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今週の見どころ(8/4~8/6)

2007年8月 3日(金)

 ばんえい競馬では、8月12日(日)に行われる真夏の頂上決戦・ばんえいグランプリの出走馬を選ぶファン投票を、4日(土)まで実施中です。7月30日現在の中間発表では、ミサイルテンリュウが305票を集め1位。2位にサダエリコ(248票)、3位にフクイズミ(234票)が入り、以下、トモエパワー、アンローズ、カネサブラック、タケタカラニシキ、シンエイキンカイと続きます。
 投票者のなかから抽選で、十勝川温泉のペア宿泊券などのプレゼントも当たるこの企画。こちらからも投票できますので、どうぞ奮ってご参加ください。

 8月4日(土)のメイン第11レースはシーサイド特別(混合700万円未満)です。
 注目は現在、混合500万円未満、薫風特別(オープン混合)、十勝川モール温泉杯(600万円未満)と3連勝中のバンゼン。薫風特別、十勝川モール温泉杯には、今回の出走メンバーも多数参戦していたことから、ここでも好勝負が期待されます。
 しかし、今回はバンゼンの負担重量が5キロの加増となることから、薫風特別、十勝川モール温泉杯でそれぞれ2、3着のハマナカキングや、薫風特別3着ホクショウダイヤらに逆転の可能性が出てきました。
 また、バンゼンとのハンデ差は変わらないものの十勝川モール温泉杯で僅差2着のアローコマンダーや、前走混合600万円未満を圧勝したヤマノミントらにもチャンスがありそうです。

 8月5日(日)のメイン第11レースはサマーカップ(オープン)です。
 旭川記念7着、北斗賞6着と、700キロ台後半の負担重量での2戦は見どころのなかったカネサブラック。しかし740キロ以下のレースでは、今季5戦2勝、2着2回、3着1回と抜群の安定度を誇ります。今回は実績のある負担重量に戻り中心視できるでしょう。
 いずれの重賞でも3着に入っているスーパークリントンも、相手関係が楽になり注目。
 また、北斗賞では障害に手間どって最下位とはいえ、フクイズミも巻き返しの期待がかかります。
 前走オープンで2着に入ったナリタボブサップや、前走北斗賞で久々の連対を果たしたサダエリコらも上位をうかがう存在です。

 8月6日(月)のメイン第11レース、アクア特別(360万円未満)は、ミスターセンプーツジノコウフクホクショウドラゴンタケノホウシュウらによる争いになりそうです。
 ミスターセンプーは360万円条件(混合戦を含む)で5戦連続連対中。その4頭が最近対戦した7月1日の360万円未満を勝ったのはミスターセンプーでした。
 また同2着ツジノコウフク、同5着ホクショウドラゴンは今季は掲示板を1回も外さない堅実な走りを披露。同8着のタケノホウシュウも今季同条件(混合戦を含む)で4連勝を記録するなど好調です。
 負担重量の比較では若干ツジノコウフクが有利にも思えますが、実力は拮抗しており、この4頭いずれにも勝機がありそうです。

やっぱり馬が好き(第37回) 旋丸 巴

2007年8月 2日(木)

馬でメシを食う者として…

 前回記した「観戦ボックス(お弁当)予想」。これが好調なのですよ。うひゃひゃひゃひゃ~。だってね、ここ6戦の成績が4勝、残り2戦も1着3着。4勝の内、2つは連と単、2種類の馬券を的中させているんだから、どーです。凄いでしょ~。エッヘン! 皆さん、馬券を当てたかったら、是非、このお弁当をば購入めされい!

