スーパージョッキーズトライアル(SJT)2015で、第1ステージ11位から大逆転で優勝を果たした金沢の藤田弘治騎手。一瞬にしてシンデレラボーイとなった心境をお聞きしました。
大井の第1ステージでは4ポイント(11位通過)でしたが、第2ステージの園田で2連勝! 大逆転での優勝、おめでとうございます。
ありがとうございます。本当に奇跡が起きました。信じられないです。第1ステージでは4ポイントしか取れなかったので、さすがに優勝は絶対に無理だと思っていたんですけど、すごく嬉しいです。第2ステージの園田ではいい馬に当たったので、奇跡を信じたいという気持ちもありましたけど、まさか本当に実現するとは......夢みたいです。
まずは第1戦、華麗な差し切り勝ちでしたね。
本当は前に行く予定だったんですけどスタートで後ろ脚を滑らせてしまって......。「ああ、やばいな......」と思って、これはもうロスなく回るしかないなと腹を括って内でジッとしていました。道中で手応え良かったので「これはイケるな」って思っていたんですけど、3、4コーナーでは前で吉井(友彦騎手)くんの馬が壁になっていたので、「頼むから進んでくれ~」と後ろから応援していました。で、上手く抜けてくれたんで「やったー!」と思いながら追って。1つ勝てたことがまず嬉しかったですね。ただ、この時点で上位の方とのポイント差はかなりあったし、たとえ次も勝てたとしても、優勝までは厳しいかなと思っていました。
そして第2戦は2番手から早め先頭の強い競馬でした。
これはもう本当に上手く行きました。レース前に思っていたことが思っていた通りに上手く進んだんです。前に付けられたらいいところでジッとしていようと思っていて、その通りに上手く行きました。本当に馬が強かったです。
レース直後は村上忍騎手か藤田騎手か、どちらが優勝なのかわからなかったですけれども、1ポイント差で優勝だと知った時はいかがでしたか?
レースが終わってちょっと経ってから「優勝だ」って言われましたけど、間違いなんじゃないかって思いました(笑)。最終戦の前に、勝ってもポイント的に優勝は無理だろうなと思っていたので。それに、第1ステージの大井の時にレースが終わって鞍掃除をしている時に、下位2人は誰だって話になって、僕じゃないかって言われたんですよ(第1ステージの下位2名は第2ステージには進めない)。「園田行けないかも」ってなって、自分でも13着と9着だったんで、「だよねー...」って思ってて。結局はギリギリで第2ステージに進めたわけですけど(実際の下位2名は森泰斗騎手と岡部誠騎手)、優勝って言われてもまた間違いなんじゃないかって思って、すぐには信じられなかったです。
実際に優勝が確定して、表彰台に立った時はいかがでしたか?
まだ実感はなかったですけど、嬉しい気持ちはすごくありました。応援に来てくれたファンの方も泣いてくれていて、少しは恩返しができたのかなって。本番もありますけど、とりあえず嬉しい気持ちが強かったです。
まさにシンデレラボーイですね!
いや~...自分で「そうです」とは言いずらいですけど(笑)。こんな大きなチャンスをもらったからには、本番も結果を出したいです。今回、僕がSJTに出場できたのは、リーディングの吉田晃浩騎手がケガをしてしまって、それで2位の僕が補欠で出場することになりました。だから、吉田騎手には申し訳ないですし複雑な気持ちもあります。ただ、せっかくのチャンスなので、精いっぱい頑張ります。
藤田騎手は、金沢の顔である吉原寛人騎手と同期ですけれども、吉原騎手は2011年にSJTで優勝し、WSJSでも第2位という成績を収めました。
吉原くんは身近な存在ですけど、本当にすごいと思います。デビューした頃からバンバン勝って注目されていて、僕は全然乗り馬がいなくてものすごく差がありました。今もだいぶ差がついてますけど、今回こういう形で吉原くんが経験した大きな舞台に立てるのは嬉しいです。吉原くんは2位でしたから、もちろん1位を目指すしかないですね。
中央競馬での騎乗の経験はありますか?
