8月11日に行われたばんえい競馬の夏の大一番『ばんえいグランプリ』は、コウシュハウンカイ(牡9)が初制覇。騎乗した4000勝ジョッキー、藤本匠騎手に話を伺いました。
先行して2障害を最初にゆっくりと越え、逃げ切りの勝利でした。
やっとだったけどね。勝った時はほっとしました。最近は年齢からか、1障害を降りてからの「ギュン!」と進む力が弱くなった。でもうまく1障害を越えて、他の馬は2回止めるところを1回にして、若いメジロゴーリキ(2着)と一緒に前へ付けた。ひと腰で2障害を上げないと降りて歩けなくなるから、障害はなんとか止めないようにした。自分のパターンに持ち込めた。
最後の直線は、「頑張れ!頑張れ!」と声をかけていましたね。
祈りながら歩いていた。2年前の力ならゴール前にタイムを縮めて楽勝だったと思う。年齢とともに我慢が少なくなっている。それでも、いつも真面目で同じレースをする。ずるいところがなく、競走馬の鑑のような馬だよ。
母馬のタカラドーベルも騎乗はしたことはないが、真面目な馬だった。
レース前日に雨が降って、1.8%の馬場水分でした。数日前から涼しくなりましたが、今年の帯広は暑く、体調をキープできない馬も多くいました。
暑かったな。松井浩文調教師が、あまり馬に負荷をかけずに調教してきたから。もともと夏は弱いイメージがある馬だが、調子よく迎えられた。とても調教が難しい馬なんだ。
昨年10月の北見記念以来の重賞勝利となります。久々でしたね。
どちらかというとパワーよりスピード勝負の馬だが、昨シーズンの冬はあまり雪が降らなかった。あれが堪えたのかな。だからばんえい記念もパワー勝負だとつらい。スピードレースになれば。
今年のばんえいグランプリは、"生産者の祭典"として行われました。生産者の六車實子さんの牧場は今は閉場されていますが、思い出はありますか。
当歳の時にコウシュハウンカイは牧場で見ているんだ。絵に描いたような体形で、見た瞬間「すごいいい馬だな」と思った。オレノココロも一緒にいたんだけどね。
前哨戦となる9月8日のマロニエ賞も勝ち、3連勝です。次の重賞岩見沢記念を勝てば四市重賞制覇となります。次走に向けて、オッズパーク会員の方に一言お願いします。
マロニエ賞は障害も楽に上がっていき、レース後も息づかいが良かった。調子はいいね。皆さんの期待に応えられるレースをしたいと思います。
コウシュハウンカイについては、これからも無事に走って将来的に種馬になってくれれば。俺ももう少し乗ろうと思っているよ。
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※インタビュー・写真 / 小久保友香
藤本匠騎手が、8月26日ばんえい第7レースをドントコイで勝利し、デビュー35年目で、ばんえい競馬では前人未踏の4000勝を達成しました。2012年に「ミスターばんえい」こと金山明彦元騎手(現調教師)が持っていた最多勝利記録3299勝を塗りかえてから、自身の持つばんえい最多勝記録を更新し続けています。
4000勝おめでとうございます。その後変化はありましたか?
会う人会う人におめでとう、って言われました。4000も勝つくらい、騎手やっていると思わなかった。よく乗っていたな、って。
達成した日は3998勝で迎え、5レースをジーワンキングで勝利。8レースもコウシュハアレッポで連勝し1日3勝でした。この日は人気馬が多かったので意識していましたか?
