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11/28ばんえいオークス予想 須田鷹雄

斤量実績でタケノビジン

 そろそろ当てないと、プラスゾーンには戻れない状況に......。
 しかし、3歳牝馬という限られたカテゴリ内でかつ重量差無しでは、ひねるにも限界がある。
 人気は4、6、7だろうが、その中でも◎タケノビジンを重視したい。○ダイリンビューティ、▲ツジノコウフクヒメよりは番付1枚下という立場でこれまで来たが、670キロという斤量の絶対値に対していちばん安心感があるのは、ばんえい菊花賞でこなしているこの馬だ。
 他の馬はちょっと力量差があると考え、タテ目覚悟の馬複の◎-○、◎-▲2点でまとめようかと思ったが、◎が合っていてしかもヒモ荒れという結果もカバーできるように、△アイラブフクヒメ、△ワタシハアグネスも少額だけ押さえておきたい。C1勝ち負けレベルかつ馬格があるという条件で選ぶとこの2頭になる。

 馬複
 7-4,6 各2000円
 7-1,8 各500円

11/28ばんえいオークス予想 斎藤修

好調続くツジノコウフクヒメ

 詳細はオッズパークのブログをご覧ください。

 ◎(4)ツジノコウフクヒメ
 ○(7)タケノビジン
 ▲(6)ダイリンビューティ
 △(9)ヒロノクィン

 馬複
 4-7 2500円
 馬単
 4→6 1000円
 7→6 700円
 4,7→9 各400円

今週の見どころ(11/27~11/29)

2010年11月26日(金)

 11月28日(日)のメインには3歳女王決定戦・ばんえいオークスが組まれています。当日、帯広競馬場は、ばんえい十勝レディースデーとして、女性だけの特典が満載。ソメスサドル製のショルダーバックなどが当たるばんえいオークス勝ち馬予想大会のほか、併設のとかちむらの各店舗でも、割引などのサービスが受けられます。ぜひ競馬場へお出かけください。

ミントスポット北見場外でのイベントはこちら

 11月27日(土)のメイン第11レースはオホーツク特別(オープン-2組・17:05分発走予定)
 前走のオープン・A1級決勝混合は1番人気で4着と敗れたホクトキングが巻き返しを期します。前走は平場戦でやや追走に苦労しましたが、今回は特別だけにペースも落ち着くはず。主導権を握って押し切り濃厚といえます。
 同じ前走で逃げ切って今季初勝利を挙げたのがオレワスゴイ。僅差負けが多かっただけに、これできっかけをつかむかもしれません。
 ウメノタイショウにとっては、オープン-1組特別を使われた前走より大幅に相手が下がりました。ここなら上位を狙える力があります。
 ホッカイヒカルは前走のオープン-2組混合特別では第2障害先頭から押し切って、ホクトキングをしりぞけています。ムラ駆けタイプですが、流れがハマれば一発がありそうです。
 穴っぽいところではニシキエース。今季未勝利ですが、得意な寒い時期を迎えてレースぶりが良化してきた印象があります。

 11月28日(日)のメイン第11レースは第35回ばんえいオークス(3歳牝馬・17:10発走予定)。3歳シーズンで唯一の牝馬限定重賞で、全馬670キロの定量で争われます。
 9月25日に行われたばんえいプリンセス賞(3歳牝馬オープン)上位4頭の争いでしょう。
 なかでも注目は、ばんえいプリンセス賞3着で、ばんえい菊花賞(10月31日)でも2着のタケノビジン。ばんえい菊花賞では、第2障害でやや苦戦したものの先頭クリアから牝馬最先着を果たしました。特筆すべきは、一旦は後続に飲み込まれながらも、最後にもうひと脚使ったこと。高重量への適性十分といえます。
 ヒロノクィンは今回が重賞初挑戦ですが、ばんえいプリンセス賞では、第2障害ひと腰先頭クリアからあわやの4着。積極的な騎乗がウリの西謙一騎手とテンに速く障害巧者のこの馬のコンビはぴったりといえます。
 ダイリンビューティツジノコウフクヒメはハンデを背負ったばんえいプリンセス賞で1、2着の実績。ばんえい菊花賞は9、7着と惨敗しましたが、牝馬限定で定量戦の今回は巻き返したいところです。

