、と思いました。

斎藤:弟弟子(阿部龍騎手)の活躍もすばらしいですね。

桑村:兄弟子っぽいことはしていないですよ。ものすごく刺激になっています。自分はせわしない乗り方をしますが、龍は落ち着いてるんです。

斎藤:勝負服もですが、乗り方が似ているように見えます。

桑村:勝負服は調教師と決めたみたいなので、僕のとは関係ないんじゃないですか(笑)。背格好が似てるんです。僕の身長は167cmありますが、今は減量は楽です。3~4年前は辛かったんですが、その時期を通り過ぎました。

斎藤:思い出に残る馬は。

桑村:やはり、イナズマアマリリスですね(2008年9月20日、JRA札幌2歳500万下を最低人気で勝利)。正直、期待はしていなかったです。この直後から、中央に行くと乗せてもらう馬が増えました。気は悪くて......。

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桑村:それと、ビッグバン(2009年ブリーダーズゴールドジュニアカップなど)。とても素直な馬で、調教も思った通りに動くんです。道営に戻ってきましたが、以前のような活躍ができず、ちょっと残念ですね。
ストーミングスター(イノセントカップ勝利)は器用な馬なので、これから走ってきそう。そしてハニーパイですね。

斎藤:新しく競馬場にできた坂路馬場の成果は出ていますか。

桑村:うちの厩舎はあまり使わないんです。自分が調教をつける中では、佐久間厩舎や齊藤厩舎が使っていますね。追い出しの反応がいいような気がします。乗っている方はゆるやかで、そんなにきつくは思わないんですけど、馬はゼイゼイいってますね。

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斎藤:普段の生活を教えてください。

桑村:2時半に起きて、3時に厩舎へ。それから12頭くらい調教をつけて、9時半に終わってあとは競馬やフリー、という生活です。
あまり趣味はないんですよね。たまに札幌に買い物に行くくらい。家では「ミー」という名前のポメラニアンを飼っています。
仲がいいのは(黒澤)愛斗、岩橋さん、(川島)雅人さんですね。ご飯食べに行くくらいですけど。甘いものが好きで、競馬場の近くにある「パサパ」というケーキ屋によく行きます。朝飯ケーキでもOK。一番好きなのはイチゴタルトですね。
自分の性格はネガティブ。周りに言われても気にしないけど、自分で追い詰めるんです。

斎藤:意外な気がしますが、追い詰めて力を出すタイプなのですね。さて、今年も12月3日から約2カ月、南関東(川崎・佐々木仁厩舎)の遠征ですね。

桑村:2年前初めて行きましたが、厳しかったです。流れが全然違う。シビア。大井の内回りはコーナーがきついし、川崎は左だし。門別は調教も右回りだから、左回りには自分が慣れていないんです。門別は広くて乗りやすいし、馬にも優しい馬場です。
なくなっちゃいましたけど、旭川は小さいけど乗りやすくて好きでしたね。町が近くて楽しかった(笑)。残ればよかったな。

斎藤:今後の目標を聞かせてください。

桑村:リーディングとってみたいです。今年は五十嵐さんがすごいですね。五十嵐さんも目標にしています。
ファンの方には、ぜひ2歳戦を見に来てほしいです。

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※インタビュー / 斎藤友香

2012/11/02
ホッカイドウ

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