後半開催だったから人気馬に乗ることはわかっていたけど、それより前半にいい馬が集まっていたのに2着ばかりで歯がゆかった。2着ばかりで、と思ったけれど勝つ時ってこういうものなんだよね。焦ってもどうにもならない。その馬のいい乗り方をするだけ。ただ、周りが「もう少しだね」と言ってくるから、早くすませたかった(笑)。
ジーワンキングは強い馬がいたがよく勝ってくれた。ドントコイは、前でためて障害を切り、末脚にかける馬。それがうまくいっていいレースだった。ほっとした、馬に感謝です。
8月26日第7レースで通算4000勝を達成
7月29日8レースのレインボーライデンでの勝利がちょうど3万回騎乗でもありました。
怪我なく乗れたのが一番だと思う。4000勝できたのも感謝だが、3万回乗せてもらえたのが騎手としてありがたい。勝てる可能性のある騎手を乗せる、という世界だから。
勝てる馬に乗せてもらうのが大変な世界。昔は、金山(明彦)さん、久田(守)さん(いずれも現調教師)など、個性的な騎手がいっぱいいた。特にハミの扱いがうまい。レースの後ビデオを見たりして、どんどん吸収できた。そこから技術を盗んだりして、引き出しを調教師や馬主に信頼してもらい、乗せてもらった。金山さんの現役時代は、12月で開催が終わっていた。1日の最大騎乗数も6回(今は7回)だし、今の時代なら、金山さんはとっくに4000勝してたんじゃない。
今まで、大きな怪我がないですよね。
特に何もしていないんだけど......。食べ物の好き嫌いはないな。釣りにゴルフ、気持ちを切り替えているかな。温泉も行く。ここ2、3年は調教の前にストレッチはするけどね。怪我するのが嫌だから。
厩舎にいると規則正しくなるよ。ナイターだと9時に終わって風呂入ったら、10時半には眠くなる。次の日、朝5時には調教。休みの日も同じような生活になるよ。
JRAジョッキーデーで、JRAの勝浦正樹騎手をミサキセンショーで勝利に導いた時も普段のレースのように追っていました。イベントでも本気の追いっぷりが気持ちいいです。
勝浦が勝ったことないっていうから(笑)。勝浦騎手も、自分で追っていたよ。一人でも乗れると思う。
期待の馬について教えてください。
ハマノダイマオー(牡2)はハナ走るし、障害がいい。父のハマナカキングはスピードタイプで、血統的に降りてからの脚がいい。
センショウニシキ(牡3)は体ができれば面白いと思う。
コウシュハウンカイ(牡7)は、いつも(1シーズンに)重賞を1つしか勝てないんだよな。獲れそうで穫れないんだ。ばんえい記念は、もうひとパワーつけば楽しみだね。
マルミゴウカイ(牡4)は、古馬と戦うことになる来年、今のオープン馬相手にどこまでやれるかだね。成長していけば楽しみじゃない。
ばんえい十勝オッズパーク杯をコウシュハウンカイで制覇
今後の目標は。
もう55歳だし、1年1年事故なく、病気なく毎日乗れるようにしたい。「もう少し!」「負けて悔しい!」という思いをしているうちは、騎手をやりたい。
騎手も世代交代をしていかなくてはならないから、今後のことも考えるようになってきた。4、5年前の賞金なら調教師になることは考えられなかったが、売り上げが良くなってきたから、この世界にずっといるのなら調教師になることも考えなくてはいけない。ただ、騎手をやりたいという若者がいないからね。今の賞金なら、騎手になってもやっていけると思うんだけど。
騎手の魅力はなんでしょうか。
3日間競馬場に缶詰めだし、厳しい規則もある。それでもやるのはなぜかというと、収入もあるけど、馬が好きではないとやっていけない。好きな仕事ができて、稼げて、というのができる人はなかなかいない。ありがたい。勝てない時は辛いが、好きでやっている世界だから、辛いと思ったことはない。馬も好きだけど、騎手って仕事も好きだよ。負けたらどうやって次勝つか、調教や乗り方を考え、それがうまくいくと楽しい。
最後に、オッズパークの会員の方に一言お願いします。
インターネットで購入している方というのは帯広から遠い人が多いのかもしれない。でも、迫力があるからぜひ生でばんえいを見てほしいです。
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※インタビュー / 小久保友香(写真:小久保友香・小久保巌義)
ばんえい競馬は、いよいよ3月23日に大一番のばんえい記念を迎えます。1月に通算3500勝を達成し、ばんえい競馬の最多勝記録を更新し続ける藤本匠騎手(52)に話を伺いました。
