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今週のみどころ(7/22〜7/24)

 先週もお伝えしたとおり、23日(日)の北斗賞を皮切りに、真夏の重賞路線がスタートします。このレースの詳細は北斗賞プレビューを見ていただくとして、ほかにもキロロ特別(550万)、ニセコ特別(800万)など注目のレースが行われます。また、ばんえい競馬応援「賭け支え弁当」なども発売される予定。いよいよ熱くなってきた岩見沢開催に、今週もどうぞご期待ください。
 22日(土)のメインレースとして行われるのはキロロ特別(3歳以上550万円未満)。このクラスをにぎわす各馬が出走し、非常に楽しみな一戦です。中心はミスターハヤサキやタカラテンクウ、プランドルドラゴンあたり。前走で人気を裏切ってしまったミスターハヤサキですが、元来岩見沢コースを得意としており、一戦だけでは見限れません。巻き返しが十分に期待できそうです。タカラテンクウは470万平場、そして前走のウトナイ特別と2連勝。調子が上がっていることは確かで、ここも争覇圏でしょう。ただこのクラスでの実績が前走のみで、それをどう評価するかが予想のポイントかもしれません。タカラテンクウと同じく昇級間もないキョウエイボーイとスギノフィリオ、逆にこのクラスで好走実績があるプランドルドラゴンまでが好勝負圏内でしょう。
 23日(日)は重賞の北斗賞(3歳以上オープン)が行われます。このレースについては「北斗賞プレビュー」をご覧ください。
 この日の第10レースに行われるのは旅コミ北海道協賛競走黄金岬特別(3歳以上470万円未満)。実力伯仲の難解なメンバーとなりましたが、コマタイショウやヒカリニセイ、ヨコハマイサムなど、550万クラスを相手に戦ってきた馬が中心となるでしょう。ほか前走の平場戦を勝ったロングトップなども侮れません。
 なお第6レースには2歳A-1戦が組まれており、シベチャタイガー、アローファイター、コーネルフジの3強に加え、通算4戦3勝のフジノイッシンが出走します。こちらも注目です。
 24日(月)はニセコ特別(3歳以上800万円未満)が行われます。ここには好調のフクイズミを筆頭に、骨のあるメンバーが顔をそろえました。中心はもちろん、そのフクイズミで、今季は4戦3勝。末脚一本勝負のみならず、先行する競馬を見せて好調を維持しています。今回のメンバーなら圧倒的人気となるでしょうし、さらにその人気にこたえる可能性もかなり高いといえそうです。ホクショウファイトも好調ですが、フクイズミを下すイメージは湧いてきません。ただここ2戦は3着続き、しかも先着された相手がフクイズミ、カネサブラック、サダエリコという面々では仕方がないところ。ここも上位争いを演じることができるでしょう。今季快進撃を続けるエビスオウジャは、今回が昇級初戦。オープン返り咲きを目指して、まずはここが第1関門となりそうです。

レース回顧(7/15~7/17)

2006年7月18日(火)

 15日(土)に行われたルスツ特別(3歳以上650万円未満)は、牝馬のワンツー決着。3番人気のプリティブライトが優勝して、今季2勝目を挙げました。3番手で障害を越えたプリティブライトは、安定感のある末脚を発揮。まずはイケダガッツを捉えると、先頭を行くギャンブラークインがストップした隙を突いて先頭へ。その後はほぼ併走状態となりましたが、ギャンブラークインの追撃を振り切ってゴールしました。人気の一角レオユウホーとミスターセンプーは、ともに障害で大苦戦して7、8着に敗れています。
 第10レースに行われた3歳以上オープン混合は、シンザンウィークが優勝して今季初勝利。ここまで苦戦が続いていましたが、岩見沢開催に移って2、5、1着と、ペースをつかみ始めたようです。2着プリンセスサクラコで、3着にツルマキシンザン。
 16日(日)のメインレースは、ホテルミリオーネ協賛競走ばんえいプリンセス賞(3歳牝馬オープン)。ここは徐々に成績を上げてきていたサクラガサイタが優勝しました。アグリミズキが真っ先に障害をクリアして、2番手追走となったサクラガサイタでしたが、アグリミズキの脚が鈍ったと同時に先頭へ。キョウワプリンセスや人気のエメラルド、ニシキユウらも追い込んできたものの、それらを寄せつけずにゆうゆうとゴールしました。2着にキョウワプリンセス、以下エメラルド、ニシキユウの順で入線しています。
 17日(月)のメインに行われたのはライラック賞(4歳オープン)。トップハンデのカネサブラックが力でねじ伏せ、今季4勝目。相変わらずの好調ぶりを見せつけています。レースは、ナリタボブサップとスーパーロイヤルが真っ先に障害を抜け出す展開。3番手でクリアしたカネサブラックは、障害を下りてから一気に加速。あっという間に先頭に躍り出ると、トップハンデをものともしない走りを見せ、そのまま1着でゴールしました。2着はカネサブラックと並んで障害を越えたキョウワテンリュウ。末が甘くなったナリタボブサップを、ゴール前で捉えたスーパーロイヤルが3着。人気のスーパークリントンは障害で手間取り、6着に敗れました。

