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馬券おやじは今日も行く(第37回) 古林英一

2007年9月 6日(木)

這えば立て、立てば歩めの……

 何を隠そう、小生は馬主さんなのであるっ!と胸を張って威張れるほどの馬主ではないが、とりあえずは馬主である。そもそもは懇意にしている牧場がホッカイドウ競馬で使っていた馬を10分の1持たせてもらったのが始まりである。今はばんえい界のノーザンファームといわれる(?)帯広ファームの佐々木さんの持ち馬を10分の1持たせてもらっている。形式的には「共有」であるが、こういうのは業界では「ぶら下がり」と呼ぶとJRAの登録課の人が言っていた。

 小生がぶら下がり馬主になっているのはミヤビライコウという2歳馬である。そのミヤビライコウ、通称ライコウくんが、9月1日に行われた10回帯広4日目第1競走でついに嬉しい初勝利をあげたのである(写真)。誠にもってめでたい限りである。

070906.JPG

 新馬戦が2着。このときは相手が強すぎた。勝ったのは現在2歳格付け1位のホクショウジャパン。こりゃあいかにも分が悪い。佐々木さんと一緒にレースを見ていたが、佐々木さんのいうには「大学生と中学生だなあ」。でもホクショウジャパンの2着ならすぐに勝ち上がると思ったのだが、ところがどっこいそうは問屋が卸さなかった。9戦して2着は新馬戦の1回のみ。3着が4回という戦績であった。格付けも22位から157位までずるずる下がりっぱなし。しかし、今回の勝利で70位と格付けも急上昇。

 ちなみに、われらライコウくんが勝ち上がった日の第3競走ではばんえい情報局斎藤編集長が代表馬主のヤエノリュウ、通称ヤエ坊が2勝目をあげた。でもね、うちのライコウくんの勝ち時計が1:41:1、斎藤さんちのヤエ坊は1:42:8。へっへっへ、うちのライコウくんの方が優秀だもんね。

 かのスーパーペガサスも2歳時は1勝のみ。これでライコウくんも、今のところ、名馬スーパーペガサスに並んだわけである。なんせうちのライコウくんはまだ馬体重が850kgしかない。これからどんどん成長するもんね。ばん馬のいいところは、2歳でぱっとしなくても4歳5歳で華開くことも少なくないことである。目標は2010年のばんえい記念制覇である(夢は布団の中で見るもんだと佐々木さんは冷たいが)。乞う、ご期待! ちなみに1割馬主の小生ではあるが、「そんなアホなもん、勝手にしたら」と、肖像権は小生の自由にしてよいという言質を佐々木さんからとってある。調子こいてライコウくん応援サイトまで立ち上げた小生である。小生の頭の中には、ライコウくんグッズを販売し、リッキーハウスで売って小金を儲け、あわよくばアニメ化されて巨万の富を得て、大学教師なんかさっさとやめて悠々自適のばんえい三昧という素晴らしいプランもある。嗚呼、夢は果てしなく広がる……。

 這えば立て、立てば歩めの親心というが、例えぶら下がり馬主であっても気分は同じ。ぶっちゃけた話、今のばんえいの賞金体系では全然儲けにはならない。でもね、馬主気分は最高。どうせ馬券で負けまくるなら、飼い葉代に突っ込むのも同じこと。皆さん、馬主になってみませんか?

 ちなみに、こういっちゃなんだが、全国に大学教授が何人いるかは知らないが、大学教授で家畜商免許をもっているのは日本広しといえど小生一人じゃあるまいか。ということで、馬主になりたい方は、北海道知事認可・登録番号石第650号、信頼・実績・相馬眼三拍子揃って皆無の正規登録家畜商である小生にご用命ください。ええ(加減な)馬お世話させてもらいまっせえ。

レース回顧(9/1~9/3)

2007年9月 4日(火)

