2024年3月21日笠松競馬第3レースをキタノランディで勝利し、地方競馬通算5000勝を達成した岡部誠騎手。5000勝達成は、地方競馬史上7人目の快挙です。ご本人はどう感じているのでしょうか。
地方競馬通算5000勝達成、おめでとうございます。
ありがとうございます。いつもいい馬に乗せていただいているので、周りの方々のお陰です。頑張ってくれた馬たち、乗せていただいた関係者の方々に感謝しています。
2020年10月14日に4000勝を達成して、2024年3月21日に5000勝達成ですから、ハイペースで勝ち星を重ねていますね。
やることはいつも変わらないですし、特別何か意識したわけではないです。当たり前のことを当たり前にやるだけと思っています。
このままのペースでいくと、10年後には的場文男騎手の勝ち星を超える数字になるのでは?
いやいやいやいや、特に数字は気にしていないので。数字よりも中身の濃い騎手生活を送りたいですね。
目標というのはありますか?
数字的な目標はないです。ただ、常に答えがない商売なので、こうやって5000勝させていただきましたけど、自分よりも上手い騎手はたくさんいますから、少しずつでも上手になりたいというのが目標です。まだまだ勉強ですね。
2024年3月21日、笠松で地方競馬通算5000勝達成
長年結果を出し続けても、モチベーションを維持し続けられる秘訣はなんですか?
馬に乗るのが好きですし、騎手って勝てばたくさんの人をハッピーにできるじゃないですか。自分の技術がなければ喜ばせることができないので、周りの方々やファンの方々が喜んでくれるというのが励みになっていますね。
今年は地方競馬全体で大きな改革があり、名古屋グランプリが移動してゴールデンウィークに行われますね。
今はいろいろ試行錯誤している段階ですが、僕らとしてはもっと強い馬作りをしていかなければという気持ちです。選択肢や幅が広がっていくのはとてもいいことなので、そこでしっかりと結果を出せるようにしていきたいです。
名古屋競馬場が弥富に移転してだいぶ経ちますが、まだまだ馬場傾向を掴むことが難しいです。
そうですね。小細工が利かない馬場というか、本当はもうちょっとラチを使ってタイトに競馬したいですけど、馬場を考えると内を開けるという選択肢が続いています。その中でもどこを走ったらいいかというのは毎日意識しています。
他の方に聞くと、岡部騎手が通ったところがいいんじゃないかと言っていました。
僕は基本的に強い馬に乗せていただいているので、僕の通った場所というよりは勝った馬の通った場所を意識するという感じでしょうか。自分自身でもまだまだ研究中です。
今年の名古屋の3歳戦は混戦模様ですね。
そうですね。僕はミトノユニヴァースに乗せていただいていますけど、なかなか力を出し切れないレースが続いて歯がゆい状況です。それを補うような騎乗をしたいと考えていますが、馬が賢すぎて、レースの中で「これ以上走りたくないよ」っていう気持ちが出てしまって。もちろん力はある馬なので、走りに集中できればいいのですが。早めに先頭に立ってしまうと気を抜いてしまうので、強いメンバーと走った方が力が出せるのかもしれません。
ミトノユニヴァースで新春ペガサスカップを勝利(2024年1月16日)
名古屋では毎年のように新人騎手がデビューして、若手が目立っていますね。
若手が増えるのはいいことですし、活気があって僕にとっても刺激になります。ただいつも「安全でフェアな騎乗を」ということは口うるさく言っています。勢い余って若さが空回りするときがありますから、うるさいと思われてもそこは常々注意しているところです。安全にフェアにというところさえ気を付けてくれれば、お互いに負けないぞという気持ちで頑張りたいですね。
今年も地元東海はもちろん、全国への遠征も頻繁に行われていますね。
声をかけていただけてありがたいです。なかなか年いっていますが(笑)、需要があるのは嬉しいですね。みなさんに忘れられないように、今後もいろいろなところへ顔を出したいです。
通算5000勝達成セレモニー、名古屋競馬場にて
