赤見:北海道所属の五十嵐冬樹騎手にお話伺って行きます。よろしくお願いします。
五十嵐騎手といえば、引退しました【コスモバルク】が印象深いですが、五十嵐騎手にとってはどんな存在ですか?
五十嵐:そうですねぇ、やっぱり僕の騎手人生の中で、中央の舞台で数多くのGIを経験させてくれた馬ですし、また海外のGIの舞台を教えてくれた馬ですから、一生忘れることの出来ない馬ですね。
赤見:まず、出会った時の印象をお聞きしたいです。
五十嵐:初めは【コスモバルク】自体、道営競馬デビューの時からは騎乗していなかったんですけど、強い馬だなと思ってました。
自分が騎乗する機会はないと思ってたんで、強いな~くらいの気持ちで見てたんですが、中央挑戦する時から騎乗依頼をいただいて、初めて跨ったのが返し馬の時だったので、その時すごく背中のいい馬だなって感じて、芝も合いそうだなって感じて、500万クラスの特別戦だったんですけど、この感じなら勝てるんじゃないかな...ってゆうのが最初の印象でしたね。
赤見:そして、一緒に重賞も勝って、クラシックも走って、あの時は競馬も盛り上がりましたし、五十嵐騎手にとっても大きかったんじゃないですか?
五十嵐:そうですね。 本当に色んな面で勉強させていただきましたね。
赤見:そしてシンガポール!あのレースも大きかったですよね。 国際GIを勝った時のお気持ちは?
五十嵐:やはり、僕も騎手になった以上、世界の舞台で...というのは夢の一つでしたし、また、【コスモバルク】に日本でなかなかGIを勝たせてあげられなかった。 その分、なんとかシンガポールで恩返しすることが出来たんでね。 あの時に、オーナーの岡田さんからも言葉いただいて、初めて自分がやって来たことが報われたかなって気持ちになりました。
赤見:そして、引退ということになりましたけれども、その事を聞いた時はどんな気持ちでしたか?
五十嵐:数多くのレースを経験して来て、年齢的にも成績的にもかなりのところまで来てたんでね、ボチボチ引退って話も聞こえたり聞こえなかったりしてた中で、牧場で功労馬として繋養することになったんでね、もうお疲れさまという感じで、ゆっくり休んで欲しいなという思いですね。
赤見:引退後、功労馬という形になったのはどうですか?
五十嵐:近くに牧場もありますし、時々会いにも行きますし、また会った時に昔のこと思い出したりすることも出来るんでね、本当にゆっくり休んで欲しいですね。
赤見:そうですよね。 そして今年は【ラブミーチャン】にも騎乗しましたけれども、この馬もまた地方競馬にとって大きな存在ですよね。 騎乗してみてどんな印象でしたか?
五十嵐:【ラブミーチャン】に関しては、北海道に入厩してからずっと調教から乗せてもらってるんですけど、まだまだ完成してない所もありますので、これから身体もしっかり出来ていけば、もっと活躍出来る馬だと僕は思っています。
赤見:具体的に、どの辺りが成長して欲しいですか?
五十嵐:腰の辺りが、まだ力がついてない馬なので、成長とともにその辺がしっかりしてくれれば、もっとスピードも生きてくるでしょうし、レースも楽になってくると思うんで、その辺がしっかりしてくれば、もっともっといい結果が出せると思います。
赤見:今の段階でこれだけ走るのはすごいですね。
五十嵐:そうですね。 潜在能力は高いものがあると思いますね。
赤見:そして、五十嵐騎手自身のお話もお聞きしたいんですけど、まず騎手を目指したきっかけは?
五十嵐:幼少期にばんえい競馬を父親とちょこちょこ見に行ってたんですけど、それで小さい頃から馬を見てたんです。 それで、中学生になってから競馬中継で初めて騎乗してる競馬っていうのを見て、これ自分もやりたいなって、ピンとくるものがあって、自分で騎手試験を受けようって決めました。
赤見:実際デビューして、お若い時から大活躍して来て、振り返ってみてここまでの自分に点数をつけるとしたら何点ですか?
五十嵐:いやいや、本当にまだまだで。5,60点くらいです。 まだ足していかなきゃいけないところもありますし。
赤見:いえいえ。 今年のオフシーズンには、南関東で騎乗予定ですよね?
五十嵐:初めての南関東での短期騎乗になるんですけど、出来る限りの成長を挙げてきたいと思っています。
赤見:普段の年のオフシーズンはどんな風に過ごしてるんですか?
五十嵐:主に2歳馬の調教をしてますね。 鞍付けから始めて、跨って、すべて自分たちでやってますんで、ある意味、競馬に関して一番大事な時期かもしれないですね。
赤見:トップジョッキーも鞍付けなどの調教からつけるんですね。
五十嵐:まぁ北海道はね、そういう流れのところなので、デビューしてからずっとやってますね。
赤見:それでは、今後に向けて豊富を聞かせて下さい。
五十嵐:これからも、また【コスモバルク】やいい馬たちに巡り会えるように、努力を惜しまず、頑張って行きたいと思います!
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※インタビュー / 赤見千尋