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やっぱり馬が好き(第45回) 旋丸 巴

2008年2月 1日(金)

幸せをかみ締めたウエスタンショー

 細川騎手が、そして、我らがリーディング騎手・鈴木勝堤さんが、カウボーイに変身!

 というような珍しい姿が見られたのが、1月26、27日。毎度お馴染みの「とかち馬文化を支える会」が、またまた帯広競馬場でイベントを開催したのだけれど、今回はウエスタン・スタイルの乗馬の達人が登場。愉快なゲームをしたり、ウエスタン乗馬の妙技を披露したり、と楽しいウエスタンショーを繰り広げたのである。

 このウエスタンショー、実は、馬インフルエンザ騒動で半年も延期になっていたから、企画に携わった私も、ずっとヤキモキし続けていた。結局、開催は、こんな厳寒期になってしまったけれど、両日、午前と午後、都合4回行われたショーは大好評。

 知恵の輪外し、蹄鉄投げといったゲームには小さな子供から年配のファンまで参加。ゲームの優勝者には、本革のベストや特製アポロキャップが贈られるというので、参加者は奮闘。その姿を見て観客は抱腹絶倒。最高気温マイナス4度という寒さも、観客の熱気で、この時だけは、どこへやら。

 ゲームが終われば、いよいよ本格的なウエスタンショー。ただし、ウエスタンとは言っても、この日、登場したのは有名牧場の競走馬馴致・調教にも携わる調教の達人=持田裕之さん。だから、このショーも、単なる西部劇ごっこではなくて、馬を自由自在に操る妙技を次々に披露。例えば、円馬場を走る裸馬を手招きで呼び寄せたり、小さく呼びかけるだけで寝転ばせたり……。乗馬してからも、手綱なしで、指差す方向に馬を走らせたり、急停止させたり、と、魔法のような馬術が続々登場するから、観客はア然、呆然。拍手を忘れるほど。

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ウエスタン乗馬の達人=持田さんにかかれば、手綱なしで指を差すだけで、馬は、その方向に進む

 そんなショーを見守る観客の中に、調教師さんや騎手さんの姿もあったから、ショーの終了後に、声をおかけした。

 「皆さんも、ウエスタンの馬に乗ってごらんになりませんか?」と。

 照れからか激しく拒否されていた騎手さん達だったけれど、しかし、調教師の服部先生の「ファンサービスだから」という言葉を受けて、果敢にウエスタン・スタイルに挑戦してくださったのが細川騎手。

 平素は巨大な輓馬を繰る騎手さんが、金色のクォーターホース(ウエスタン用乗用馬)にまたがったから、観客からはヤンヤヤンヤの声と喝采が巻き起こった。で、当の細川さんはと言えば、騎乗するまでは「いやぁ」などと恥かしそうだったものの、一旦、馬の背に乗ると、たちまちホースマンの血が騒いで、「ちょっと、歩かせてもいいかな」とクォーターホースの手綱を取り、前進、後退。かと思ったら、今し方までウエスタンショーで繰り広げられていた妙技=後肢旋廻まで披露。

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細川騎手はウエスタン乗馬の妙技=後肢旋廻に挑戦

 「馬が良く調教されてるから」と下馬した細川さんは謙遜されたけれど、「輓馬とは指示の仕方が違うんだね」と、騎手らしい分析もされていたから、さすがである。

 午後の部の終了時には鈴木勝堤騎手も同じく金色のクォーターホースにまたがって、またも観客は拍手喝采。

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我らがリーディング騎手・鈴木勝堤騎手も西部の男に

 一方、このウエスタンショーに出演した持田さん達も、調教師の服部先生に勧められて、リッキーに騎乗。ばんえい騎手がクォーターホースに乗るのも不思議な光景だったけれど、カウボーイ達が巨大な輓馬に騎乗するのも、これまた摩訶不思議な光景。周囲の人々から暖かい笑いが起こった。けれど、私一人は、その様子を見ながら、ちょっと胸を熱くなんかしていたりして……。

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リッキーにたまがるウエスタンの達人

 だって、当欄にも何度も記したけれど、「帯広競馬場から馬文化を発信する」というのが私の大いなる「たくらみ」なのである。輓馬も乗馬も平地競馬も流鏑馬も、みんなみーんな馬が主役。だから、全ての分野の垣根を取っ払い、馬を中心に集まった人々が全国に馬文化を発信できたらいいな。と、そんなことを考えてきた私の、その志が、この日、ちょっぴり具現化したようで、嬉しかったのである。