では、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
今は少しの時間でも手軽に馬券を楽しめるようになったので、全国の競馬はもちろん、その一つの選択肢で名古屋競馬も楽しんでいただければ嬉しいです。自分は競馬は買えない立場ですが、競艇はよく買っています。全然当たらないですけど(笑)、いい気分転換になるし、楽しみの一つですね。これからも競馬ファンの方々に喜んでいただけるよう頑張ります。
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 赤見千尋(写真:愛知県競馬組合、岐阜県地方競馬組合)
プロフィールページからお気に入り登録ができます。
※お気に入り登録にはログインが必要です。
10月14日の名古屋競馬第12レースで勝利(ウォーターレラ騎乗)し、地方競馬通算4,000勝を達成した岡部誠騎手(名古屋)。最近の心境を伺いました。
地方競馬通算4,000勝達成、おめでとうございます。
ありがとうございます。いい馬にたくさん乗せてもらっているので、周りの方々のお陰です。まぁ、長いことやっているということもありますが、自分でもよくここまで来れたなとは思いますね。ただ数字的なことはそこまで意識していないので、数字よりも中身のいいレースをしたいと思っています。
2,000勝を達成した10年前のインタビューでは、「もっと上手くなりたい」と仰っていました。
もちろんそれは今もですよ。競馬に乗っていても1頭1頭の馬で全然違いますし、明確な答えはないですから。なるべく勝利に近づける競馬をしたいと思っています。
2,000勝からの10年というのはどんな時間でしたか?
いろいろな競馬場へ行かせてもらうようになって、たくさん挑戦させていただきました。年も年なので、なるべく色々なところで動けるうちに乗りたいという気持ちが強いです。それぞれの競馬場で馬のつくり方も違うし、レースの展開も違うので、遠征が多くなって引き出しが増えたかなとは思います。
今年はコロナ渦で大変な状況が続きました。
いろんな遠征も中止になってしまって、とても残念でした。乗るはずだった馬が別の騎手で競馬をしているのを見て、悔しくないといったらウソですけど。でも普通に競馬を開催出来ることが、どれだけありがたいかも実感しました。気持ちを切り替えて、地元や乗れるところでしっかり結果を出そうと。南関東への遠征は現在も控えていますけど、感染に気をつけながら遠征出来る競馬場もありますし、なによりオッズパークなどで馬券を買っていただけることがありがたいです。本当に感謝しています。
10月14日、地方競馬通算4,000勝を達成
4,000勝という大きな区切りを達成しましたが、その中でも会心のレースはありますか?
ないですよ、そんなの(笑)。皆さんからは大きなレースとか言ってもらうことありますけど、昨年の名古屋グランプリとかね。確かに終わってみれば「上手いこと乗れたな」とは思いますが、会心というわけではないですね。平場のレースでも勝ったら嬉しいですし、馬が頑張って走ってくれた結果なんでね。これは!というようなレースはないです。
昨年の名古屋グランプを振り返っていただいた時、「名古屋なら(オイシン)マーフィー騎手にも負けない」と仰っていました。
デルマルーヴルという能力の高い馬に乗せていただきましたし、どこの競馬場にも有利な場所、仕掛けどころがあって、それは開催ごとに違って来ます。名古屋に関しては長いこと乗っていて、その特徴を掴むことに関しては負けないというか、負けられないですよね。
逆に遠征の時はどういうお気持ちですか?
遠征に行く前に傾向を研究して行きますよ。何日か前からとか、勝つ馬はどこを走っているのか、どこから仕掛けているか。地元の上手い騎手の乗り方を研究してからその競馬場に行くようにしています。
以前からかなり競馬を見ると仰っていましたね。
その時のその競馬場に合った乗り方をしないと結果は出せないですから。今はちょっとした合間でもスマホでレースが見れらますから、便利になりましたよね。
ご自身が乗っていないレースで、印象に残ったレースはありますか?
