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やっぱり馬が好き(第27回)  旋丸 巴

2006年11月 3日(金)

北見名物「ばんば焼き」

 ばんえい競馬が存亡の危機に瀕している!

 本欄読者なら、もう充分ご承知だろうが、ばんえい競馬は累積赤字の増大を理由に廃止が検討されている。そして、既に先月には旭川と北見の撤退が決定していて、これに岩見沢の撤廃が決れば、我らが、ばんえい競馬は消滅する。

 となれば、ばんえい競馬は他の地方競馬と違って受け皿がないからのないから、スーパーペガサスもミサキスーパーも、愛しのアンローズも、どこにも行き先はない訳で……!

 そんなことにならないために、ここは是非にも皆さんのお力を借りたいのである。ばんえい競馬を愛する読者各位が声を合わせて、ばんえい存続を訴えて欲しい。あの力強く優しい馬達のために、どーか、どーか、よろしくお願いするのである。

  *  *  *  *  *

 上記のようなことを、ここだけではなく、最近の私は、あちこちに書き散らし、加えて、知り合いのマスコミにも訴えているのだけれど、そんなことばかりしていたら鬱々として来たから、30日には憂さ晴らしに遊びに出かけた。行き先は……勿論、ばんえい! 前述の如く撤退、廃止が確実な北見競馬場を今のうちに徹底的に楽しんでおこう、という次第で、そうと決れば、このところの憂鬱など忘れて、勇躍、北見に出発進行!

 私の日頃の行いの良さ故か、雲ひとつない晴天に恵まれて、当日は爽快至極な競馬日和。

 「北見のコースは、ゴール前が上りになってるでしょ。だから、パワフルなペル系が力を発揮するはず。今日は、芦毛か青毛の馬で勝負!」と、同行した夫と娘に上機嫌で宣言なんかしたりして、北見競馬場まで片道3時間半の道程もアッという間。

 さて、いよいよ、北見での競馬参戦と相成ったのだけれど……。

 実に私の狙い通り芦毛と青毛の馬が大活躍……なんて、現実は、そうシンプルではなくて、なぜか栗毛の馬が圧勝したりなんぞするから、私は敗戦に次ぐ敗戦。ついに10連敗を記録して、馬券においては散々な一日となりにけり。

 ではあるけれど、馬券で負けたって、薄い財布がますます薄くなったって、やっぱり競馬は楽しい。暖かい秋陽の下でピカピカに光る馬達のお尻を眺めたり、谷厩舎2頭出しのレースで「あわや親子丼」というシーンに狂喜したり、BANBA王に出演していた矢野さんに手を振って丸無視されたり、と、ミニサイズの北見競馬場を縦横無尽に駆け巡って、その楽しさを堪能した。

 そんな中で、読者諸氏に、いの一番でご紹介したいのは「ばんば焼き」。皆さんは、ご存知ですか? これなるお菓子を。

Photo_69  「なーんだ、馬の話じゃなくて、お菓子の話か」なんて馬鹿にしちゃダメですよ。何しろ、この「ばんば焼き」、ただの今川焼き、つまり、どら焼きの親戚みたいな焼きまんじゅう。ではあるけれど、フカフカの皮に可愛い「輓馬」が刻印されている、これがミソ! ここに、ちょっとピンボケだけど写真を添付したから、よくご覧いただきたい。どうです、馬具をつけた「ばんえい競走馬」の姿が可愛いでしょ? 斬新でしょ? あっ、ただし、ばんば焼きには、あんこ入りとクリーム入りの2種類があって、馬が刻印されているのは、あんこ入りだけ。クリーム入りの方は何の模様も入っていないから要注意。

Photo_70  さて、しかし、ばんば焼きの魅力は、それだけじゃない。1個100円の、このばんば焼き。5個買うと特製の箱に入れてくれて、これまた馬が印刷されているから、マニアならずとも顔がほころぶ。「甘味本命」なんて記されているのも、また競馬場らしくて実に味わい深いし。

 考えてみると、昨今は競馬場名物っていうのが少なくなって、まして持ち帰りの出来る名物なんていうと、ばんえいに限らず全国の競馬場でもあまりお目にかかれない。ばんば焼きは、そんな稀少な競馬場名物なんである。

  *  *  *  *  *

 山に囲まれた小さな競馬場で、ほかほかのばんば焼きを食べながら馬を見ていると、本当に、しみじみと、ばんえい競馬の楽しさ良さが体に染み込んで来て、頭の中が痺れるような心持になって来た。そして、この感覚に身を任せていると、また体の違うところから、ふつふつと湧き上がって来たのは……

 「こんな幸せな空間を消滅させちゃダメ~ッ!」って気持ち。

 しつこいようだけど、皆さん、ばんえい存続のために、ご理解とご協力を。みんなの力で、ばんえいを守りましょうよ、ねっ!

