昨年の勝率31.7%で、NARグランプリ最優秀勝率調教師賞を受賞した川西毅調教師。6年連続9回目の受賞という、圧倒的な成績を誇ります。高い勝率を保つ要因は何でしょうか。さらに、オッズパーク地方競馬応援プロジェクトで今年デビュー予定のセブンカラーズについても伺いました。
NARグランプリ2021で最優秀勝率調教師賞受賞、おめでとうございます。
ありがとうございます。オーナーの皆さんのお陰です。僕の判断を尊重して使う使わないを決めさせていただいているので、本当にありがたいですね。それから一生懸命頑張ってくれる馬たち、スタッフたちにも感謝しています。
勝率に関しては、以前からこだわりを持っていると仰っていました。
そうですね。馬券を買ってくれるファンの方々にとっては、命の次に大事とも言えるお金を賭けていただいているわけですから。特にうちの厩舎は出走すれば人気になることが多いので、その期待を裏切りたくないですし、期待に結果で応えたいという気持ちが強いです。ただ昨年はそれほどいい成績ではないんですよ。NARグランプリをいただいたとはいえ勝率31.7%で、一昨年の33.7%より下がりました。重賞もそれほど勝てなかったですし、勝ち星的にも満足できる数字ではなかったです。
ここまで毎年活躍されていますが、ご自身に厳しい姿勢は変わらないですね。
日々勉強ですよ。満足したらそこから上には行けないですから。昨年のサマーセールからオッスパーク地方競馬応援プロジェクトに参加させていただいて、一緒に馬を選べたこともとても勉強になりました。今年デビュー予定の2歳馬セブンカラーズ(父コパノリッキー)を担当させていただいています。サマーセールで見た時にとてもいい馬だと感じたので、これからの成長が楽しみですね。
期待の2歳馬セブンカラーズ
どんなところに良さを感じましたか?
クビ差しが軽いところです。体は大きいのにクビ差しが軽くて、歩きに素軽さがあります。もちろんただ軽いだけではダメですが、そのバランスがとてもいいと感じました。今はまだ牧場で乗り込んでいるとことです。距離的には短いところだけの馬ではないと思っているので、慌てずじっくり育てていきたいです。
名古屋競馬は新競馬場がオープンしました。新しい競馬場はいかがでしょうか?
施設はキレイですし、コンパクトにまとまっているので動きやすいですね。以前は競馬場まで輸送がありましたが、それがなくなったことは大きいです。ただまだ馬場が安定していないんですよ。毎朝の調教で使いながら競馬でも使うという状況が初めてですから、こちらも気が付いたことは主催者に伝えて、馬場管理の方々とも話し合いながら、いい馬場を作っていきたいです。馬場というのは競馬をする上でとても大きいですし、馬も騎手も命を懸けて戦っていますから、真剣に検討していかなければいけないと考えています。
昨年(2021年)重賞3連勝をマークしたブンブンマル。写真は2月24日スプリングカップ(写真:愛知県競馬組合)
では、オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願いします。
いつも名古屋競馬を応援していただき、ありがとうございます。これからも皆さまの期待に応えられるよう、しっかり馬を育てていきます。セブンカラーズは順調に調教が進んでいますので、デビューを楽しみにしていてください。
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※インタビュー / 赤見千尋
『土古(どんこ)』の愛称で親しまれた名古屋市港区の名古屋競馬場が73年の歴史に幕を閉じ、弥富トレーニングセンターに移転しました。調教コースとして使われてきた馬場は拡張工事が行われ、直線240mは西日本の地方競馬最長。4月8日に開幕を迎えた新・競馬場のオープニングレースを勝った丸野勝虎騎手に新・競馬場について伺いました。
名古屋競馬場が弥富トレーニングセンターに移転すると発表されて以降、コースを中心に様々な工事が行われてきました。それを見ながらどんな気持ちで過ごしていましたか?