JBCスプリントですね。先日、矢野(貴之騎手)が名古屋に遠征に来た時、本人にも言ったんですけど、見ていて感動しました。やっぱりJRAの馬の方が基本的には強いですし、調教施設もいいという中で、ああやって地方馬でも大きいレースを勝つというのは、夢があっていいなって。地方の馬で勝つというのは、見ている僕にとっても嬉しかったです。
では、今後の目標を教えてください。
一番は上手くなりたいです。いろんな馬のつくり方を知りたいですし、もっともっと馬のことを勉強したいですね。
数字的にはいかがでしょう?
5,000とかってことですかね?!数字はあんまり気にしないですけど、現役でいられる以上は頑張ります。今43歳ですけど、体力的な衰えは感じていなくて、毎日調教にも顔を出して、体のケアはしっかりしています。若い頃はイケイケなところもありましたけど、年齢を重ねてどんどん競馬に対する熱さが増してきているように感じていて。もっともっと、馬や競馬に真摯に向き合いたいという気持ちが強いですね。まだまだ空回りすることもありますが、少しでも上手くなれるよう頑張ります。
オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願いします。
いつも応援していただき、オッズパークで馬券を購入していただき、ありがとうございます。今はなかなか競馬場に来ていただくのは難しいですが、面白いレースをお見せ出来るよう頑張りますので、これからも競馬を楽しんでいただけたら嬉しいです。
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 赤見千尋(写真:愛知県競馬組合)
2019年も大活躍だった名古屋の岡部誠騎手。今年に入ってからも絶好調で、1月16日に名古屋競馬場で行われたマイル争覇をサムライドライブで勝利。サムライドライブにとっては1年4カ月ぶりの重賞制覇となりました。
サムライドライブでマイル争覇を勝利(写真:愛知県競馬組合)
まずはサムライドライブ久しぶりの重賞制覇おめでとうございます!
ありがとうございます。本当に良かったですね。去年2月のウインター争覇から乗せていただいて、まず声を掛けていただいた時はとても嬉しかったです。3歳の春頃まではスピードで押し切るレースをしていましたが、やっぱり古馬との戦いになるとスピードだけでは勝てないですし、なかなか自分の形を作ることが出来ませんでした。気難しいところがあって、気分良く行った時と行かない時のメンタルの差があるというか。でも今回のように自分の形になると強いですよね。
秋の鞍以来1年4カ月ぶり、9度目の重賞制覇。本当にすごい馬ですね。
今回は少し間隔が開いていましたし、状態的にまだ100%という感じではない中で結果を出してくれました。もっと良くなる部分はあると思うので、厩舎関係者の皆さんと相談しながら、その辺りをどう上げて行くかがポイントですね。今後もとても楽しみです。
そして去年は岡部騎手自身、大きいレースでの活躍が目立ちました。ホッカイドウ競馬のリンノレジェンドとのコンビでは、黒潮盃(大井)、ダービーグランプリ(盛岡)、道営記念(門別)と3連勝しましたね。
黒潮盃の時に初めて乗せていただいて、返し馬でちょっと気の悪いところを見せていたんですけど、レースに行ったらまったくスムーズでした。過去のレースを見てもバテないので、そういうところを活かしていこうと考えていましたが、何というか、スピードが上がって行くという感じがしないんですよ。ギアが上がるというより、一定のスピードでずっと走っているイメージで。今まで乗ったことないタイプですね。
コンビ2戦目のダービーグランプリは5馬身差の圧勝でした。
あのレースはメンバー的にも絶対に勝たなければいけないレースで、普段僕はあまり緊張しないんですけど、珍しく緊張しました。この時もさっき言ったように一定のスピードで走っている感覚だったので、「え?こんなに離しているの?!」とびっくりしました(笑)。
ダービーグランプリを制したリンノレジェンド
そして道営記念では古馬を撃破、シーズンファイナルを飾りましたね。
このレースは挑戦者としての立場でしたが、道営記念というのは普通の重賞ではなくて、ホッカイドウ競馬に関わる皆さんが目指す大レース。そこを勝つことができて、僕自身とてもいい経験をさせていただきました。
12月19日の名古屋グランプリでは、惜敗続きだったデルマルーヴルを久しぶりの勝利に導きました。
依頼をいただいた時は嬉しかったですし、以前のレースを見ると最後はしっかりと伸びているので、その脚を活かせるポジション取りとコース取りを考えて乗りました。勝ててとても嬉しかったです。
名古屋グランプリをデルマルーヴルで制す(写真:愛知県競馬組合)
岡部騎手自身、名古屋グランプリは3勝目でした。
JRAのジョッキーたちや、(オイシン)マーフィー騎手も参戦していましたけど、僕にとっては馬場的に知り尽くしている場所ですし、とても能力の高い馬を任せていただきましたから、「これは負けられないな」と思っていました。2500メートルというのは名古屋グランプリでしか使わないですが、普段から乗せてもらっているコースですし、長い距離はいろいろなことを考えながら乗れるので面白いんですよ。長年名古屋で乗っている自分しか知りえない部分があると思っているし、癖がある馬場ではないけれど、小回りで難しい部分もありますから、そこで勝たせてもらったというのは自分にも自信になりました。
今年の目標は何でしょうか?
