ばんえい競馬情報局とは?

ばんえい競馬の最新情報を提供します。重賞を中心に予想や回顧のほか、ばんえい競馬に関するコラムなどもご覧いただけます。
カレンダー
リンク
おすすめコンテンツ

« 2005年 | メイン | 2007年 »

2006年 アーカイブ

<<前へ 4567891011121314

11/19ばんえい菊花賞プレビュー

 19日(日)に3歳三冠の第2弾、ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われます。三冠緒戦ばんえい大賞典は牝馬のニシキユウが優勝しており、ニシキユウの二冠達成となるのか、それとも牡馬の巻き返しがあるのか、非常に楽しみな一戦となりました。
 ハンデ差のあるばんえい大賞典と違い、今回、そして最終戦ばんえいダービーは定量戦で行われます。いうまでもなく実績馬有利ということになり、ホクショウダイヤやニシキセンプーなどの実力馬が上位といえるでしょう。特にホクショウダイヤは、重賞勝ちこそありませんが、イレネー記念でマルミシュンキに次ぐ2着、そして今シーズンはすでに11勝。当サイトでもしばしば取り上げているように、絶好調を維持しています。ばんえい大賞典はトップハンデを背負っていたこともあって4着に敗れましたが、定量戦ならチャンス十分といえそうです。
 ホクレン賞勝ち馬のニシキセンプーは、近2走6、7着と精彩を欠いています。ただ、ばんえい大賞典も5着に敗れたとはいえ、トップハンデを背負っていたこともあり「意外に走った」印象。実力、勝負強さはあるだけに、軽視は禁物でしょう。
 ばんえい大賞典2着のカネサテンリュウは、3歳戦でつねに上位フィニッシュを果たしており、今回も争覇圏。ばんえい大賞典などで見られたような障害力が武器で、ここも早めクリアからの粘り込みが期待できるでしょう。兄に現オープンのカネサブラックがおり、血統的な裏付けも確かです。
 ナカゼンスピードはイレネー記念、ばんえい大賞典、そして特別のはまなす賞ですべて3着。世代トップクラスなのはいうまでもありませんが、勝ちきれない印象もぬぐえません。堅実さを武器にどこまで肉薄できるか注目です。
 ばんえい大賞典馬ニシキユウですが、今回は真価を問われる一戦。近2走の大敗はクラスが一気に上がったためと解釈できますが、他のメンバーが320万クラス以上で勝ち負けを演じていることを考えれば分が悪いと言わざるをえません。ただ、三冠馬の可能性はこの馬にしかなく、注目の1頭であることには変わりありません。

出馬表はこちら

【参考レース】
8/20 はまなす賞(勝ち馬:ニシキユウ)
9/17 ばんえい大賞典(勝ち馬:ニシキユウ)
9/30 秋桜特別(勝ち馬:カネサテンリュウ)
10/7 470万円未満(2着:ニシキセンプー)
10/14 勝入混合別定390万円未満(勝ち馬:ホクショウダイヤ)
※はまなす賞、ばんえい大賞典の映像はこちら

レース回顧(11/11~11/13)

2006年11月13日(月)