調教コースの工事が始まると、本馬場が使えずに内馬場だけで調教を行う時期がありました。その後、使えない部分が都度変わりながら半年前くらいにコースが完成しました。直線が長くなった分、しっかり追い切りができて使いやすいなと思いました。
3月11日には旧・名古屋競馬場が閉幕。デビューからずっと乗ってきた競馬場ですから、いろんな思い出があるのではないですか?
1992年のデビューからちょうど30年乗りました。頭を丸めてデビューをしてから思い返すと色々ありましたけど、やはり大きなレースを勝った時の思い出が強いですね。
4月8日には弥富トレーニングセンターに移転し、最初の競馬が行われました。1レース『新競馬場オープニング記念』で騎乗したローザキアーロは当日朝に村上弘樹騎手からの乗替りでした。
レースの1~2時間前に乗替りを聞きました。勝ったので、「俺、もってるな」と思いました(笑)。4コーナーから2着馬とずっと同じ間隔で併走していて、正直そこまで手応えはなかったですが、馬が頑張って粘ってくれました。
急遽の乗替りで新競馬場最初のレースを勝利
記念すべきレースを勝って、周囲の反響はどうでしたか?
1レース目なのでみんな見ていたらしくて、「おめでとう」と連絡をもらいました。NHKのニュースでも流れたみたいで、普段電話がかかってこない人からも「テレビで見たよ」と連絡がありました。
初日はお客さんもたくさん入っていましたね。雰囲気はどうでしたか?
最近は競馬場のお客さんが少なかったですが、こうして人が多いと雰囲気が変わって、僕たちも見られている感じがしてとても気合いが入ります。
『新競馬場オープニング記念』を勝ったローザキアーロ
開幕日は内を大きく空けて走っていましたが、週末を挟んで11日からの開催2~4日目は対照的に内有利の馬場に一変しました。何が起きたのでしょうか?
調教ではまず内ラチ沿いを走らせるので、内の砂が削れてしまうんです。そこで、開幕に合わせて内に砂を盛って深くしたので、初日はみんな内を空けて走っていたんですけど、開催2日目以降は調教で内が削れたままレースに突入したので、ガラッと馬場が変わって内がとても軽くなりました。
ということは、逃げ馬天国?
3日目の12日は全12レース中11レースが逃げ切り勝ちでした。10レースをシンゼンストロングで勝ったんですけど、それがその日初めて差しが決まったレースでした。とはいえ、3コーナーまではずっと内を走っていました。差し・追い込みが決まらないと乗っている方も見ている方もつまらないと思います。馬場については改善する余地があって、主催者にも意見は伝えたので、次開催以降は変わってくると願いたいです。
幅員は7m広がり30mに、3~4コーナーはスパイラルカーブが採用されました。
コース幅が広くなったのはすごく乗りやすいですよ。
4月25日にはナイター競馬も開催される予定です。
3月に行われた試走会では明るい時間帯しか乗らなかったのですが、照明が点いても別に乗りにくいとかは関係ないと思います。
丸野騎手はデビュー31年目を迎え、地方通算2800勝余り。3000勝も見えてきました。
最近は怪我が多くて、1年を通して乗ることができていないので、1年間、元気に乗れたらいいな、と思います。3000勝は、ずっと乗っていればそのうち訪れるんじゃないかと思います。
最後にオッズパーク会員のみなさんにメッセージをお願いします。
馬場が改善されて、直線で横並びの白熱したレースを見せられたらな、と思っています。また、現地では綺麗な競馬場を楽しんでいただけると思います。これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー・写真 / 大恵陽子
1月9日高知競馬第8レースをララメダイユドールで勝利して、地方競馬通算2,000勝を達成した宮川実騎手(高知)。昨年1年間の勝率は28.3%でNARグランプリ最優秀勝率騎手賞を受賞しました。2009年の落馬事故により左目失明という大きな怪我を負いましたが、復帰後も進化し続ける宮川騎手。現在の胸の内を伺いました。
まずは2,000勝達成、おめでとうございます。
ありがとうございます。目標にしていた数字なので、達成することが出来てホッとしました。自分にはハンデがあるのに、復帰当初からたくさん乗せていただいて、周りの方々に感謝しています。自分自身も嬉しかったですが、特に(打越)勇児先生が感極まっている姿を見て、いろいろな想いが込み上げて来ました。
所属の打越先生とは長年一緒に歩んで来られた間柄ですね。
もともと僕は勇児先生のお父さんである打越初男先生のところでデビューさせていただいて、勇児先生は厩務員さんでした。2012年に調教師になって、初男先生の代から引き継いだこととか、いろいろな想いがあったのかもしれません。2,000勝を達成した時には、枠場の引き取りのところまで来て下さっていて、「おめでとう」と声を掛けてくれました。勇児先生が感極まっている姿を見て僕も胸が熱くなりましたし、自分以上に想いが強かったように感じました。
1月9日、地方競馬通算2,000勝を達成
そして昨年は打越調教師が206勝を挙げて全国リーディング、宮川騎手は勝率ナンバー1で、NARグランプリ同時受賞となりました。
自厩舎がすごい厩舎なので、自分がミスしなければおのずと出る結果だったと思います。全国で勝率1位というのは嬉しかったですね。
どのあたりから意識しましたか?
