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3/2チャンピオンカップ回顧

2008年3月 3日(月)

ツジノコウフク底力を発揮!

 2日(日)は重賞・チャンピオンカップ(4歳以上、今季重賞競走優勝馬・指定特別競走優勝馬)が行われ、6番人気のツジノコウフクが優勝。9月の銀河賞に続く重賞2勝目を挙げました。

 馬場水分2.9%とやや重めの馬場もあり、第1障害で早くもニシキガール、プリンセスモモ、トモエパワーが詰まるなど、各馬大苦戦。トカチプリティーやツジノコウフクが馬群を引っ張るかたちで、ゆったりと進んでいきました。
 第2障害はじっくりタメたのち、ツジノコウフク、ミサイルテンリュウが真っ先に仕掛けると、各馬も続々登坂開始。しかし腰がグッと入って天板まで登り切ったのはツジノコウフク。先頭で障害を下っていき、これにミサイルテンリュウ、ナリタボブサップの障害巧者両頭が続く展開。一歩遅れてカネサブラックもクリアし、追撃態勢に入りました。
 ここから目を見張るような伸びを見せたのはカネサブラックで、ギャロップでミサイルテンリュウ、ナリタボブサップを交わすと、ツジノコウフクと半馬身差の2番手に浮上。残り20メートルを切ったところでツジノコウフクの脚が鈍り、さらに差を縮めたカネサブラックはゴール線上できっちり並びかけました。しかし、そこまで。0秒2差の攻防は、わずかにツジノコウフクに軍配が上がりました。
 3番手追走のナリタボブサップは、残り5メートル付近でいったんストップ。しかし後続との差は十分で、3着入線……と思われたところ、ソリがゴールラインを越える寸前で再度ストップ。そこへミサイルテンリュウが追い込み、立て直したナリタボブサップとほぼ同時にゴールイン。優勝争い以上にきわどくなった3着争いは、写真判定の末、ナリタボブサップが制しました。

 ツジノコウフクは1月のポプラ賞以来となる勝利。馬場水分2.5~4.0%では連対率68.2%のハイアベレージを叩き出しており、今回はこの馬向きの馬場だったと言えます。もちろんハンデ差も看過できませんが、なによりオープン各馬を相手に正攻法で押し切ったレースぶりは評価に値するもの。カネサブラックに交わされそうになりながらも最後まで粘りきった姿は、この馬の底力を証明するものでしょう。
 カネサブラックは岩見沢記念、北見記念、帯広記念に続き、またしても重賞で2着。しかし今回の2着は大きなハンデ差があってのもので、これは高く評価できるものでしょう。なにより高重量に対応できるようになったのが、この1年間の成長の証。ばんえいを背負って立つ存在として、今後もその走りに注目です。
 3着のナリタボブサップも、この1年で大きく飛躍を果たした1頭。やはり詰めの甘さは課題ですが、高重量を曳いても展開や馬場状態次第で勝ち負けできるようになりました。その要因となっている障害力は大きな武器。さらに、見た目以上にパワー型(馬場水分4.0%以上では連対率80.8%)でもあり、ばんえい記念に出走すれば楽しみな1頭となりそうです。

成績はこちら
映像はこちら

3/2チャンピオンカップ予想 矢野吉彦

2008年3月 2日(日)