 11日(土)に行われた美幌峠特別(3歳以上800万円未満)は、3番人気のナリタボブサップが優勝。軽馬場を味方に、持ち前のスピードを見せつけました。道中は速めの流れで進みましたが、ナリタボブサップは先頭で障害を越えると、そのまま後続の追撃を振り切ってゴールイン。この馬の持ち味であるスピード、障害力をいかんなく発揮しました。障害3番手からジワジワ伸びたホクリュウイチが2着。3着は追い込んだエビスオウジャ。
 12日(日)はメインレースにレディースカップ(4歳以上7歳以下牝馬オープン)が行われました。これを制したのはトカチプリティー。障害2番手からあっさり抜け出して好調ぶりをアピールしました。馬場水分6.8%ということもあって、道中は速めの展開。ウィナーサマーが先頭で障害を越えましたが、差なく続いたトカチプリティーは、これをあっさり交わして先頭へ。残り20メートル付近でいったん止まったものの、後続の追撃を振り切ってゴールしました。障害3番手から伸びたプリンセスサクラコが2着で、3着に同位置から追い込んだエンジュダイヤが入線。なお1番人気のフクイズミは、唯一の課題ともいえる第2障害で引っかかり、最下位の10着に。またここまで5連勝中だったアンローズは、障害5、6番手も精彩を欠き、6着に敗れています。
 この日の第10レースは2歳の牝馬オープンによるいちい賞も行われ、2番人気のニシキガールが優勝。白菊賞に続き、2歳牝馬特別戦を連勝しました。第2障害はアグリタカラとメグミが先頭でクリアしましたが、それを追って後続8頭が一気に障害を下りる展開。残り30メートル付近で全馬が一団となり、大混戦となりました。残り10メートルを切ってアタマひとつ抜け出したのがニシキガール。しゃにむにゴールを目指し、そのまま逃げ切りました。これに追いすがったプリンセスモモが2着。ゴール寸前でメジロルビーを交わしたミスダイヤが3着。
 13日(月)のサロマ湖特別(3歳以上550万円未満)は、上位人気3頭が総崩れ。5番人気ヤマトゼンシン、9番人気ヒロノタキオンで決着し万馬券決着となりました。第2障害ではトウリュウの白い馬体がグッと上がり、先頭でこれをクリア。差なくヤマトゼンシン、ヒロノタキオンが続き、3頭の叩き合いとなりました。しかし残り30メートルを切ったあたりでヤマトゼンシンが先頭に躍り出ると、後続との差を保ったままゴールイン。ヒロノタキオンもトウリュウとの差を保ったままゴールし、外枠3頭のワンツースリー決着となりました。1番人気キョウワテンリュウは道中の掛かりも悪く、最下位9着。2番人気ハイタワーも同様のレースぶりで8着。そして3番人気ワカテンザンは障害で詰まったうえ、その後の伸び脚もイマイチで7着。本命党にとって受難の一戦となってしまいました。

映像はこちら

今週のみどころ(11/11〜11/13)

2006年11月10日(金)