 この日の第10レースには、ばんえい甲子園予選第4弾・北見産駒特別(2歳産地限定・16:30発走予定)が組まれています。網走管内の産駒による一戦です。
 レットフジフナノコーネルによる争いが予想されます。ともに今回は別定10キロ増ですが、青雲賞(2歳牡馬オープン)、重賞ナナカマド賞で上位争いした実績は一枚上。一騎打ちといえそうです。

  11月29日(月)のメイン第11レースはふるさと銀河特別(A1級-1組・16:45発走予定)
 前開催の糠平湖特別(A1級-1組)のほぼ再戦。そこで逃げ切ったシベチャタイガー、離れた3番手から猛追するも4秒4及ばず2着のニシキセンプーの一騎打ちでしょう。ともに近走は馬券圏内を外さない堅実な走り。前走はシベチャタイガーが5キロ軽かったものの、今回は同重量だけに、ニシキセンプーの逆転もありえます。
 同3着タケタカラニシキも有力。ただ近走は、ゴール前で差される、追い込んで届かずなど、勝ち切るまでの迫力を感じません。とはいえ、ここも大崩れはないでしょう。
 前走で牝馬オープンのレディースカップを使われ2着だったのがニシキユウ。気持ちよく行けるかどうかですが、ハマれば勝利まで考えられます。
 能力断然なのがエンジュオウカンですが、糠平湖特別で競走除外(疝痛のため)となり、オータムカップも回避と順調さを欠いているのは気がかりです。

今週の見どころ(11/20~11/22)

2010年11月19日(金)

 81年4月の初騎乗以来、通算2,312勝(11月15日終了時点)をマークした名手・鈴木勝堤騎手が、11月22日(月)をもって、現役生活に別れを告げます。帯広競馬場では、21日(日)に鈴木騎手のトークショー(第5レース終了後)、22日には引退セレモニー(第11レース終了後)を実施予定です。
 また、20日(土)、21日(日)の両日は、オール十勝まんぷくフェスタ2010と題し、十勝管内のおいしいものが一堂に集う、ばんえい十勝最大規模の食の祭典が、21日(日)には、須田鷹雄さんによる場立ち予想も行われます。ぜひ帯広競馬場へお越しください。

ハロンズ釧路場外でのイベントはこちら
ゴールデンバージグッズなどが当たるオッズパークのキャンペーン情報はこちら
※11月21日には愛知県・名古屋競馬場で、22、23日(祝・火)には岐阜県・笠松競馬場で、ばん馬とのふれ合いなどのイベントが行われます。

 11月20日(土)のメイン第11レースに阿寒湖特別(A2・B1級決勝混合・17:05発走予定)が行われます。11月14日第9レース(A2級-1組)と15日第9レース(B1級-1組)の上位馬による一戦です。
 基礎重量で10キロ重いものの前走A2級-1組勢が上位でしょう。なかでも注目は、前走を含め2連勝中のコマクイン、前走5着からの巻き返しを期すホクショウマドンナ
 この2頭は近4走で同じレースを走り、2勝2敗と五分の対戦成績です。特に前々走のA2級-1組特別では、息が入らない厳しい流れのなか押し切ったコマクイン、追走に苦労したものの2秒0差の2着まで詰め寄ったホクショウマドンナと、両馬の強さが際立っていました。
 この一騎打ちが濃厚ですが、前走2着フクドリも障害次第では引き続き上位争いできそう。特別の荷物に慣れてきた感があるトモエエーカンも前走の3着以上が期待できるかもしれません。