 実際、持田さん始め、この日、イベントに参加して下さってウエスタン関係者の人達からは「ばんえいが身近になった」という感想をもらったし、服部先生は「持田さんの技術に学ぶために、騎手や調教師で研修をしたいね」と意気込んでおられた。

 「大風呂敷ばっかり広げて」と、日頃、揶揄されている私だけど、たまには大風呂敷だって役には立つんだもんね~、と幸せをかみ締めたウエスタンショーだったのである。

    *     *     *

 と、実に幸せな2日間を過ごして、しかし、27日には、もうひとつ素敵なことがあった。

 ミサキスーパーの引退式、これである。

 名馬が引退してしまうのは寂しいけれど、しかし、引退式が実現したのは、ばんえい競馬にとっては画期的な出来事。

 今年から、ばんえいでは引退制度が廃止されて、従って、毎年行われていた引退レース「蛍の光賞」も、引退馬が勢揃いする「お別れ式」もなくなってしまった。だから、今季限りで引退するミサキスーパーも、ひっそりと競馬場を去ることになっていたのだが……。

 「それは、あまりにも寂し過ぎる」と、立ち上がった青年が2人。関係者に働きかけ、主催者に嘆願し、企画を立て、東奔西走の結果、実現したのが、この引退式なのである。つまり、2人の青年の奮闘がなければ実現しなかった引退式について、さて、これからタップリご報告しよう……。と思ったら、誌面が尽きた(というか、既に大幅に文字数超過)。

 かような次第で、ミサキスーパー引退式については、来月の心だ~!

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ミサキスーパー引退式。最後はファンとの撮影会

今週の見どころ(2/2~2/4)

  今週から第22回開催が始まります。ふだんは1日12レース制で行われていますが、2月4日(月)は全11レースでメインは第10レースとなります。なおこの日の第1レースの発走時刻はいつもより30分繰り下がって11:30となりますのでご注意ください。
 また今週よりスカパー!での放送チャンネルが795chから241chへと変更になりますのでお間違えなく。

 2月2日(土)のメイン第11レースは、きさらぎ特別(混合700万円未満)
 前開催の柏林馬事公苑特別(600万円未満)の1、2着、コマタイショウミスターハヤサキによる再戦です。そのレースは、ほぼ同時に障害を越えたこの2頭とバンゼン(3着・今回は出走取消)が横一線の攻防を展開。残り20メートルでコマタイショウがわずかに前に出て、残りの2頭を振り切りました。
 今回はコマタイショウが前走より5キロ加増となりますが、ミスターハヤサキとの一騎打ちが濃厚でしょう。
 この2頭に割って入るとすればハマナカキングが有力。前開催はオールカマーに2回出走し2、1着と健闘しました。ここではスピードで一枚上の存在。軽馬場になればさらに好走の確率が高まります。障害さえスムーズならキョクシンオーの末脚も脅威です。

 2月3日(日)のメイン第11レースは節分特別(オープン)です。
 前開催の氷柱特別(オープン混合)で障害先頭から押し切ったホクトキングが中心です。近4走すべて3着以内をキープ。もともと障害巧者なのに加え、安定した先行力が発揮できているのが好調の要因でしょう。この相手関係なら今回も負けられないところです。
 実績上位のサダエリコシンエイキンカイや、課題の障害が良化してきたホシマツリも好勝負が期待できるでしょう。

 この日の第10レースに白雲賞(4歳オープン)が行われます。
 昨年、3歳三冠の一冠目・ばんえい大賞典を制したプリンセスモモがハンデにも恵まれた印象で、中心の期待です。
 今年度の黒ユリ賞馬エリザベスライデンや、トップハンデでもばんえい菊花賞馬のシベチャタイガー、勢いあるペガサスプリティーらも争覇圏です。

 2月4日(月)のメイン第10レースは立春特別(430万円未満)です。
 2開催前(1月14日)の同条件戦・樹氷特別のメンバー中6頭が出走を予定しています。
 その樹氷特別で、離れた2番手から豪快に差し切ったタカラオーシャンは、前開催はオールカマーとオープン混合に出走し2、1着と好走。持ち味の決め手は上位条件でも十分に通用することを証明しました。今回は自己条件に戻っての一戦。樹氷特別と比べ他馬との重量差が最大25キロまで広がることは心配ですが、充実一途の近況からは中心の期待をせずにいられません。
 相手筆頭はこちらも鋭い差し脚が光るカネミセンショー。樹氷特別では3着でしたが、今回はタカラオーシャンとの重量差がさらに5キロひらき20キロ差になることで逆転の可能性もあります。
 同4着コトブキライアンや、別路線組では昇級初戦でもユウシテンザンも有力。すんなり前に行ければヒカルヨシウメも怖い存在です。 

