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ばんえい名馬ファイル(9) シマヅショウリキ

2011年1月18日(火)

若くして頂点に シマヅショウリキ

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96年ばんえい菊花賞   Photo●OPBM

 近年のばんえい記念(97年までは農林水産大臣賞典)の勝ち馬一覧を見ると、2度以上制している馬がいかに多いかに気づく。特に1997年のフクイチ以降は、2010年が初勝利だったニシキダイジンを別とすれば、いずれの馬も2年以上連続でばんえい記念の勝ち馬となっている。ごく限られた一部の馬しか勝つことができない、1トンという酷量を曳くばんえい記念は、ある意味でそうした特殊なレースなのだろう。

 シマヅショウリキも、高重量戦でこそ力を発揮する馬だった。それゆえか、2歳シーズンは24戦して5勝と、ごくごく平凡な成績しか残していない。

 しかし3歳シーズンを迎えて一変。6戦3勝、2着2回と好成績で迎えたのが、重賞初挑戦となった3歳一冠目のばんえい大賞典(96年7月)。牡馬ではもっとも軽い670キロ、トップハンデの馬とは30キロ差という軽ハンデ生かしての重賞制覇となった。

 定量のばんえいダービー(96年10月)は、この世代で早くからトップの存在と目されていたキタノビッグエースの4着。そして同じく定量のばんえい菊花賞(96年11月)でもキタノビッグエースが断然の人気になったが、シマヅショウリキは、その世代ナンバー1ホースに14秒3もの大差をつけて圧勝。一躍注目の存在となった。

 シマヅショウリキは、4歳シーズンにも3・4歳限定のポプラ賞(97年12月)を1番人気にこたえて堂々の勝利。その勝利によって出走権を得たチャンピオンカップ(98年2月)には、前年(3着)に続いて2度目の挑戦となった。

 この年のチャンピオンカップは、ばんえい記念が終了したあと、シーズン最後の重賞として行われた一戦。シマヅショウリキは軽ハンデながら、ばんえい記念の1、2着馬、フクイチ、ダイヤキャップという、当時の高重量戦では無敵を誇っていた2頭を相手に勝利し、古馬の一戦級が相手でも互角に勝負できるまでに成長した姿をアピールした。

 シマヅショウリキが最も輝いたのは、5歳シーズンに明け6歳で初挑戦となった、ばんえい記念(99年2月)だろう。

 このときは、すでにばんえい記念3勝を挙げているフクイチの引退レース。そのフクイチには、ばんえい記念3連覇に加え通算4勝という、いずれも史上初(当時)となる大記録がかかっていた。

 当時のばんえい競馬では、オープン馬といえども定年があり、フクイチにとっては最後の1年と覚悟して臨んだシーズン。岩見沢記念は4着、旭王冠賞は7着に敗れたものの、1月の帯広記念を圧勝し、まだまだ力は衰えていないことを示し、断然人気で臨んだ最後のばんえい記念だった。

 しかし4歳年下のシマヅショウリキが圧倒的な強さで世代交代をアピールする結果となった。

 初めて経験する1トンという酷量にもかかわらず、シマヅショウリキは先頭で第2障害をクリア。2番手のフクイチが障害を越えたとき、すでにシマヅショウリキは直線の半ばまで達していた。フクイチも懸命に追い上げたが、シマヅショウリキは17秒4という決定的な差をつけ、ばんえい記念初挑戦での勝利となった。

 6歳シーズンのシマヅショウリキは高重量戦で圧倒的な強さを発揮した。岩見沢記念(99年9月)は、同期のライバル・キタノビッグエースに、なんと27秒7もの大差をつけて圧勝。トップハンデで臨んだ帯広記念(00年1月)こそサカノタイソンの2着に敗れたものの、ばんえい記念(00年2月)では2着のサロマオーカンに9秒4差をつける完勝で、連覇を果たした。

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99年岩見沢記念   Photo●OPBM

 しかしこの年がシマヅショウリキのピークだった。7歳シーズンは、好走すれども勝ち切れないレースが続き、帯広記念(01年1月)こそ得意の高重量でサカノタイソンとの一騎打ちを制したものの、これが結果的に現役最後の勝利となった。

 7歳、8歳になってピークを迎えることが多いと言われるばんえい競馬にあって、シマヅショウリキは6歳シーズンをピークに、その後は引退レースとなる9歳シーズン(明け10歳)の03年1月までは苦しいレースが続いた。それは、やはり5歳シーズンという若い時期に、1トンという酷量が課せられるばんえい記念を制した反動であったのかもしれない。

 ばんえい記念をもっとも若くして制したのは、79年10月のキヨヒメ、88年11月のニユーフロンテヤ、翌89年12月のイエヤスが、いずれもに5歳。しかしこれは年が明ける前にばんえい競馬の開催が終了していた頃のことで、そういう意味では、明けて6歳、いわば5歳シーズンにばんえい記念を制したシマヅショウリキも、もっとも若くして同レースの覇者になった1頭といえる。