11月に入る前くらいに、「一緒にダブル受賞したいな」って勇児先生が言ってくれて、そこから意識するようになりました。意識し過ぎて空回りしてもいけないなと思いながら、なんとか踏ん張ることが出来ました。最後の1か月くらいはいい馬だけに乗せていただいたので、周りの方々の応援も本当にありがたかったです。
周りには応援している方がたくさんいらっしゃると思いますが、奥様の宮川真衣調教師の存在も大きいのではないでしょうか。
それは本当に大きいですね。しんどい時も支えてもらっていますし、真衣がそばにいてくれることはすごく大きいです。
以前お話を伺った時、自分の中で葛藤があるけれどもあまり表に出したくないというお話をしていましたが、奥様には見せられる面もありますか?
そうですね。いろいろなことを自然と言っていると思います。真衣も乗り役でしたし、大変な部分をよく分かってくれるので、感謝しかないです。
2月8日高知第7レースで宮川真衣調教師の初出走(チョウライリン・6着)に騎乗しました。調教師としていよいよスタートを切りましたね。
よく厩舎に行くんですけど、今は5頭入りました。大変そうではありますが、乗り役だった時の目線とはまた違うようで、馬たちを我が子のように可愛がっています。先日はデビュー戦だったので、まずは無事に終わってホッとしました。これから早く初勝利を挙げて欲しいですし、そこに貢献したいと思っています。
ご夫婦で表彰台に立つ姿を楽しみにしています。
そうですね。ゆくゆくは重賞も一緒に勝ちたいです。兄(宮川浩一調教師)も頑張っていますし、真衣がやっていることをそばで見ていると、騎手とは違う大変さを感じます。僕は騎手としても家族としても、一緒に頑張っていきたいです。
赤岡修次騎手が、「怪我から復帰してさらに上手くなった」と仰っていましたが、ご自身で感じることはありますか?
以前は勝ちたいという気持ちが強くて、自分本位になっていた面もあったと思います。もちろん今でも勝ちたい気持ちは強いですが、馬の気持ちが一番という風に考えるようになりました。それに、自分にはハンデがあるので、そのことで周りに迷惑をかけたくないという気持ちも強かったですから、いかに落ち着いて乗るかということを大事にして来ました。怪我から復帰したことで、いろいろな面でプラスになった部分はあると思っています。
そこまでの想いに持って来られたのはすごいですね。
僕が怪我をした時、ちょうど高知でナイターが始まる時だったんですよ。売り上げもどん底で、これでダメだったらもう潰れるしかないという状況でした。あのまま高知競馬場が潰れていたら、今の自分はなかったですし、復帰することも出来なかったのではないかと思います。高知が続いていたからこそ復帰出来たし、今こうして2,000勝も達成することが出来ました。関係者の方々には感謝していますし、高知を応援してくれるファンの方々にも心から感謝しています。
現在の高知競馬は売り上げがものすごいことになっていますね。
ありがたいですね。売り上げの数字を見ていつもびっくりします。競馬場自体にはお客さんは少ないんですけど、インターネットでどれだけの人が見てくれているんだろうと思うと嬉しいです。ファイナルが一番売れているというのが、高知らしいですよね。
一発逆転ファイナルレース、乗る側としてはいかがですか?