レース回顧(1/26~1/28)

2008年1月29日(火)

 26日(土)に行われたのは氷柱特別(4歳以上オープン混合)。ここはホクトキングが制してコブライチが2着となり、岩瀬和幸厩舎のワンツーフィニッシュとなりました。
 持ち前の登坂力を発揮して第2障害を先頭で越えたホクトキング。一気に後続とのリードを広げると、残り20メートル付近からわずかに脚いろが鈍りましたが、それでも後続の追撃を完封。そのまま逃げ切り、今季2勝目を挙げました。ヤマノミントが2番手から粘り込みを図るところ、障害6番手から追い込んだコブライチが交わして2着入線。ヤマノミントは3着に敗れています。

 この日の第10レースは白嶺特別(4歳以上300万円未満)が行われ、コブラダイオーが優勝しました。
 第2障害はホワイトオーザンが先頭で下り、差なくコブラダイオーとホシタロウが続く展開。残り30メートル標識のさらに手前で、早くもコブラダイオーが先頭に立つと、終いまでしっかりした脚取りを披露。そのまま先頭ゴールを果たしました。コブラダイオーには交わされたものの、ホワイトオーザンが粘りきって2着。ゴール前、鋭く追い上げてきたエビスソルジャーが、ホシタロウをわずかに交わして3着で入線しました。

 さらに、第9レースには4歳以上オールカマーが行われ、ハマナカキングが勝利。2着サダエリコで、人気サイドでの決着となりました。
 エメラルド、ハマナカキング、サダエリコがほとんど差なく第2障害をクリアし、これにハヤテショウリキが続く展開。そこから抜け出したのはハマナカキングで、軽快な脚取りのままゴール目指して一直線。完勝といえる内容で、決勝線を通過しました。以下、サダエリコ、エメラルド、ハヤテショウリキの順で入線。

 27日(日)はウインターカップ(4歳以上オールカマー)が行われ、3番人気のタカラオーシャンが優勝。これで3戦連続連対となり、好調ぶりをアピールしました。
 実力馬トカチプリティーが先頭で障害を越え、タカラオーシャンとキョクシンオーが2番手。後続も続々クリアして、混戦模様を呈しました。トカチプリティーの脚いろが若干鈍り、タカラオーシャンが並びかけて残り10メートル。結局しぶとく脚を伸ばしたタカラオーシャンが、トカチプリティーをかろうじて交わして先頭ゴールを果たしました。0秒8差2着にトカチプリティーで、4番手集団から伸びたメダマが3着を確保しました。

 第10レースに行われたのは柏林馬事公苑特別(4歳以上600万円未満)。ここはコマタイショウが制し、6月以来久々の勝利を挙げました。
 ミスターハヤサキ、バンゼン、コマタイショウが並んで障害を下り、残り30メートルでも3頭が横一線。しかし残り20メートルでコマタイショウが前に出ると、追いすがる2頭を振り切ってゴールイン。追撃及ばずミスターハヤサキが2着で、終いに力尽きたバンゼンが3着で入線。

 28日(月)のメインレースはマディソン市長賞(4歳以上500万円未満)。ここはニシキユウ-タケトップクインで決まり、牝馬のワンツー決着となりました。
 各馬やや障害に手間取りましたが、これを先頭で抜けたのはニシキユウ。ブランドボーイ、フクノカミカゼ、タケトップクインも差なく続き、ヒロノドラゴンなどもこの圏内。ニシキユウの脚取りは、必ずしもいいとは言えませんでしたが、重馬場もあって各馬も同様。ばんえいらしい力勝負が演じられた結果、ゴール線を先頭で越えたのはニシキユウ。3頭横並びの2着争いはタケトップクインに軍配が上がり、以下フクノカミカゼ、ブランドボーイと続きました。

 この日の第10レースは若駒特別(3歳オープン)が行われ、ニシキボスが勝利。特別戦初勝利となり、世代のトップクラスに名乗りを上げました。
 第2障害はニシキボスが先頭でクリアし、軽快な脚いろでリードを広げる展開。これに2番手クリアのウメノタイショウが迫り、残り20メートルで先頭へ。ところがゴール前でウメノタイショウの脚いろが鈍り、ニシキボスが並びかけたところへ、さらに外からオレワスゴイが急襲。カイセテンザンも加わり、4頭が並んでゴール線を通過。わずかにニシキボスが先頭で荷物を運びきり、0秒7差でオレワスゴイが2着。そこからさらに0秒3差でカイセテンザンとウメノタイショウが同タイムで並び、結果カイセテンザンがわずかに先着して3着となりました。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(1/26~1/28)