一昨年の夏に、1回だけ新潟で騎乗したことがあります(2013年朱鷺ステークス マイネルルビウス・12着)。初めての芝ですごく感動したし、12着だったけどいい経験になりました。あと、金沢のオフシーズンに毎年美浦トレセンで修行しています。もう7年連続で行っていますね。施設も充実しているし、馬のレベルもすごい。視野や考え方も変わるし、すごく勉強になります。
デビューしてから約2年はほとんど乗り馬がいなくて、相当悔しい思いをしたということでしたけれども。
そうですね。あの時は本当に苦しかったですけど、黒木豊調教師が拾ってくれて、それから僕を乗せ続けてくれました。そのお蔭で今があるし、黒木先生にはいつか恩返しがしたいと思っています。ここで全国の方に名前を憶えてもらって、黒木厩舎や金沢競馬のアピールができたらと思っています。
それでは、ファンの方にメッセージをお願いします。
今回大きなチャンスをもらえたわけですけど、これまでの1つ1つのことが繋がっているんじゃないかなって思います。いろいろな方に助けてもらって、いろいろな経験をさせてもらったお蔭で今があるので。その感謝の気持ちをしっかりと持って、札幌に挑みます。それに、先日吉原くんがダートグレードを勝った(ユーロビートでマーキュリーカップ制覇)し、今回僕もSJTで優勝することが出来て、金沢にいい波が来ているんじゃないかと思っています。このチャンスを活かせるように、精一杯頑張ります!
-------------------------------------------------------
※インタビュー・写真 / 赤見千尋
今シーズンのばんえいリーディングは藤野俊一騎手(54)。2位の藤本匠騎手に10勝以上の差をつけ、59勝を挙げています(7月27日現在)。ばんえい記念は現役最多の5勝というベテランに話を伺いました。
ぶっちぎりのリーディングですね。
馬との巡り合わせだね。新馬にもいい馬が多い。2歳賞金1位のキタノリュウキをはじめ、ジェイナイト、リュウセイイチバンも強いな。馬に感謝だね。ただ、癖のある馬にも乗れるよう、努力はしてきたよ。途中で変な癖がついてしまっただけで、能力のある馬が多いんだ。調教でもレースでも、いじめないで、おだてて荷物を引っ張らせる。
3歳1冠目のばんえい大賞典を勝ったシリウスは、障害を降りてからの脚がいい。ニュータカラコマ(2011年イレネー記念、2013年岩見沢記念など重賞5勝)も、いろいろとハミを変えたりして大変だったんだよ。2歳の時も、一度障害であがらなくなった時があったんだ。復調してきたところでイレネー記念を勝った。力がついてきたね。行く気になった時の力の出し方がすごい。夏はバテやすいので今は馬主さんの牧場で休養している。BG1のばんえいグランプリも休ませるつもり。競馬場に来てから初めて外に出たから、なかなか馬運車乗らなかったな。
ばんえい大賞典(7月26日)を制したシリウス
ニュータカラコマは、北斗賞(4着)のパドックではちょっと小さく見えました。
そうか? 調子いい馬は大きく見える。自分乗らなくても、馬の大きさで調子の善し悪しはわかるよ。
あと、楽しみなのははニシキエーカン(2012年イレネー記念)ね。2歳から能力が高かった。一時期体調を崩したけれど、最近また良くなってきた。(ハンディを背負って)荷物にも耐えてきたからね。
キタノリュウキはいかがですか。
母親のヨシノサクラにも乗っていたんだ。なかなか1着獲れなくて、2着が多くてね。初仔がここまで活躍するとはびっくり。キタノリュウキはでかいし、力がある。若いから、そんなに期待をかけすぎないようにしていくよ。
能力検査でのキタノリュウキ
父のカネサテンリュウにも乗っていましたね。今年の2歳が初年度ですが、子どもが活躍していますね。
真面目な馬だったね。開腹手術をしたけどその後も走り続けた体の強さや、その分レースを使っていないということから人気がある。弟のカネサブラック(2011、2013年ばんえい記念など重賞21勝)の仔も楽しみになるよね。全体的に、若い時から活躍した馬の子は、活躍するように思う。
