ばんえい競馬情報局とは?

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やっぱり馬が好き(第17回)  旋丸 巴

2006年4月28日(金)

能力検査

 今年は、20数年ぶりに新年度最初の開催地が帯広。だから、例年、旭川で行われる能力試験も第1回と第2回は帯広で行われる。

 と、そんな話を聞いて、私は欣喜雀躍した。何しろ、私は能力検査なるものを肉眼で観たことがない。それが帯広で行われるのなら、行かない手はないのである。

 ただし、能力検査、なんて大層な名前がついているくらいだから、きっと取材させてもらうのも大変なんだろう、と思っていたら、 「なんも、能検の日は競馬場開放だから、好きな時間に来るといいよ」と知り合いの馬主さん。本当かな、と半信半疑のまま、競馬場に出かけたのが4月の18日、第2回目の能力検査の日だった。

Kuruma  勝手知ったる競馬場に到着して、けれど、何だか、いつもと雰囲気が違う。駐車場に車を止めようとしたら、警備員さんが「こっちこっち」と誘導して、それはいいけど、「こっち、もっと、こっち」と言われるまま進んだら、入場口を越え、ついには競馬場のスタンドに着いてしまったから、びっくり仰天。けれど、周りを見回せば、他の車も、みんな同様。日頃は観客で埋まるスタンド前のフェンス沿いに、車がずらりと駐車されて……、何だか、とっても不思議な光景(写真)

 しかし、いつもと様相の違うスタンドとは対照的に、コースに目を移せば、そこは平素と変わらぬレース風景。ファンファーレこそ鳴り響かないものの、ゲートインした馬が一斉に飛び出し、第一、第二の障害を越えてゴールに突き進んでいくし、騎手の人達だって、きちんと勝負服を着ている。

 「これで馬券を売ってれば、もっといいんだけど」と、横で我が夫がアホな感想を漏らしていたけれど、なになに、馬券なんぞ売ってなくったって、「この馬達の将来がかかっているレース」と思えば、私には充分にエキサイティング。この中から、将来のスーパースターが誕生する可能性だって高いはずで……。

 競馬ファンというのは、活躍馬の若かりし頃を知っていると何となく嬉しい……じゃないですか?  例えば、「あのダービー馬は、デビュー戦の時から知ってたんだ」とか、「あの馬が連勝し始める前から、ずっと注目してたんだ」とか、そういう自慢は競馬場に溢れている。

 そういった「先物買い」をするならば、この能力検定ほど最適の場はないわけで、だから、私は必死で将来有望そうな駿馬を見つけようと目を皿にして……。

Buchi  と、そんな私の最大限に開いた視野に飛び込んで来た馬が1頭。第2競走に登場したアローマドンナという牝馬が、それ。彼女の特質は、そのユニークな毛色で……
 「なーんだ、将来の名馬を発掘する、なんていいながら、結局、注目したのは毛色?」と、主人は小ざかしく言うけれど、名馬探しは、この際、一旦休憩。だって、ですよ、アローマドンナ(写真)ったら白茶のブチなんだもん!

 ばんえい競馬については未だ未だ修行の足りない私の、その狭い見聞においては、競馬場でブチ馬が活躍した、なんて事実が過去にあったかどうか判然せず、しかし、私にとっては驚天動地、稀有な景色に見えたから、カメラのシャッターをやたらと押しまくった。で、その時、撮った写真をここに添付するのだけれど、どーです、珍しいでしょ? 本当にクッキリした白茶のブチ馬ちゃんでしょ。

 このブチブチ・アローマドンナちゃん、優秀なタイム、とは言いかねたけれど、まずは無事に能力試験に合格。

 父ヤエノテンリュウ、母愛永姫、三浦孝厩舎の、駁栗毛アローマドンナが、今後、どんな活躍を見せてくれるか。

 また、ひとつ楽しみが増えた春なのでした。

馬券おやじは今日も行く(第16回)  古林英一

2006年4月21日(金)

祝! 謹賀新年度?

