ニシキダイジンが貫禄を示す!
24日(日)は重賞・北見記念(3歳以上オープン)が行われ、単勝4番人気のニシキダイジンが優勝。昨季のばんえい記念馬が貫禄を示し、今季の重賞初勝利を飾りました。
馬場水分が2.0%と重めのなか、800キロ台後半の高重量戦。当然のように道中はゆったり進みました。ニシキダイジンが先頭で馬群を引っ張り、2番手以下はギンガリュウセイ、ナリタボブサップ、トモエパワーあたりが並んで追走。荷物と馬場の感触を確かめるように、着実な脚取りで各馬第2障害を迎えました。
逃げたニシキダイジンが真っ先に仕掛け、まずは天板手前まで登坂。それを静観していた各馬でしたが、カネサブラックが動いたのと同時にギンガリュウセイも仕掛けました。3腰目でニシキダイジンが障害を登り切ると、それとほぼ同時にカネサブラックが痛恨のヒザ折り。対照的にゆうゆうと障害を下りていくニシキダイジン。ばんえいを牽引する両雄の明暗がくっきり分かれた、印象的なシーンでした。2番手でギンガリュウセイとナリタボブサップが馬体を併せるような形でクリア。やや遅れて、立て直したカネサブラックも障害を越え、4番手から追走する展開となりました。
先頭は障害の下りで加速したギンガリュウセイとナリタボブサップがニシキダイジンに追いつき、3頭が横一線。残り20メートルを切って、わずかにナリタボブサップの脚いろが上回って先頭へ。しかし、高重量戦でのしぶとさではニシキダイジンのほうが一枚上で、残り15メートル付近から一気に盛り返して先頭を奪い返しました。ナリタボブサップはやや失速気味で、残り10メートルでギンガリュウセイが2番手に浮上。出入りの激しいサバイバル戦となりましたが、こうなればニシキダイジンの底力が圧倒的に優勢。結局2着ギンガリュウセイに2秒9差をつける完勝で、重賞4勝目をマークしました。ナリタボブサップは残り5メートルで脚を止めましたが、立て直して3着。カネサブラックもほぼ同じ位置で脚が止まってしまい、結果4着に敗れました。
やはり力の要る馬場での高重量戦は強いニシキダイジン。いったんは2頭に並ばれ、さらに先頭を奪われるような展開になっても、しぶとい粘り腰は健在でした。馬場水分が下がり、さらに負担重量も増えていくこの季節。ニシキダイジンの本領発揮はこれからです。
岩見沢記念で4着と力を示していたギンガリュウセイが、さらに前進して2着を確保しました。充実ぶり顕著なうえ、まだ6歳と若いだけに成長し続けている印象。前々で運んで、しまいも確実に脚を伸ばした内容も良く、再度一線級との戦いとなっても大きな期待が持てそうです。
ナリタボブサップは課題の詰めの甘さが出てしまった格好。ただ先着した2頭より荷物が10キロ重いなかで互角の立ち回りを演じただけに、致し方のない結果ともいえます。今後の巻き返しに期待したいところです。
藤野俊一騎手「レース前は先行して逃げ込みを図ろうと考えていて、その通りの競馬ができました。ナリタボブサップにいったん前に出られましたが、相手はしまいが甘くなる馬なので、ニシキダイジンが止まらなければ勝てるな、と思っていました。担当の厩務員も戻ってきてくれたので、これから馬の状態も良くなってくると思います」