2023年4月1日付けで、ホッカイドウ競馬から笠松競馬に移籍した馬渕繁治騎手(笠松)。10月13日笠松競馬第6レースをメイショウヒエイ(森山英雄厩舎)で勝利し、地方競馬通算1000を達成しました。御年57歳のベテランに現在の胸の内を語っていただきました。
地方競馬通算1000勝達成、おめでとうございます。
ありがとうございます。目標にしていたというか、区切りのいい数字なので、達成できて嬉しかったです。周りからも「おめでとうおめでとう」と言っていただきましたし、達成した次の日が笠松競馬場のお祭りだったんですよ。その次の日が自分の誕生日で、なんだか嬉しいことがたくさん重なりました。この年になってもこういうことがあるんだなと、しみじみしました。
10月13日、地方競馬通算1000勝達成
馬渕騎手は1984年に上山競馬場で騎手デビューし、2003年の廃止後はホッカイドウ競馬で騎乗されていました。今年の4月から笠松へ移籍されたというのは、どんな経緯があったのでしょうか。
40代の中盤から後半くらいの頃、騎乗馬が集まらなくて乗れない時期が続きました。自分の中でもなんとなく中だるみしてしまった時期で。でも2020年に森山雄大調教師(北海道)が開業して、いい馬に乗せていただいたりしたんです。その年から笠松へ期間限定騎乗に出かけたりして、気持ちの方も前向きになりました。私生活では子供が手を離れたので、自分の好きに時間を使えるようになりましたし、タイミング的にもとてもいい時に、森山雄大調教師のお父さんである森山英雄調教師のところに所属させていただくことになりました。
笠松にはご縁がある方がたくさんいらっしゃるそうですね。
田口(輝彦調教師)君とは騎手時代の同期なんです。あとは(向山)牧さん。私より一つ年上で、牧さんが新潟にいらした頃から知っていました。牧さんも新潟が廃止になって笠松に行きましたし、森山英雄先生も高崎の廃止後に笠松にいった経緯がありますから、そういう方々から「来たらいいよ」と言っていただいて、とても嬉しかったです。
デビューから40年目ですけれども、まさに激動の騎手人生ですね。
乗り役ってこんな感じじゃないですかね。廃止になったのはすごく残念ですけど、我々にはどうすることもできなくて。競馬がなければ乗れないですし、乗せてくれる人たちがいなければ騎手を続けられないですから。だから今回、「うちに来たら」と言ってくれた森山先生にはとても感謝しています。恩返しがしたいという気持ちで乗っています。
長く続けられる秘訣は何ですか?
正直に言うと、途中で中だるみがあったからかなとも思います。あの頃「辞めようかな」と何度も思いましたが、結局辞めなかった。馬に乗るのが好きだし、自分にはこれしかないんですよね。この馬をどう調教したら良くなるか、考えながら乗るのはとても楽しいです。笠松や名古屋は若手騎手がどんどん増えていて、体力的なことを言えば若手には敵わないところもあります。でも自分より年上の牧さんは今でも低い姿勢で馬を追って、姿勢がブレないんですよ。牧さんを見ていると刺激になりますし、自分ももっと上手くなりたい、もっと頑張ろうと思います。
笠松に来てからの生活はいかがですか?
楽しいですよ。もともと期間限定騎乗で来ていたので慣れていますし、今は午前1時前に起きて、だいたい16、7頭調教しています。北海道時代は厩舎から乗っていたのですが、笠松は馬場で待っていればいいので頭数を乗ることができますね。
では、今後の目標を教えてください。
目標はまだ考え中です。とにかく馬を走らせることだけ考えて乗っています。これからも体が続く限り、一生懸命乗っていきます。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:岐阜県地方競馬組合)
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