ツジノコウフク底力を発揮!
2日(日)は重賞・チャンピオンカップ(4歳以上、今季重賞競走優勝馬・指定特別競走優勝馬)が行われ、6番人気のツジノコウフクが優勝。9月の銀河賞に続く重賞2勝目を挙げました。
馬場水分2.9%とやや重めの馬場もあり、第1障害で早くもニシキガール、プリンセスモモ、トモエパワーが詰まるなど、各馬大苦戦。トカチプリティーやツジノコウフクが馬群を引っ張るかたちで、ゆったりと進んでいきました。
第2障害はじっくりタメたのち、ツジノコウフク、ミサイルテンリュウが真っ先に仕掛けると、各馬も続々登坂開始。しかし腰がグッと入って天板まで登り切ったのはツジノコウフク。先頭で障害を下っていき、これにミサイルテンリュウ、ナリタボブサップの障害巧者両頭が続く展開。一歩遅れてカネサブラックもクリアし、追撃態勢に入りました。
ここから目を見張るような伸びを見せたのはカネサブラックで、ギャロップでミサイルテンリュウ、ナリタボブサップを交わすと、ツジノコウフクと半馬身差の2番手に浮上。残り20メートルを切ったところでツジノコウフクの脚が鈍り、さらに差を縮めたカネサブラックはゴール線上できっちり並びかけました。しかし、そこまで。0秒2差の攻防は、わずかにツジノコウフクに軍配が上がりました。
3番手追走のナリタボブサップは、残り5メートル付近でいったんストップ。しかし後続との差は十分で、3着入線……と思われたところ、ソリがゴールラインを越える寸前で再度ストップ。そこへミサイルテンリュウが追い込み、立て直したナリタボブサップとほぼ同時にゴールイン。優勝争い以上にきわどくなった3着争いは、写真判定の末、ナリタボブサップが制しました。
ツジノコウフクは1月のポプラ賞以来となる勝利。馬場水分2.5~4.0%では連対率68.2%のハイアベレージを叩き出しており、今回はこの馬向きの馬場だったと言えます。もちろんハンデ差も看過できませんが、なによりオープン各馬を相手に正攻法で押し切ったレースぶりは評価に値するもの。カネサブラックに交わされそうになりながらも最後まで粘りきった姿は、この馬の底力を証明するものでしょう。
カネサブラックは岩見沢記念、北見記念、帯広記念に続き、またしても重賞で2着。しかし今回の2着は大きなハンデ差があってのもので、これは高く評価できるものでしょう。なにより高重量に対応できるようになったのが、この1年間の成長の証。ばんえいを背負って立つ存在として、今後もその走りに注目です。
3着のナリタボブサップも、この1年で大きく飛躍を果たした1頭。やはり詰めの甘さは課題ですが、高重量を曳いても展開や馬場状態次第で勝ち負けできるようになりました。その要因となっている障害力は大きな武器。さらに、見た目以上にパワー型(馬場水分4.0%以上では連対率80.8%)でもあり、ばんえい記念に出走すれば楽しみな1頭となりそうです。