 1日(土)に行われたのは十勝だいず特別(3歳以上250万円未満)。ここは近2走3、2着と着順を上げてきていたカイセイアーチが優勝しました。
 砂煙が上がるなか、カイセイアーチは真っ先に障害に挑み、これを先頭でクリア。一気に後続を突き放して独走態勢を築きます。遅れてキクスイホマレ、トマランサー、ホシタロウあたりが続き、コーネルフジも圏内で追撃態勢に入りました。逃げるカイセイアーチの脚いろには余裕が見られましたが、残り10メートル付近でストップ。そこへキクスイホマレとコーネルフジが鋭く追い込んできたものの、結局はカイセイアーチがこれを振り切って優勝しました。2着にキクスイホマレ、3着コーネルフジの順で入線。

 2日(日)はメインレースに重賞の銀河賞(4歳オープン)が行われ、ツジノコウフクが重賞初制覇。このレースについては、別掲の銀河賞回顧をご覧ください。

 この日の第7レースに行われたのは2歳A-1戦。ここはウメノタイショウとコトブキタイガーが馬体を併せての一騎打ちを演じ、わずかにウメノタイショウが先着。馬連単は万馬券となり、波乱の決着となりました。なお2番人気のホクショウジャパンは4着に敗れ、初めて連対を外しました。

 3日(月)のメインレースはじゃがいも特別(3歳以上混合700万円未満)。ここは2番人気の紅一点ギャンブラークインが優勝しました。
 力強く、ひと腰で第2障害を越えたギャンブラークインは、いったんハマナカキングに迫られる苦しい展開。しかし、そこから持ち前のスピードを発揮すると追撃勢を逆に突き放し、ゆうゆうと先頭でゴールを果たしました。2着は終いに甘くなったハマナカキングが粘り込み、追い込んだグレートサンデーは届かず3着。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

9/2銀河賞回顧

2007年9月 3日(月)

ツジノコウフク親仔制覇を果たす!

 2日(日)はメインレースに重賞・銀河賞(4歳オープン)が行われ、2番人気のツジノコウフクが勝利。3度目の重賞挑戦で、初タイトルを手にしました。

 テンカが競走除外となり、8頭立てでゲートオープン。道中はツジノコウフク、ニシキユウといった好調馬が馬群をリード。馬場水分0.6%も、思いのほか速めのレース展開となりました。
 第2障害はツジノコウフク、ニシキユウあたりが最初に仕掛け、それを合図に各馬も登坂開始。しかしツジノコウフクが腰を入れて障害を登り切ると、先頭でこれをクリア。差なく1番人気のヒロノドラゴンも続いていきました。
 この2頭が抜け出して、完全に一騎打ちの様相。しかしツジノコウフクの脚いろは衰えず、逆に半馬身差ほどで追いかけていたヒロノドラゴンが残り10メートル付近で失速。終いまできっちり歩き続けたツジノコウフクが、着差以上の強さを見せつけて先頭ゴールを果たしました。2着にヒロノドラゴンで、3着には障害3番手からそのままニシキユウが入線しています。

 勝ったツジノコウフクは、昨年のばんえいダービー6着以降、掲示板を外さない堅実なレースを見せていました。今回はハンデ差があったとはいえ、みずからペースをつくり、障害も早めに仕掛けて先頭クリア。そして終いの脚も確実と、文句なしの好内容でした。くしくも銀河賞は、父フクイチが重賞初制覇を果たしたレース(93年第1回。当時は北見開催で10月に実施)。ここからばんえい記念(農林水産大臣賞典)を3勝するほどの名馬に成長した父同様、今後の活躍が期待されます。
 2着ヒロノドラゴンは、今季2勝目を挙げた前走の勢いを維持。ただ、もともとばんえいダービーで3着となるなど高い素質を秘めていました。近走のレースぶりからも本格化は間近と思われます。

成績はこちら
映像はこちら

9/2銀河賞予想 矢野吉彦

2007年9月 1日(土)

ヒロノドラゴンから伝家の宝刀総流し

 夏の猛暑もようやく収まって、季節は秋。今度は馬インフルエンザの猛威が気になるところですが、ばんえい競馬にまで騒動が及んでいないのは何よりです。今週は久々の重賞、銀河賞。張り切って予想しましょう。このところ空振り続きなので、今回は何とかヒットを飛ばしたいですね。