今週のみどころ(11/4〜11/6)

 今週日曜日は3歳以上のオープン馬による知床賞が行われます。このレースは「日曜BANBA」として大井、川崎、高知など各地の競馬場で発売され、さらに南関東の在宅投票=SPAT4でも購入することができます。各場外発売所ではライブ映像も放映されますので、近隣のかたはぜひご利用ください。その他場外発売所など詳細はこちら
 4日(土)はメインレースに天都山特別(3歳以上650万円未満)が行われます。前走で800万クラスとの混合戦を制したスーパーロイヤルが人気の中心となるでしょう。3走前は8着と大敗したものの、その前後は常に3着以内にまとめており安定感は抜群。ここもメンバー的に実力上位で、さらにこの勢いからすれば勝機十分といえるでしょう。プランドルドラゴンも近走好調で、昇級初戦といえども好レースを演じるはず。ほかユウセイマーチやヤマトモンジューあたりも好勝負圏内。トミサトクイーンの一発にも期待したいと思います。
 5日(日)に行われるのは知床賞(3歳以上オープン)。前走の二世ロッシーニ記念特別でフクイズミの2着だったカネサブラックに注目したいと思います。北見に移ってからも2、1、2着と好調で、近い将来古馬の重賞を狙える馬だけに、ここはしっかり勝利を収めたいところでしょう。前走800万の温根湯特別を制したホクショウファイトも、勢いがあるだけに好勝負が期待できそう。二世ロッシーニ記念特別で2番人気ながら6着に敗れたタケタカラニシキの巻き返しにも期待したいと思います。
 6日(月)はメインレースが最終第12レースに組まれています。ご注意ください。そのメインは網走湖特別(3歳以上550万円未満)。混戦が続くこの路線ですが、2連勝中のチヨノキングが一歩抜けた印象です。前走も、早めに抜けたキョウエイボーイを冷静に差し切る競馬で、しっかり歩き続けたあたりに好感が持てます。ここも突き抜けるかといえば疑問も残りますが、有力馬の1頭であることは間違いないでしょう。またキョウエイボーイやコマタイショウなど、いちょう特別上位組はもちろん争覇圏。昇級戦となるコブライチのレースぶりにも注目したいところ。

レース回顧(10/28~10/30)

2006年10月30日(月)

 28日(土)に行われたもみじ特別(3歳以上470万円未満)は、1番人気に推されたコブライチが優勝。前走に続く勝利で、2連勝としました。第2障害を2番手で越えたコブライチは、一気に差を詰めるとあっという間に先頭へ。障害3番手からワカテンザンが追ってきましたが、これを退けてゴールしました。3着は障害を先頭で抜けたトウリュウ。人気の一角キョウワテンリュウは、障害で苦戦して6着に敗れています。
 その前に行われた第10レース3歳以上800万円未満は、昨年のダービー馬エンジュダイヤが復活の勝利を遂げました。第2障害はエンジュダイヤとツルマキシンザンが並んで先頭クリア。両馬一歩も譲らない好レースとなりましたが、残り20メートル付近でツルマキシンザンが止まって勝負あり……、と思われたところ、ゴール寸前でエンジュダイヤもストップ。その間にツルマキシンザンが差を詰め、交わすかとも思われましたが、立て直したエンジュダイヤが先頭でゴールイン。僅差2着にツルマキシンザンで、障害6番手からしぶとく歩き続けたヤマノミントが3着。
 29日(日)のメインレースはオータムカップ(3歳以上オープン)。このレースは実績馬ヒカルセンプーが久々の勝利を挙げました。並んで障害を下りたヒカルセンプーとライジングサンは、残り20メートル付近で並んでストップ。そこからも一進一退の攻防が続きましたが、残り10メートルでヒカルセンプーが前に出て決着しました。障害5番手のキングファラオが勢いよく伸びて3着を確保するかと思われたところ、ゴール寸前でストップ。その隙にキタノスサノオが交わして3着入線を果たしました。1番人気のスターエンジェルは、いいところなく8着に敗れました。
 同じ日の第10レースは、3歳以上混合別定800万円未満。21日の温根湯特別、23日の川湯特別出走馬(勝抜)による2度使い戦です。ここを勝ったのはスーパーロイヤルで、1番人気にきっちりこたえました。最内のナリタボブサップ、大外のスーパーロイヤルが並んで障害をクリア。しかし残り30メートルを切ったあたりからスーパーロイヤルが一気に加速すると、残り10メートルで単独先頭へ。カツテンリュウが渾身の追い込みを見せてスーパーロイヤルに襲いかかりましたが、結局はスーパーロイヤルが逃げ切って優勝しました。ナリタボブサップはゴール線上で力尽き7着敗退。3着には、障害6番手から追い込んだキングシャープが入線しています。
 30日(月)はいちょう特別(3歳以上550万円未満)が行われ、4番人気のチヨノキングが優勝しました。第2障害を先頭で越えたキョウエイボーイが後続を突き放す展開でしたが、残り30メートル付近でストップ。その間に後続が差を詰めて混戦となりました。そうしたなか障害を4番手でクリアしたチヨノキングは、しっかりとした脚取りで歩き続け、残り10メートルでキョウエイボーイが再度止まると先頭へ。そのままゴールまで押し切りました。プランドルドラゴンとコマタイショウのきわどい2着争いは、わずかにプランドルドラゴンが先着。逃げたキョウエイボーイは、こらえきれず4着。