大きなレースも勝ちたいですし、目の前のレースを勝ちたいという気持ちが強いですね。どんなレースでも負ければ悔しいので、いろいろ研究して考えながら、もっと上手くなりたいです。
では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
全国いろいろな競馬場へ乗りに行った時にも応援していただいて、とても感謝しています。地元での騎乗はもちろん、他地区でも声を掛けてもらうというのは期待してもらっているということですから、その期待に応えられるよう頑張ります!
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 赤見千尋
オッズパーク地方競馬応援プロジェクトの3世代目である兵庫のコーナスフロリダが、6月7日に行われた兵庫ダービーで見事勝利を飾りました! 初コンビでダービー制覇に導いてくれた岡部誠騎手に、喜びの声をお聞きしました。
コーナスフロリダでの兵庫ダービー制覇、おめでとうございます!
ありがとうございます。今回初めて乗せていただきましたが、強い馬だということはわかっていましたし、関係者の方々がいい状態に仕上げてくれていたので、勝ててとても嬉しいです。
オッズパーク地方競馬応援プロジェクトの馬として、初のダービー制覇。会員の皆さまも待ち望んでいました。
結果を出せて本当に嬉しいです。東海ダービーではサムライドライブが単勝1.0倍で注目されていましたよね。僕は別の馬に乗っていましたけど、デビューから10連勝しているサムライドライブでも負けるのかと...。ダービーを勝つには能力だけではなくて、他のいろいろな要素が重なってこそなんだなって。東海ダービーの次の日が大雨で、ものすごく前残りの馬場になったんですけど、例えば1日違ったらとか、いろいろ考えさせられました。改めてあの競馬を見て、競馬って難しいなと思いましたね。それに対しての今回の勝利だったので、なおさら嬉しかったです。
コーナスフロリダが兵庫ダービー制覇
(写真:兵庫県競馬組合)兵庫ダービー当日は地元名古屋でも開催がありました。騎乗依頼を受けた時はどう感じましたか?
走る馬というのは知っていたので、依頼をいただいた時には「ぜひとも乗せていただきたい」と。ここ最近は結果が出ていないレースもあったけれど、必ずチャンスがあると思いました。
今年1月の笠松のゴールドジュニアでは1番人気だったんですけど、岡部さん騎乗のノブイチに負かされました。あの時は悔しかったです...。
すみません(笑)。実際、あの時も力のある馬だなと思っていました。今回依頼をいただいて、改めてレースを全部振り返って研究しました。長くいい脚を使ってくれるイメージで、そこを活かすレースがしたいなと。
当日、田中範雄先生からはどんな指示がありましたか?
