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レース回顧(1/19~1/21)

2008年1月21日(月)

 19日(土)のメインレースに行われたのは氷雪特別(4歳以上430万円未満)。ここは1番人気のコーネルが勝利を挙げ、前走5着から巻き返しました。
 第2障害はイチショウリを先頭に、差なくコーネル、ヒカルヨシウメが続く展開。先頭のイチショウリは残り20メートル付近で脚いろが鈍り、代わってコーネルが先頭へ。これに障害4番手から脚を伸ばしたカネミセンショーが迫りますが、交わすには至らず。コーネルが粘りきって先頭ゴールを果たしました。2着はカネミセンショーで、障害6番手から追い込んだヒロノタキオンが3着。

 この日の第10レースは4歳以上によるオールカマーが行われ、ギャンブラークインが9月以来の勝利を挙げました。
 ギャンブラークインが第2障害を先頭で越え、やや遅れてキョクシンオーとトカチプリティー。タカラオーシャンもこの圏内でクリアしていきました。しかし船山蔵人騎手起用でハンデに恵まれたギャンブラークインはスイスイ逃げ、後続に大差をつけて楽勝しました。2着は、しっかりとした脚取りで押し上げたタカラオーシャン。1番人気のトカチプリティーが3着を確保しています。

 20日(日)は睦月特別(4歳以上オープン)が行われ、カネサブラックが優勝。前走の霧氷特別に続き連勝を果たしました。
 障害巧者ミサイルテンリュウとナリタボブサップ、これにカネサブラックも加わって、3頭が並んで第2障害をクリア。ここからカネサブラックが即座に抜け出し、一気にリードを広げました。そこへ障害6番手から豪脚を見せたフクイズミが襲いかかって、残り10メートル。しかしカネサブラックも渾身の二の脚を見せ、かろうじてこれを振り切りました。障害4番手からきっちり歩いたスーパークリントンが3着。

 この日の第10レースはオーロラ特別(4歳以上オールカマー)。ここはサダエリコが制し、06年旭王冠賞以来、実に1年7カ月ぶりとなる勝利を挙げました。
 第2障害を先頭で越えたサダエリコは、一気に後続とのリードを広げました。遅れてエメラルド、センコウラブリイなどもクリアしましたが、サダエリコの逃げ脚は快調。そのままゆうゆうとリードを広げ、久々に勝利の美酒を味わいました。2着は障害5番手から脚を伸ばしたハマナカキング。しっかり歩ききったセンコウラブリイが3着入線。

 21日(月)は銀嶺特別(4歳以上360万円未満)が行われ、ユウシテンザンが勝利。前走2着に続く好走で、好調ぶりをアピールしました。
 ひと腰で第2障害を越えたユウシテンザンは、後続との差を広げて逃げ込み態勢。これをキタノイチオクが追いますが、差はいっこうに詰まらず。ゴール直前でユウシテンザンも脚いろが鈍りますが、結局そのままの順位でゴールを迎えました。第2障害で派手にヒザ折りしながら3番手でクリアしたカゲタカラヒメが、終いまで脚を伸ばして3着を確保しました。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(1/19~1/21)

2008年1月18日(金)

 先週のヒロインズカップで年末・年始の重賞ラッシュも一段落。次回の重賞は3月2日のチャンピオンカップとなります。今週末から始まる第21回開催では、クラスの枠を超えて出走メンバーが編成されるオールカマー戦が4レース組まれています。オープン馬vs下級条件の上がり馬など、面白い組み合わせも期待できます。ぜひご注目ください。

 1月19日(土)のメイン第11レースは氷雪特別(430万円未満)
 中心は3開催前(12月18日)のキリンビール賞(430万円未満)で好位追走から差し切ったコーネル。前々開催、前開催は世代限定戦にエントリーしたためこの条件には不出走でした。しかしそのキリンビール賞まで今季このクラスでは4戦2勝、2着1回と、勢い、実績ともに上位の存在だっただけに今回も注目できるでしょう。
 展開にかかわらず差し脚を繰り出せるカネミセンショー、近走安定した成績を残しているコトブキライアンも有力視できます。

 この日の第10レースは4歳以上のオールカマー。オープンから360万円条件までの10頭が顔を揃えました。
 実力では前走、牝馬重賞・ヒロインズカップを制したトカチプリティーが最右翼ですが、ここは600万円条件のキョクシンオーに期待します。昨年10月21日のオータムカップ(オールカマー)、同28日のオープン勝入混合別定では、トカチプリティーと同重量で差のない競馬をしていた実績があります。このところの自己条戦件でも着順ほど負けておらず、近走より格段に重量が軽くなった今回は、メンバー中随一の末脚が炸裂する可能性が高いでしょう。
 もちろんトカチプリティーや、この相手関係ならエビスオウジャも有力。軽ハンデの好調馬タカラオーシャン(430万円条件)、キングシャープ(360万円条件)の上位食い込みも警戒したいところです。

