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3/1チャンピオンカッププレビュー

2009年2月27日(金)

 3月1日(日)のメインは重賞・第30回チャンピオンカップ。本年度重賞競走優勝馬限定戦で、オープン790キロ(牝馬20キロ減)、500万円条件780キロ、オープン馬は本年度収得賞金150万円につき10キロ加増となる別定重量で争われます。
 3月実施になった近3回(06〜08年)では、その年の帯広記念1着馬が2、2、3着。3着以内に入った9頭中5頭が帯広記念組でした。しかし意外にも1着馬は3回とも帯広記念不出走で、銀河賞優勝馬が2勝、ヒロインズカップ優勝馬が1勝という成績です。
 中心視したいのは07年以来2度目のこのレース制覇を目指すフクイズミ(岩見沢記念、帯広記念優勝)。正月の帯広記念では880キロを曳いて勝っていますが、もともとは軽めの重量のレースで決め手を生かすタイプ。今回は唯一の20キロ加増で790キロですが、帯広記念より90キロも軽くなる負担重量はスピードタイプのこの馬にとって歓迎でしょう。07年のこのレースより10キロ軽くなるのもプラスです。
 相手は帯広記念出走組の残り3頭、カネサブラック(ばんえい十勝オッズパーク杯優勝)、ナリタボブサップ(旭川記念、北斗賞優勝)、スーパークリントン(北見記念優勝)が有力です。
 この3頭のなかではスーパークリントンに期待。前走オープンは6.8%と不向きな軽馬場ながら流れに乗り僅差3着に流れ込むなど、使われつつ確実に状態が上向いています。この馬にとって790キロは軽いですが、ここに向けきっちり仕上がってきた印象を受けます。
 カネサブラックは重賞・特別を問わず、先行力を武器に相変わらず安定した取り口を見せています。2開催休ませきっちり調整されてきました。ナリタボブサップは体重減があった帯広記念は7着でしたが、その後、馬体が戻るにつれて成績も上向き。障害のキレも申しぶんありません。
 牝馬限定戦でフクイズミと好勝負しているトカチプリティー(ヒロインズカップ優勝)も侮れないところ。銀河賞の勝ち馬は近3回で2勝と相性がいいだけにシベチャタイガーも不気味な存在です。

出走表はこちら

【参考レース】

10/ 5岩見沢記念(勝ち馬:フクイズミ)
11/30北見記念(勝ち馬:スーパークリントン)
 1/ 2帯広記念(勝ち馬:フクイズミ)

※映像はこちら。またこれらを含めた2カ月前までの映像はすべてオッズパークにてご覧いただけます。 

今週の見どころ(2/28〜3/2)

 3月1日(日)のメインには重賞・第30回チャンピオンカップが行われます。
 6月・旭川記念(基礎重量770キロ)→10月・岩見沢記念(840キロ)→11月・北見記念(860キロ)→1月・帯広記念(890キロ)のように、開催が進むにつれ負担重量が増えていき、パワー重視の競馬になっていくのがばんえい競馬の特徴です。しかしこのチャンピオンカップは基礎重量790キロ(オープンクラス)と、この時期にしては軽い重量で争われる重賞。パワー以上にスピードを重視して勝ち馬を検討する必要があるかもしれません。
 なお今週のスカパー!の放送チャンネルは709chとなっております。ご注意ください。

 2月28日(土)のメイン第11レースはオオワシ特別(オープン)
 ニシキセンプーはムラ駆けなところがある馬でしたが、1月に生涯初の3連勝。とはいえ馬場水分5.1〜7.3%とこの馬がもっとも力を発揮できる湿った馬場だっただけに半信半疑のところがありました。しかし続く2月7日の北斗七星特別(オープン・馬場水分3.4%)でもひと腰で障害をまとめると、格上馬マルミシュンキ、エンジュオウカンの3着に好走と本格化をうかがわせます。
 その北斗七星特別で4着のギャンブラークインは続くオープン混合(2月15日)を逃げ切って今季4勝目。この馬もいつ走るか分からないところがありますが、好調のリズムに乗ってきた印象があります。
 近2走は精彩を欠いているホクトキングは障害さえまともならここも勝ち負けになって不思議ありません。切れ味勝負になると厳しいヒロノドラゴンは得意の時計がかかる馬場で上位進出を狙っています。