早め早めに動いて、4コーナー先頭くらいの強気な競馬をして欲しいという指示でした。パドックではすごく元気が良くて、尻っぱねしたりしていたんですけど、先生からは「いつものことだから」と言われました。返し馬に行ったら活気があって、特に折り合いとかも心配する必要がなかったですね。
何度か出遅れたことがあるのでスタートを心配していたんですけど、上手に出ましたね。
一歩目で滑ってしまうとイヤなので、あんまり出す気はなくて。ゲートを出る瞬間は馬の気持ちに任せていました。出す気じゃなかったことが、逆に良かったのかもしれません。速くはなかったけれど五分に出てくれたので、すんなり馬群について行けました。
前がやり合って、かなり速い展開になりましたけれども。
速いなとは思いましたが、前とはかなり離れていてどうなっているのか全然見えなかったです。あとでレースを見直したら、「こんなことになっていたのか...」と。コーナスフロリダは道中リラックスして走っていたし、目の前に(田中)学さんの人気している馬(クリノヒビキ=1番人気2着)がいたので安心して乗りました。学さんは上手なジョッキーなので、「あの人が動いた時に一緒に動いて行こう」と思っていて。いい目標がいてくれましたね。
勝負どころではバツグンの手ごたえで上がって行きました。
向正面から上がって行って、3コーナーくらいでまだおつりがありそうだなとは感じていました。これなら4コーナー先頭に立てそうだと。そういう形になれば大きくバテることはないだろうと思っていて、これで負けたら仕方ないかなという気持ちで乗っていました。
思った以上に強い競馬で勝ってくれて、感激しました!
強かったですね。ここ何走かこの馬の良さが出てなかったですが、先生をはじめ厩舎の方々が立て直してくれて、いい状態の時に乗せていただきました。一度しか乗っていないのでまだ僕の知らない部分もありますけど、行き出してから最後まで脚色が衰えることがなくて、本当にスタミナのある馬ですね。
今後の可能性はというのはいかがですか?
今も十分強いですけど、まだ完成形ではないのではないかと。すでにスタミナはあるので、もうちょっと瞬発力がついてくれたら。向正面で追い出した時、ガツンとは反応しなかったので、そこでガツンと行ってくれるともっと視野が広がると思います。今後どんな風に成長していくか本当に楽しみです。
コーナスフロリダには初騎乗だった岡部誠騎手
(写真:兵庫県競馬組合)では、岡部騎手自身のお話をお聞きします。今年ももうすぐ南関東期間限定騎乗が始まりますね(6月25日~8月24日)。
毎年恒例という感じで行かせてもらって有り難いです。2013年に初めて期間限定騎乗で行かせてもらって、全部が順調に来たわけではないですけど、徐々に依頼が増えたり、重賞でも声を掛けてもらえるようになって、やって来たことは間違いじゃなかったなと。いくつ勝ちたいとか数字は全く考えないですけど、たくさん勝たせていただいて有難いです。
現在は期間限定騎乗の時だけではなくて、スポットでも有力馬に騎乗するようになりましたね。もともとトップジョッキーでしたけど、今や地方競馬全体を背負って立つ超トップジョッキーという感じです。
いやいや、他にもたくさんいるじゃないですか。吉原(寛人)くんとか赤岡(修次)くんとか。スポットで全国の関係者の方に声を掛けていただけることは本当に嬉しいです。心地いいプレッシャーを感じながら、充実した毎日過ごしています。
では、オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願いします。
いつも応援していただき、ありがとうございます。ファンの方や関係者の方に喜んでいただけるレースをしたいと思っています。これからも皆さまに信頼していただけるよう頑張りますので、よろしくお願い致します。
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 赤見千尋
2015年11月から、2016年7月までの約9カ月間、韓国で期間限定騎乗を続けた岡部誠騎手。その経験も活きているのでしょう。今年はハイペースで勝ち鞍を伸ばし、東海リーディングぶっちぎり。そして現在全国リーディングトップ(5月22日現在)に立っています。
どうして韓国に遠征してみようと思ったのですか?
競馬は世界中でやっていますし、もっと上手くなりたい、勉強したいと思っていて、年齢的にも動けるうちにということでこのタイミングになりました。地元を空けることになるので色んな人に相談しましたが、あの時行っておけばよかったと後悔するのは嫌だったので迷いませんでした。韓国には日本の騎手がたくさん行っていたので状況も分かっていたし、行きやすい環境でしたね。
実際に韓国での競馬はいかがでしたか?
