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9/2銀河賞プレビュー

2007年8月31日(金)

 9月2日(日)のメインレースは4歳馬による銀河賞です。
 昨年までは4歳(明け5歳)馬による別定戦として12月~年明けに行われていたのがこの時期に移行してきました。700万円未満730キロの基礎重量からクラスがひとつ下がるごとに10キロずつ減量される別定重量で争われます。
 過去5回の傾向を見ると、トップハンデ馬の優勝は04年のサダエリコ1頭のみ。しかし重賞9勝を挙げていた女傑の例だけに参考外。ほかの4回では、トップハンデ馬は連対すらしていません。
 注目したいのはメジロショウリキ。4歳限定戦の柏林賞(6月8日)、紅バラ賞(7月16日)をそれぞれ3、2着と好走しながら700キロは恵まれた印象。前々で競馬をして、ホクショウダイヤの末脚を封じる展開に持ち込めば、重賞初制覇のチャンスです。
 同じ700キロのテンカは、今季メジロショウリキと同重量で6回対戦。3勝3敗とまったく互角の成績を残しているだけに侮れません。
 トップハンデ720キロを課せられたのはホクショウダイヤ。定量戦で行われた柏林賞は、マルミシュンキには完敗も3着以下は突き放して2着。トップハンデを曳いた紅バラ賞は、障害4番手から猛追し差し切っています。最大20キロ差(牝馬とは30キロ)だった紅バラ賞よりも、今回はさら10キロずつ重量差がひらきます。世代トップクラスの実力馬なのは確かですが、過去の傾向から全幅の信頼は置きにくいところです。
 2頭出走している牝馬では、ニシキユウのほうに魅力があります。持ち前の先行力を生かしここ2戦の430万円条件をともに逃げ切り、前走ではメジロショウリキを破っています。パワーで押すタイプなので、週末の雨が馬場状態にどのくらい影響するかで取捨を決めたいところです。もし馬場水分が1%台に落ち着くようなら好走の期待が高まります。
 690キロで出走するヒロノドラゴンコーネルツジノコウフクは、紅バラ賞ではいずれも早め障害クリアから横一線の3着争いを繰り広げました。5秒ほどの差だった2着メジロショウリキとの重量差も当時よりひらくことから、一発の期待もかかります。なかでもツジノコウフクは、今回同様10キロ差だった4歳オープンのすずらん賞(4月29日)でメジロショウリキに先着しています。
 ほか、500万円条件で連続連対中のカネサテンリュウ、軽ハンデにかけたいエメラルドが出走します。

出走表はこちら

【参考レース】
6/3 柏林賞(2着:ホクショウダイヤ)
7/16 紅バラ賞(勝ち馬:ホクショウダイヤ)

※映像はこちら。またこれらを含めた2カ月前までの映像はすべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(9/1~9/3)

 各地で猛威を振るっている馬インフルエンザですが、ばんえい競馬ではいまのところ(8月31日現在)陽性馬は見つかっておらず、今週も通常どおりに開催が行われます。
 なお大井競馬場のふるさとコーナーで2日(日)に予定されていた、ばんえい競馬の発売は、大井競馬の開催日程の変更のため取りやめになっておりますのでご注意ください。

 9月1日(土)のメイン第11レースは十勝だいず特別(250万円未満)です。
 ばんえい競馬(3歳以上)は、基本的には当該年度と過去3年間の収得賞金額を合計した番組賞金により格付けされます。格付けは最上級のオープンから50万円未満まで細かく12クラスに分かれており、そのうち200万円~50万円条件の4クラスは3、4歳馬のみの編成。本格的な古馬戦編入となるのはこの250万円条件からとなります。
 ここには前開催の勝入250万円未満の1~3着馬が揃って出走してきましたが、注目はやはり1着のアサヒセンショウ。他馬の仕掛けを横目にじっくりとためて先頭で障害を抜けると、カイセイアーチらの追い上げを完封しました。今季このクラスで5勝。時計的には僅差が多いものの、内容的には完勝と呼べるものが多く、今回は古馬の代表格としてレースに臨みます。
 3、4歳世代からも注目馬がエントリーしてきました。
 昨年のばんえいオークス馬キキリンドウは、このクラスで2戦連続連対中と調子を上げてきました。
 3歳のプリンセスモモは、ばんえい大賞典を制しています。実力は確かですが、今回は基礎重量プラス15キロの645キロを克服できるかがカギです。
 キキリンドウプリンセスモモに、ばんえい大賞典2着のコーネルフジを加えた3頭が、アサヒセンショウに挑む構図となりそうです。