 3月1日(日)のメイン第11レースは重賞・第30回チャンピオンカップ(16:30発走予定)です。このレースは別掲のチャンピオンカッププレビューをご覧ください。

 この日の第10レースにはつばき特別(3歳オープン)が行われます。
 ワタシハスゴイは前走の牝馬重賞・バレンタインカップ(定量条件)は離れた障害6番手あたりから鋭く末脚を伸ばし、勝ったウィナーミミのコンマ8秒差(2着)まで迫りました。今回はそのウィナーミミやライバル・タワノアヤカが不在だけに巻き返しが期待できます。
 相手はライトアームが有力です。前開催の牡馬限定オープン戦・黒竹特別では鋭く追い込んで2着。年明けのオープン3戦では複勝圏を外さない活躍を続けています。
 その黒竹特別を9番人気で制したのがアアモンドヤマト。勝ち切れない面があった同馬に、テン乗りの西謙一騎手が好騎乗で久々の白星をプレゼントしました。引き続いての手綱だけにここも一発があるかもしれません。

  3月2日(月)のメイン第11レースはひな祭り特別(混合500万円未満)。500万円条件から6頭、400万円条件から4頭が出走します。
 なんといっても注目はギンガリュウセイでしょう。昨年9月以降、自己条件、オールカマーで8連勝を含め、15戦12勝、2着1回、3着2回の好調ぶり。その間には、アローファイター、トカチプリティーらオープン馬に先着した実績もあります。今回は400万円条件への昇級初戦ですが、勢いからしてまだまだ成績を伸ばしていけそうです。
 対する500万円条件勢は、キョウエイボーイコブラダイオーカネミセンショーイッスンボウシと障害巧者揃い。ギンガリュウセイの挑戦を受けて立ちます。

馬券おやじは今日も行く(第51回) 古林英一

2009年2月26日(木)

馬事知識普及セミナー

 ご報告がすっかり遅くなってしまいました。さる1月12日、第3回馬事知識普及セミナーが、わが北海学園大学にて開催されました。

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 まずポスターをご覧いただきたい。ポスターに描かれた農用馬をよーく見て下さいまし。拡大していただくとわかるかもしれませんね。後肢のところに北海道のかたちが模様になっております。この絵は本学の学生競馬サークルの学生が描いたものです。なかなかうまいもんでしょ。

 さて、以前お伝えしたように、今回のセミナーは2部構成。第1部は学術講演。NPO法人とかち馬文化を支える会理事長柏村文郎帯広畜産大学教授の挨拶に続き、当情報局でもおなじみの作家・旋丸巴さんによる「北海道の馬文化」、帯広畜産大学河合正人准教授による「道産馬(どさんこ)の世界」、そして小生の「北海道の馬と競馬の歴史」の3本立て。

 第2部はお楽しみ企画。「ばんえい十勝応援企画・ヒロインズカップ勝つのはだ〜れ?」ということで、第1部の講師3人に、ばん馬の血統研究家で私設ばんえい競馬資料館私設ばんえい競馬資料館blog別館を運営しているりきみどり氏、さらに十勝馬事振興会会長にして、かのミヤビライコウ号の生産者でもある佐々木啓文氏による勝ち馬予想会。

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(写真提供:佐藤友哉氏)

 昨今の大学の大教室はPCのインターネット映像をプロジェクターでスクリーンに投影できるのは当然のこと、大教室のあちらこちらにディスプレイが設置してあります。音響もバッチリです。これで発券機さえあればハロンズ札幌豊平旭町堂々のオープンですがね。

 NPO法人とかち馬文化を支える会札幌支部のメンバーがみんなで手伝ってくれましたし、あちらこちらのみなさんにご協力いただき無事に開催できました。セミナー修了後はメンバー揃って懇親会。楽しゅうございました。

 こんな形のイベントはもっとあちこちでやりたいものです。東京でもできないでしょうかね。

ばんえいジョッキーファイル(25) 船山蔵人

2009年2月20日(金)

第25回 日々真面目な好青年 船山蔵人

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--- 騎手になられたきっかけを教えてください。浜中町出身ですが、近くに馬がいたのでしょうか。

 親父が馬飼ってたんで。馬だけで、牛とかは飼ってないです。親父は自分が騎手になるのと同じ時期に馬主になりました。蔵人(くらんど)という名前は父さんがどうしてもつけたかったみたいですね。どうしてかは聞いてないんでわからないです。
 今はやってないんですけど、小さい頃地元では草ばん馬やっていました。自分は乗ったことないです。(ばんえいの)本走路しか乗ったことないんで(笑)。
 高校を卒業して競馬場に入った時に、騎手を目指しました。

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--- 騎手を目指して競馬場に来たのではないんですね?

