ばんえい必勝法の探求 その2
全国のばんえい競馬ファンの皆様、暑中お見舞い申し上げます。
「今年の北海道は冷夏ですかなあ」なんぞといっていたのが、嘘のようなここ数日である。暑い……。小生、北海道に移り住んで十数年になる。それまでは九州の宮崎に住んでいた。生まれは、くそ暑い、というより、暑苦しいといべき大阪であるから、本来的には暑さには強いはずなのだが、北海道に十数年住んでいると、すっかり暑さに弱くなってしまったようである。
BANBA王を見ていると、『馬』の小寺さんが、「この馬は暑さに弱い」というコメントをしばしば口にしておられる。今週あたりはこのてのコメントには要注意かもしれない。
小生、本来、岩見沢は比較的得意である。いや、得意だったはずだ。ところがどうしたことか、冷夏のせいか、さっぱり馬券が当たらない。勝負運が低迷しているのか、いや、そうではない。競輪はここのところ絶好調だ。小生が推理した展開通りにレースが進行するのである。小生の書いた筋書き通りに選手が走っている感じである。ところが、ばんえいは、小生の書いた筋書きを全く無視してレースがおこなわれている。小生の描くシナリオを懸命に馬に伝えるべく念を送るのであるが、馬の耳に念仏・馬耳東風なのである。もしかすると、こっちの意図を察知してわざとはずして走っているようにさえ見える。全くもって怪しからぬことである。
こういうときは戦法を考え直さねばならない。そこで、またもや必勝戦術の見直しなのである。やっと本題である。今回検討する戦術は「大口への乗り替わりは買い」の法則である。ご存じのように、ばんえい競馬の騎手のなかで、夏井・大口両騎手だけがサウスポーであることから生まれた、法則というより格言のようなものである。
実は、以前、たまたまBANBA王のスタジオで大口騎手に出会ったとき、「大口騎手への乗り替わりは買い」という法則をご存じかと尋ねたところ、大口騎手ご本人もこれはご存じで、それを期待した騎乗依頼もあるとのことであった。
果たしてこの法則の真偽やいかに?
検証に用いたのは2回岩見沢と3回岩見沢の計144レースである。このうち、他の騎手から大口騎手に乗り替わったレースは全部で17レースあった(うち、1レースは夏井騎手から大口騎手への乗り替わりなのでこの法則は該当しないかもしれない)。平均すると、1日12レースのうち、1ないしは2レースが該当するわけである。
17レース中、前走より着順を上げたレースは6レース、下げた、ないしは変わらなかったレースが11レース。あれま!? こりゃ、どうしたことか?さらに、着順を上げた6レースで連絡みしたケースは一度もなかったのである。
サンプル数が少ないから断定はできないが、以前ご紹介したお隣さんの法則と同様、「大口への乗り替わりは買い」の法則もあまり根拠のある法則でもなさそうである。またしてもトホホな結果に終わってしまった(>_<)
いや、めげてはいけない。常識や定説を疑うところから科学の進歩はあるのだ。小生は嘘でも学者(だんだん嘘っぽくなってきてはいるが)である。科学の進歩のためには馬券代の損失などたいしたことではない。例え茨の道であっても、まさに、馬券おやじは今日も行くなのである。
なお、念のために、大口騎手の名誉のためにも付け加えておくが、17レースのうち、単勝10番人気だったのが6レースもあるし、逆に3番人気以内だったレースは1つもない。つまり、この17レースの殆どはファンからはさほど期待されていない馬ばかりなのである。決して、大口騎手がヘボ騎手だというわけではない。大口騎手がちゃんと勝ち星を積み重ねていることは皆さん先刻ご承知のとおりである。