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昨年、自身2度目の高知リーディングに輝いた宮川実騎手。プリフロオールインで高知三冠を達成するなど活躍した1年でした。
2度目の高知リーディングおめでとうございます。
ありがとうございます。数字が出るので、意識していなかったと言えば嘘になるんですけど、無事に獲れてよかったです。去年は所属の打越勇児厩舎がすごくて、いい馬をたくさん任されたので、いかに取りこぼさないかに必死でした。それを頑張っていれば、自ずとリーディングは獲れるのかな、と思っていました。
打越調教師は昨年、地方全国リーディングに加え、NARグランプリ最優秀勝率調教師賞も受賞しました。連勝馬がいたり、重賞になると多頭出しだったりで、強い馬が多かったので緊張感があったかと思います。
そのプレッシャーに負けていたらいけないな、という感覚で乗っていました。高知三冠とかいいことも色々あった年でした。
黒潮菊花賞を制して高知三冠を達成したプリフロオールイン
高知三冠を達成したプリフロオールインは2歳の頃、どんな印象でしたか?
デビュー前から調教に乗っていて、レースを使うたびに強さを感じていました。スピードもありますしね。デビュー戦はちょうどワールドオールスタージョッキーズに出場していて乗れなかったんですけど、10月にネクストスター高知で重賞を初めて勝ってから「目標は高知優駿を勝つこと」と決めました。自分もまだ高知優駿を勝っていませんでした。
一冠目の黒潮皐月賞が6馬身差の楽勝となれば、高知優駿の前にはプレッシャーを感じませんでしたか?
ないと言ったら嘘です。ただ、やることをしっかりやれば、結果がついてくるんじゃないかなという感覚でした。それまでに1600mの準重賞を2回使って勝っていて、まだ余力もあったので高知優駿の1900mならもつんじゃないかなと思っていました。3歳重賞で、馬にとっては1度しかない機会。25年間、ジョッキーとして乗ってきた中で勝っていなかったので勝てて嬉しかったです。打越調教師も高知優駿は初制覇で、終わってから「今までで一番緊張した」と言っていました。
その後は高知三冠に向けて、期待が高まりました。
高知三冠という目標ができて、色々とプレッシャーもあったんですけど、こういう経験はジョッキー人生でできるかできないか、運命だと思います。
三冠最終戦の黒潮菊花賞は驚異の単勝1.0倍でした。
これまでに単勝1.0倍の馬に乗った記憶はあんまりないです。高知優駿の走りを考えたら、これだけの人気になりそうと言えばなりそうですけど、あとから知って「みんな100円買って100円しか返ってこんがね」とビックリしました。
終わってみれば5馬身差の快勝でしたが、序盤のポジション争いや勝負所で他の騎手たちの「簡単には勝たせないぞ」という思いが伝わってきました。
序盤の先行争いが落ち着きかけたところで(赤岡)修次さんがもう1回来たのには僕も「うわーっ!」と思いました。(井上)瑛太と僕の間の見えない位置からスルスル~と来たのは予想外でした。その後はペースも落ち着いて馬もハミを抜いてリラックスして走れていたので、最後にしっかり脚を残せていたのだと思います。それにしても、序盤に競られてラップが速くなったのにあの走りはすごいな、と乗っている自分も思いました。
口取り撮影では高知三冠達成を祝う横断幕も掲げられましたね。
もし負けていたら、この幕どうしていたんやろ?と思いました(苦笑)。
黒潮菊花賞直後から高知競馬場は約1カ月の馬場改修に着手。プリフロオールインも休養に出て、復帰戦は11月の園田・楠賞でしたがまさかの10着でした。何があったのでしょうか?
状態はそんなに悪くないと感じていたので、楠賞はちょっと敗因が分からないんです。調教でまだ子供っぽい面があるので、初めての遠征競馬や馬場も影響していたんでしょうか。スタートしてからのスピードが明らかにいつもと違って、道中も気持ちが入っていなくて馬が走っている感じがしませんでした。その原因がどこか分からなくて、もし喋ってくれたら「何がイカンかった?」って聞きたいです。「お前がイカンかった」って言われるかもしれないですけど(苦笑)。
今年初戦の大高坂賞では古馬と初対戦。「こんなもんじゃない」という走りを見せたかったかと思いますが、先行争いが激化してハイペースで逃げることとなり、11着でした。
帰厩後は39秒台の追い切りを2本できて、乗り込みは十分できていると感じていました。今回は地元なので挽回したい気持ちはあったのですが、トモがしんどそうで、スピードに乗りませんでした。
立て直しての巻き返しに期待します。そして、今年も宮川騎手の活躍も楽しみです。
年齢的には若い子のように元気には乗れないと思いますけど、落ち着いて乗って、周りとの差をつけて頑張りたいです。吉原寛人騎手が打越厩舎に定着していて、修次さんと二人、日本トップクラスのジョッキーがいることはいい刺激になっています。追いつきたいと思いながら高知で乗っていたら、自ずと全国で通用する腕になれると思っています。
オッズパーク会員のみなさんにメッセージをお願いします。
今年の目標は、他地区の重賞に高知の馬で遠征して勝つことです。怪我無く、1年を通してファンのみなさまにいいレースを見せられるよう頑張るので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー・写真 / 大恵陽子
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