乗る方は本当にキツイですよ。誰が逃げるかもわからないですし、とにかくみんながいつも以上にやる気満々で乗っていますから。4コーナーあたりでは行き場がないこともしょっちゅうで、直線は横一列で誰が抜けて来るかわからないですよね。配当もつきますし、自分も見ている時はすごく面白いです。乗るのはキツイですけど(笑)。
今年は3歳馬マリンスカイとのコンビも楽しみにしています。
全日本2歳優駿の後は休養に出ていて、まだ若い馬ですからこの休養が成長に繋がってくれたら嬉しいです。性格はとても素直で、まだ高知では本気で走ったことがないですけど、かなり能力が高いと思います。全日本2歳優駿はスタートの不利が痛かったですが、初めての遠征で砂を被っても大丈夫でしたし、向正面で僕が行き過ぎた分、最後はいっぱいになりましたが、マイルの距離もこなせると感じました。
マリンスカイで黒潮ジュニアチャンピオンシップを制覇
高知優駿の舞台、1,900mはいかがですか?
そこはまだ未知ですね。キャリアもそれほど多くないですし、地元だとスピードの違いで逃げていますが、これからいろいろな競馬をして成長させていきたいです。ゆくゆくは県外でも通用するように育てて行きたいです。
では、オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願い致します。
いつも高知競馬を応援していただき、ありがとうございます。これからも面白いレースをお見せできるよう頑張りますので、よろしくお願いします。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:高知県競馬組合)
父は名騎手の西康幸元調教師、叔父は西弘美調教師、いとこは西謙一騎手という西将太騎手(32)。2011年にデビューし、1月29日に通算1,000勝を達成した。2021年度はすでに117勝を挙げ(2月14日現在)、6年連続100勝超えとコンスタントに勝ち星を重ねています。
(写真:ばんえい十勝)
1,000勝おめでとうございます。これまで思い出に残ったレースはありますか?
どれも思い出に残っているからなぁ......。ふと思い出す、といえばばんえいオークスの2レースかな。父が亡くなったんだな(康幸さんは2020年11月逝去)、って思います。
ナカゼンガキタ(2017年)とアバシリルビー(2020年)ですね。ナカゼンガキタはゴール前の激しい追い比べを制し、康幸調教師に初重賞をプレゼントしました。
そうですね。ナカゼンガキタは素直で一生懸命。お嬢様だよ!その前のばんえい菊花賞は0秒2差の2着で、悔しくて父に聞いたら「追い切るしかない」と言われ、この日(ばんえいオークス)は追い切りました。
アバシリルビーは、父が亡くなって約2週後のレース。父は春から入院していて、11月に亡くなりました。この時は、父に「いいところ見せられたかな」って思っていました。アバシリルビーは障害がいい馬ですね。
2017年ばんえいオークスをナカゼンガキタで勝利。右が西康幸調教師
フクイチで1995年の農林水産大臣賞典(ばんえい記念)を制するなど、名騎手だった康幸調教師に言われたことで、心に残っていることはありますか。
「前でレースしなきゃ勝てねえよ」って。うまくいかなかったら、この言葉を思い出す。それで勝ったレースはいっぱいありすぎます。それがあっての1,000勝だと思います。
西騎手の先行しているイメージは、そういうことだったのですね。では、今の注目馬を教えてください。
アアモンドグンシンです。すっごい頑張り屋さん。どうやって褒めたらいいかわからないくらい、頑張っている。最近は調子いいんじゃないかな。馬に任せっきりです。2月14日のウィナーズカップで3連勝しましたが、ハンデもきつかったから堪えたと思います。頑張ったな、って自分や厩務員さんで声をかけました。
1月の帯広記念で3着となったアアモンドグンシン