 5歳シーズンにばんえい記念を制したのは、歴代でもわずか5頭。シマヅショウリキが最後となっている。

 1トンのソリを曳くばんえい記念というレースが、いかに過酷なレースであるかを示す記録でもある。

文/斎藤修

(馬齢は、現在と同じ新年齢で表記)

シマヅショウリキ
1993年4月27日生 半血 牡 青毛
父 半血・ヒカルタイシヨオ
母 半血・クインダイヤ
母の父 半血・トヨサカイ
北海道中川郡池田町 金岡恒司氏生産
通算成績/154戦32勝(1995~2003年)
収得賞金/82,860,000円
重賞勝鞍/96年ばんえい大賞典(岩見沢)、ばんえい菊花賞(北見)、97年ポプラ賞(帯広)、98年チャンピオンカップ(帯広)、99年ばんえい記念(帯広)、北斗賞(北見)、岩見沢記念(岩見沢)、00年ばんえい記念(帯広)、01年帯広記念(帯広)

今週の見どころ(1/15~1/17)

2011年1月14日(金)

 1月8日~10日の開催でデビューを飾った4名の新人ジョッキーのうち、島津新騎手が初勝利一番乗りを果たしました。しかも初騎乗(8日第1レース)での勝利という快挙。ばんえいで初騎乗・初勝利を果たしたのは、09年1月の長澤幸太騎手以来となります。なお島津騎手は、8日第9レース、9日第3レース、10日第7レースも勝ち、早くも4勝をマーク。今後の飛躍が期待されます。

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 1月15日(土)のメイン第12レースは摩周湖特別(B1級-1・2組決勝・17:40発走予定)。1月9日第12レース(B1級-1組)と10日第12レース(B1級-2組)の上位馬による一戦ですが、10日第12レースの勝ち馬マックスセンプーが出走取消で9頭立てとなりました。
 前走9日第12レースを含め2連勝中と勢いに乗るトレジャーハンターに期待します。B1級戦(B2混合戦含む)では、7戦4勝、2着1回の安定感を誇ります。
 マックスセンプーが出走取消なら単騎逃げが叶いそうなギャンブラーキング、3戦連続して3着と近走崩れのないヒマワリカツヒメが相手でしょう。

 1月16日(日)のメイン第11レースは睦月特別(オープン-1組・17:05発走予定)。今季、古馬重賞勝ちがある2頭カネサブラックが別定30キロ増、ニシキダイジンが同25キロ増と、重いハンデを課せられています。
 それなら、別定10キロ増のマルミシュンキに勝機到来といえそう。オープン-1組に入ると勝ちきれませんが、目下4戦連続連対と地力強化が見てとれます。ハンデ的には有利なだけに、今度こその意気込みでしょう。
 同じく別定10キロ増のギンガリュウセイも楽しみ。前走帯広記念では4着でしたが、基礎重量が軽くなってスピードが生かせそうです。
 ホクトキングは、前走のオープン特別で勝ち馬マルミシュンキからコンマ4秒差の3着。前走は同重量だったのが、今回は5キロ差つくことで、逆転のチャンスもありそう。障害のカカリも好調期の水準にあります。

  1月17日(月)のメイン第11レースは柏林馬事公苑特別(A1・A2級決勝混合・16:45発走予定)。1月9日第9レース(A2級-1組)と10日第10レース(A1級-1組)の上位馬による一戦です。
 10日第10レースで4着だったシベチャタイガーの巻き返しに期待します。近7走では勝ち星こそないものの、勝ち馬から5秒差前後に健闘しています。10月から11月にかけてはオープン・A1級混合特別、A1級-1組特別と連勝するなど実績上位。9日第9レースを制したエメラルドが回避しただけに、逃げ切り濃厚といえます。
 決め手勝負になれば同じ前走で2着トモエエーカンにも出番がありそうです。
 9日第9レース組では3着スギノハリアーが筆頭格。障害巧者で、牡馬では最軽量なのが魅力です。
 同2着ホクショウマドンナは牝馬らしい切れ味が武器。前走も離れた障害クリアからエメラルドをコンマ3秒差まで追い詰めるなど見どころ十分でした。

今週の見どころ(1/8~1/10)

2011年1月 7日(金)

 ばんえい十勝に、4名の新人ジョッキーが誕生。1月8日(土)第1レースで島津新騎手(20歳・岩本利春厩舎)、同日第9レース(第8レースは出走取消)で赤塚健仁騎手(20歳・久田守厩舎)が、翌9日(日)第1レースで井上真司騎手(23歳・今井茂雅厩舎)、同日第6レースで西将太騎手(21歳・西康幸厩舎)が、それぞれデビューを迎えます。ばんえいに新しい風を吹き込む活躍に期待したいところです。

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 1月8日(土)のメイン第11レースは屈斜路湖特別(B2級-1組・17:05発走予定)。1月2日に行われたB2級-1組平場戦のメンバー9頭中7頭がここにも出走してきました。
 中心はその前走を含め5戦連続して2着のトモエブラックでしょう。決め手勝負になるとキツイものがありますが、障害も安定しており、ここも大崩れはないはずです。
 決め手といえばキタノカイザー。同じ前走では7着(1番人気)に敗れましたが、12月26日のB2級-1組平場戦では豪快な差し切り勝ちを収め、トモエブラックを2着にしりぞけています。障害さえまともなら圧勝があって驚けません。
 同じ前走で3着グランドペガサス、同4着キタノストロングも流れひとつでチャンスがありそうです。