先行力でツジノコウフク

 新生ばんえい競馬の初年度シーズンもあと1カ月。いよいよクライマックスが近づいてきました。今週は、“年度末”恒例のチャンピオンカップ。オーラスを締めくくる大一番、ばんえい記念に向けて、見逃せない一戦です。
 このレースのメンバーを相撲にたとえれば、ばんえい記念制覇を果たしたトモエパワーが横綱、ミサイルテンリュウは大関。その2頭を相手に今年の帯広記念を制したナリタボブサップとカネサブラックが関脇。トカチプリティーとツジノコウフクが小結で、4歳馬は前頭上位といったところでしょうか。で、ガチンコの勝負なら番付順で決まるはずですが、ハンデ差があるために、前頭上位でも勝負になるかもしれません。まずそこを考えなければいけないレースです。
 ところが、今回の4歳馬の中に、このメンバーに交じってもハンデ差を生かしてビュンビュン前に行けると思われる馬が見あたりません。たとえばペガサスプリティー。ここ数戦のレースを見ると、第2障害で必ずヒザを折りかけています。これは、荷物を積んで前に行った時に不安が残ります。もう1頭、プリンセスモモも、前々走、白雲賞では、655キロを積んで3.5%の馬場水分で前半76秒のユッタリしたペースで行きながら、第2障害は三腰くらいかかっています。これまた、さらに荷物を背負う今回は先に行って障害を早めに降りるのは難しいでしょう。他の4歳馬にも、これら以上に疑問符がつきます。先に予想をアップした斎藤サンとは正反対の考え方ですね。
 つまり、役力士同士の勝負。今回の荷物なら、第2障害までのスピードが生かせる重量と見て、近走の先行力を参考に狙いを定めてみようと思います。
 まずはツジノコウフク。前走、725キロ、2.6%で前半が73秒。そして勝ち時計が2分20秒7。今回は前回プラス15キロ。馬場水分が同じなら、前半75~6秒で行って、障害がちょっとかかって上がりも要し、2分30秒前後の決着。これを目安にしましょう。カネサブラックとナリタボブサップは、前回、3.2%のとかちえぞまつ特別で前半が68~70秒。今回、そこからプラス30キロということは、ツジノコウフクで想定した2.6%の馬場水分だと、両馬とも前半80秒近くかかりそうです。第2障害をクリアするタイムや降りてからのタイムも前走よりかかるはずで、前回が2分1~5秒台の決着だったところから計算すると、やはり2分30秒くらいのタイムになるでしょう。つまり、ここまでの3頭はかなりいい勝負になるってことです。ミサイルテンリュウは荷物を積むとゴール前が甘くなり、トモエパワーはこの程度の重量だとまだ登坂力の差が生かせない。この2頭は、6歳2頭に比べて前回より5キロ有利になりますが、もっと高重量のレースになるか、もっとハンデを貰わないと、ちょっと苦しいのでは?
 そうやって考えていくと、ツジノコウフク、カネサブラック、ナリタボブサップの三つどもえで馬券を買いたいですね。カネサブラックとナリタボブサップは第2障害を降りた順の決着になりそうなので、どちらが先とは決めつけられません。人気薄のほうの頭があればいい馬券になるかもしれない、ということで、3頭の馬単ボックスで行ってみます。
 斎藤理論か矢野理論か、このレースだからこその勝負。さぁ、どうなりますか? みなさん、迷わせちゃってゴメンナサイ! では、今回はこのへんで。

3/2チャンピオンカップ予想 斎藤修

2008年3月 1日(土)

このハンデ差なら軽量馬から

 帯広単独開催になった新生・ばんえい競馬も、まもなく1年が過ぎ、いよいよ大詰めのチャンピオンカップ。
 出馬表を見てちょっと驚いたのだが、ハンデ差がなんと最大120キロ!
 近年、もっともハンデ差があった年でも昨年の90キロ。それが今年一気に100キロの大台を超えた。
 ばんえい競馬で負担重量が100キロ以上もの差になると、どのくらいの格付けの差でつりあうのだろうと考えてみるものの、やはり想像もつかない。
 想像を巡らした末、さすがにこれだけ差があれば、いくらバリバリのオープン馬でも厳しいだろうと見る。ただ軽い馬場になればナリタボブサップやミサイルテンリュウが一気に、ということもあるかもしれないが、どうやらピンポイント予報によると日曜日は天気はいいらしい。
 ということでここは軽量馬から狙ってみる。
 軸は、トップハンデと110キロ差、近走も自己条件で好調なペガサスプリティー。オープン馬を負かすには十分のハンデ差だと思うのだがどうだろう。
 相手にも若い軽ハンデ組からニシキガール。早め早めの競馬ができれば押し切れると思うのだが。
 2頭ともに、今回の重量を経験しているのもプラス材料。
 これだけの重量差があっては、いくらオープン馬といえども中心には推しにくい。ゆえに▲以下に。
 どんな人気になるのかも想像がつかず、そしておそらく堅く収まることはないあろうから、ペガサスプリティーから印のついているところへは厚く、さらに総流しでもいいのではないだろうか。
 オッズ次第ではニシキガールからも流すかもしれない。
 ◎ペガサスプリティー
 ○ニシキガール
 ▲カネサブラック
 △ナリタボブサップ
 △ツジノコウフク

3/2チャンピオンカッププレビュー

2008年2月29日(金)