 1月20日(日)のメイン第11レースは睦月特別(オープン)。前開催の霧氷特別(オープン)のメンバー中6頭がここに駒を進めてきました。
 その霧氷特別はカネサブラックが障害2番手から、残り35メートルで先頭を行くニシキダイジンを並ぶ間もなく交わすとあとは突き放す一方の横綱相撲。5走連続2着惜敗にピリオドを打ちました。しかし今回は、その5走中3走で先着されていたナリタボブサップが出走しており勝ち切るまでは微妙なところです。
 中心はナリタボブサップ。ひと開催自重してここに臨んできたのは好感触。トップハンデでも最大20キロ(牝馬フクイズミとは25キロ)差ならまったく問題なく今回も障害巧者ぶりを発揮してくれるでしょう。
 相手はこちらもトップハンデでもカネサブラックや、前走牝馬重賞・ヒロインズカップで追い込んで2着だったフクイズミが有力。霧氷特別2着を含め近3走のオープンで複勝圏を外していないタケタカラニシキもこの時期は得意だけに侮れません。

 この日の第10レースはオーロラ特別(オールカマー)。オープンから300万円条件までの幅広いメンバーが出走予定です。
 注目は600万円条件のハマナカキング。今季はオープン混合で3戦してすべて2着と実績では上位の存在です。近走障害も安定しており、好位追走からの押し切りが期待できるでしょう。
 相手は、今季混合700万円未満や600万円未満でハマナカキングと好勝負を繰り広げているハヤテショウリキ(600万円条件)や、実力牝馬エメラルド(500万円条件)が有力。上がり馬センコウラブリイ(300万円条件)も軽量を利して上位をうかがいます。
 オープンのサダエリコは昨年7月の重賞・北斗賞で2着に入った実績があります。とはいえ今季の連対はこの1回だけで、近走もひと息の成績だけに中心視はできません。。

 1月21日(月)のメイン第11レースは銀嶺特別(360万円未満)。前々開催(1月2日)の同条件戦・新春特別のメンバー中7頭が出走予定で再戦模様となりました。
 注目は、近11走の同条件戦で掲示板を外したのが1回だけという安定感が魅力のユウシテンザン。新春特別は先頭で障害を越えたものの、3番手に続いたビッグファイヤーに残り20メートルで差し切られ、ゴール前では好位から差を詰めてきたキングシャープ、キタノイチオクとの横一戦の2着争いにも残れず4着でしたが、早め障害クリアからの前残りが期待できます。
 相手は、このクラスの安定勢力のキヨマサブライトダンサー、牝馬限定戦ながら前走混合360万円未満を楽勝したキタノパワーらが有力。
 ビッグファイヤーは強烈な決め手がありますが、障害次第のところがあり強くは推せません。

やっぱり馬が好き(第44回) 旋丸 巴

2008年1月17日(木)

名手の引退

 名手・坂本東一騎手が本気で恐怖の表情を浮かべたのは、12月30日、「坂本東一騎手・千葉均騎手引退セレモニー」でのことである。

 千葉騎手は病気療養中で欠席されたものの、坂本騎手の登場に観客は大興奮。花束を持って駆けつけたファンで表彰サークルは満杯。柵の回りも観客が鈴なり。と熱気に包まれたセレモニーで、しかし、若手騎手達が「胴上げしましょう」と言った瞬間、坂本騎手の表情がこわばった。

 「いいよ、やらなくて! このメンバー、本当に危険だってばぁ!」

 抵抗する坂本さん。しかし、そこは、日頃、巨漢馬を自在に操る豪腕騎手さん達。坂本さんを、ひょいと持ち上げると、そのスリムな体躯を中空高く舞い上がらせた。

 帯広競馬場に響く、坂本騎手の悲鳴!