 1月9日(日)のメイン第11レースはゴールデンジョッキー賞(オープン混合・17:05発走予定)。ファン投票で選ばれた10騎手による腕比べです。
 オープン(重量区分)の実績馬に条件クラスの上がり馬が挑みます。
 上がり馬の筆頭は、320万円未満格付のキンノカミ(尾ヶ瀬馨騎手)。近5走が4勝、2着1回で、前々走のオープン・A1級決勝混合特別では、マルミシュンキらとの叩き合いを制して勝利しています。今回はさらに相手が強化されますが、期待十分といえそうです。
 400万円未満格付のフクドリ(松田道明騎手)も目下4戦連続連対と好調持続。前走の5歳重賞・天馬賞では勝ち馬キタノタイショウにはちぎられたものの2着でした。やや腰が甘いところがありますが、近走を見る限り心配なさそうです。
 これらを相手に、ナリタボブサップ(鈴木恵介騎手)、キタノタイショウ(大河原和雄騎手)、ホクショウダイヤ(大口泰史騎手)らオープン勢がどんな戦いをみせるでしょうか。

  1月10日(祝・月)のメイン第11レースは白馬賞(芦毛馬選抜・17:05発走予定)。ばんえい十勝では、夏に白夜賞、冬にはこのレースと、年に2回、芦毛馬選抜特別戦が行われています。
 昨年夏の白夜賞を制したキョウワテンリュウが芦毛馬選抜特別連勝を狙います。なかなか成績が安定しない馬ですが、平場戦よりは、流れが落ち着く特別戦のほうが好走のタイプ。追走がスムーズだった近2走(2、1着)の再現がありそうです。
 唯一のオープン馬フクイズミは近走、精彩を欠いていますが、格下相手のここできっかけをつかみたいところです。
 アオノレクサスは近走内容がイマイチですが、過去、芦毛馬選抜特別では5、2、3着といずれも好成績。今回、一変があっても不思議ではありません。
 このレース連覇を目指すドラゴンスーパー、障害巧者のトウリュウも争覇圏でしょう。

1/3天馬賞回顧

2011年1月 4日(火)

キタノタイショウが不動の世代チャンプに!

 3日(月)は重賞・天馬賞(5歳オープン)が行われ、単勝1.2倍と圧倒的支持を集めたキタノタイショウが優勝。重賞5勝目を挙げました。

 道中は700キロ台の荷物を曳き慣れたキタノタイショウが先導役を務め、2番手をフクドリが追走。以下はほぼ横一線の状態で、各馬2度3度息を入れながら、第2障害を迎えました。
 息を整えて真っ先に第2障害に挑んだのはキタノタイショウ。圧巻の登坂を見せ、ひと腰で天板に脚をかけます。フクドリもそれに続いて障害に挑みますが、登り切る頃にはキタノタイショウが障害を下りており、独走態勢を築いていました。
 キタノタイショウはギャロップで一気に突き放し、楽勝ムード。フクドリが懸命に追撃するも脚いろはほぼ一緒で、そのままキタノタイショウがゆうゆうと先頭でゴールを果たしました。フクドリが続き、障害4番手からしぶとく脚を伸ばしたホクショウバンクが3着。

 キタノタイショウはイレネー記念、ばんえい菊花賞、ばんえいダービー、銀河賞に続く重賞制覇。主要な世代限定戦をことごとく制しており、この世代では一枚も二枚も力が抜けている印象です。この前走、ドリームエイジカップで一線級を相手に3着した内容からも、さらなる飛躍が期待できる一頭。今後も要注目です。
 フクドリはこれまで目立つ実績がありませんでしたが、今回のレースぶりからも力をつけていることは確か。単に相手が強かっただけという印象もあり、今後のレースぶりで真価が問われるでしょう。

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大河原和雄騎手「馬に感謝したいですね。きょうはキタノタイショウの邪魔をしないように、それだけを心がけて騎乗しました。世代の大将として、着実に育ってほしいですね。今後も馬と相談しながら頑張ります」

天馬賞 予想結果

須田:馬複2-6 2,000円的中! 収支+1,200円
斎藤:馬単2→6 1,000円的中! 収支-1,200円
山崎:馬複2-6 1,100円的中! 収支-1,590円
矢野:馬複2-6 1,000円的中! 収支-1,900円

【ここまでの集計】
矢野 吉彦 - 4,300円
山崎エリカ -21,360円
斎藤  修 -30,250円
須田 鷹雄 -35,500円


※編集部より

当初斎藤氏の買い目が下記のように間違ってアップされていましたが、

 馬単
 2→1 2000円
 2→1,7 1000円
 2→3,10 500円

買い目が重なっていること、また印の順番から間違いであることは明らかであるため、途中で訂正しました。

 2→1 2000円
 2→7,6 1000円
 2→3,10 500円

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