 11月21日(日)のメイン第11レースにオータムカップ(オープン選抜混合・17:05発走予定)が行われます。
 ハンデは725キロから650キロまで上下で最大75キロ差がつきました。
 注目は655キロで出走の4歳牝馬カツタカラヒメ。今季前半は、B級下位が主な戦いの舞台だったとはいえ、ここまで26戦して11連対、3着8回と堅実なレースぶり。10月以降は特別、同世代限定重賞へも挑戦し、そこでもすべて掲示板を確保しています。相手は一気に強化しますが、テンの速さとバテない末脚を武器に立ち向かいます。
 相手も同じ4歳牝馬のワタシハキレイズキが有力。重賞・特別での経験はこちらのほうが上。貫録を示したいところです。
 最軽量650キロが魅力のアウルメンバーも好調をキープしており侮れません。
 ライデンロックツジノコウフクのオープン2頭もハンデは厳しいですが、ブザマな戦いはできません。

 この日の第10レースには、ばんえい甲子園予選第3弾・釧路産駒特別(2歳産地限定・16:30発走予定)が行われます。釧路、根室管内の産駒による一戦です。
 2歳-A2級で勝ち星があるハナモモハクウンコジロウスペシャルの三つどもえでしょう。なかでも1頭選ぶとすればコジロウスペシャル。この3頭は前走2歳A級-2組で対決し、ハナモモが1着、ハクウンが3着で、コジロウスペシャルは8着でした。しかし、コジロウスペシャルは9月の青雲賞(2歳牡馬オープン)では第2障害ひと腰クリアから5着に入った実績があり、荷物が重くなる今回は変わり身十分と見ます。

  11月22日(月)のメイン第11レースに釧路湿原特別(オープン-1組・16:45発走予定)が行われます。
 前開催のオープン・A1級-1組混合特別でカネサブラックをしりぞけ勝利したキタノタイショウに連勝の期待がかかります。このところカネサブラックが本調子を欠いているとはいえ、前走の勝利はみごとでした。
 前走オープン・A1級-1組混合の平場戦で快勝したナリタボブサップ、前走は敗れたとはいえ今季特別では5戦5連対のカネサブラックとの三つどもえが予想されます。

ばんえい名馬ファイル(7) ヨウテイクイン

2010年11月17日(水)

華麗なる一族 ヨウテイクイン

yoteiqueen.jpg
Photo●OPBM

 雪の馬場を、彩りも鮮やかな馬服を着た馬たちのパレードが続く。

 帯広競馬場で毎年恒例になっているばん馬の引退式である。今季で競走生活を終える競走馬たちが、最後の勇姿をファンにお披露目するのである。1億円馬のフクイチも、一度も特別レースに縁のなかった馬たちも、この日は五十音順でのパレードである。「重賞競走に一度も出走できずに終わりますが、無事是名馬という言葉があるように故障もせずに本当によく走ってくれたよ」と、ある調教師の言葉が印象に残った。

 ばん馬を愛するファンと最後の別れのセレモニーであり、全国的にもひじょうに珍しく、当日は道内外のファンでスタンドは満杯である。

 数々の名勝負を演じた馬たちにねぎらいの声が飛ぶ。だが、この引退式を前に繁殖牝馬となった名馬がいる。平成7・8年度のばんえいグランプリを連覇し、数々の名勝負でファンを魅了した牝馬ヨウテイクインである。
 スピードの女王と呼ばれたヨウテイクインは、昭和59年度の農林水産大臣賞典馬ハイスピードを父に、母は"ばんえい界の華麗なる一族"と呼ばれる名馬たちを数多く輩出しているトツカワ、叔父に1億円馬のタカラフジ、農林水産大臣賞典馬ニューフロンテヤ、兄に重賞10勝のダイヤテンリュウと、文句なしの良血である。

 エリートだけにデビュー前から注目されていたが、北見で行われた能力試験では1着合格。デビュー戦では2着馬のアジアテンリュウ以下に大差をつけ、圧倒的な強さで楽勝劇を演じ名血ぶりを見せつけた。