 9月2日(日)のメイン第11レースは重賞・第15回銀河賞(4歳)です。このレースは別掲の銀河賞プレビューをご覧ください。

 この日の第7レースには2歳A1戦が組まれています。
 やはり前走青雲賞を制したコトブキタイガーが中心でしょう。同レース2着ホクショウジャパンは他馬より5~10キロハンデを課せられるのが不安材料。ホクショウジャパンや、オレワスゴイらと好勝負をしながら加増なしの重量で出走できるライデンロックも面白いかもしれません。

 9月3日(月)のメイン第11レースじゃがいも特別(混合700万円未満)は、ここ2開催の混合700万円未満の再戦模様です。
 前開催(8月13日)の勝毎花火大会記念を勝ったのはギャンブラークインで、前々開催(8月4日)のシーサイド特別4着から巻き返しました。このシーサイド特別はグレートサンデーが制しており、700万円条件の両馬が勝利を分け合うかたちとなりました。
 今回注目したいのはギャンブラークイン。中団を追走して届かずという競馬が続いていましたが、前走は一転、先頭で第2障害に挑む積極策に出て逃げ切りました。切れる脚のない同馬だけに鞍上西謙一騎手の好騎乗だったと言えるでしょう。他馬とのハンデも前走と変わらないだけに、今回も積極策で連勝といきたいところです。
 グレートサンデーは勝毎花火大会記念では最下位でしたが、障害さえまともならここでは力上位の存在。好レースが期待できるでしょう。
 勝毎花火大会記念で2~4着のアローコマンダーハヤテショウリキハマナカキングらも有力でしょうが、今回は700万円条件の2頭に期待してみたいところです。

レース回顧(8/25~8/27)

2007年8月28日(火)

 25日(土)に行われたのはJALツアーズカップ(3歳以上混合500万円未満)。ここは前走の大敗からミスターセンプーが巻き返し、今季5勝目を挙げました。
 馬場水分1.1%の数字が示すとおり砂塵がもうもうとするなか、真っ先に障害を越えたのはストロングペガサス。一歩遅れてフクノカミカゼ、ミスターセンプー、ライジングサンと続いていきました。外の2頭フクノカミカゼとミスターセンプーが追撃態勢に入り、グングン先頭との差を縮める展開。逃げるストロングペガサスも必死の抵抗を見せましたが、残り5メートル、馬体の半分がゴール線を越えている状態で、痛恨のストップ。その隙にミスターセンプー、フクノカミカゼが交わしていき、わずかにミスターセンプーが前に出ている状態でゴールイン。障害4番手から追い込んだライジングサンが3着。ストロングペガサスは4着に終わりました。

 26日(日)はメインレースにとかちえぞまつ特別(3歳以上オープン)が行われ、1番人気のフクイズミが優勝。ばんえいグランプリ2着に続いての勝利で、復調をアピールしました。
 道中はタケタカラニシキが早めのレースを展開。ふた腰で第2障害をクリアし、逃げ込みを図ります。しかし差なくトカチプリティー、そして、ここでフクイズミ。
 こうなれば、あとはフクイズミの展開。いつもの末脚を繰り出すとグングン差を詰め、残り30メートルでトカチプリティー、残り20メートルでタケタカラニシキを捉え、あとはゴールまで一直線。重馬場をものともしない切れを見せ、1着でゴールしました。3秒6差の2着にタケタカラニシキが入線。前走の勝利から好調キープのトカチプリティーが3着を確保しました。

 27日(月)は十勝あずき特別(3歳以上混合360万円未満)が行われました。ここを制したのは、単勝1.7倍の断然人気に推されたタカラオーシャン。これで10戦連続連対となり、その勢いを見せつけました。
 馬場水分は、前日の1.1%からさらに下がって0.8%。各馬障害で苦戦するなか、タカラオーシャンは真っ先に天板に脚をかけ、アオノキセキと並ぶように障害をクリア。しかしその後はアオノキセキ、そして残り20メートルを切ってからはキングシャープに激しく追い上げられる苦しい展開。それでも着実に前に脚を出したタカラオーシャンは、これらを振り切って先頭でゴールを果たしました。2着にキングシャープが入り、アオノキセキが3着を確保しています。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(8/25~8/27)

2007年8月24日(金)

