コウシュハウンカイが激戦を制す!
3日(祝・日)に行われた重賞・ばんえい菊花賞(3歳オープン)は、単勝1番人気のコウシュハウンカイが優勝。5度目の挑戦で、重賞初制覇を果たしました。
馬場水分は1.9%と、やや重めでしたが、各馬勢いよく第1障害を突破。足並みをそろえるように横一線で進み、一進一退を続けたまま第2障害を迎えました。
じっくりためたのちに動いたのはコウシュハクィーン。それを合図とするかのように、各馬一斉に登坂を開始します。なかでも抜群のかかりを見せたのがクインフェスタとオレノココロで、この2頭が障害をクリア。ほぼ同時にコウシュハウンカイ、コウシュハクィーン、オホーツクノタカラ、セイコークインも突破し、6頭が入り乱れる形で末脚比べに入りました。
先頭はクインフェスタ、コウシュハウンカイ、オレノココロが文字通りの横一線。半馬身ほど遅れてセイコークインが続き、さらに半馬身差でコウシュハクィーン。しかし残り20メートル付近でコウシュハクィーンが脚を止め、4頭による争いとなります。そして20メートル標識を越えたあたりでオレノココロが脱落。残り10メートルではクインフェスタが半馬身ほどリードします。そして残り5メートルを切って、完全に先頭はクインフェスタ。このまま逃げ切って...、と思われたところ、ゴール線上、ソリの後端がまさに越えたか越えないか微妙なところで、まさかのストップ。ジャッジはなんと"未到達"。その間にセイコークインが横をすり抜けて先頭ゴール...、と思われた瞬間に、こちらもストップ。そして、またしてもジャッジは未到達。きっちり越えたコウシュハウンカイが、激戦の末に栄冠をつかみ取りました。ジワジワと歩き続けたオレノココロが2着で入線。ゴール線上で止まったセイコークインとクインフェスタの牝馬2頭は、結局同タイムで入線しましたが、わずかにセイコークインが先着して3着となりました。
コウシュハウンカイはこれが悲願の重賞初制覇。イレネー記念では外へ逃げたりするような場面もありましたが、着実に成長を遂げ、一進一退の激しい攻防を勝ち抜きました。もともとナナカマド賞で2着したように、早くから世代屈指の実力を見せている同馬。いよいよ、その才能が開花しはじめたと言っていいでしょう。今後のさらなる活躍が期待されます。
オレノココロはばんえい大賞典に続く2着。ただ、これで12戦連続3着以内と抜群の安定感を見せており、今後も展開次第でタイトル奪取のチャンスがありそうです。
藤本匠騎手「勝ててホッとしました。馬は順調に仕上がっており、あとは馬場状態が雨が降って極端に軽くならない限り何とかなると思っておりましたが、少しゴール際は苦しみましたね。12月にばんえいダービーという大一番が残っていますから、そこを目指して頑張ります。将来、一番上で戦える馬だと信じているので、上手に育てていきたいと思います」