1月末のヒロインズカップでは、ダイリンビューティで重賞50勝となりました。
50勝だったかい。ダイリンビューティは、この日120%、完璧のレースをしたね。最高の流れだった。運を引き寄せる物を持っている馬だと思う。オリンピックだってそうだよね。実力があっても結果を出せない人もいる。馬の性格は真面目だよ。悪い癖がなく、レース運びがしやすい。それでいて障害もいい。これは競走馬にとって大事。デビュー前の能検にも乗っていて、真面目でいいものがあるから体ができれば3、4歳で開花すると思っていた。5点満点なら4点で、残りの1点は体ができてない、ってところのみ。
「いいもの」というのは? また、成長しそう、というのはどこでわかるのですか。
触る(乗る)とセンスがわかるんだけど、長年の勘なんだよな。ベンツに乗ったことのない人は、その良さってわからないと思うんだ。サカノタイソンもすごいって言われるけど、乗ったことがある人にしか、本当のすごさはわからない。デビュー前の能検の結果がいい馬もいるけど、初めて競馬場で走るからびっくりしていいタイムが出たり、たまたまいい時計を出す馬もいる。騎手は、体に「いい馬のイメージ」が蓄積していくんだ。それが財産。乗れば乗るほど、財産は増えていくよ。トップジョッキーはみんなそうだと思う。
サカノタイソンの本当のすごさとは。
あんな強い馬、今まで巡り会ったことない。次元が違う。パワーがけた外れだし、ハナに行けて、障害もうまいし、障害を降りてからも歩ける。3拍子そろっている。 そういえぱ、ヒロインズCの前に死んでしまったブラックパールね......、(ヒロインズCに)出ていたら20キロハンデがあってもいいレースをしたと思う。体が大きくて、無理もきく。アンローズも大きかったけれど、そのくらいの馬格があった。
これから期待する馬はいますか?
コウシュハウンカイは、若馬の時からオープンで走れるかな、と思っていた。重い荷物に対応するから、(高重量戦の多くなる)今後の希望を抱かせるね。コウシュハゴールドは、素質があるから体できればおもしろいかな。
いい馬の見方というのはありますか?
長腹短背とか、見た目のバランスがいい馬っているけれど、バランスいいから能力があるというわけでもないんだ。そりをかけてみないとわからない。こればかりは、持って生まれた能力だから。見た目悪くても走る馬っている。ただ、形いい馬で引っ張った方がレースを見ていても飽きないよね。頭小さくて、目ぱっちりしてる馬とか、かっこいいじゃない。
さて、1月1日に3500勝を達成しました。勢いは止まりません。
正月に決めたなぁ、と(笑)。この時点でシーズン100勝も超えられていたことはよかった。大きな怪我をせずにここまで来られたからね。手にひびが入った時に1カ月休んだくらい。我慢強い方だから、ちょっとした痛みなら乗っていた。
健康の秘訣は何でしょう。何か、体を鍛えていたのでしょうか?
開催が12月までだった20~30代の頃は、開催がないときに帯広のアイスホッケーチームに加わってたんだよ。釧路にいた小学生の時に友達に誘われてから、ずっと好きでね。汗かいて、運動になった。アイスホッケーの靴って、リンクでなかなか立ってられないんだよ。
バランス感覚も鍛えられたのでしょうね。プレーを見てみたいです! 最近若手騎手の活躍がみられますが、いかがですか。
みんな頑張っているよね。所属する岩本利春厩舎の島津新も、運を持ってる。いつも攻め馬(調教)を頑張っているし、心配ないよ。ただ、若い騎手はもっと個性を出していいのかな、と思う。昔の騎手は、自分の「型」を持っていた。勝つためなら、人が何と言おうとね。木村卓司さん(元騎手・調教師)、金山明彦さん(現調教師)、最近ならそりの上でジャンプしていた坂本東一さん(現調教師)とかね。最終的には人に真似させるような、ぼい(追い)方になっていく。 今の若手も、中には質問してくるのもいるけど、自分は気になったらすぐに聞いていた。自分はできないのに、どうして金山さんならできるんだろう?と。
今後の目標は? やはり4000勝とリーディングでしょうか。
それよりは、あと何年乗れるか。騎手できるまでやりたいし、やれると思う限りは続けたい。1年1年体と相談しながら、人に迷惑かけないようにね。まだ長老いるからね! 山本正彦騎手(56)より先にやめるわけいかないから(笑)。レジェンド山本だよ? ばんえいの歴史の中でも最長老なんじゃないかな?