 25日(土)には、道新十勝川花火大会(19:00~19:45)が行われるため、発走時刻を変更してレースが行われます。第1レースが13:10、第10レースが18:55、メインの第11レースが20:15発走となりますのでご注意ください。
 さて、6月4日の落馬負傷により戦列を離れている松田道明騎手の近況が、ばんえい十勝ホームページに掲載されています。先日のばんえいグランプリを制したエビスオウジャの主戦も務めていた同騎手の一日も早い復帰を待ちたいと思います。

 8月25日(土)のメイン第11レースはJALツアーズカップ(混合500万円未満・20:15発走予定)です。
 キョクシンオーは、8月5日に行われた混合戦の共和かかし祭杯、前開催の十勝川温泉第一ホテル豆陽亭杯と、このクラスで2連勝中。前走は、他馬より5~15キロ重いトップハンデ705キロを課せられましたが、1番人気にこたえ危なげなく逃げ切りました。今回はさらに5キロ加増され710キロでの出走ですが、レースぶりにはまだ余裕が感じられます。早め障害クリアから粘り込む強いレースで、3連勝を期待したいところです。
 相手は、430万円条件のミスターセンプー。前開催のとかちワインばんえいラベル発売記念(430万円未満)では、1番人気を裏切り10着。仕掛けは一番早かっただけに、障害さえまともだったら押し切っていた可能性もあります。前走に引き続き700キロでの出走となりますが、今回は巻き返してくるでしょう。
 十勝川温泉第一ホテル豆陽亭杯で3、4着のライジングサンフクノカミカゼらも有力。共和かかし祭杯3着のキリンオーも一角崩しを狙います。

 8月26日(日)のメイン第11レースは、とかちえぞまつ特別(オープン)です。
 メンバー的には、前開催のばんえいグランプリと、8月5日のサマーカップの再戦模様です。
 参考になるのは今回と負担重量が近いサマーカップ。障害を先頭でクリアしたナリタボブサップと、差なく続いた2番人気カネサブラック、タケタカラニシキら3頭の争いとなりました。残り20メートル付近でカネサブラックが単独先頭に立つと、食い下がるナリタボブサップを振り切って優勝。3着にはタケタカラニシキが入りました。
 1番人気に推されながら10着に敗れたのがフクイズミ。7月22日の北斗賞に続いて障害に苦戦し最下位でしたが、前走ばんえいグランプリではカカリの良さが戻り、勝ち馬と0秒9差2着に復活。今回も先行勢から大きく離されず、自慢の末脚を活かす展開に持ち込みたいところです。
 カネサブラックには、今回、サマーカップから5キロ増となるトップハンデ740キロが課せられました。740キロが許容範囲であることは、ばんえい十勝オッズパーク杯(1着)で証明済み。今回も有力馬の1頭には違いありません。しかし今季740キロ以下で出走した6戦中勝った3戦では、ほかのオープン馬たちとの重量差はプラス5キロ(牝馬は25キロ)まで。今回は、ほかのすべての出走馬たちと10キロ(牝馬は30キロ)差がつくことが気がかりです。
 サマーカップで好走したナリタボブサップタケタカラニシキや、前走のオープンで今季初勝利を挙げたトカチプリティーなども争覇圏でしょう。

 8月27日(月)のメイン第11レースは十勝あずき特別(混合360万円未満)です。
 注目はキングシャープ。前走十勝川特別(360万円未満)では、障害に手間取り、前とは大きく離されました。しかしよく追い込んできて4着を確保。負けて強しといったレース内容でした。今回は混合戦で、前走より相手関係が楽になった印象。昨季は800万円条件で勝ち負けしていた底力に期待したいところです。
 その十勝川特別でヒザを折りながらもすぐに立て直し、2着に入ったホクショウドラゴンも有力。
 2連勝中のカネミセンショーや、今季この条件で掲示板を外していない3歳馬アローファイターなども侮れません。

やっぱり馬が好き(第38回) 旋丸 巴

2007年8月23日(木)

ピュア・アラビアンホース・フェア

 『夢のグランプリで夢の高配当』と銘打った私の観戦ボックス予想が、またまた的中! 7500円もの配当がついたからマヌケ面で呵呵大笑していたら……。

 馬インフルエンザ騒動である。

 サラブレッドと、ほとんど接点のない、ばんえい競走馬、とは言え、感染ルートが確定されていない以上、油断は出来ない。というわけで帯広競馬場も完全防疫体制に入った。具体的には、

 ①バックヤードツアーの中止
 ②ふれあい動物園の休園
 ③協賛レースでの口取りの中止(ただし、柵越しに記念撮影はできる)