 はじまりました、今年度のばんえい。今年は帯広開幕。帯広での開幕は二十数年ぶりとか。映画「雪に願うこと」も好評(だと思う)公開中。

 昨年までだと「待ちに待った新年度!」という感じなのだが、今年度はついこないだばんえい記念が終わったばかり。スーパーペガサス偉業達成の記憶もまだ新しい。小生期待の女神アンローズはやはり帯広が嫌いなようで撃沈(T_T)。ツムジマルさんはアンローズが負けたのは小生のせいとおっしゃるが、それは言いがかりというもの……と思いたい。小生、確かにパドックでアンローズに必死で念力を送ったが、それで彼女の気持ちが萎えたとは思いたくはない。思いたくはないが、もしそうならごめんなさいm(_ _)m

 さて、いまさらいうのもなんだが、今年は2006年である。公営競技としてのばんえい競馬が誕生したのが1946(昭和21)年である。正確にいうと、地方競馬法という法律が1946年11月に公布・施行され、この法律に関する省令(地方競馬施行規則)の競走の種類を定めた条文(第9条)において、「競走の種類は駈歩競走、速歩競走、障碍(しょうがい)競走及び輓曳競走の四種とする」と記されたのである。

 駈歩競走というのが普通の平地競走である。小生の知識では、速歩は1972年に道営競馬で開催されたのが最後である。地方競馬における障碍競走は、実際にどこでいつ頃行われていたのか、残念ながら小生は知らない。わが北海道においては、道営・中央いずれも行われた記録はないように思う(小生の勝手な思いこみかもしれないのでご存じの方はぜひご教示いただきたい)。

 もっとも地方競馬でも障碍競走もおこなわれていた。例えば船橋競馬場でも障碍競走があったという。これは、以前、小生が道営ホッカイドウ競馬の田部調教師と食事をともにしたときに、田部調教師がおっしゃっていた。田部師は下乗り時代、船橋で修行された方だが、田部師が船橋競馬場で働いていた頃は障碍競走もあったとおっしゃっていた。おそらく、船橋だけでなく、あちらこちらの地方競馬で障碍競走があったのではなかろうか。

 ともあれ、地方競馬法施行により、青森県と北海道の2カ所で公営競技としてばんえい競馬が開催された。青森県では数年で競馬そのものがなくなってしまったので、結果として、ばんえいが今日まで続いているのは北海道だけということになる。

 ばんえい競馬は輓馬大会の伝統の上に成立した公営競技である。ばんえい競馬草創期の回顧談に、1946年に有志が集まって輓馬大会を開催したところ、私設馬券を販売する人があらわれたというのがあった。このことが輓曳競馬開催に結びついたとか。

 もっとも1947年秋に、初のばんえい競馬が旭川と岩見沢で各2日間ずつ開催されたものの、馬券の売上高は芳しくなく、その存続も危ういものであったようだ。それが、紆余曲折を経つつも60年。まことにもってめでたい限りである。

 めでたいついでにおしらせである。ばんえい競馬の写真集が北海道新聞社から近日刊行予定となっている。事前に内容を見せてもらう機会があったのだが、まことに楽しみな内容である。

やっぱり馬が好き(第16回)  旋丸 巴

2006年4月14日(金)

この素晴らしき競馬

 新年度の開催も始まっているというのに、今更……ではあるけれど、やっぱり、ばんえい記念について書きたいのである、断固として!

 ご承知のように、平成17年度の「ばんえい記念」は、我らが英雄スーパーペガサスの圧勝。前人未到の4連覇を達成した。4連覇全てのレースを、私は競馬場で見てきたけれど、その4レースの中でも、今回のペガサスの強さは群を抜いていた。深刻な裂蹄に悩まされ、また、レースでも坂越えに一瞬手間取ったけれど、それでもグイグイと登坂するや、後は一人旅。坂の頂点に立った時点で観客から盛大な拍手と歓声が湧き上がったことからしても、「これ以上はない」という完勝だった。

 という訳で、正しく、その走りは「スーパー」な「ペガサス」であった訳で、もう、この馬には最敬礼するしかなかったけれど、今年の「ばんえい記念」で、スーパーペガサス以外にも、私は密か2頭の馬に注目していた。

