ミスタートカチが逃げ切って栄冠
26日(日)は3歳三冠の最終戦・ばんえいダービー(3歳オープン)が行われ、単勝3番人気の
馬場水分は3.8%で、前半レースの傾向から見てもやや軽めの馬場。スピードに定評のあるミスタートカチが先行し、ファーストスター、テンマデトドケ、レットダイヤがこれを追走。縦に長い展開で第2障害を迎えました。
軽めの馬場を意識してか、ミスタートカチと松田道明騎手は各馬が第2障害にたどり着く前に登坂開始。ひと腰で障害を登り切り、アドバンテージを築きます。そのころ後続の各馬が仕掛けはじめ、だいぶ遅れてテンマデトドケ、ファーストスター、トレジャーハンターが並んでクリア。さらにレットダイヤも障害を下り、勝負の行方はこの5頭に絞られました。
逃げるミスタートカチは快調な脚どりですが、これにジワジワ迫ってきたのが単勝1番人気のテンマデトドケ。残り20メートルを切って、その差は一気に詰まります。しかし残り10メートルから2頭の脚いろは一緒に。結局、1馬身半ほどの差を保ってミスタートカチが逃げ切り勝ちを収めました。2着はテンマデトドケで、3着にはファーストスターが入線。以下トレジャーハンター、レットダイヤという結果になりました。
勝ったミスタートカチはナナカマド賞、イレネー記念でともにテンマデトドケの2着でしたが、この大一番で雪辱。スピードが生きる馬場に助けられた面はありますが、松田騎手が持ち味を最大限に引き出した結果とも言えるでしょう。今後も軽めの馬場の際には注目したい一頭です。
テンマデトドケは差し届かず2着。ただこの馬場に加えて、「出来は7割」(大河原和雄騎手)の状態で勝ち馬を追い詰めた内容は評価できます。ばんえい菊花賞でトップハンデを曳きながら勝ったことからも世代屈指の存在であることに変わりはなく、今後の巻き返しが大いに期待できるでしょう。
重賞初挑戦のファーストスターが3着。これまで曳いた最高重量が655キロで、今回は一気の重量増。加えてミスタートカチが引っ張る速い流れを追走しての結果だけに、高く評価できます。今後のレースぶり如何で、さらなる好結果が期待できそうです。
松田道明騎手「ずっと信頼して乗っていた馬で、いつかは重賞を獲れるだろうと思って乗ってきましたが、やっと勝つことができましたね。切れ味に欠けるタイプで、前走で久しぶりに直行をかけてみたら動きが良かったので、思い切って早めの競馬をしてみました。第2障害を下りてからはとにかく力一杯に追いました。テンマデトドケの大河原騎手の声が聞こえた時には『まずい』とも思ったけど、相手も脚を使ってきているはずだから、しまいにバテるんじゃないかなと思っていました。少し馬場に注文がつくタイプですが、登坂力は抜群なので、今後も注目してください」