映像はこちら

馬券おやじは今日も行く(第26回)  古林英一

2006年10月28日(土)

ばん馬の人たち~装蹄師さんの巻~

 小生、今(金曜夜)、実は東京にいるのである。このコラムの順番をしっかり忘れていたのである。困ったもんである。宿に戻ると、斎藤編集長から「こら~っ、まさか順番を忘れてるわけじゃあるめえなっ!」(※注)という留守電がはいっていたのである。
忘れてました。すんません。

 昔なら、どうしようもないところだが、今はパソコン&ネットの時代である。宿の備え付けのパソコンでこの原稿を書いているのである。便利な世の中になったものである。東京にいてもばんえいが観戦できて馬券も買える。予想紙だって手に入る。なんでもかんでもネットでOKなんぞという錯覚を起こしてしまいがちだが、現実の世の中そうはいかない。

 前回の小生のコラムでは獣医さんの仕事を紹介した。今回は装蹄師さんの仕事を紹介しよう。ITだの、ネットだのといった小賢しい世界とは無縁の職人の世界である。先週だったか「BANBA王」でも、今回紹介する高橋さんのお仕事がリポートされていたので、もしかするとごらんになった方もおられるかもしれない。

 現在、競馬場内で装蹄の仕事をされているのは、高橋さんと千葉さんの2人である。小生がお邪魔したのは高橋さんのほうである。

 高橋修さんは、祖父も、父も装蹄師である。息子さんは高橋さんの仕事を手伝っておられ、お孫さんは現在装蹄師の養成課程で勉強されている。つまり、なんと5代にわたってこの仕事に携わっているのである。

 高橋さんは中学2年生のころから父の手伝いをはじめ、18歳のとき、国家試験に合格し、晴れて一人前の装蹄師になった。法制度が今とは異なり、当時の装蹄師は国家資格である。面白いことに、当時の国家試験には牛の蹄鉄の試験もあったという。牛は偶蹄目であるから、1本の足に小ぶりな2つの蹄鉄が必要だ。小生、残念ながら、牛の蹄鉄というのは見たことがないのだが、地方によっては馬よりも牛が役畜として活用されていた地方もあるから、牛の蹄鉄があっても決して不思議なことはない。もっとも、高橋さん自身も装蹄師の試験以外に牛の蹄鉄を打った経験はないそうだ。

 サラブレッドの場合は、調教用と競走用では蹄鉄を履き替えるらしいが、ばん馬の場合は調教用・競走用の区別はない。「本当はもっと頻繁に履き替えたほうがいいのだけどね」と高橋さんはおっしゃるが、だいたい30日から40日くらいで履き替えるのが一般的だという。

 1頭として同じ脚をもつ馬はいない。したがって、蹄鉄はすべてオーダーメイドである。夏用は11,500円、冬用は13,000円。1頭1頭脚にあわせてつくることを考えれば、決して高い金額ではないだろう。冬用の蹄鉄は、直径19ミリの丸棒を縦割りし、型にいれてあの独特の刻みをつけるのだそうだ。

