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8/13ばんえいグランプリ予想 古林英一

性懲りもなく両巨匠に挑戦
~誕生日の女神頼み

 2006年8月13日はばんえいグランプリである。8月13日、奇しくも小生の生誕48周年記念日でもある。この年になれば誕生日といってもさしてめでたくもないが、誕生日の馬券くらいはバッチリ的中させたいものである。
 ふつうに考えれば北斗賞の再戦で、順当にいけば、ミサイルテンリュウ・サダエリコの2強対決であろう。だが、それでは馬券的にはつまらない。先日のBANBA王で、BANBA王総合プロデューサーの野田さんが超万馬券を的中したことにふれ、小寺さんが「私たちが推奨する馬なら超万馬券は獲れませんよ」とおっしゃっておられた。確かに、有力馬が想定された実力通りに走れば超万馬券にはならないのである。
 そこで狙いは夏の女神・アンローズである。アンローズは今度で117戦目(中止も含む)となる。これまで116戦25勝であるが、岩見沢では38戦14勝で、岩見沢は大の得意。それだけなら新聞をみればわかる話だ。だが、この14勝の内訳をみると、1番人気で勝ったのはわずか4回しかないのである。つまり、他の馬が人気しているときに好走するのである。4歳時、ライラック賞でグレートサンデー、キングシャープらを降して優勝したときは4番人気。スーパーペガサス、ミサキスーパー、ヒカルセンプー、キングシャープらを降した紅バラ賞が6番人気。スーパーペガサス、ミサキスーパー、ヨコハマボーイに勝った一昨年の岩見沢記念が3番人気。そして昨年の岩見沢記念ではスーパーペガサス、サダエリコ、ミサイルテンリュウらを相手に優勝したのだが、このときも3番人気であった。
 そして、今回のグランプリ。人気はミサイルテンリュウ、サダエリコであろう。もしかすると、前走サマーカップの勝ち馬トモエパワーあたりのほうが上位人気になるやもしれぬ。こうなると、いよいよ、女神アンローズ降臨の公算大なのである。
 結論としては、

  ◎アンローズ
  ○サダエリコ
  ▲ミサイルテンリュウ
  △トモエパワー

ということにし、馬券的には、アンローズを頭に馬単で、サダエリコ、ミサイルテンリュウを厚めに、それ以外の馬にも総流しで薄めに。裏も少々押さえておきたい。これで備えは万全。

今週のみどころ(8/12〜8/14)

2006年8月11日(金)

 いよいよ、真夏の大一番ばんえいグランプリが行われます。スーパーペガサスやエンジュオウカンは回避しましたが、それでも精鋭10頭が駒を進め、楽しみなメンバー構成となりました。なお、今回ファン投票をされたかたには賞品が用意されており、その抽選がレース当日、岩見沢競馬場にて行われます。こちらも楽しみにお待ちください。
 12日(土)はメインレースにじゃらんカップ(3歳以上550万円未満)が行われます。ここは、前走650万クラスとの混合戦を制したハヤテショウリキが有力。その前走は一気の相手強化でしたが、ウィナーサマーやギャンブラークインなど強豪牝馬を下して快勝。その実績を考えれば、550万クラスでも中心勢力となりうるでしょう。毎回上位争いを演じているスギノフィリオも争覇圏。キングマンやタカラテンクウ、キョウエイボーイらも好勝負を演じてくれることでしょう。
 13日(日)は重賞のばんえいグランプリ(3歳以上オープン)が行われます。このレースについては別掲のばんえいグランプリプレビューをご覧ください。
 その前の第10レースに行われるのは大倉山特別(4歳オープン)。いまをときめく4歳馬10頭がエントリーしてきました。トップハンデを課せられたカネサブラックですが、前走ライラック賞の、重量を感じさせないレースぶりからいって、ここも中心となるでしょう。そのライラック賞2着のキョウワテンリュウも好調で、再度の好走が期待できそうです。もちろんナリタボブサップ、ハンデに恵まれるウィナーサマーも好争覇圏。スーパークリントンは取消明けだけに状態次第といえそうです。
 14日(月)はリーディング上位騎手による一戦ゴールデンジョッキー賞(3歳以上800万円未満)。騎乗馬は抽選となるため、各馬の新しい魅力が引き出される可能性もあります。それだけに予想が難しいですが、実力からすれば前走オープン混合を勝ったツルマキシンザンと、好調キープのホクショウファイトが中心。特にツルマキシンザンはオープン馬相手に好レースを見せており、今回も十分に勝利を狙うことができそう。対するホクショウファイトも、今回とほぼ同様のメンバーを相手に快勝しているだけに、少なくとも上位争いを演じてくれるに違いありません。そのほかスミヨシセンショーあたりも好勝負圏内で、エビスオウジャは障害をスムーズに越せれば勝ち負けを演じることができそうです。