レジェンド山本、いいですね(笑)。さて、いよいよ今月末はばんえい記念です。
今年はまだ乗る馬は決まっていないけれど、乗りたいし、1回勝つとまた勝ちたいんだ。2回勝ったけれど、騎手なら何度でも勝ちたい。中央競馬でいえばダービーみたいなもの。ばんえい記念で有利なのは、障害を先に降りられる馬。だから、障害を真っすぐ進む(真面目な)性格の馬が向いている。返事遅い馬なら話にならない。キンタローやトモエパワーみたいな、ばんえい記念で差せる馬っていうのはなかなかいないんだわ。 障害を、何度も何度もチャレンジするところがこのレースの醍醐味。膝折ったりしながらも越えていく。その姿をぜひ、見に来てください。
昨年のばんえい記念はシベチャタイガーで8着
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※インタビュー・写真 / 斎藤友香
ばんえい競馬で現役最多勝の3205勝(1月9日現在)をあげ、"ミスターばんえい"金山明彦元騎手(現調教師)の3299勝に迫りつつある藤本匠騎手(49)。
昨年は日本プロスポーツ大賞の功労賞も受賞した。騎手会長としてもばんえいを盛り上げ、今年度はリーディング3位につけている。
斎藤:騎手になったきっかけを教えてください。
藤本:叔父さんが馬主で、15歳の時に勧められて競馬場に来たんだ。はじめは騎手になるつもりはなかったけど、所属した本沢政一厩舎にいた金山さんに試験受けてみれ、っていわれて。それでも厩務員長かったんだよ。6年やった。
金山さんがいるから本沢厩舎には馬が入るし、金山さんには騎乗依頼がいっぱい来るから、それで乗れない馬にも乗せてもらっていた。初勝利のキタノウルフも特別戦だったし、新人の時から一般・特別関係なくたくさんの馬に乗せてもらっていた。この頃は、金山さんのほかにも久田(守)さんや工藤(正男)さんなどの名騎手がいて、目の前で学ぶことができたし、周りの人に恵まれていたよね。
斎藤:金山調教師に教わったことで、印象深かったことは。
藤本:新馬慣らすときの調教の仕方だね。今も大切だと思ってるよ。ハミのかけ方に対しては厳しかったよ。暴れても、若馬だからしつけていかないと。怒らないといけないし、逆にほめてもやらないといけない。ズリ引きでも、俺はだらだら歩かせるのはいやだから、きちっとハミをかける。その積み重ねが大切で、勝ちにつながると思っている。重要な部分だ。馬も人も、努力しなければ上に立つわけないんだ。
俺は、自分でしないと気がすまない方だから、全部自分で納得いくまでやる。ちゃんとやらないと、騎乗停止になるようなレースになるし。どんな馬でもどこかで花開くこともあるから、若馬は大事に乗ってやらないとだめ。馬が自分で自信もってくるといいレースするから、そこを人が見極めることも大事だ。
斎藤:思い出の馬はサカノタイソン(19連勝、ばんえい記念など重賞6勝)でしょうか。
藤本:サカノタイソンは毎回1番人気だから、その中で勝つことの度胸をつけさせてもらったよね。ばんえい記念を初勝利したテンショウリも、勝つとは思わなかったから思い出に残っている。
斎藤:繁殖生活を送っていたアンローズ(岩見沢記念3連覇など重賞10勝)も昨年亡くなってしまいましたね。
藤本:岩見沢は強かったね。ひと腰で上がるタイプだから、傾斜のきつい帯広は合わないのさ。調教でだいぶよくなったけど。ばんえい記念が岩見沢や北見だったら獲ってたんじゃないの? おとなしい馬で、調教やレースで苦労したことはなかった。忘れ形見のキタノキセキ(牡3、初年度産駒)も走ってるよね。9歳まで走って、あれくらいの仔を出すんだからたいしたもんだ。