映像はこちら

馬券おやじは今日も行く(第21回)  古林英一

2006年7月14日(金)

街なかの馬

 本来、小生、岩見沢開催は得意なのである。1回岩見沢こそ不本意な成績であったが、2回岩見沢になって、俄然本領発揮なのである。1回岩見沢前半戦3日間のうち、2日間は収支プラス、1日はプラマイゼロという、いわば完璧に近い戦績であった。後半戦も収支的にはプラスである。ついでにいうと、競輪のほうも調子上昇である。日々コツコツと積み重ねてくると成果はあらわれるものである。人間努力が肝心である。ここらが小生のまじめなところなのである。

 さて、今回は久々に昔の馬の話である。ばんえい競馬は「農耕馬のレースだった」と書いてあるものをみかけることがあるが、実は、必ずしもそうではない。もちろん、農耕馬が多数出場していたのも事実だが、トップレベルで活躍していた馬の多くは、いわゆる農耕というよりは、山林作業であったり、運搬業で働いている馬だった。農家で通常飼われていたのは牝馬(繁殖・作業兼用のため)であった。

 では、街のなかで働いていた馬というのはどのようなものだったのか。これが、実は、よくわからないのである。そもそも、そういう馬が何頭くらいいたのかも今となってはよくわからない。

 馬車運送の話を教えてくれる人がいないだろうかと、北海道トラック協会にお願いしたところ、札幌市の中村運送の中村光雄会長を紹介していただくことができた。中村会長のお世話で、中村会長の他に当時のことをよくご存じの方3人にお話をうかがうことができた。以下はそこでうかがった話である。

 1950年代の半ば頃、札幌市内には大小20以上の運送業者があり、殆どは馬を使っていたという。中村運送(当時は中村組)は大手といっていいくらいだったが、使っていた馬は20頭くらいだったという。近隣の農家などから、馬と馬車(保道車というゴムタイヤ付きの車両)を連れて働きに来ていた人の馬が15頭くらいで、自社馬は5頭くらいだったという。ちなみに、日通は全部自社馬だったようだ。

 鉄道貨物の市内配送が主たる仕事で、札幌の場合、苗穂駅に着いた荷物を馬車に積んで市内の配送先に運んでいた。もちろん、それだけではなく、今トラックで運ぶものはすべて運んでいたといっていいようだ。

060713_1  写真は1957年、丸井今井百貨店に北海道初のエスカレータが設置されたときの写真である。当時、苗穂にあった三菱電機の工場から大通の丸井今井百貨店まで運んだ。3頭の馬が写っているが、真ん中の馬を曳いているのは今回お話をうかがったうちのお一人である高橋さんである。

060713_2  1960年代になると馬は急速に街のなかから姿を消していくが、中村運送の場合、1966年頃まで馬車が使われていた。写真はその最後の馬車である。えらく大きな荷物を積んでいる。こうした長大な荷物の運搬には馬車がよく使われたようだ。

 お話をうかがったうちのもう一人、鳴海さんによると、べろんべろんに酔っぱらっても馬はちゃんと家に連れて帰ってくれたそうで、そう考えるとトラックには代え難い機能もあったということである。

今週のみどころ(7/15〜7/17)

 今開催は23日に重賞の北斗賞が行われます。詳細は来週お知らせしますが、ここには重賞2連勝を狙うサダエリコ、オープンの中心的存在ミサイルテンリュウ、古豪ミサキスーパー・シンエイキンカイ、そして岩見沢巧者アンローズと楽しみな馬が出走を予定しています。北斗賞のみならず、前半の16日にはばんえいプリンセス賞、17日にはライラック賞など、今後の重賞戦線を占う一戦が多数組まれているので、今開催もぜひばんえい競馬にご注目ください。
 15日(土)に行われるのはルスツ特別(3歳以上650万円未満)。このクラスの中心馬だったエビスオウジャが昇級、スーパークリントン、ナリタボブサップが17日のライラック賞にまわった関係で、にわかに混戦模様となった一戦です。そのなかで期待が持てそうなのはミスターセンプー。前走のジュライ特別こそ5着に敗れ、ハマナカキングやギャンブラークインにも先着を許しましたが、この2頭に決定的な差をつけられたわけではありません。今季序盤、つねに安定したレースをしてきただけに、巻き返しの可能性は十分といえるでしょう。ほかは実力的にほぼ横一線ですが、イケダガッツ、レオユウホーなどが好勝負を演じてくれるでしょう。
 16日(日)のメインレースはばんえいプリンセス賞(3歳牝馬オープン)。黒ユリ賞馬キタノパワーの出走こそありませんが、昨年の2歳牝馬戦線を引っ張ってきたエメラルドがエントリーしています。前走はいいところなく8着に敗れたものの、その前は2、1、1着と好成績。全7勝のうち5勝を岩見沢で挙げていることもあって、ここも十分期待できるでしょう。近走好調のニシキユウももちろん勝ち負けを演じられそうで、サクラガサイタ、アグリミズキなどにも期待が持てそうです。
 17日(月)は楽しみな一戦、ライラック賞(4歳オープン)が組まれています。オープンまで昇級したカネサブラック、実力派のスーパークリントン、先行力抜群のナリタボブサップ、そして今季初戦の前走を快勝したウィナーサマーと、そうそうたる面々がそろいました。なかでも期待したいのはスーパークリントン。前走ビッグウエイトカップでも2着に食い込み、今季は5戦5連対。650万クラスという立場から、カネサブラックとの重量差で大きなアドバンテージを得ることもできます。ここは陣営も気合が入る一戦でしょう。ほか注目したいのはウィナーサマー。前走の混合800万円未満(1着)は、相手関係が比較的楽だったといえます。ただ今回の負担重量670キロは明らかに有利。それを生かした先行策で、どこまで太刀打ちできるかが焦点でしょう。カネサブラックはトップハンデ710キロとなりますが、実力は上位。力でねじ伏せることができるか注目。もちろんナリタボブサップも争覇圏です。