8/13ばんえいグランプリプレビュー

 13日(日)はメインレースに重賞ばんえいグランプリ(3歳以上オープン)が行われます。それに先だって行われたファン投票は、以下のとおりの結果となりました。

  1. サダエリコ    653票
  2. スーパーペガサス    584
  3. ミサイルテンリュウ    416
  4. アンローズ    294
  5. シンエイキンカイ    287
  6. トモエパワー    247
  7. ミサキスーパー    224
  8. エンジュオウカン    182
  9. ヨコハマボーイ    181
  10. トカチプリティー    175
  11. ヒカルセンプー    165
  12. プリンセスサクラコ    99
  13. コスモカップ    94
  14. スターエンジェル    85
  15. グレートサンデー    69
  16. タケタカラニシキ    66
  17. ホクトキング    64
  18. キングファラオ    45
  19. ニシキダイジン    21

  ※応募総数 3,951票

 最近の成績を反映しているようで、サダエリコ、ミサイルテンリュウといった今季の重賞勝ち馬、そしてトモエパワーも上位にランクされました。
 そのなかで注目したいのは、やはりミサイルテンリュウ 。前週のサマーカップを回避してここへ登録してきたことからも、陣営の本気度がうかがわれます。別定1-b(本年度収得賞金280万円につき10キロ増)であるため、負担重量が他馬より10キロ重い800キロ。しかし、トップハンデは実力の証明ともいえ、いつもの早め抜け出しのパターンに持ち込むことができれば、ここも中心となるでしょう。
 サダエリコはサマーカップでの惨敗が気になるところ。どうも障害で引っかかることが多く、自信を持って推すことができない近況です。ただ、末脚は相変わらず鋭いですし、さらに旭王冠賞制覇後に安部憲二騎手が語っていたように、陣営も気合が入っているように思われます。軽視は禁物でしょう。
 今季充実しているトモエパワーも好勝負圏内。旭王冠賞5着、北斗賞4着と重賞戦線でも上位フィニッシュを果たしていますし、前走サマーカップでの勝利も記憶に新しいと思います。また岩見沢コース【14-8-4-12】のアンローズも虎視眈々と勝利を狙っており、上位馬は思いのほか混戦といえそうです。
 そのほかミサキスーパータケタカラニシキシンエイキンカイなど、伏兵勢も多彩。すんなり2強決着となりそうにない、楽しみな一戦といえそうです。

出馬表はこちら

【参考レース】
6/11 旭王冠賞(勝ち馬:サダエリコ)
7/2 マロニエ賞(勝ち馬:ミサイルテンリュウ)
7/23 北斗賞(勝ち馬:ミサイルテンリュウ)
8/6 サマーカップ(勝ち馬:トモエパワー)
 ※映像はこちら

レース回顧(8/5~8/7)

2006年8月 7日(月)

 5日(土)に行われた稲穂峠特別(3歳以上800万円未満)は、1番人気のホクショウファイトが快勝。今季7戦で6回も馬券に絡んでおり、好調を維持しているようです。レースは第2障害をひと腰で越えたホクショウファイトが、軽快に脚を伸ばす展開。2番手で越えたホシマツリ、シンザンウィーク、スミヨシセンショーも懸命に追い上げましたが、結局ホクショウファイトが逃げ切って優勝しました。以下、ホシマツリ、シンザンウィークの順で入線。
 この日の最終第12レースは、3歳以上混合別定550万円未満。7月29日の余市岳特別、31日の夕張岳特別出走馬による勝抜戦でした。このレースを制したのは、夕張岳特別で2着だったチヨノキング。差のない3番手で第2障害を下りると、先頭のスギノフィリオとの差を一気に詰め、残り20メートル付近からマッチレース。残り10メートルでわずかに先頭に躍り出ると、追いすがるスギノフィリオを振り切ってゴールしました。2頭に差なく続いたコトブキライアン、キョウエイボーイが3、4着。
 6日(日)のソメスサドル杯サマーカップ(3歳以上オープン)は、注目のミサイルテンリュウが回避して9頭立て。優勝したのは5番人気のトモエパワーで、ばんえいグランプリに期待を持たせる快勝を演じました。第2障害を先頭で抜けたトモエパワーは、各馬に激しく追い立てられる苦しい展開。いったんはプリンセスサクラコに先頭を譲り、後退するように思われましたが、ゴール手前10メートル付近から再度伸び、わずかに交わしたところでゴールを迎えました。これまで挑戦した重賞2回は5、4着。決して大負けしているわけではなく、ばんえいグランプリでも十分に好勝負を演じることができるでしょう。2着のプリンセスサクラコ、以下トカチプリティー、アンローズあたりも差のないレースで、夏は牝馬の格言どおり、ばんえいグランプリでの活躍が期待できそうです。1番人気サダエリコは障害で苦戦して7着敗退。この一戦をどう見るかが、ばんえいグランプリ予想の焦点となりそうです。
 7日(月)に行われたのは恵庭岳特別(3歳以上650万円未満)。スーパークリントンが取り消して9頭で行われたこのレースは、3番人気のミスターハヤサキが優勝しました。道中は予想どおりナリタボブサップがハイペースで飛ばし、障害もひと腰でクリア。完全にこの馬の勝ちパターンと思われました。ところが外からミスターハヤサキが豪快に差を詰め、ゴール手前5メートル付近でこれを交わすと、そのまま先頭でゴール。ナリタボブサップは残り10メートルあたりから脚いろが鈍ってしまい、ゴール寸前でプリティブライトにも交わされて3着に敗退しました。