 そうですね。もともと動物関係の仕事をしたいと思っていました。
 馬主さんの紹介で鈴木邦哉厩舎に入ったら、調教師が「競馬場入ったら、騎手か調教師になるもんなんだ」って言われたので、まず騎手を目指して。
 そうそう、1次受かって、2次試験も終わってから試験の経過待ちの時がちょうど存続問題の時ですね。北見で2次試験やって、終わってから……。

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--- では、思い出に残る馬や期待している馬を教えてください。初勝利はコトノカツマでした。

 そうですね。コトノカツマは担当でもやってるんです。
 今、エナジーユウシオっていう馬で結構成績が出ているんで期待してます。これからどんどん良くなっていく馬なんで。
 ガイドブックに載せたカゲマサムネオーは、騎手試験の時に担当してて、試験で乗った馬です。試験って自分の好きな馬使っていいんで。
 年取っててレースから何から覚えている馬で、教えてもらうような感じで乗せてもらって。
 騎手になってからは乗ってないですね。引退しちゃったんで。

--- さて、蔵人騎手といえば左ききですね。

 え、まぁ……右の人が多いんで……。
 僕の場合は左から叩くのが皆の期待なんで、あまり右側から叩くのは……右の人は左でも叩く人多いんだけど。
 2障害降りてから横の馬と競ると、馬同士ってくっつきたがるんですよ。その時はちょっと窮屈になるときがあるけど。
 字を書くのは右に直されました。箸は左です。左ききってほどでもないんですよね。ボール投げたり蹴ったりするのは右だし。ぼう(追う)のは左。
 どっちでもできるなら左の方が有利かな、って。

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--- 勝負服について教えてください。珍しい井桁(#)のマークがついていますね。

 (厩舎の先輩騎手の鈴木)勝堤さんに勝負服作るとき相談したら、井桁は誰もつけてないっていうんで。青とピンクの目立つ2色で。

--- 厩舎の先輩が勝堤騎手で、他にも恵介騎手など名ジョッキーの先輩につながりが多いですね。下っ端は大変ではないですか?

 競馬に限れば近くにお手本になる人がいっぱいいるんで……環境的にいいところにいるなと思います。
 勝堤さんには早く戻ってきてもらって、一緒にレースしたりして、もっともっと教えてもらいたいですね。大変? それはまぁ……。

--- 当たり前と受け入れているんですね。同期は西謙一騎手です。仲がいいとか。

 仲いいですよ。あっちの方が先にどんどん進んでいってるんで、俺は追いかけるほうかと。

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帯広市職員のミルキーと

--- ではプライベートについて教えてください。普段は何をしていますか?

 そうですね……特に何もしてないですね。厩舎の仕事して、一人で買い物行ったり、厩舎の友達とかとご飯食べに行ったり。グルメってわけじゃないですけど……オススメですか? 焼肉の羅山(西1南10名門通り)とか……ほんっっとうに美味しいです。
 彼女っすか??……いないっすね。好みのタイプですか……(長く考え込む)

--- えっと……好きになった人がタイプとか? 競馬場は元気な女性が多いですよね。

 そーですねぇ……(更に考え込む)
 出会いはあまりないですね。競馬場で? それはちょっと……無理ですね。無理でしょ……(声が小さくなる)

--- 川崎に遠征に行った時、人気だったと聞きましたよ。

 川崎には2年行きましたからね。ちょっと名前が知れたかなと。ハハハ……。
 似てる騎手がいるって言ってました。
 平地の競馬場で騎手服着て歩いてると、コスプレみたいだったですね(笑)。
 他は笠松行きました。みんなばん馬は見たことないみたいな感じで。

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--- 背が高いですよね。手足が長いし。そうそう、普段はメガネをかけているんですよね。

 183かな?
 車の運転や、仕事中はメガネかけてます。コースの端から端くらいまでは見えるんで、レースは裸眼でも大丈夫ですね。メガネはかけたらだめらしいんで。
 レースはメガネかけなくても大丈夫なんですけど、仕事中はかけないと人の顔わからなくて挨拶するのに不便なので。

--- では最後に、ファンに一言お願いします。

 そうですね……。
 ばんえいは、平地と違って、馬について歩いて応援できるところが、すぐ目の前で一緒に見れるっていうのが醍醐味だと思うんで、そのためには競馬場にも来てみてもらった方が。
 自分も皆が来てくれるときに、レースに一つでも多く乗っているように。