 「わ~! やめれ~!」

華麗なる「坂本ジャンプ」
坂本 東一

 蝶のように舞い、蜂の様に刺す。正に坂本騎手のレース振りは、この通り。直線、ここぞという勝負どころで見せる華麗な「坂本ジャンプ」は美技中の美技。現役最年長ながら、昨年度ばんえい記念を制覇するなど、まだまだ華麗なる坂本ジャンプは健在。2600勝を達成し、現役最多勝記録を更新中。

 これは、以前、某団体に頼まれて書いた騎手紹介だけど、かほど華やかな坂本東一騎手が昨年末をもって引退されてしまった。調教師試験に合格されての勇退だけれど、寂しいのである、心底。

 坂本さんについては、拙欄でも何回かご紹介したけれど、生涯勝利数2681勝は現役最多勝。歴代ランキングでも、「ミスターばんえい=金山騎手」に次ぐ史上2位の堂々たる成績なのである。

 いや、しかし、勝利数は、この偉大な騎手さんの魅力のほんの一部でしかない。前述「坂本ジャンプ」など、大きなアクションで馬を追う、その姿は、ばんえいファンは勿論、ばんえいを知らない人々にも強いインパクトを与えた。しかも、そうした果敢な勝負師である反面、勝負が終われば、にこやかな笑顔で観客の心を魅了。殊に子供に対する優しさは格別で、色白、面長、切れ長の目、という精悍な面立ちが、しかし、幼い子を見ると一瞬にして柔和な笑顔に変貌する。

 バックヤードツアーに参加した子供に、坂本さんが、わざわざ歩み寄って「応援してね」と握手しているところを間近で目撃したことがあるけれど、この名手から滲み出る自然な温かさは、一種独特の雰囲気を醸して、余人の真似できるものではなかった。

 昨年、念願のばんえい記念制覇を果たした坂本騎手。その時の勝利馬トモエパワーが、今季に入って長らくのスランプの後、9月30日、ようやく岩見沢記念を勝った時には、勝利騎手インタビューで曰く

 「いや、調教師が『いつ勝つんだ、いつ勝つんだ』って、うるさくてね」

 かような、お茶目なコメントでファンを爆笑させた。

 共に引退した千葉均騎手も、馬に頭部を蹴られるなどの大事故に遭い、近年は体調を崩しがちであったにも関わらず、通算2106勝を挙げた名手。派手ではなかったけれど、その職人芸とも言うべき騎乗は、正に「いぶし銀」の技であった。

 そんな、格好いい、優しい、時に、お茶目な坂本さんと、いぶし銀の職人=千葉さんが引退してしまうなんて……。
 
 明けてお正月、競馬場で出会った友人がポツリと一言。

 「本当に、坂本さんも千葉さんもいないんだね」

 そんなこと言われて、思わず目の奥が熱くなってしまったけれど、いやいや、リーディングジョッキー鈴木勝堤さんを初め、百戦錬磨の名手が居並び、NAR新人賞獲得の西謙一騎手など未来のスターも登場した、ばんえい界。坂本さんの華麗さを、千葉さんの渋さを、それぞれに継承してくれるだろう。

 だから、寂しくったって、悲しくったって、私は……、私は……、泣かないぞ~! ひっくひっく。

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坂本東一騎手引退記念レース

レース回顧(1/12~1/14)

2008年1月15日(火)

 12日(土)は霧氷特別(4歳以上オープン)が行われ、カネサブラックが優勝。ここまで5戦連続2着のうっぷんを晴らし、8月以来久々の勝利を挙げました。
 第2障害は大方の予想どおり、ニシキダイジンが先頭でクリア。しかし差なくカネサブラック、シンエイキンカイ、タケタカラニシキ、エビスオウジャの4頭も続きました。残り30メートルまで到達する前に、カネサブラックが先頭へ。そのまま脚を伸ばしてセーフティーリードを保つと、楽な手ごたえのままゴールを迎えました。じわ脚を伸ばしたタケタカラニシキでしたが、差はいっこうに縮まらず2着まで。障害で詰まったものの、ゴール寸前で追い込んできたトモエパワーが3着を確保。

 13日(日)のメインレースはポプラ賞(4・5歳オープン)。ここは2番人気のツジノコウフクが制し、銀河賞勝ちの実力を存分に見せつけました。
 ツジノコウフクとヒロノドラゴンが真っ先に第2障害に挑み、この2頭が並ぶようにして先頭クリア。これにニシキセンプーも加わり、三つどもえの様相を呈しました。残り30メートルでは3頭が横一線、残り20メートルでツジノコウフクがわずかに先頭へ。そして残り10メートルからは完全に底力だけで勝負しているようなサバイバル戦となりました。それでも力を振り絞って先着したのはツジノコウフク。1馬身ほど遅れてヒロノドラゴンが入り、ニシキセンプーが世代限定戦では久々となる3着好走。1番人気のホクショウダイヤは課題の障害で詰まってしまい、よく追い込んだものの4着まで。