 来週19日にばんえい菊花賞を控え、3歳の各馬が次々と出走態勢を整えています。その注目馬の中で掉尾を飾るのが、13日(月)のメイン、サロマ湖特別に出走するホクショウダイヤ。ばんえい大賞典では4着に敗れたものの、定量戦なら話は別。番組賞金でも2歳チャンプのマルミシュンキに迫る勢いですし、その仕上がり具合に要注目です。
 11日(土)に行われるのは美幌峠特別(3歳以上800万円未満)。前走オープンとの混合オータムカップで2着に健闘したライジングサンが、ここでも人気に推されるでしょう。近走は掲示板をはずさない堅実さを見せており、しかも戦ってきた相手がフクイズミやトカチプリティーなど、オープン上位をにぎわす面々。今回のメンバーは、一部を除いてほぼ勝負付けが済んでいるだけに、きっちり勝利を収めたいところでしょう。その“一部”というのは勢いある4歳勢で、スーパークリントンは堅実さという面で見てもヒケを取りませんし、ナリタボブサップも馬場が軽くなれば浮上してくるでしょう。ほかキングシャープとイッスンボウシも注目で、カツテンリュウの一発にも期待したいところ。
 12日(日)のメインレースに行われるのはレディースカップ(4歳以上7歳以下牝馬オープン)。サダエリコやアンローズなどの一線級から、4歳馬エンジュダイヤ、ウィナーサマーに至るまで、注目牝馬が多数エントリーしてきました。なかでも中心となりそうなのはフクイズミで、前走二世ロッシーニ記念特別でも完勝を収めており、勢いは抜群。障害さえ無難に越えれば、ここでも強烈な末脚を見ることができるでしょう。重賞2勝を含む5連勝中のアンローズにも注目で、前走イオンカップも文句なしの完勝。北見に移っても好調を維持しているようです。1開催休みを入れただけに、当日の状態に注意しましょう。ほかトカチプリティー、プリンセスサクラコの安定度、前走快勝エンジュダイヤの勢いにも注目です。
 この日の第10レースには、いちい賞(2歳牝馬オープン)が行われます。やはり9月の白菊賞上位組を中心視できそうで、そのレースを制したニシキガールは、北見で2戦して6、5着。ただ、牡馬も含めた2歳トップクラスでの争いなので仕方がない部分もあり、牝馬同士なら上位とも言えましょう。しかし、そのニシキガールが敗れた10月29日の2歳A-1戦で、シベチャタイガーやコーネルフジなど牡馬トップクラスを打ち負かしたのがプリンセスモモ。白菊賞2着、2連勝中の勢いもあるだけに、ここは要注目の一戦です。また白菊賞、ナナカマド賞ともに3着のダイヤローズも争覇圏。近2走1、2着で、特に前走はアローファイターの1秒1差に健闘しています。
 13日(月)はメインレースにサロマ湖特別(3歳以上550万円未満)が行われます。この路線の主役キョウワテンリュウをはじめ、今季10連勝をマークしたハイタワー、3歳馬ホクショウダイヤなど注目の各馬がエントリー。楽しみなメンバー構成となりました。なかでも中心視したいのはキョウワテンリュウ。前走こそ6着に崩れましたが、今季は連対率5割をキープしている安定株。今回のメンバーは何度も負かしている相手でもあり、冷静な力比較ではやはり上位と言えるでしょう。同じ4歳馬のトウリュウも2戦続けて3着に好走しており、その安定度からいっても有力。ハイタワーも一度このクラスを経験しただけに、前走の巻き返しを図りたいところ。またホクショウダイヤは、昇級初戦ですがキョウワテンリュウと好勝負を演じていただけに期待が持てるでしょう。安定感あるイナズマダッシュまでが好勝負圏内と言えそうです。

馬券おやじは今日も行く(第27回)  古林英一

輓曳から「ばんえい」へ

 存廃論議で気の揉める昨今である。これは公営競技(いわゆる3競オートですな)全般に共通していえることなのだが、1950年代に、自治体(中央競馬は国だが)の収益源として現在の公営競技が出そろい、以来半世紀の歴史を刻んできた。ついでに、ちょいと細かいことをいうと、3競オートのうち、競馬については「自治体の小銭稼ぎとして競馬をやる」という文言は、競馬法のどこを探してもないのである。あるのは収益の使途を定めた第23条の3だけなのである。しばしば「財政競馬」といういい方がなされるが、少なくとも、競馬に関しては「財政寄与」を目的にあげる必要は実はないのである。

 だから、競馬については、「財政への寄与」ではなく、「馬事文化の保全・継承」を目的に掲げてもかまわないのである。このことは、ばんえい存続のひとつの根拠として、高く掲げてもいいのではないだろうか。全国津々浦々のばんえいファンの多くは、馬券だけが目当てではなく、ばんえいという世界でも類例をみない馬事競技そのものを愛好しているのだと小生は信じている。もちろん、馬券推理も重要な楽しみではあるのだが。

 さて、小生の今回の表題は「輓曳から“ばんえい”へ」であるが、輓曳と“ばんえい”は同じだろ?という疑問はもっともである。これは文学的表現というものなのである。もちろん、辞書的な意味は同じだ。だが、その昔、輓曳と表記されていた時代と、現代の「ばんえい」と表記される時代では、ずいぶんその内容は変わっている。

Sori1  ばんえい競馬情報局をご覧になるような方なら、先刻ご承知とは思うが、馬と橇を連結している帯のような馬具がある。胴びきというのだが、これは布製で、橇との連結部分だけ鉄製のチェーンが使われている。