 と、思い切り宣伝しちゃったけど、こんなことででも、ばんえい競馬が盛り上がればいいな~、という姑息な計算もあるのですよ。

   *     *     *

 しかし、私なんぞが地味に予想を当てなくっても、このところの帯広競馬場は種々のイベントが行われていて、活気に溢れているのである。特に全国区で注目されたのが……そう、7月16日に行われた「JRA騎手によるエキシビションレース」。JRAの騎手、しかも、全員がGIというスタージョッキーが6名も登場し、ばんえい競馬に挑戦する、というビッグイベントだから、注目を集めないはずはなく、告知が僅か1週間前だったにも関わらず、遠くからもファンが詰め掛けて、大変な賑わいになった。

 と、しかし、そういうことは、各種メディアで取り上げられたし、私自身も雑誌『優駿』を始め、他の媒体にも書いたから、レースそのものについては省略。

 そうではなくて、折角、ディープなファンの読者が多い当ブログだから、ここには、ちょっとした裏話を記しておこうと思う。

   *     *     *

 GIジョッキーとはいえ、全員、ばんえいのソリに乗るのは初めて、ということで、当日、昼過ぎに到着した6騎手は、調教コースで練習を開始。

 因みに、ここで練習役を務めてくれたのが、何とオープン馬のトカチプリティー。一流騎手をお迎えするのに、これだけの馬を用意したのは、ばんえい関係者の心意気だろう。

 さて、そんな名馬を配しての練習だけど、ここで、一際真剣だったのが安藤勝己騎手。わいわいと歓声をあげる他騎手を尻目に、皆が一通り練習を終えた後まで、真剣に、いつまでも手綱を握って感触を確かめる姿に、トップジョッキーの気迫が……。実際、レース終了後も「燃えた~」と叫んでおられたし、その後のインタビューでも「エキシビションレースでも1勝は1勝」と話されていた。つまるところ、この方、本当の、本物の、正真正銘の勝負師なのですねぇ。

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真剣に練習する安藤勝己騎手

 という安藤さんとは対照的に、満面の笑みではしゃいでいたのが池添騎手。ソリに乗った後には、直接、トカチプリティーの背中にまたがって……しかし、この時の池添騎手のコメントが良かった。「でかい!」というのは当然として、次の瞬間、「可愛い~」とトカチプリティーの首にすがりついたから、池添騎手も可愛い~。

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トカチプリティーと池添謙一騎手

 練習後、用意された控え室に戻った6騎手は、しかし、今度は、また、違った一面を見せてくれて……何しろ馬券に夢中。それぞれに予想紙とマークカードを手に必死の形相。そんな中、藤田騎手が窓からパドックを見ていたから、

 「やっぱり、こういう馬でも善し悪しが分かりますか?」と尋ねるや、瞬時に、

 「わかるはずないでしょ」と笑った藤田騎手の、おどけた表情が、これまた可愛い~。

   *     *     *

 というような楽しい時間も過ぎて、レースも無事に終わり、そこで、私は前々から狙っていたショットを撮るべく、ゴールへ駆け寄った。お目当ては、JRAの横山騎手と、それをサポートした、ばんえいの安部憲二騎手。

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同じ勝負服の横山典弘騎手と安部憲二騎手

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GI制覇の勝負服で勢ぞろい

 当日は、このレースのために、JRA騎手それぞれがGI制覇した時の勝負服を、主催者が用意。という訳で、横山騎手が、この日、着用したのがメジロライアンでGI制覇した時の勝負服だったのだが、実は、この勝負服、我らが安部憲二騎手の勝負服と同じなのである。この「同じ勝負服」を着たお2人の写真が撮りたかったのだが、事前に安部騎手にお願いしておいたこともあって、ここに掲げる写真の撮影に成功したという次第である。

   *     *     *

  そんなこんなで、様々な騎手さんの姿を見せてもらった今回のイベントだったけれど、最も印象的だったのは、藤田騎手のコメント。

 「同じ『馬でメシを食う者』として、ばんえい競馬を少しでも応援できたら……」

 日頃、ヤンチャと噂されるこの騎手さんではあるけれど、実に紳士なこの態度に、ちょっとビックリ。そして、実感のこもったこの言葉は、私の琴線を激しく掻き鳴らした。

 「馬でメシを食う者として」……とは、正に、今、我々「とかち馬文化を支える会」の活動の原動力となっている「心持ち」。

 この藤田騎手の心意気に負けてはいられないから、7月28日には我が日本純血アラブ馬協会が「支える会イベント第1弾」として、「2007 ピュアアラビアンホース・フェア」なる催しを繰り広げたのだが……。さすがに、それを書くほどの紙面は残っていないから、それらについては次回に御報告を。乞う御期待、なんである。

