アローファイター悲願の頂点奪取
24日(振・月)に行われた重賞のばんえいダービー(3歳オープン)は、アローファイターが快勝。三冠戦線で3、2着と惜敗続きだった同馬が見事に最終戦を制し、世代の頂点に立ちました。
道中はアアモンドヤワラ、アローファイターあたりが馬群をリード。これにニシキガールも加わり、ややバラついた状態で第2障害を迎えました。
各馬じっくりタメたのち、真っ先に仕掛けたのはアアモンドヤワラ。しかし、それに呼応するように動いたアローファイターが抜群の登坂力を見せ、ひと腰でクリア。やや遅れてシベチャタイガー、ニシキガールの2頭が続き、後続は置かれ加減。勝負は3頭に絞られたように思われましたが、アローファイターの逃げ脚は快調。ゴール前で少し脚いろが鈍ったものの、セーフティーリードがものを言い、後続の追撃を完全に封じました。2頭による2着争いは、終始リードしていたニシキガールが先着。そのニシキガールがゴールした瞬間、シベチャタイガーの脚が止まり、さらにもう一度寸前でストップ。かろうじて3着を確保しました。
勝ったアローファイターは、ナナカマド賞(特別)2着、ホクレン賞2着など、早くから世代のトップクラスとして活躍。しかし、その後もイレネー記念3着、そして前述の通りばんえい大賞典3着、ばんえい菊花賞2着と重賞で勝ちきれず、もどかしい結果が続いていました。ところが今回は、課題のゴール前を克服し、しまいまできっちり脚を伸ばす好内容。毎回こうしたレースを演じることができれば、さらにタイトルを積み重ねることも可能でしょう。
ニシキガールはばんえいオークスでの勝利に続く好走で、牝馬の世代ナンバー1を強く印象づけました。ゴール前一杯になっていたばんえいオークスに比べると、さらに力をつけたのが明白で、過去のオークス馬と比べても遜色ない力を持っていると言えます。
ばんえい菊花賞に続く二冠を期待されたシベチャタイガーでしたが、2歳時に課題となっていたゴール前での粘りが、この大一番で出てしまいました。ただ今回の走りからも、この世代を代表する1頭であることは確か。もう一皮むければ、古馬重賞を取れる器であることも間違いないでしょう。