 牝馬ながら885キロの鹿毛の馬体を持ち、父譲りのスピードと障害の巧みさは、3歳牝馬の重賞・白菊賞、黒ユリ賞の二冠を制し3歳牝馬ナンバー1となる。

 デビュー当時885キロだった馬体も、最終計量では936キロと成長し、牝馬には難しいといわれる4歳秋の重賞・ばんえい菊花賞では牡馬のコーネルトップやダイヤキャップを相手に牝馬3頭目の菊花賞馬に輝き、5歳時にはヒロインズカップ、クインカップ、銀河賞と、3年連続の重賞ウィナーとなった。『1着ヨウテイクイン(6歳)、2着コトブキクイン(4歳)、3着ニセコクイン(7歳)』。確定放送のあと、スタンドが沸いた。

 トツカワ産駒の3姉妹が1~3着を独占したのだ。同一レースに3姉妹が出走を決めた時から話題ではあったが、それが現実となったのである。改めて"華麗なる一族"の証を見せつけたばんえい史上に残るレディースカップであった。

 前週、そのレディースカップで3姉妹の先頭を切りゴールしたヨウテイクインだけに、当然ファン投票で出走馬が選ばれるばんえいグランプリに出走を決めた。

 第7回ばんえいグランプリ当日、岩見沢は朝から雨。スピードが身上のヨウテイクインには恵みの雨であった。1番人気の10歳馬マルゼンバージには、高重量戦は実績があるが時計の速い競馬を苦手としているだけに、今日だけは降ってほしくなかった雨である。

 雨が勝敗を決めた。人気投票で選ばれただけに、のちの1億円馬フクイチ、快速コーネルトップと実力馬が揃ったが、ヨウテイクインのスピードは雨を味方にし、フクイチなどは追走もままならない。マルゼンバージだけが必死で追うが、2分16秒7の好タイムでゴールしたヨウテイクインの2着が精一杯の結果だった。

 「デビュー前から調教してきた馬ですが、引退の前年まで重賞レースを勝ってきましたからね。兄ダイヤテンリュウの10回優勝に並びました。1億円馬の望みもあったんですが、9歳の春に体調を崩し、シルバーカップでは4分49秒8。シマヅショウリキの勝ちタイムが2分19秒1ですから、馬主さんと調教師の大友先生(※1)が話し合って引退式の前に繁殖に上げたんです。ヨウテイクインほどの牝馬はもう出ないと思ってますよ。でも今年はトツカワ産駒の末っ子のカゲプリンスがデビューしましたからね。姉と同じ北見で1勝していますし、スピード馬ですから楽しみですよ」

 普段は寡黙な1000勝ジョッキー(※2)千葉均騎手が熱く語ってくれた。

 現在のヨウテイクインは、その名を貰った羊蹄山の麓で数年後デビューするであろう仔のために、優しい母の顔と堂々たる母の体型になっていると聞く。

文/小寺雄司

(馬齢は当時の旧年齢で表記)
※1:大友榮司調教師・当時。
※2:1999年当時。

ヨウテイクイン
1990年5月7日生 半血 牝 鹿毛
父 半血・ハイスピード
母 半血・トツカワ
母の父 ベルジ・ジアンデュマレイ
北海道虻田郡ニセコ町 堀忠一氏生産
競走成績/138戦34勝(1992~98年)
収得賞金/82,940,000円
主な勝鞍/92年白菊賞(岩見沢)、黒ユリ賞(帯広)、93年ばんえい菊花賞(北見)、94年ヒロインズカップ(旭川)、クインカップ(岩見沢)、銀河賞(北見)、95年ばんえいグランプリ(岩見沢)、96年ばんえいグランプリ(岩見沢)、97年チャンピオンカップ(帯広)、北見記念(北見)


月刊「ハロン」1999年10月号より再掲

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