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 この優しくて穏やかなところに、ファンが増えていると聞きました。
 背が高いし、彼女募集中だし、多くの女性にチェックしてほしい素敵な青年です。
 競馬に対する真面目な態度が、成績に現れる日もそう遠くないでしょう。

 さて、話題で名前の出た鈴木勝堤騎手。現在、脳髄膜腫のため療養中です。
 蔵人騎手のインタビュー後に娘婿である鈴木恵介騎手が、ジョッキーファイルに載せてくれ、と現在の状況について教えてくれました。
 勝堤騎手は2月2日に無事手術を終え、17日に退院されたそうです!
 良性とはいえかなり大きな腫瘍だったらしく、手術は8時間にも及んだとのこと。しかし腫瘍もきれいに取れて順調に回復に向かっているそうです。お兄さんの鈴木邦哉調教師の前で手を開いたり閉じたりと、術後も手足がきちんと動いているようですよ。
 復帰は来年度、しかもうまくいけば4月の能力検査から乗れるのでは、と!! 恵介騎手も「俺は乗れると思うよ」と自信を持って答えてくれました。失礼ながら「体が動くようになったとしても、騎手としての体の鈍りは?」と聞きましたが、そこは勝堤騎手ですものね、全く問題ないというお答えでした。体で覚えているのでしょう。
 私もジョッキーファイルの取りになるであろう、騎手・鈴木勝堤のインタビューを楽しみにしています。


取材・文・写真/斎藤友香

今週の見どころ(2/21〜2/23)

 菊池一樹騎手が先週土曜(14日)第1レースでカイセイフィーバーに騎乗し初勝利。これで今年1月にデビューした新人騎手4名全員が勝利を挙げたことになります。同日第10レースでは長澤幸太貝羽智生両騎手がデビュー以来初の新人騎手ワンツーを決め、馬単万馬券を演出するなど、いずれも活躍しています。どうぞ彼らにあたたかい声援をお願いいたします。
 なお今週のスカパー!放送チャンネルは795chとなります。ご注意ください。

 2月21日(土)のメイン第11レースはキタキツネ特別(200万円未満)
 9頭中6頭が12月22日の3歳混合200万円未満に出走。となれば、そのレースで好位抜け出しを決め勝利したアカダケキングが中心です。前開催の白雪賞(4歳オープン)では障害で体力を使い最後一杯になってしまい7着でしたが、格上馬相手に積極的なレースぶり。それまで200万円未満では6戦連続して3着以内をキープしており、自己条件に戻るここは巻き返し必至でしょう。
 3歳重賞路線で活躍した実績馬ウメノタイショウ、すんなり行ければ強いミノルユウセンも有力。
 近走勝ち切れないもののキタノドリーマーは強烈な決め手を誇ります。展開しだいでは一発がありそうです。

 2月22日(日)のメイン第11レースに本年度重賞・特別競走優勝馬によるウィナーズカップが行われます。次週(3月1日)の重賞チャンピオンカップ(本年度重賞優勝馬限定)に出走できないメンバーによる一戦で、オープン7頭、300万円条件2頭の計9頭が出走します。
 オープン勢ではマルミシュンキが筆頭格。今季出走した重賞(ばんえい十勝オッズパーク杯、旭川記念)でともに僅差3着の実績はもちろん、スピードでも一枚上の存在です。ただ2走前は障害で気が入らずに、2歳時以来となる複勝圏外(6着)に敗退。巻き返しをかけた前走は勝ったとはいえ障害でヨレてしまうなど、まだ本来のデキではない印象もあります。
 牝馬重賞のヒロインズカップで2着があるエンジュオウカンも実力的に差はありません。
 昨年のこのレースは、人気薄の軽量4歳牝馬(プリンセスモモ、エリザベスライデン)のワンツーで馬連単3万6660円と波乱に終わりました。今年、4歳牝馬はカネヅルが出走。実績的には昨年の両馬とそん色ないだけに、一発の可能性もありそうです。

  2月23日(月)のメイン第11レースにオッズパーク賞・とかち白鳥特別(300万円未満)が行われます。
 スギノディアスは近走障害がひと息ですが、もともとは巧者だけにきっかけひとつで巻き返してきそうです。
 ホクショウドラゴンも近2走こそ大敗していますが、今季300万円未満特別で8戦4連対と実績上位だけにまだ見限れません。
 面白そうなのがハマカツ。昇級2戦目で特別挑戦です。一気に増える負担重量は心配で、相手も強化されますが、大崩れのない走りは魅力です。

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