レース回顧(7/8~7/10)

2006年7月10日(月)

 8日(土)に行われたカルルス特別(3歳以上390万特別)は、ハイタワーの10連勝なるかが焦点でした。他馬より5~10キロ重い負担重量でしたが、結果見事に快勝。その勢いを存分に見せつけました。第2障害を2番手で越えたハイタワーは、まもなく先頭へ。残り20メートル付近から、3番人気のムソウリキが猛追してきましたが、それをなんとか振り切ってゴールイン。これまでの楽な勝ちっぷりに比べれば苦戦した印象ですが、それでもしぶとく粘りきったのは底力の証明。今後も活躍が期待できそうです。
 この日の第10レース、混合800万円未満の一戦は、今季初出走となるウィナーサマーが快勝。ライジングサン、アオノキセキと並んで障害を下りると、止まることなく歩ききって先頭でゴールしました。今回は松井浩文厩舎に転入しての初戦でもあり、リーディングをひた走る松井厩舎にとっても頼もしい1頭が登場したといえるでしょう。
 9日(日)のメインレースはビッグウエイトカップ(3歳以上、高馬体重馬選抜)。ここは格の違いを見せつけてヨコハマボーイが快勝しました。1番人気のスーパークリントンと並んで障害を下りたヨコハマボーイは、そこからジワジワとスーパークリントンを引き離し、止まることなくゴールイン。今季初勝利で復活を印象づけましたが、ただ、今回は一線級と比べると一枚落ちるメンバー。真価が問われるのは今後ということになりそうです。2着スーパークリントン、3着は8番人気のレオユウホーでした。
 その前の第10レースは混合別定800万円未満。1日のジュライ特別(650万)、2日のマロニエ賞(オープン)、3日のエルム特別(800万)の出走馬による2度使い勝抜戦でした。ハイレベルのこの一戦を制したのは、前走で連勝が止まったフクイズミ。第2障害を2番手で越えると、先頭のホクショウファイトを一気に交わし、追いすがるサダエリコを振り切ってゴールしました。10キロ差があったとはいえ、サダエリコを振り切った確実な末脚は、さすがのひとこと。障害の安定度、末脚の確かさは、オープン一線級が相手でも通用することを証明しました。サダエリコは第2障害でのヒザ折りがこたえたとはいえ、2着確保ならまずまずの結果。目標は先でもあり、今後に期待といったところでしょう。3着ホクショウファイトは、さすがに相手が悪かった印象。
 なお、この日の第4レースに行われた2歳A-1戦は、シベチャタイガーが勝利。障害をひと腰であっさりクリアすると、そのまま後続を寄せ付けませんでした。2着は3番人気アローファイター、2番人気のコーネルフジは見せ場なく9着に敗れています。
 10日(月)のウトナイ特別(3歳以上、勝入混合別定550万円未満)は、タカラテンクウが優勝。2連勝を果たすとともに、今季の岩見沢2勝2着1回の好調ぶりを示しました。第2障害はスギノフィリオ、キョウエイボーイ、プランドルドラゴンらが並んで下りる展開。タカラテンクウも少し遅れてクリアしました。残り20メートル付近からスギノフィリオが抜け出し、勝負あったかと思われたところ、ジワジワとタカラテンクウが差を詰め、並んだところがゴール。わずかながらタカラテンクウが先着しました。今季は2回ほど着外に沈みましたが、それ以外8戦はすべて3着以内の安定した成績を残しています。巻き返しを狙ったスギノフィリオは、敗れたとはいえ、ほぼ勝ちに等しい結果。相変わらず好調のようで、今後も期待が持てるでしょう。なお、1番人気ミスターハヤサキは5着に敗れています。

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