 ここでちょいと、馬券オヤジの耳より情報である。高橋さんのおっしゃるには、装蹄直後の馬は総じて調子がいいそうである。こりゃあ、耳寄り情報だ……と小生小躍りしたのだが、よく考えると、いつ蹄鉄を履き替えたかという情報は予想紙や出走表を見たってわかりゃしない。う~ん、せっかくの耳寄り情報だったのにぃ。

 高橋さんの腕には無数の、本当に無数といっていいくらい多くの、小さな火傷の痕が残っている。火花が飛びまくる仕事である。真っ赤になった鉄をハンマーで打つたびに、火花が飛び散る。高橋さんの火傷の痕跡は高橋さんのキャリアそのものなのである。こういう職人さんを見ると、「格好ええなあ」と憧れてしまう小生である。それに引き換え、小生なんぞは、釘一本打つわけでもなく、米一粒つくるわけでもないのに、人の仕事を横手からあーじゃこーじゃとぐちゃぐちゃいうだけである。ちゃんとものを作る人を大事にしないとだめなのである。ITだのネットだので、何かが生まれるわけじゃない。

注) ※ 斎藤編集長はかようなものいいをする人ではない。これは斎藤編集長のお言葉が小生の心にはこのように聞こえたという、いわば「文学的表現」なのである。

今週のみどころ(10/28〜10/30)

2006年10月27日(金)

 今週はばんえい競馬恒例の「ばんえいコースで親子リレー」が行われます。いまさら説明不要と思いますが、これは親子3人で軽量そりをリレーしながら200メートルのコースを疾走するというもの。29日(日)の第7レース終了後にスタート予定で、旅行券や商品券などの豪華な賞品も用意されています。参加申込みは当日まで行っているので、気になった方はこちらをご覧ください。
 28日(土)に行われるのはもみじ特別(3歳以上470万円未満)。9日の白馬賞でフクイズミの2着に健闘したキョウワテンリュウが、ここに出走します。今回は710キロを課せられましたが、700キロ以上の斤量ではイレネー記念(710キロ)で競走中止、ばんえい菊花賞(700キロ)で失格と散々な結果。しかし3走前は695キロで勝利を収めており、そうした近況から徐々に重い荷物もこなせてきていると見ます。楽なメンバーとはいえませんが、ここは勝機十分でしょう。ほかマルニアトランタ、トウリュウ、イナズマダッシュ、コブライチなども虎視眈々。中位クラスの好メンバーが揃った印象で、楽しみな一戦といえます。
 その前、第10レースには3歳以上800万円未満が行われます。なかなか難解なメンバー構成となりましたが、中心視したいのはバレットドラゴンツルマキシンザン。両馬ともこのクラスの安定株で、近走はともに掲示板をはずさない堅実さ。もちろん勝ち味に遅い印象はぬぐえませんが、それでもこのメンバーなら上位フィニッシュが期待できそうです。また昨年のダービー馬エンジュダイヤも、休み明けを一度叩いた今回が正念場。カネサブラックをはじめとする4歳馬の躍進が目立っているだけに、この馬も1つきっかけが欲しいところでしょう。ほかヤマノミントやアオノキセキの一発にも期待できそうです。
 29日(日)はメインレースにオータムカップ(3歳以上オープン)が行われます。近走の成績が冴えないスターエンジェルですが、これまで戦ってきた相手はオープン一線級。今回のメンバーなら、十分に勝ち負けを演じられるでしょう。またライジングサンは、近走つねに上位に食い込んでおり、800万クラスといえども十分に好勝負が期待できそうです。
 この日の第10レースは、3歳以上800万円未満。21日の温根湯特別、23日の川湯特別上位馬による混合別定戦です。温根湯特別からはイッスンボウシを筆頭に、スーパークリントン、ナリタボブサップの4歳馬2頭、川湯特別からはスーパーロイヤル、ユウセイマーチなどが有力となるでしょう。
 30日(月)はいちょう特別(3歳以上550万円未満)が行われます。ここはハヤテショウリキに注目で、近走は勢いあふれる4歳馬を相手に奮戦。そうした面々が昇級していっただけに、今回はチャンスといえるでしょう。北見に入って2戦連続連対を果たしているコマタイショウ、このクラスの常連プランドルドラゴンも争覇圏。昇級間もないチヨノキング、ゴールデンバージなどの勢いにも注目です。

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