癖のある馬も多いし、状態も日本の感覚とは違う馬も多かったのでその辺が苦労しました。目一杯追っているつもりがどこかで力が入っていたりして。馬に合わせるために鐙もすごく長くなりました。それで日本に帰って来た時に、乗り方がバラバラになっていて...。これじゃ駄目だ、一からやり直さなきゃと思いました。
どうやって乗り方を戻したのですか?
毎日木馬に乗って鏡を見ながらフォームを研究したり、筋トレをしたり色んなトレーニングをしました。結果的に、韓国に行く前より今のほうがしっくりくる乗り方になりましたね。ずっと日本にいる状況だったら以前と同じだったと思うのですが、一から見直したことによって、レベルアップしたと思います。
韓国の生活はいかがでしたか?
競馬の時は通訳がいたのですが、普段は一人でした。韓国の騎手がとてもよくしてくれて、家に招待してくれたり、みんなで飲んだり。イタリア人の騎手もいて、「イタリアの競馬はこういう乗り方をしている」などとタブレットを見ながら話したりと、色んな情報を吸収することもできました。レース以外でもたくさん勉強になりましたね。
2016年10日20日、名古屋・ゴールドウィング賞(ミトノリバー)
写真:愛知県競馬組合
その経験もあってか、今年はすごいペースで勝ち鞍を伸ばしていますね。
良い馬に乗せてもらっていますから。でも取りこぼしのレースもあるし、なるべくミスを少なくして馬の邪魔をしないレースをしないといけないと思っています。今はレースがすごく楽しくて、精神的にも充実していると思います。毎年、何勝したいとか、どのレースを勝ちたいとか目標はたてません。とにかく、上手く乗りたい、きれいに格好良くレースを勝ちたいとしか思っていないんです。
4月17日の時点で、全国リーディングトップに立ちましたよ!
らしいですね(笑)。
全国リーディグを獲りたくないんですか?!
いや、そりゃ、獲れるもんなら獲りたいですよ!(笑)
7月から南関東での期間限定騎乗が始まりますね。
地元とは違う騎手の乗り方も見られますし、頭数も多くて展開も全然違うので、とにかく様々な経験をしたいと思っています。
南関東への遠征は今回で4回目となりますが、その度に手応えのようなものは感じていますか?
人の繋がりが増えているので、以前より声をかけてもらえているのは確かですね。でも期待をしてもらっているわけですから、下手な乗り方はできません。ですからプレッシャーは感じています。でもそのプレッシャーを常に感じることは良いことだと思います。
2017年4月9日、佐賀・ル・プランタン賞(スターレーン)
写真:佐賀県競馬組合
一度聞いてみたかったんですが、岡部騎手の同期には、川崎の今野忠成騎手や高知の赤岡修次騎手、北海道の服部茂史騎手と、各地のトップジョッキーが名を連ねています。それぞれの存在を意識したりはするんですか?
もちろん活躍は知っていますが、それが励みになっているという意識はないですよ。だって上手い騎手が勝つのは当たり前ですから。むしろ、みんなは凄い騎手だけど自分なんて全然上手くないという感じです。俺は欲が深いのかもしれないけど、まだまだ上手くなりたい、世界には良い騎手がたくさんいるしこんな乗り方じゃ通用しないと思っているんです。今は名古屋で、たくさんの縁があって1位を獲らせてもらっていますが、自信は全くないんですよ。
これからチャレンジしてみたいことはありますか?
タイミングは難しいけれど、色んな国で乗ってみたいですね。
最後に、オッズパークの会員の皆さんにメッセ―シをお願いします!
みなさんオッズパークで競馬を楽しんでもらっていると思いますが、もし機会があればぜひ競馬場に足を運んで頂ければと思います。会員のみなさんに怒られないよう、頑張って騎乗していますので、負けた時は勘弁してください(笑)。
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 秋田奈津子