ニシキダイジン(2010、2012年ばんえい記念など重賞8勝)の仔は、まだ思ったより走っていないなぁ。牝馬の方が活躍しているよね。3世代しか遺せなかったのは寂しいよね。
最近、帯広競馬場に人が増えていますね。
見ている人は多いよね! でも、働いている人は若者が少ない。共進会に行っても、牛は若い人ばっかりなのに、馬は年寄りばかり。昔は騎手試験も30~40人近くが受けていたんだ。俺も厩務員生活長かったけど、自分の馬が勝ったらうれしいよ。厩務員生活7年、騎手として乗れるまで10年かかった。若い人が入って、活性化してほしいね。
競馬場のお薦めかい? そりゃ、入り口のジンギスカンコーナーでしょう。風向きによって、焼いているにおいがコースに流れてくるんだ(笑)。暑いから美味しいもの食べてほしい。帯広の夏は北海道の中でも暑いよね。湿度も高い。装鞍所は、岩見沢から持ってきた扇風機があるけれど、湿度が高いと汗をかいて馬も弱る。からっとしていればいいんだけど。俺の犬も動かないよ。
犬を飼っているんですか。
ポメラニアンのメスで、ライっていうんだ。めんこくてな、衝動買いよ。なのに、俺の所帰って来ないで、(同じ建物に住む)松本(秀克)騎手のところばっかり行くんだ(笑)。松本さん散歩連れてってやってるしな。
今後の目標を教えてください。
ばんえい記念、ニュータカラコマで......、勝ったら騎手やめる(笑)。
えーーっ!だめです!!
そのくらいの気持ちで乗るってことだよ。努力して、あそこまで育てた馬。ばんえい記念を勝つ能力もあるよ。
-------------------------------------------------------
※インタビュー・写真 / 小久保友香
デビュー14年目を迎えた笠松の筒井勇介騎手。これまで、エレーヌと共に東海ダービーを制覇したり、騎乗馬集めに苦労した時期があるなど、激動の騎手人生を送っています。今年はケガの影響で1か月半の休養期間がありましたが、無事に復帰を果たした今、今後に向けての意気込みをお聞きしました。
まずはケガからの復帰、おめでとうございます。
ありがとうございます。これまで1週間くらいのケガはあったんですけど、骨折は初めてで、1か月半休んだのも初めてでした。この仕事をしていたらいつかはと覚悟はしていたんですが、まさか手の甲を骨折するとは思わなかったです。朝調教に乗ってる時に、すごく物見をする馬だったんですけど、物見をして思いっきりクビを上げながら横に飛んだ時、馬のクビに手の甲がバーンと当たってしまったんです。次の日もレースだったし、3日後にはJRAの遠征も控えていたのでできれば乗りたかったんですけど、病院に行ったら骨折と言われて、すごくショックでした。
昨年から今年にかけて、いい流れでしたもんね。
そうなんです。JRAの遠征もそうですけど、ツテもできていい流れでした。昨年から地元での勝ち鞍も増えていたし。こんな時期に...とショックを受けて、けっこう落ち込みました。レースを見ていると置いて行かれるような気がして辛かったです。でも、少しずつ気持ちが落ち着いて来て、こういうことも仕方がないかなと思うようになしました。手以外は動かせるので軽く運動したり、リハビリにいったり、いろいろなところのレースを見たり。あと、普段は朝が早いので夜はあまりテレビが見られないんですけど、ちょっと夜更かししてテレビを見たりして気持ちを切り替えました。ケガをしたのは残念でしたけど、いろいろ考え直すいい機会だと思って、ケガが治ってからは体を鍛え直そうとジムに通い始めました。
具体的には、どんなことを念頭に置いているんですか?
体というか、体幹を鍛える感じです。もっと体の使い方を上手くしたいんですよね。自分の体形に合った乗り方の中で、理想としているのは福永祐一騎手の乗り方です。乗り方だけじゃなくて、その考え方もすごいなって思ってて。あれだけのトップジョッキーなのに、今も変わろうとしていること、本当にすごいと思います。トレーナーの方もつけているし、第三者の方に騎乗フォームをみてもらうっていう発想もこれまではなかったじゃないですか。そういう、変われる力を尊敬しています。
いつ頃からそういう意識を持ったんですか?