 1頭は、ばんえい界のクレオパトラとも言うべき絶世の美女アンローズ。この馬に私が惚れこんでいることは、本欄にも、もう何度も記したから繰り返さないけれど、今回も、「劣勢」という大方の予想を無視して単勝と複勝を買って応援。残念ながら美女アンローズは第2障害でリタイヤしてしまったけれど、思うに、古林先生が当情報局でこの馬を強く推薦されていたから、その期待の重さで、第2障害が越せなかったのではないだろうか。いや、絶対、そうに違いない。古林先生の呪いだ~!

 という訳で、アンローズについては無念の涙を飲んだけれど、もう1頭の私の意中の馬、こちらは大いに活躍してくれた。その馬というのはヨコハマボーイ。今や重賞常連馬として確固たる地位を築く馬だけれど、その実力以前に、私は、この馬の容姿が、とっても好きなんである。と言っても、アンローズのように「美形」というのではない。いや、反対に、ちょっとユニークな面差しで……。

 競馬場でこの馬を見た方なら、誰もがお気づきになっただろう。ヨコハマボーイったら、その耳が「お神楽」。つまり、横にダランと垂れて、実に愛らしいのである。普通の馬なら、レース前には緊張を現して両耳はピンと起立しているものだけれど、ヨコハマボーイに限っては、両耳が飛行機の翼のように水平に垂れて、時には歩様にあわせて、その耳がヒラヒラと揺れ動いたりするから、見ているだけで、お腹の底が、じんわりと温かくなるのである。

 そんな訳で、ばんえい記念では一もなく二もなく、スーパーペガサスからヨコハマボーイへ馬連単を買って……結果は惜しくも1着3着だったけど、それでもヨコハマボーイが飛行機耳を振り振り3着に食い込んでくれたのだから大満足。

 ばんえい競馬最高峰のレースで、強い馬が勝ち、お気に入りの馬が健闘する。歴史に燦然する名勝負を目の当たりにして、思わず知らず、サッチモの『この素晴しい世界』なんぞをハミングしながら、帰路についた私なんでした。めでたし、めでたし。

馬券おやじは今日も行く(第15回)  古林英一

2006年3月25日(土)

一番強いのはミサイルテンリュウ

 不振を極めるわが輓馬馬券戦線もいよいよ大詰めです。これまでの不振を一気に挽回するのはまさにこのときである。「皇国ノ興廃ハ此ノ一戦ニアリ」Z旗を掲げいざ帯広に!

 ここ2年連続して現地でばんえい記念を観戦し、そのたびにスーパーペガサスの強さに白旗を掲げたのでありますが、いくらなんでも4連覇はないと信じます(もし4連覇となれば、それはそれで歴史の目撃者として満足します)。

 小生の本命はミサイルテンリュウです。ミサキスーパーが今年こそ雪辱と思っていたのですが、ここ数戦をみると、どうも今ひとつピンときません。ならば新興勢力の代表ということでこの馬から勝負に出ます。今年度の獲得賞金額は予定メンバー中最高。賞金を稼ぐ馬は強い→一番稼いでいるのはミサイルテンリュウ→一番強いのはミサイルテンリュウという、まことにもって理路整然たる根拠であります。

 対抗はヨコハマボーイ。なんとなくこっそり連に絡むような気がします。ミサキスーパーを3番手評価とします。そして、穴として、最強の女神降臨ということでアンローズに期待します。帯広未勝利は世間を欺き、他馬に油断させようという女王の策略です。小生の愛してやまない女王アンローズの一発で起死回生の大勝利を狙います。

 馬券としてはミサイルテンリュウからヨコハマボーイ、ミサキスーパーに馬単(裏目もちょいと)。そしてアンローズから馬単裏表の総流しです。

 対抗はヨコハマボーイ。なんとなくこっそり連に絡むような気がします。ミサキスーパーを3番手評価とします。そして、穴として、最強の女神降臨ということでアンローズに期待します。帯広未勝利は世間を欺き、他馬に油断させようという女王の策略です。小生の愛してやまない女王アンローズの一発で起死回生の大勝利を狙います。