 4歳限定、別定重量戦となれば、格と調子とハンデをにらみながら狙い馬を絞ります。ほぼ同じメンバーで行われた7月の紅バラ賞も参考になりそうです。その時に比べて、ホクショウダイヤの荷物は50キロ、メジロショウリキは40キロ、ヒロノドラゴン、コーネルなどは35キロ、カネサテンリュウは45キロ、それぞれ増量されています。当然ながら格下の馬ほど増量幅が小さいわけですが、紅バラ賞3着でその後の内容もよく、前走の十勝川特別でツジノコウフク、コーネルを退けて勝ったヒロノドラゴンにとっては好材料と言えそうです。冬のばんえいダービーでホクショウダイヤと同じ720キロを引いて先着していることから、今回のハンデ差があればチャンス到来。軸はこの馬にしましょう。
 問題は相手をどうするか。カネサテンリュウ、ツジノコウフク、メジロショウリキあたりは好調をキープしているようなので外せませんが、それ以外の馬もこの重量差なら横一線。暑い夏が一段落した馬は、暑さに強い牝馬の活躍も考えられますので、連勝中のニシキユウやひと頃の不振を脱したエメラルドにも魅力を感じます。ここは、伝家の宝刀(?)、総流し作戦で行きますか?
 結論は、オッズと相談しながら、ヒロノドラゴンからの枠複総流し。今の調子とハンデがあれば、2着までには来てくれると思うんですけど。心配なのは、真夏に連続好走しちゃったこと。今回はその反動が出ないように祈ります!

 2日は大井競馬がインフルエンザの影響で中止となり、ふるさとコーナーでのばんえい競馬の場外発売も取りやめになってしまいました。道外のみなさんには、電話やパソコンで投票していただくしかありませんが、秋競馬の開幕を告げる重賞ですので、ぜひご参加ください! では、今回はこのへんで。

9/2銀河賞予想 斎藤修

好調ニシキユウから

 4歳馬による銀河賞。
 これまでは年末から年始に行われていたが、今シーズンからはこの時期の開催になった。4歳限定重賞としては、6月3日に行われた新設の柏林賞に続くもの。あとは10月8日に4歳牝馬のクインカップがある。
 柏林賞が定量戦だったのに対し、銀河賞はクラス別定。どの馬にもチャンスはありそうで、馬券的にもおもしろそうだ。
 基礎重量は700万クラスが730キロで、ここからクラスが1つ下がるごとに負担重量は10キロずつ減っていく。
 各馬の格付けはこちらの下のほう、11レースのところをどうぞ。
 ホクショウダイヤが600万で720キロのトップハンデ(同クラスのニシキセンプーは回避)。4つのクラスから出走があり、上下では30キロのハンデ差がついた(430万クラスの牝馬2頭とは40キロ差)。
 柏林賞を勝ったマルミシュンキは今回不在で、それ以外のメンバーはほぼ再戦という感じ。実績どおりならもちろん柏林賞2着のホクショウダイヤだが、最初にも書いたとおり今回は別定戦。柏林賞3着のメジロショウリキ、同4着のテンカとは20キロ差となった。この差は正直、ホクショウダイヤには厳しそうで、今回は遠慮いただくことにする。
 ここは2連勝中と好調のニシキユウから。前走は早めの仕掛けから先頭で障害を越え、うしろからの馬につかまるんだろうなあと思いながら見ていたのだが、最後はメジロショウリキに詰め寄られるも、逃げ切ってしまった。今回もこのパターンで押し切る。
 相手にはメジロショウリキだが、前回ニシキユウと25キロ差だったものが今回は20キロ差に縮まっているだけに、逆転の可能性もある。
 前回ニシキユウと30キロ差だったものが今回20キロ差になったテンカにもチャンス。
 軽量で一発のありそうなエメラルドと、前走360万クラスを勝ったヒロノドラゴンまで。
 ◎ニシキユウ
 ○メジロショウリキ
 ▲テンカ
 △エメラルド
 △ヒロノドラゴン
 馬券はオッズ次第だが、ニシキユウからの流しと、上位3頭のボックスか。

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