レース回顧(7/28~7/30)

2007年7月31日(火)

 28日(土)に行われたのはマリーン特別(3歳以上430万円未満)メジロショウリキが競走除外となり9頭立てで行われました。勝ったのは2番人気のテンカ。柏林賞4着以降、やや精彩を欠く走りが続きましたが、ここで見事に巻き返しました。
 第2障害は、人気の2頭キョクシンオーとテンカが早めに仕掛け、並んだままひと腰でクリア。抜きつ抜かれつの攻防がそのままゴールまで続き、同タイムの結果、テンカに軍配が上がりました。エメラルドとヤマトゼンシンによる3着争いは、エメラルドが制しました。

 29日(日)に行われた重賞・ばんえい大賞典(3歳オープン)は、牝馬のプリンセスモモが優勝。このレースについては別掲のばんえい大賞典回顧をご覧ください。

 また、この日の第8レースは2歳A-1戦が行われ、注目の2頭ホクショウジャパンとオレワスゴイが出走。1分ちょっとの高速決戦はホクショウジャパンが制しました。2着にオレワスゴイ。

 30日(月)は500万クラスによる一戦、オーシャン特別が行われました。ここを制したのはハヤテショウリキ。得意の好位抜け出しで、今季2勝目を挙げました。
 馬場の回復もあって、道中はややゆったりとした流れ。第2障害ではライジングサンが掛かりよく登坂し、先頭でこれをクリアしました。しかし、差なくユウセイマーチ、ハヤテショウリキが続き、三つどもえのまま残り20。そこから抜け出したのがハヤテショウリキで、残り10メートル地点で完全に抜け出すと、そのままゴールを迎えました。後続2頭は併走状態のままゴールし、わずかにライジングサンが先着。ユウセイマーチは悔しい3着となりました。

 この日の第10レースには3歳以上オープンの一戦が組まれ、4番人気のスターエンジェルが快勝。2番人気のナリタボブサップが2着、1番人気トカチプリティーが3着を確保しました。

映像はこちら。またこれらを含めた4月以降の映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

7/29ばんえい大賞典回顧

2007年7月30日(月)

プリンセスモモが一冠奪取! 

 29日(日)は重賞・ばんえい大賞典(3歳オープン)が行われ、プリンセスモモが快勝。2月の黒ユリ賞で1番人気(5着)、6月の黒ユリ賞で2番人気(7着)に支持されていた実力を、三冠初戦の舞台で見事に発揮しました。

 馬場水分が5.0%となり、道中はハイペース。各馬がほとんど息を入れない展開で、一団のまま第2障害を迎えました。
 内枠のマルニゼウス、アローファイターあたりが、真っ先に登坂を開始。そのなかでアローファイターがひと腰で登り切り、先頭で障害をクリア。やや遅れてプリンセスモモ、シベチャタイガーが続いていきました。
 そこからグイグイ脚を伸ばしたのはプリンセスモモ。残り30メートルを切って先頭に躍り出ると一気に後続を突き放し、楽々と先頭でゴールしました。2着には障害4番手から追い込んだコーネルフジ。障害先頭クリアのアローファイターが粘って3着を確保しました。

 勝ったプリンセスモモは、今回625キロ。軽馬場も含めて、もっとも恵まれた印象がありますが、もともと素質は上位。6月の黒ユリ賞では勢いよく追い込み、2着はあるかと思われたところで痛恨のゴール線上ストップ。そのレースぶりを考えれば、結果的にここでの勝利も納得でしょう。
 2着のコーネルフジは、久しぶりに大舞台で快走。05年の全道祭典ばんば1歳馬決勝大会(牡馬の部)で優勝、2歳最初の能力検査で2番時計を出したように、素質の高さは早くから認められていました。これをきっかけに、また世代のトップ争いへ加わってほしいものです。
 対して人気を背負ったアローファイターは、“善戦マン”のレッテルを今回もはがすことができませんでした。ただ、すんなり障害を越えたのは実力の証明。あとは末脚をきっちり伸ばすための底力が、今後の課題といえそうです。