 馬券としてはミサイルテンリュウからヨコハマボーイ、ミサキスーパーに馬単(裏目もちょいと)。そしてアンローズから馬単裏表の総流しです。

やっぱり馬が好き(第15回)  旋丸 巴

2006年3月10日(金)

いつかオーナーズカップに…

 5日、私は勇んで帯広競馬場に出かけた。わざわざ「勇んで」と書いたのは、それは、この日、当情報局の斎藤修編集長が東京からやって来るから……という訳ではない。

 いえいえ、斎藤さんはTOKIOの城島リーダーを渋くしたような人で、「僕にとっては、ドバイに行くのも帯広に行くのも同じなんです」なんてセリフを嫌味なく言ってのける素敵な男性なんである。だから、勿論、斎藤さんに会うのは嬉しいのだけれど、しかし、私を「勇ん」だ気持ちにさせるのは、もっと他にあって、それは、この日、帯広競馬場で行われた第4回オーナーズカップ。

 オーナーズカップは、その名の通り、馬主さんが自らの馬に乗って出走するレース。勿論、エキシビションレースだから馬券は発売されない。けれど、馬主さんとは言え、アマチュアの騎手が、公式のコースで、しかも開催日に、本物同様のレースをするなんて、アマチュア騎手が活躍する外国ならいざ知らず、国内では他に絶対見られない稀有な企画。だから、これは一見の価値ありと、前述「勇んで競馬場へ」と相成った次第である。

 因みに、これなるレースに出走するのは8組の人馬。10歳のオープン馬から4歳牝馬まで、と出走馬もバラエティー豊かなら、騎乗する馬主さんも17歳から66歳の男女、と更に様相多彩。

Photo_8  そんな中で、私が注目したのは6番ツルマキシンザン。オープン馬だけに、ここでは680キロの最大重量を課せられて、560キロの最軽量馬に比べると、かなり不利。それでも、私が敢えてこの馬を応援するのは、手綱を取るのが井内香さんという21歳の女性だから。既に彼女はオーナーズカップでの優勝経験もあり、同性として、紅一点を肩入れしないわけにはいかないのである。(写真:ツルマキシンザンと井内香さん)

 と、期待し、注目したオーナーズカップは14時25分、発馬! 各馬一斉に飛び出して……けれど、重量も馬の格も、そして、騎手の技量も玉石混交のこのレース。だから、各馬のペースもまちまちで、第一障害を越えて、すぐに立ち止まる馬やら、第二障害まで駆けぬけて行くのやら、てんでんばらばら。

 そして迎えた第二障害。ここでも、また、巧みな手綱さばきで馬を誘導する玄人裸足の騎手から、微笑ましく懸命に追う騎手まで、各人各様の「坂越え」で、観客も大いに沸く。

 この第二障害を軽々と越えたのは我らがツルマキシンザンと井内騎手。オープン馬の地力で早々と直線に駆け出し、このまま優勝……かと思ったけれど、世の中、そんなに甘くなかった。終盤、足寄町・南信良さんが繰るイサムニセイと、本別町・林千代吉さんのプリティブライトに抜かれて3着に敗れた。

 優勝した南さん62歳。2着の林さんは最年長66歳。いずれもプロ顔負けの技術を持つベテランで、だから、今回のオーナーズカップは完全に「老練の技」が「若さ」に圧勝した形。でも、まあ、井内・ツルマキシンザン組だって3着だったのだから、よしとすべし。

 公式戦では絶対に見られない、或いは、許されない「多様性」を見せてくれたオーナーズカップ。それだけに、また、日頃接しているプロのレースの精密さも、また、しみじみ感じさせられたレースでもあった。プロって、凄いんだわ、やっぱり。

 それにしても、である。

 こういうレースを見ると、『いつか自分も馬主になって、このレースに出よう』なんて本気で考えちゃいませんか?

「そんなこと考えるの、あんただけ」って夫は言うけど、そんなことないよねー、皆さん。

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