3歳はサウスグリンかな。おとなしくて「なでてなでて」ってアピールしているのに、油断して目を離すといなくなっている(どこかに逃げている)。レースに行ったら障害に対して一生懸命。まだ体が小さくてついて行けないところがあるけど、大きくなったら楽しみ。クマモトイケメンも一生懸命な馬だよ。ブチ毛でかわいく見えるけど、しぐさがイケメンなんだよね(笑)。「俺かっこいいだろう」って横目で見てくる。
北央産駒特別を勝ってヤングチャンピオンシップに駒を進めたサウスグリン
レースで気を付けていることはありますか。乗り変わりに強い印象があります。
他の騎手と同じ乗り方ではなく、強めにレースを進めますね。レース展開については、馬任せ。疲れたな、と思ったら息を入れたり。行けるところまで行って休めば出て行くし。調教はレースに行ったら楽かなと思って、強めにやることが多いです。気を付けているのは「楽しく乗る」。もちろん一生懸命に乗っていますよ。思い通りに行かないと悔しいし、それであとで悩むくらいなら、楽しく乗るようにしたいんです。
西騎手は馬が好きで、競馬も好き、という印象があります。今は厩務員も少ないですから、西騎手が感じる楽しさを若い方にも感じてほしいですね。
伝えたいんだけど、乗っている人間にしかわからない楽しさがあるんです。静内農高時代には乗馬もしていましたが、背中に乗るのもばん馬の方がいい。静内に行って乗ることもあるが、景色、迫力が違う。圧迫感、というのかな。
スポーツマンが感じる楽しさですね。ばん馬は乗馬より、そりに乗ってみたいです。
そりに乗る楽しさ覚えたら、もうやめられないよ!
逆に楽しくない、って思うことはあるんですか。その時はどうするんでしょう。
「乗っていて楽しくない」と思うことはあります。その時は、モチベーションを高める。ケン(西謙一騎手)や、阿部(武臣)騎手など、楽しく乗ろうとするタイプの人と話をすると、モチベーションが上がります。あとは音楽を聴く。ノリのいい曲なら何でも。YouTubeでお薦めに出てくるので、誰、ということはなく日本の面白い歌詞の曲などを聴きます。
今は今年デビューする馬の馴致をしている時期かと思います。ばん馬は1から教えますから、若馬の調教は大変でしょう。
ケンとやっているけど、大変だとは思わないんだよな。みんな大変だっていうけど。教えるのが楽しい。ばんえいは、競走馬になるまでを1からずっと見ていられる。「この馬こんなに覚えるのが早いのか!」って。
初重賞(2012年ばんえいダービー)のアサヒリュウセイの子はまだ見ていないんだよね。思い出の馬なので、あいつみたいにきれいな色なのかな、って楽しみにしています。
休みの日の過ごし方を教えて下さい。釣りでしょうか。
秋になれば、鮭を釣りに海に行くけど今はシーズンじゃないから休みです。鮭とばを作るのが楽しいんです。部屋の踊り場に干していると、いいにおいがするからか厩務員さんがやってきて、なくなっていきます(笑)。なじみやすい味がいいと、めんつゆで味付けをするんです。あとはいくらや鍋も作ります。鮭はなげる(捨てる)ところがないからね。食べることも好きだし、楽しく料理しています。
競馬場で売ったらファンが買いますね(笑)。さて、勝利騎手インタビューを見ると、髪型もさまざまですね。
美容室で「かっこよくしてください」と言ったら、切ってくれるんです。一生に一度パンチパーマをしてみたくて、今パンチなんです。
坊主頭に見えますが、パンチなんですね。では、オッズパーク会員の方に一言お願いします。
楽しく乗っている姿を見てほしいです。自分が感じている馬や競馬の楽しさを、同じように感じてもらえればと思います。
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※インタビュー・写真 / 小久保友香
2021年12月19日、地方通算5,000勝を達成した山口勲騎手(佐賀)。2020年4月末には調教中の落馬・骨折で騎手引退の危機に立たされましたが、復活し、佐賀歴代1位の勝利数を目指して歩みます。