映像はこちら

馬券おやじは今日も行く(第22回)  古林英一

2006年8月 4日(金)

ばんえい必勝法の探求 その2

 全国のばんえい競馬ファンの皆様、暑中お見舞い申し上げます。

 「今年の北海道は冷夏ですかなあ」なんぞといっていたのが、嘘のようなここ数日である。暑い……。小生、北海道に移り住んで十数年になる。それまでは九州の宮崎に住んでいた。生まれは、くそ暑い、というより、暑苦しいといべき大阪であるから、本来的には暑さには強いはずなのだが、北海道に十数年住んでいると、すっかり暑さに弱くなってしまったようである。

 BANBA王を見ていると、『馬』の小寺さんが、「この馬は暑さに弱い」というコメントをしばしば口にしておられる。今週あたりはこのてのコメントには要注意かもしれない。

 小生、本来、岩見沢は比較的得意である。いや、得意だったはずだ。ところがどうしたことか、冷夏のせいか、さっぱり馬券が当たらない。勝負運が低迷しているのか、いや、そうではない。競輪はここのところ絶好調だ。小生が推理した展開通りにレースが進行するのである。小生の書いた筋書き通りに選手が走っている感じである。ところが、ばんえいは、小生の書いた筋書きを全く無視してレースがおこなわれている。小生の描くシナリオを懸命に馬に伝えるべく念を送るのであるが、馬の耳に念仏・馬耳東風なのである。もしかすると、こっちの意図を察知してわざとはずして走っているようにさえ見える。全くもって怪しからぬことである。

 こういうときは戦法を考え直さねばならない。そこで、またもや必勝戦術の見直しなのである。やっと本題である。今回検討する戦術は「大口への乗り替わりは買い」の法則である。ご存じのように、ばんえい競馬の騎手のなかで、夏井・大口両騎手だけがサウスポーであることから生まれた、法則というより格言のようなものである。

 実は、以前、たまたまBANBA王のスタジオで大口騎手に出会ったとき、「大口騎手への乗り替わりは買い」という法則をご存じかと尋ねたところ、大口騎手ご本人もこれはご存じで、それを期待した騎乗依頼もあるとのことであった。

 果たしてこの法則の真偽やいかに?

 検証に用いたのは2回岩見沢と3回岩見沢の計144レースである。このうち、他の騎手から大口騎手に乗り替わったレースは全部で17レースあった(うち、1レースは夏井騎手から大口騎手への乗り替わりなのでこの法則は該当しないかもしれない)。平均すると、1日12レースのうち、1ないしは2レースが該当するわけである。

 17レース中、前走より着順を上げたレースは6レース、下げた、ないしは変わらなかったレースが11レース。あれま!? こりゃ、どうしたことか?さらに、着順を上げた6レースで連絡みしたケースは一度もなかったのである。

 サンプル数が少ないから断定はできないが、以前ご紹介したお隣さんの法則と同様、「大口への乗り替わりは買い」の法則もあまり根拠のある法則でもなさそうである。またしてもトホホな結果に終わってしまった(>_<)

 いや、めげてはいけない。常識や定説を疑うところから科学の進歩はあるのだ。小生は嘘でも学者(だんだん嘘っぽくなってきてはいるが)である。科学の進歩のためには馬券代の損失などたいしたことではない。例え茨の道であっても、まさに、馬券おやじは今日も行くなのである。

 なお、念のために、大口騎手の名誉のためにも付け加えておくが、17レースのうち、単勝10番人気だったのが6レースもあるし、逆に3番人気以内だったレースは1つもない。つまり、この17レースの殆どはファンからはさほど期待されていない馬ばかりなのである。決して、大口騎手がヘボ騎手だというわけではない。大口騎手がちゃんと勝ち星を積み重ねていることは皆さん先刻ご承知のとおりである。

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