 この日の第10レースはジャニュアリー特別(3歳オープン)が行われ、8番人気のウメノタイショウが勝利。世代トップクラスにあることを証明しました。
 ひと息入れて第2障害に挑んだウメノタイショウは、これを難なくクリアすると一気に差を広げて逃げ込み態勢へ。残り10メートルを切ってからは脚いろが鈍りましたが、あらかじめ築いたセーフティーリードが生き、後続の追撃を振り切りました。2番手争いでわずかに優位に立っていたマルモスペシャルが、ゴール線上で痛恨のストップ。ニシキエースが2着入線を果たし、3着にリードムサシ。立て直したマルモスペシャルは4着まで。

 14日(祝・月)のメインレースは、重賞のヒロインズカップ(4歳以上8歳以下牝馬オープン)。ここはトカチプリティーが久々の重賞タイトルをゲットしました。詳細は別掲のヒロインズカップ回顧をご覧ください。

 この日の第10レースは樹氷特別(4歳以上430万円未満)が行われ、タカラオーシャンが優勝。3連勝後の前走7着から、見事に巻き返しました。
 第2障害はシンエイスターが先頭で越えましたが、後続は大苦戦。そこからようやくコトブキライアン、タカラオーシャン、カネミセンショーがクリアしていきました。大きくリードを広げていたシンエイスターですが、脚取りは重く後続がグングン差を詰める展開。残り20メートル付近で4頭が一団となる大混戦となりました。そこから抜け出したのがタカラオーシャンで、最後は2着に1馬身ほどの差をつけて快勝。沈みそうだったシンエイスターはなんとか踏ん張って2着を確保。カネミセンショーはわずかの差で3着に敗れました。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

1/14ヒロインズカップ回顧

トカチプリティー久々の重賞4勝目 

 14日(祝・月)は重賞・ヒロインズカップ(4歳以上8歳以下牝馬オープン)が行われ、1番人気のトカチプリティーが優勝。03年ばんえい大賞典、04年クインカップ、ヒロインズカップ以来となる重賞4勝目を挙げました。

 道中はサダエリコがペースを握り、ゆったりとした展開。これを追走するかたちでスターエンジェルやトカチプリティー、エメラルドといったあたりも続いて第2障害を迎えました。
 真っ先に動いたのは外枠の2頭、スターエンジェルとトカチプリティー。やや遅れて仕掛けたニシキユウも抜群の登坂力を見せて天板に脚を掛けました。しかし先頭で越えたのはトカチプリティーで、少し遅れてニシキユウ、タケトップクインとギャンブラークインが続きました。
 トカチプリティーの逃げ脚は快調で、後続も必死の追撃を見せますが、なかなか差が詰まりません。しかし、ここで一気に伸びてきたのがフクイズミ。障害5、6番手クリアのいつもの位置から末脚を伸ばし、残り20メートル付近で2番手に浮上。トカチプリティーの脚いろが鈍ったこともあって、残り10メートルを切ってからさらに猛追しました。しかし、ここまで。ソリ半分くらいのリードを保ってトカチプリティーが荷物を運び切り、久々の重賞初制覇。追い込み届かずフクイズミが2着で、障害2番手からしっかり歩き切ったニシキユウが3着を確保しました。

 トカチプリティーの重賞制覇は、04年12月以来のこと。これまではオープン戦線で堅実なレースを見せており、その活躍ぶりからいって、これだけの長い期間重賞タイトルから離れていたのには少し驚かされました。今季は春先こそこの馬らしくない競馬が続いていましたが、旭川記念後は【6、4、4、2】。2度の着外はともに4着と抜群の安定度。早めに障害を越えられる登坂力がなによりの武器で、それがこの好成績をもたらしています。
 フクイズミはこの馬らしい豪脚を見せてくれたものの、今回は届かず2着。しかし絶望的な位置から飛んでくる末脚は魅力十分で、今回も0秒5差までトカチプリティーを追い詰めました。確かに障害次第の面があり、軸とするには不安も同居しますが、やはりその実力は信頼に足るもの。今後ビッグタイトルの獲得も十分に期待できます。
 ニシキユウは歴戦のオープン馬を相手にしての3着だけに、上々の結果。今後ハンデを課せられてどうか、というのが気になるところですが、ばんえい大賞典制覇、ダービー2着の実績の持ち主だけに、克服は十分可能でしょう。今後のばんえい牝馬戦線を盛り上げる1頭であることは間違いありません。

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