地方通算5,000勝、おめでとうございます。
ありがとうございます。まさかね、ここまでいくとはさすがに思わなかったです。2年近く前に調教中の落馬で胸椎を破裂骨折して、あと数ミリで下半身不随だったと言われました。手術をする時に医師からは「前傾姿勢が取れないかも。再起は難しいだろう」と言われていたので、復帰できた後は余計に5,000勝をしたくなりました。
2021年12月19日、地方通算5,000勝達成
たしか1カ月ほどで復帰されたと記憶していますが、そんな大怪我だったんですね。
満足いく騎乗ができなかったら調教師に切り替えないと、という思いもあって、ちょっと無理して早く戻ってきました。もしダメなら、冬に調教師課程の研修にも行ける、と思って。
第二の人生を覚悟していたところ、見事ジョッキーとして復帰できたわけなんですね。
ボルトが入ったままなので、また落馬した時にリスクはあるんですけど、こういう経緯があったので、これまであんまり考えたことがなかったような思いがありました。
偶然にも5,000勝達成のレースは『的場文男レジェンドカップ』で、7,300勝以上を挙げて日本最多勝記録を持つ的場騎手ご本人も騎乗していましたね。
たまたま的場さんが来ている時に5,000勝をするとは思わなくて、何かの縁かなと思いました。レジェンドと一緒に5,000勝の写真を撮って、記念になりました。
5,000勝の口取りには的場文男騎手も(プラカードの左下)
的場騎手からはどんな言葉をかけられましたか?
いつもの感じで、「山口さんならすぐ交わすよ~」って。いやいや、通算7,000いくらって、まだ2,000回乗るのも難しかろうにって思いました(笑)。
コロナ禍でも的場節炸裂ですね(笑)。
そうそう、いつもの感じでした。でも、いまはコロナでリーディングジョッキーが集うレースがないからね......。佐々木竹見カップとか、そういう騎手交流戦は刺激になっていて、「また頑張ろう!」とモチベーションになっていたのが今はないので、以前ほどモチベーションがないかもしれません。競馬を開催できるにはできているけど、荒尾もないし、今は地元だけでね。
2019年まで7年連続でNARグランプリ最優秀勝率騎手賞を受賞されていますが、そういった数字は意識していないと話していましたし、何か目標がほしいところですね。昨年、佐賀三冠に輝いたトゥルスウィーの状態はいかがですか?
昨夏、ちょっと夏負けしていて、ロータスクラウン賞は勝ちましたけど、九州ダービー栄城賞の頃の勢いはなかったです。12月の中島記念まで行こうか、という話にもなったのですが、オーナーが一度休養させようということで、休んでいました。2月のレースは牧場から帰ってきてわりとスグ使ったんですけど、思ったよりはいい感じで、春先になればさらに良くなるんじゃないかなと思います。
ロータスクラウン賞を勝って佐賀三冠を制したトゥルスウィー
20年10月から始まった『ほとめきナイター』はジョッキーの間で定着しましたか?
暗さはあまり気にならないですけど、冬場のナイターで寒さがみんなキツそうですね(苦笑)。次の日の朝の調教もキツいでしょうけど、それはジョッキーだけじゃなくて厩務員さんも同じ。他の競馬場も上り調子ですけど、佐賀も平均的には売れていて、ありがたいです。
最後にオッズパーク会員さんへメッセージをお願いします。
復帰したからには少しでも長く、と思っていますけど、以前のように体が動かなくなってきています(苦笑)。それでも、とにかく次の1勝を頑張るだけですし、鮫島(克也)さんの記録(地方通算5054勝)を抜いて、佐賀歴代トップの勝利数を積み重ねたいなと思います。応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大恵陽子(写真:大恵陽子・佐賀県競馬組合)