斎藤:1月3日の天馬賞(ファーストスター)をはじめ、乗り替わりの勝利が多い気がします。私が驚いたのは、2009年の旭川記念で、追い込み馬のフクイズミを先行させて勝ったレースでした。
藤本:乗り替わりっていうのは馬が動くものなんだ。そりゃ乗り方が違うんだから馬は驚いて動く。癖のある馬ほどそうだ。もちろんレースは見ているからどんな馬なのかはわかるけど、先入観で決め付けるよりは、その時のレースの流れが一番大事。型にはめちゃうのもよしあしなんだよな。
斎藤:どうやって流れをつかむのでしょう。
藤本:いいポジションにいるのが大事だけど、それより、レース前の調教で馬の足りないところを補ったり、体力つけたりしているから。やってないと、どこまで無理していいかわからないけど、これだけやってるんだから、って自信があるからレースを組み立てられる。逆にいつも同じ馬だと、馬も慣れてくるから、メリハリをつけて調教している。途中まで厩務員さんにやってもらってから、厳しい乗り方をすることもあるよ。
斎藤:調教は何時頃からつけているのでしょうか。
藤本:レースがある日は、5時~7時半の間に障害で12~13頭の調教をつけている。レースがない日は8時くらいまでズリ引きすることもあるよ。
斎藤:これから期待している馬はいますか。
藤本:マゴコロ(牝3)はセンスが良くなってるね。身が入ってきた。ブラックパール(牝4)もこれからもっと良くなっていく。ホクショウダイヤ(牡9)かい? 720~30kgくらいまでならこなせるんだけど、(負担重量を多く)積むと、障害の動きがまだ固いんだよな。それ以上でもうまく(末脚が)切れるようになればいいね。
斎藤:藤本騎手は札幌出身ですが、今は帯広に家がありますよね。
藤本:俺はたまたま(運が)よかったよね。他の騎手は他の3市(06年度まで開催を行っていた旭川、岩見沢、北見)に家を建てた人が多いから。4人いる子どものうち、3人は独立したから今は嫁と娘1人しかいないんだ。帯広は本当に寒いけど、雪は少ないし、夏はからっとして住みやすい。食べ物、特にスイーツおいしいからね。豚丼もあるし、温泉もあるし。
斎藤:さて、金山元騎手の最多勝(3299勝)まであと100勝を切りました。来年度には達成できそうですね。
藤本:ケガなく、病気せずにコンスタントにしてれば......。でも、金山さんのころは今より開催日数が少なかったから、たまたま数が並んだっていっても、越えたことにはならない。今の日数なら、金山さんは5000勝くらいしていたと思うよ。1日の最大騎乗数も今(7鞍)より少なかった(6鞍)しね。
これからだと、(鈴木)恵介が匹敵するくらい。あいつは脂が乗ってるよな。俺もだけど、30~40歳の頃が最高だった。45を過ぎるとちょっときついなぁ......(笑)。たまに恵介に追い負けすることあるもん。
斎藤:藤本さんは、あまり病気した話を聞きませんよね。
藤本:20年くらい前に手にひび入って1カ月乗らなかったくらいかな。まぁ、熱あってもあばら骨にひび入っても乗るし。丈夫だから。
斎藤:では最後に、ファンに一言お願いします。
藤本:雪が降りながらも一年通してやってるんで、足を運んで、生でばん馬の吐く白い息を見てください。
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※インタビュー・写真 / 斎藤友香