やっぱり、エレーヌが死んでしまったことが大きかったです。もっと自分がしっかりしていたら、もっとエレーヌは楽だったんじゃないかって。気性の激しいところがあって、難しい部分もあったけど、本当によく頑張ってくれる子でした。初めて重賞も勝たせてくれて、東海ダービーも勝たせてくれて、いろいろな競馬場に連れてってくれて。感謝してもしきれません。最後は門別からの遠征後に死んでしまって、本当にショックで...。今でもよく考えますね。エレーヌがいなくなったあと、自分自身の調子も悪くなって、全然勝てなくなって。その時にいろいろ考えて、今のままじゃダメなんだって思いましたし、自分の技術のなさを痛感しました。エレーヌや関係者に恩返しするためにも、もっともっと上手くならなきゃって思っています。
エレーヌで東海ダービー制覇(2010年6月4日)
その努力の甲斐あって、昨年は地元笠松で74勝、リーディング第4位に躍進しましたね。
そのいい流れで今年も来ていたんですけど、そこでケガっていう...。なかなか上手くはいかないですよね。それでも、腐らずにがんばります。この仕事をしていると心が折れそうになることがあるけど、一度騎手を辞めようかなと思った時、助けてくれた人がいて。その繋がりでエレーヌに出会うことができたし、本当に人と人の繋がりは大事ですよね。そこで支えられていると思います。
笠松はトップジョッキーとして君臨していた尾島徹騎手が、31歳という若さで調教師免許試験に合格しました。これからリーディング順位も変動がありそうですね。
そうですね。尾島くんが抜けたことは相当大きいと思います。近くでがんばっている姿を見て来ましたから、調教師としても成功して欲しいですね。騎手リーディングは、今年はこのまま吉井(友彦騎手)くんが行くんじゃないでしょうか。たくさん調教もつけているし、すごくがんばってますから。あと、佐藤友則騎手も燃えてますよ。リーディングを獲りたいっていう強いモチベーションを持ってますね。僕ももちろん負けてられないです。がんばり次第で上に行けるけど、ここで結果を出さないと取り残されるという危機感も持っています。
では、今後の目標を教えて下さい。
目の前の目標は、1つ1つ丁寧に乗って結果を出していくこと。それが積み重なってリーディング順位にも繋がって行くと思うので。吉井くんやともくん(佐藤友則騎手)という同年代ががんばってますから、僕もリーディング争いに加われるようがんばります。そのために、毎日スキルアップしていきます!
-------------------------------------------------------
インタビュー / 赤見千尋
愛知の木之前葵騎手が、6月23日の名古屋第9レースで通算100勝を達成! 5月には初の海外騎乗となったイギリスで勝利を挙げるなど、快進撃が止まりません。デビューから3年目を迎えた今、木之前騎手の胸の内を伺いました。
まずは100勝達成おめでとうございます。
ありがとうございます。実は、しばらく勝てなかったんですけど、前開催(6月9日~12日)で4勝できて、今開催(6月23日~26日)の初日に2勝して決められたのでホッとしました。ひとつの目標だったので、達成できて嬉しいです。去年50勝を達成した時は自分の誕生日(7月10日)だったんですけど、100勝は誕生日より前に達成できたので、去年よりは早いペースで勝てているのかなと。ただ、今はまだ波があるので、そういう部分を直していけたらと思います。
6月23日第9レース、アルマベルヴァに騎乗して通算100勝を達成
デビュー3年目、ここまでハイペースで勝ち星を挙げている印象ですが、ご自身ではいかがですか?