成績はこちら
映像はこちら

7/29ばんえい大賞典予想 矢野吉彦

2007年7月27日(金)

好調の軽ハンデ馬か、近走ソコソコの格上馬か

 あぁ北斗賞。ミサイルテンリュウはよかったのに、2着サダエリコとはねぇ。いつか復活があると思って、敗戦のなかにもきっかけになるような動きがないかと毎レース注目していたんですが、前走の様子ではその兆しなしと判断しちゃったんです。でも、サダエリコが復調し、北斗賞の第2障害で見せ場は作ったアンローズが苦手の帯広を克服できるようになったら、これからのオープン戦線は楽しみが増えます。終わったことは終わったこと。これからに期待しましょう。

 さて、今週はばんえい大賞典。3歳3冠シリーズの第1戦です。このレースの馬券は、先週の北斗賞同様、大井競馬場など南関東の地方競馬場で場外発売されます。大井ではまたまた私が、斎藤編集長や「ウイニング競馬」の前司会者・立花優美チャンと予想トークショーを実施しますので、お近くの方はぜひお出かけください。
 で、予想のほうですが、獲得賞金別にハンデ差がついたここは、格下でも好調な軽ハンデの馬を狙うか、近走ソコソコの成績を残している格上で重いハンデの馬を狙うか、少々悩むところです。前者は、エリザベスライデン、ニシキガール、プリンセスモモの牝馬勢とコーネルフジ、ミサキスペシャル、後者はアローファイター、シベチャタイガーあたりでしょうか。とかちダービーを制したマルニゼウスも、その時から25キロ重い荷物を背負いますから、後者の1頭に入れておいてよさそう。2歳シーズンのチャンピオン、カネサリュウも後者ですが、近走ソコソコとは言えませんね。
 そのとかちダービー黒ユリ賞からの重量の増減からすると、とても微妙な数字の比較になりますが、ニシキガールに可能性が出てきたと思われます。とかちダービーで勝ったマルニゼウスとは10キロ差が15キロ差に広がり5キロ分有利に。黒ユリ賞の勝ち馬エリザベスライデンとは30キロ差が5キロ差に縮まって、これも有利な材料になっています。2つのレースでは大差で敗れたニシキガールですが、その後の2戦は好内容。一発大逆転があればこの馬のような気がしますね。ただ、流し買いの軸馬にするには勇気がいりますよ。また、プリンセスモモも、マルニゼウスやエリザベスライデンとの比較では、ニシキガールほどではないもののハンデ面で有利になってきていますから、こちらもマークは必要でしょう。
 ハンデの比較では、当然、重いほうが格上ってことになります。しかし、大将格のカネサリュウは近走が今イチ。同世代同士の対戦なら巻き返しも、という考え方もできますが、そこそこの見どころは作っておいてほしかったところ。だったら今回は、この馬よりもナンバー2のアローファイターのほうがおもしろそうです。とかちダービーには出走せず、ひたすら条件戦を使って、そこそこ堅実な成績を残してきました。先週の北斗賞、ミサイルテンリュウでの思い切った仕掛けで重賞勝ちを収めた鈴木恵介騎手にも期待。流しの軸はこの馬にしたほうがいいかもしれません。
 では結論。アローファイター、ニシキガール、プリンセスモモの馬単ボックス。それに、アローファイター、ニシキガールからシベチャタイガー、マルニゼウスへの馬単も加えておきます。一気に増量されるエリザベスライデンと、近走に見どころのないカネサリュウは思い切って消し。格下で軽ハンデのコーネルフジ、ミサキスペシャルにも、今回はおとなしくしていてもらいましょう。
 一応結論には達しましたが、実はまだ悩んでいます。当日の天気や馬場状態も考慮してませんし……。当日、大井のトークショーでは、ちょっと結論を変更するかもしれません。なにとぞご了承ください。では、今回はこのへんで。

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