 3月2日(日)のメインは、第29回チャンピオンカップ。今年度の重賞勝ち馬のみが出走できるレースで、クラス別定重量で争われます。なおオープン馬は、今年度の獲得賞金150万円ごとにさらに10キロ加増の条件がつきます。
 昨年4月のばんえい十勝オッズパーク杯馬カネサブラックは、岩見沢記念、北見記念、帯広記念を含めここ10走のオープンで9連対と好調を持続。課題だった高重量への対応も克服するなど成長を感じさせますが、この馬のスピードを生かせるのはやはり軽量で臨めるレース。今回はトップハンデでも800キロで、岩見沢記念以降850~900キロを課せられていた重賞と比べると格段に楽な条件です。ほかのオープン馬(牝馬も含め)とも最大30キロ差ならこなせるはずで、スピードにまかせて押し切るシーンがありそうです。
 同じくトップハンデのナリタボブサップは、北見記念、帯広記念と重賞を連勝中。登坂力を武器に早めの障害クリアから粘り込むのが勝ちパターンです。今回も有力馬の1頭ですが、北見記念、帯広記念ともに馬場水分5%台と軽めの馬場だった点は注目。当日、時計のかかる馬場状態になるようならやや評価を下げる必要があるかもしれません。
 逆に重い馬場になれば台頭してくるのがトモエパワー。馬場水分2.7%の岩見沢記念ではゴール前でミサイルテンリュウカネサブラックを差し切って勝利しています。高重量戦を得意とするだけに、普段のオープン戦より少しでも重量が重くなるここは有利でしょう。しかし他馬が苦しむ重量ではないだけに勝ち切るまではどうか。
 昨夏に旭川記念、北斗賞と重賞を連勝したのがミサイルテンリュウ。岩見沢記念、北見記念、帯広記念では、3、4、7着でしたが着順ほどには負けていません。ただ近走は障害を越えてから粘りを欠く面があり、勝利にはもうひと押しが必要でしょう。
 オープン勢では唯一の牝馬トカチプリティーは、今年1月のヒロインズカップを勝利しています。770キロも恵まれたとはいえず、相手強化もあり苦戦が予想されます。
 条件級馬のなかでは、近6走ですべて5着以内と安定した成績を残しているツジノコウフクに好感が持てます。今回は初の古馬一線級が相手でも、軽ハンデと障害力を生かし押し切る可能性もあるでしょう。
  ペガサスプリティーエリザベスライデンニシキガールプリンセスモモの4歳牝馬勢は、重量的には断然有利に映ります。しかし4歳牝馬は過去5年間で5頭出走し、最高が7着という成績。ここ5年で最大120キロものハンデ差がついた事例はありませんが、勝ち負けを望むのは酷でしょう。

出走表はこちら

【参考レース】

 9/30岩見沢記念(勝ち馬:トモエパワー)
11/25北見記念(勝ち馬:ナリタボブサップ)
 1/ 2帯広記念(勝ち馬:ナリタボブサップ)

※映像はこちら。またこれらを含めた2カ月前までの映像はすべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(3/1~3/3)

 今週、来週と日曜日のメインには重賞が組まれています。今週(3月2日)はチャンピオンカップ。今季の重賞勝ち馬のみが出走権のあるレースで、まさにチャンピオンのなかのチャンピオン決定戦。歴戦のオープン馬と世代の頂点を極めた若駒たちの対決が楽しみです。なお1日(土)と3日(月)は、全11レース制。第1レースの発走時刻は普段より30分繰り下がり11:30となりますのでご注意ください

 3月1日(土)のメイン第10レースは桜月特別(430万円未満)。前開催の同条件戦・キタキツネ特別の再戦模様となりました。
 その前走は、先頭ですんなり障害を越えたメダマが悠々逃げ切り勝ち。障害2番手からユウシテンザンがそのまま2着に粘り、3番手以下は障害で苦戦し大きく離されました。
 メダマはこれで前々走の5歳オープンから連勝と勢いがあります。今回は前走より5キロの加増となりますが、余裕あるレースぶりから不安はなく、3連勝の期待が高まります。
 ユウシテンザンは、昇級後2走連続で2着と安定しており今回も好勝負は必至です。
 怖いのは前々走まで2連勝、昇級戦のキタキツネ特別では4着のキングシャープ。多少離されてもリカバーできる豪快な末脚が武器ですが、さすがに前走は障害で差をつけられすぎました。障害さえ普通にこなせれば、一気に突き抜ける可能性を秘めています。
 勝ち切れないまでも近5走の同条件戦ですべて3着以内に健闘のカネミセンショー、決め手あるタケノホウシュウも争覇圏でしょう。

 3月2日(日)のメイン第11レースは重賞・第29回チャンピオンカップ。(16:30発走予定)。このレースは別掲のチャンピオンカッププレビューをご覧ください。

 この日の第7レースに、3歳A2によるアクアマリン特別が組まれています。
 前開催の、なきうさぎ特別(3歳A2)を圧勝したライデンロックがオープンに昇級し、イレネー記念(3月9日)に出走予定のため、4着以下を20秒近く引き離して2着争いを演じたキタノドリーマーウィナータカラにやはり期待がかかります。
 なきうさぎ特別は競走除外も実績上位のドラゴンスーパーや、前走3歳A3戦で障害2番手から抜け出し楽勝のボンバイエが一角崩しを狙います。

 3月3日(月)のメイン第10レースはひな祭り特別(オープン混合)。オープン勢がやや手薄なメンバーだけに、700万円条件馬にも十分チャンスがありそうです。
 ホクショウダイヤは前開催の丹頂特別(オープン混合)では、着順こそ4着だったとはいえ、障害で大きくバランスを崩し、もはや絶望的ともいえる位置から追い込んで、勝ち馬と6秒4差まで詰めました。障害は決して苦手ではなく、今回は巻き返しなるかに注目でしょう。
 今季、オープン混合や混合700万円未満でも勝利しているバンゼンは、700万円条件への昇級戦とはいえ、まったく格負けしていません。
 オープン勢では、実績上位のサダエリコが有力。丹頂特別2着のシンエイキンカイも障害さえスムーズなら、ここを勝ち切るだけの力は十分です。

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