そうですね、そう考えると自分でもびっくりというか。同期はすごくレベルが高くてセンター時代は一番下手だったんですよ。だからデビューする時も全然自信がなくて...。でも、錦見勇夫先生はじめ周りの方々が助けてくれて、本当にいい環境で過ごさせてもらっています。だからこそ、本当はもっと勝たないといけないんです。今は本当に馬のおかげで勝っていて、自分の力ではないので。いい馬に乗せてもらっているのに、自分のミスでちょっと負けてしまうことが多くて...。もっともっと体力を付けて、技術を磨いていかないと。チャンスをもらっている今、努力して成長できなかったら、もう乗せてもらえなくなってしまいますから。
謙虚ですね。
いえいえ。本当に馬たちのおかげなんです。錦見先生からも、「安心して見ていられない」と言われますし、自分でもその通りだなって思う部分があって。細かい技術面はもちろんですけど、体力をもっと付けないと馬に負けてしまうなと。それに、自分の思ったようなレースはまだまだ少ないですね。特に最近は余計少なくなった気がしているんです。前はもうちょっと考えたように乗れていたのに、今は考え過ぎなのか、思ったように乗れなくて悩む日々で...。ただ、馬に乗るのは本当に楽しいし、いい馬たちに乗せてもらってるので、もっと頑張りたいです。
100勝を達成しましたが、これからの目標というのは?
自分のお手馬は、未勝利の子はいないようにしたいです。今回の開催で未勝利だった子で勝てたんですけど、やっぱり調教からずっと乗ってて、一緒にレースを覚えて勝つと、すごく嬉しいです。大きな目標は、宮下瞳さんの女性騎手最高勝利記録(地方競馬通算626勝)を超えること。ただ、別府真衣さんもすごいので、まだまだ遠い目標です。
5月にイギリスで参戦したレディースワールドチャンピオンシップ(働く女性を支援するシェイカ・ファティマ・ビント・ムバラク妃殿下の活動の一環として、女性騎手を招待するシリーズ競走で、年間、世界各地で13戦行い、その年の11月にアラブ首長国連邦のアブダビで第14戦を『ファイナル』として締めくくる)では、見事な勝利でしたね。
ありがとうございます。本当に運が良かったです。海外自体が初めてだったので慌ててパスポートを取って、今回は母も一緒に行って来ました。リングフィールド競馬場は広々としていて、自然の中にある競馬場という感じでした。残念ながら芝のレースじゃなくてダートでした。コースの形も変わっていて、おむすび型みたいな感じなんですけど、直線が3回あって。みんなでコースを歩いてみたら、不思議な感覚でした。レースは、日本とブラジル以外の方はプロではなくてアマチュアの方だったので、なんとなく遠慮している感じでした。みんなが遠慮している間に前に行って、ジーっとしていて。直線も馬がよく頑張ってくれましたね。今回騎乗した馬はサラブレッドではなくて、アラブだったんです。初めて騎乗できて嬉しかったですね。サラブレッドよりも少し小さくて、素直でとてもいい子でした。
初めての海外遠征で勝利
初の海外で勝利したというのはすごいですね。
腹を括っていつも通り、平常心で乗ることを心掛けました。でもびっくりしたことも多かったです。日本と違って、パドックで跨って馬場に出たら、2分くらいでもう発走なんですよ。アブミの長さを調整している時に枠入りが始まっちゃって、「ちょっと待ってー」って慌てました(笑)。それに、ムチの使用回数が決まっていたり、日本とはルールが違うということも大きかったと思います。ムチの使用回数はいつもは気にしていないけど、何回使ったかとか考えていないといけないので、それで冷静になった部分もあるのかもしれません。
一緒に行ったお母さんも喜んだんじゃないですか?
すごく喜んでくれました。ちょうど10日が母の日だったので、表彰式でもらった花束を「母の日だから」って言って渡したんです。いい親孝行ができたんじゃないかなと思います。ただ、父は仕事があって一緒に行けなかったので、自分も行きたかったって文句言ってたみたいです(笑)。今回勝てたので、11月のアブダビにも出場する予定なので、そこは両親と一緒に行けたら嬉しいです。そこに向けて、もっともっと上手くなりたいですね。
それでは、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
いつも応援していただき、本当にありがとうございます。名古屋は7月の後半から、大規模な馬場改修があるんですよ。路盤から直して、砂も今までとは違う砂を入れるみたいなので、馬場傾向がガラっと変わると思います。どんな風に変わるのか、すごく楽しみです。おそらく、今までとはレースの傾向も変わって来ると思うので、そこをしっかりと勉強して、皆さんの期待に応えられるようなレースができるよう頑張ります!
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 赤見千尋(写真:愛知県競馬組合)