 輓馬大会などではチェーンのみの胴曳きも使われている。なぜ故に布製の胴曳きが使用されているのか、布よりもチェーンの方が丈夫だろうと小生なんぞは思っていたのだが、実はさにあらずで、チェーンは腐食による損傷があって、切れやすいのだそうだ。そこで麻製、現在はナイロン製の胴曳きが使用されているのだという。

 また、胴びきに平行して、長い棒が装備されている。これはかじ棒である。「輓曳」の時代のかじ棒は木製(タモの木が使われたそうな)だったのが、今ではグラスファイバー製である。木製では損傷が起こりやすいことに加え、タモの木そのものが資源枯渇によって入手困難になってきたことから、グラスファイバー製に切り替えられた。

 タモの木に替わる材料を探し求めていたとき、たまたま走り高跳びのバーを見た関係者がこれだと思いついたという逸話が残っている。走り高跳びと輓曳競馬、思わぬところで思わぬものが結びつくものだ。早速関係者が尋ね回って見つけたバーのメーカーが、あのミズノであった。ミズノの担当者も思わぬ注文でさぞびっくりしただろう。ということで、今は違うそうだが、最初のグラスファイバー製かじ棒はミズノ製だったのである。

 橇だって当初は木製だったのが、今の鉄製になったのは、1970年代になってからの話である。重量物も当初は麻袋やカマスに土砂を詰めたものだったのが、今は鉄板である。

 一見すると、昔ながらの競技のように見えて、その実、ずいぶん近代化がおこなわれているのである。伝統の継承・保存と、近代化という、一見相反するテーマをさりげなく、実現したのが「輓曳から“ばんえい”へ」という流れであった。

 と、今回はちょっと学者っぽいシメで、お後がよろしいようで。

レース回顧(11/4~11/6)

2006年11月 6日(月)

 4日(土)はメインレースに天都山特別(3歳以上650万円未満)が行われ、1番人気のスーパーロイヤルが快勝しました。各馬、道中はじっくりと進み、第2障害でもタメにタメる展開。一歩先に動いたスーパーロイヤルが苦しみながらも先頭でクリアすると、プランドルドラゴン、トミサトクイーンも続きました。いったんはプランドルドラゴンが先頭に立ちましたが徐々に脚いろが鈍り、再度スーパーロイヤルが先頭へ。追い上げてきたトミサトクイーンも脚が止まり、結局は最後まできっちり歩き続けたスーパーロイヤルが優勝しました。プランドルドラゴンはゴール線上でパッタリ止まってしまい6着まで後退。障害4番手から追い上げたヤマトモンジューが交わして2着に入り、3着はトミサトクイーンとなりました。
 5日(日)に行われた知床賞(3歳以上オープン)は、カネサブラックの回避、ミサイルテンリュウの出走取消などがあって8頭立てで行われました。これを制したのはトモエパワー。障害を先頭で越えると止まることなく歩き続け、文句なしの快勝を演じました。障害3番手からジワジワ伸びたタケタカラニシキが2着入線かと思われたところ、ゴール線上で痛恨のストップ。その間にシンエイキンカイが交わして2着を確保。立て直したタケタカラニシキが3着となりました。
 6日(月)の最終に行われたメインレース網走湖特別(3歳以上550万円未満)は、昇級馬によるワンツー決着。ヤマサンダンサーがコブライチの追撃を封じて3連勝を飾りました。第2障害はキョウエイボーイが先頭で下り、差なくヤマサンダンサーが続く展開。障害後に先頭に躍り出たヤマサンダンサーは、そのまま脚を伸ばして後続を突き放し独走態勢を築きました。しかし障害6番手からコブライチが猛襲し、ゴール寸前で代わるかというところ。結局これをしのいだヤマサンダンサーが、先頭でゴールしました。3着は障害3番手から粘った、10番人気のタカラテンクウ。

映像はこちら

<<前へ 4567891011121314
Copyright (C) OddsPark Banei Management Corp. All Rights Reserved.