2008年1月25日(金)

 1月25日(金)~27日(日)の3日間、第45回おびひろ氷まつり(会場:帯広市緑ヶ丘公園)が行われます。大雪像・氷彫刻の制作、展示や、雪の迷路、夜空を彩る冬の花火のほか様々なアトラクションで盛り上がる毎年恒例の一大イベントです。
 これに合わせ帯広競馬場でも、26日(土)・27日(日)に、おびひろ氷まつりin帯広競馬場 馬の冬まつりが開催されます。馬とのふれあいやその他盛りだくさんの企画が予定されています。またイベント期間中氷まつり会場から帯広競馬場までバスが運行します。ぜひ競馬場にも足をお運びください。
 ところで27日にミサキスーパーの引退式が行われます。ミサキスーパーといえば、04年の帯広記念など重賞4勝を挙げた名馬ですが、04年から3年連続でばんえい記念2着の記録を思い起こす方も多いでしょう。ファンには最後のお披露目となりますので、帯広競馬場スタンド正面(15時30分ころより開始予定)にお集りください。

 1月26日(土)のメイン第11レースは氷柱特別(オープン混合)
 注目は、近7走のオープン(混合戦含む)で5連対と好調なホクトキング。前走ニューイヤーカップでは、勝ったホシマツリとコンマ4秒差の2着。とはいえ第2障害で大きく体勢を崩して、なおこの着順だけに近走の充実ぶりがうかがえます。今回は混合戦で相手が楽になっておりチャンスでしょう。
 相手筆頭は近走末脚が安定しているアンローズ。ニューイヤーカップで3着などなかなか勝ち切れないものの、昨年11月以降重賞を除くオープン(混合戦含む)で4戦して2着1回、3着2回と健闘しています。展開次第では帯広初勝利の可能性もあります。
 追い込みにかけるホクショウダイヤや、障害さえスムーズならホクショウファイトもそれほど差はありません。

 この日の第10レースに白嶺特別(300万円未満)が組まれています。
 コブラダイオーはこのクラスに昇級後6戦2勝、2着2回、4、5着各1回の安定ぶり。今回は重量が700キロに加増されますが、障害力で勝負するタイプだけに心配いらないでしょう。
 相手筆頭はキクスイホマレ。ここまでコブラダイオーとは5戦4勝と抜群の相性をみせています。しかし今回はその5走より5キロ重量差が縮まる点が不安。さらに特別戦の重量増は持ち前のスピードを殺してしまう心配もあります。今回は底力に期待です。
 このクラスの安定勢力エビスソルジャーも有力。昨年3歳牝馬三冠で活躍したペガサスプリティープリンセスモモはこのクラスでは力上位ですが、他馬との重量差を考えると強気にはなれません。

 この日の第9レースは4歳以上によるオールカマーです。
 20日のオーロラ特別(オールカマー)で障害先頭から悠然と逃げ切ったのがサダエリコ。その再戦となった今回も有力馬には違いありません。しかしその前走が約1年7カ月ぶりの勝利ということが示すように、近況からは2走続けて勝ち切るほどの勢いは感じられません。
 それなら同レース2着で今年に入って3戦連続して3着以内と堅実なハマナカキングに期待する手もありそうです。前走3、4着の軽量牝馬センコウラブリイエメラルドの再度の上位食い込みもありえるでしょう。

 1月27日(日)のメイン第11レースはウインターカップ(オールカマー)。19日第10レース(オールカマー)のメンバーがそのまま出走してきました。
 そのレースを逃げ切ったギャンブラークインは、障害さえまともならこれくらいは走ってもおかしくはありません。今回も有力馬の1頭には違いないものの、減量騎手起用の10キロ減がなくなるのは痛いところ。
 前走好位追走からしっかり2、3着を確保したタカラオーシャントカチプリティーに逆転の目が十分ありそうです。実績上位のエビスオウジャの巻き返しも考えられます。

 この日の第10レースは柏林馬事公苑特別(600万円未満)。前開催の同条件戦・愛国特別のメンバー中6頭が出走予定です。
 注目はバンゼン。600万円条件では最上位に格付されるなどここでは実績上位の存在。他馬との重量差も許容範囲となれば、巻き返す可能性は十分でしょう。
 愛国特別では逃げて2着に粘ったコマタイショウや、同3着ミスターハヤサキも有力。別路線組では、今季混合700万円未満で7戦3勝、2着1回のニシキセンプーの先行力も軽視できません。