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 という措置が取られた。勿論、その他にも馬の移動の禁止やら、部外者の厩舎立ち入りの禁止など、内部的な規制は色々あるけれど、ファンに対する影響は、概ね、この3点。

 これだけで競馬が続行されるのだから、先ずはよかった、と言うべきなのだが、ここに、ひとつ、大きなインフルエンザの余波が出て、今週末25日、26日に予定されていた「とかち馬文化を支える会」主催のウエスタンショーが中止になってしまったのである。今回、予定していたウエスタンショーは、ファン参加のゲームあり、馬による曲芸あり、という楽しいもの。それだけに、私も大いに期待していたのだけれど、この中止……。ううむ、インフルエンザが憎い!

     *     *     *

 というわけで、今回は中止になってしまった「支える会」主催のイベントだけれど、さかのぼって先月の29日には、同会主催によるイベント第1弾がめでたく開催されたから、その御報告をば。

 その記念すべき第1回目の「支える会」主催イベントは、他ならぬ私が担当。「2007ピュア・アラビアンホース・フェア」と銘打って、十勝に繋養される6頭のアラブ馬を披露。スタンド南側にパドックを作って、そこに親子のアラブ馬を展示したり、馬車を運行したり。メインイベントとして、スタンド前アラブ馬によるパレードも行うというもの。

 また、これに付随して、アラブ馬ブースを設置してグッズ販売やDVDの上映をしたりしたのだけれど、当日は朝から豪雨。開門時には一旦、空が晴れ上がり快晴……と歓んだけれど、3時過ぎには再び激しい暴風雨が吹き荒れるという、最悪の天候。

 ではあったけれど、しかし! そんな悪天候にも関わらず、ファンの人達は、アラブ馬に触ったり、馬車に乗って記念撮影をしたり。パレードでは、小雨が残っていたにも関わらず、50名ほどもの人がスタンドから出て熱心に写真を撮って下さっていたから、胸が熱くなってしまった。

 胸が熱くなったと言えば、お手伝いをして下さった皆々さんにも、感動、感激の連続。当日、アラブ馬を連れて来た我が日本純血アラブ馬協会の面々は、馬の世話におおわらわ。そんな私達を手伝って下さったのが、競馬場で顔見知りになったファンの人達や、厩舎関係者の面面。

 私が会場に到着した時には、既に、服部先生はじめ厩舎の皆さんが、馬の繋ぎ場やパドックを設営して下さっていたから、もう、この時点で、感謝に心震えたけれど、その後も、フットワーク軽く、かゆいところに手の届くケアをしてくださって、勿論、その中に、我らが谷さんもいてくれたから、嬉しかったのなんの。

 厩舎関係者の方については、もうひとつ、関心、感謝したことが……。

 牝馬を見て頭に血を昇らせてしまった1頭のアラブ馬。前足を高く掲げて阿波踊りするこの馬を、しかし、厩務員さん達は全く臆することなく引き馬して下さり、その度胸と心意気に「ひぇ~」と驚かされたのである。さすがは、日頃、巨大な競走馬を扱っているだけある。ばんえい競馬界の底力を見せ付けられた気分であった。

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アラブ馬による馬車運行

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服部会長もアラブ馬と記念撮影

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アラブ馬に観客も興味津々

 ファンの皆さんの応援も、これに負けず劣らず凄かった。馬車の案内から、グッズ販売、果ては馬糞拾いまで、自発的にどんどん手伝って下さったのだから恐縮至極とはこのこと。

 こうして厩舎関係者やファンの人々のご厚意に助けられて、無事にイベントは終了。

 馬運車に愛馬を積み込んで門を出る時に、新聞売りのおばさんが、馬運車から顔を出す私の愛馬を指差して、

 「あっ、あの馬達よ、さっきパレードしてた馬。綺麗でしょ~」

 まるで我が馬のように自慢気に話すおばさんの声を聞きながら、ふっふっふっと、ほくそ笑んで、しかし、次の瞬間にハッと気が付いた。

 ばんえい競馬を応援するため、と、人助けのつもりで手弁当で頑張った当イベントではあったけれど、実のところ、助けられたのは我々だったのではないか、と。

 少なくとも、「北海道の多彩な馬文化を御紹介したい」という我々の願いは、ばんえい関係者のお陰で叶えられたわけで……。

 「馬好きは相身互い」「情けは人のためならず」を実感した1日だったのでした。

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