竹吉徹騎手は2006年のデビューから10年が経過。2015年は53勝で佐賀リーディングの第9位と、堅実な成績を残しています。
でも、成績的にはそれ以前からずっと変わらない感じなんですよね。自分より年上の騎手が引退しましたが、そのぶんの勝ち星が自分のところに回ってきていないという感じもありますね。騎乗数自体はけっこうあるんですけれど。
その状況を打破したいところですね。
自分自身、改善しなければ、というところは把握しています。まずはウエイトトレーニングをしっかりやらないとダメですね。あとはスタート。佐賀競馬場はたとえば1400mの1コーナーで先行争いになったとき、内から3頭目の場所を回らされてしまうと、よほど力がある馬でない限りは勝つチャンスがありません。だから本当にスタートがポイントで、ゲートのなかで馬をきちんと立たせることが重要ですね。でも、自分自身にちょっとでも力が入っているとうまくいかないんですよね。そんな失敗をした馬が、次にベテランの騎手に替わるとタイミングよく出たりするんですよ。見習いたいです。
所属の山田義人厩舎は所属馬が多いですね。普段の仕事量も多いのではないですか?
だいたい30頭前後いますからね。1頭目の調教を開始するのは、深夜の12時20分です。全部の馬に乗る日もありますが、そういうときは朝の9時くらいまでかかります。大変は大変ですけれど、馬に乗るのは楽しいから大丈夫ですよ。自分で調教した馬で勝つと、なおさらうれしくなります。
10年で400勝(2016年1月30日に達成)。もう一段のステップアップをしたいところですね。
そうですね。タイトルもほしいと思います。S1重賞で2着は何回かあるんですが。それと、他の競馬場の空気も吸ってみたいですね。普段の仕事が忙しくて期間限定騎乗という形は難しいので、騎手交流競走がもっとたくさんあればいいなと思います。
竹吉騎手は広島県出身。でもデビューの地は福山競馬ではなくて、佐賀だったんですね。
出身は広島県の竹原市で、福山はわりと近いんですが、親も親族も競馬にはまったく関係なくて、僕は競馬をゲームとかで知ったんです。それで騎手に興味をもって、中学校の先生に相談したらいろいろと調べてくれました。JRAの試験も受けましたが不合格で、その年の秋に地方競馬の試験を受けたら合格できました。それで那須の教養センターにいたときに山田先生が誘ってくださったので、佐賀に行くことにしたんです。
それからの10年、振り返ってみていかがですか?
もう10年も経ったのかという感じですね。まだ20代なんですけど(笑)。これから少しでも成績をよくできるようにしていきたいです。そして、佐賀競馬がもっと面白くなるようにしたいですね。自分がその代表になるつもりで頑張ります。
勝負服のデザインはどうやって決めたんですか?
先生が騎手だったころの服色を参考にして、自分で決めました。そうしたら、岩手の陶文峰騎手と同じだったんですよね。学校の先生にも何も言われなくて、デビューしてしばらくしてから気がつきました。以前、M&Kジョッキーズカップで陶騎手が佐賀に来たとき、同じレースに乗ったことがありますよ。
ところで、その髪型はなかなかカッコいいですね。
これ、天然パーマなんですよ。とくに何もしなくてもこんな感じです。だから楽ですね。色は少し染めています。以前は赤っぽい色にしたり、すごく明るくしたりしたんですが、評判があまり良くなくて。なので、今はおとなしめの色にしています。
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※インタビュー・写真 / 浅野靖典