 1月28日(月)のメイン第11レースは姉妹都市締結記念マディソン市長賞(500万円未満)
 ここは、前々開催(12月30日)と前開催(1月5日)の同条件戦で1、2着を分け合ったミスターセンプーストロングペガサスに、好調な5歳勢ツジノコウフクヒロノドラゴンニシキユウらが挑む構図になりそうです。
 ミスターセンプーは今季25戦して掲示板を外したのが1度だけと安定感抜群、ストロングペガサスは登坂力では上位で、ともに早めの仕掛けからの粘り込みを狙います。
 勢いがあるのはツジノコウフクヒロノドラゴン。前々走の5歳重賞・天馬賞ではそれぞれ4、2着、前走のポプラ賞(4・5歳オープン)では1、2着と好勝負を繰り広げました。ツジノコウフクが今季500万円未満で6戦して2、3着各1回、4着2回と好走していることから、この条件初出走のヒロノドラゴンにも同様の活躍が期待できます。
 牝馬のニシキユウは相手なりに走れるのが強み。重量差を生かして上位をうかがいます。
 また先行力あるブランドボーイなども侮れず、見ごたえのある大熱戦が期待できるでしょう。

 この日の第10レースは若駒特別(3歳オープン)。前開催の同条件戦・ジャニュアリー特別のメンバー中6頭が出走を予定しています。
 注目はそのジャニュアリー特別で逃げ切ったウメノタイショウ。決め手上位のオレワスゴイ、重量有利なニシキボスも争覇圏です。

馬券おやじは今日も行く(第43回) 古林英一

雪やこんこん、狙った馬も来ん来ん?

 小生の住まいする札幌は雪でも十勝方面は十勝晴れということが多いのであります。今開催から第2障害が10センチ高くなり、もとの170センチに戻っています。真冬ですから、馬場水分は3%とか4%ですけど、夏の同じ馬場水分に比べると馬場はぐっと重くなっているようです。

 ということで、障害得意の馬が健闘している昨今ですが、昨日から北海道は大荒れ。全道的に雪マーク。念のために週間天気予報を確認したら、明日には雪はあがりそうで、21回後半(1/25~27)はどうやらあまり雪は降りそうにありません。

 悩むところですなあ。この大雪がどの程度馬場に影響しているのか。いずれにせよ、それなりに軽くはなっていそうなので、ここしばらくとは違った傾向のレースになるかもしれません。雪はコンコン、狙った馬は来ん来んとなりそうな気配がします。

     *     *     *

 話はがらっと変わります。一昨年まで、ばんえいは4場開催でした。かつては様々なローテーションでしたが、21世紀に入ってからは、旭川→岩見沢→北見→帯広というスケジュールになっていたように思います。

 なかでも岩見沢は、開催日数も多く、さらに札幌からも近いことから、小生が最も頻繁にでかけた競馬場でした。岩見沢競馬場の駐車場は丘の上にあり、駐車場から階段を下ったところに競馬場の入口があります。で、入口を入った右側に「競馬資料館」という建物があったのをみなさん覚えておられますでしょうか?

 今さら岩見沢市がばんえいを見捨てたことをつべこべ言う気はありません。言いたいこともありますが、ここではグッと堪えましょう。ただ、この資料館についてはかなり気になっておるのです。何が収蔵されていたのか、小生も何度か入ったのですが、恥ずかしながら何があったのかを正確に思い起こすことはできません。

 このたび岩見沢市は厩舎施設を取り壊しました。安全管理上の理由とのことでしたが、これはまあやむを得ないでしょう。残りの施設についてはどうなるのか? たいへん気になるところです。

 そこで、競馬場を管理している岩見沢市農政部に電話して尋ねてみました。担当者にとっては、さぞ迷惑な問い合わせだったろうと思います。できたらこっそり全部処分したかったんじゃないですかね。そうは問屋が卸さんぞと、「貴重な文化的資料もあろうかと思うので、資料館の収蔵物を確認させてもらいたい」と申し入れたところ、「今は閉鎖しており、見せることはできない。今後どうするかも決まってない」とのこと。では「新年度には決まるのか」と聞いたら、「そうなると思う」との返事。

 小生、岩見沢市当局は、収蔵品をこのままこっそり廃棄ということもやりかねないと思ってます。そうなる前に何とかせねばと思うのですが、全国のばんえいファンのみなさん、何かいいアイデアはないでしょうか?

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