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レース回顧(12/9~12/11)

2006年12月11日(月)

 9日(土)のメインレースとして行われたのは狩勝特別(3歳以上オープン)。ここは2番人気に支持されたカネサブラックが快勝し、今季の勢いをまざまざと見せつけました。第2障害はカネサブラック、ミサイルテンリュウ、トカチプリティーの順でクリア。差のない混戦となりましたが、馬場水分4.3%の軽馬場ということもあって各馬の脚は止まらず、そのままの順でゴールしました。カネサブラックはともかく、ミサイルテンリュウは北斗賞優勝以来の連対確保で、復活の兆しを見せたといえるでしょう。
 10日(日)は重賞のばんえいオークス(3歳牝馬オープン)が行われました。このレースについては別掲のばんえいオークス回顧をご覧ください。
 その前第10レースに行われた十勝産駒特別(2歳産地限定)は、3番人気のマルニゼウスが優勝。前走北見でのA-1戦に続く勝利で、オープン戦線へ向けて弾みをつけました。軽馬場のなか各馬早めの障害挑戦となりましたが、勢いよく抜けてきたのはメジロルビー、マルニゼウス、エビスオニワカの人気3頭。そのうちマルニゼウスが先頭に立つと、エビスオニワカも猛追して2頭の争いに。しかしその差は詰まらず、1着マルニゼウス、2着エビスオニワカの決着。3着にはメジロルビーが流れ込みました。
 また、この日の第4レースで、鈴木勝堤騎手が騎乗したイサムフジが勝利を挙げ、鈴木騎手は1981年4月のデビュー以来、通算2000勝を達成しました。
 11日(月)に行われた日勝特別(3歳以上800万円未満)は1番人気のスーパークリントンが快勝。800万クラスにおける初勝利を飾りました。第2障害でいったんヒザをついたスーパークリントンですが、即座に立て直すと先頭でこれをクリア。最後は脚いろが鈍ったものの道中のアドバンテージが大きく、そのまま逃げ切り勝ちを収めました。横一線となった後続の争いは、そのうしろから猛追してきたエビスオウジャが突き抜けて2着を確保。障害2番手クリアのギャンブラークインが粘って3着に入線しています。

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12/10ばんえいオークス回顧

2006年12月10日(日)

伏兵キキリンドウが大金星!

 10日(日)に行われた重賞ばんえいオークス(3歳牝馬オープン)は、単勝最低人気のキキリンドウが優勝して重賞初制覇。混迷の3歳世代に、よりいっそう拍車を掛ける結果となりました。
 馬場水分5.8%の軽馬場だったため、道中は各馬早めの展開。ほぼ横一線のまま第2障害を迎えました。真っ先に仕掛けたのはサクラガサイタ。しかし重賞ということで“それなりの重量”。各馬苦戦を強いられました。
 ようやく抜け出したのはキキリンドウ。続いてエメラルド、キタノパワーと人気の一角がクリアして、以降は3頭の争いに。横一線のまま互いに譲らない激しい攻防を展開しました。いったんはエメラルドが前に出ていましたが、残り10メートルを切ってキキリンドウが再度先頭を奪い返すと、そのまま先頭でゴールイン。実績馬を差し返す勝負強さで、重賞初制覇を果たしました。2着は終いに力尽きたエメラルドで、3着にしぶとく歩き続けたキタノパワーが入線。2番人気に支持されたばんえい大賞典馬ニシキユウは、障害を越えられず競走中止となりました。
 キキリンドウはこれまで目立った成績がなく、事実上のステップとも言える北見の3歳牝馬限定戦で連続4着していたのが、わずかに強調材料。帯広コースでの実績も[0-0-1-10]で、今回も入着級と見られていました。ところがフタを開けてみれば、エメラルドを競り落としての完勝。3歳二冠を牝馬が制していることからも、牡馬を含めた3歳戦線が、まれに見る大混戦であることを証明する一戦となりました。

成績はこちら
映像はこちら

ばんえい特別講座 by矢野吉彦

2006年12月 9日(土)

ばんえい競馬の考え方

 競馬の世界に「テンよし、中よし、終いよし」という言葉がありますね。スタートのセンス、道中の折り合い、末脚の確かさ、などなど、そういうものが揃っている馬は名馬だ、というたとえです。

 ばんえいでは、“テン”を第2障害まで、“中”を第2障害のクリア、“終い”を、第2障害を降りてからゴールまで、と考えればいいでしょう。

 まずは“テン”。常に先行して、レースの主導権を握ることが理想です。第2障害に早めに到着できれば、その分だけ息を整える時間を長く作れますし。当然、逃げ馬が主導権を握るわけですが、たとえハイペースで逃げる馬がいても、遅れず付いていける馬、というのが「テンよし」ですね。

 次に“中”。これはもう、第2障害をいかにスムーズに越えられるかにかかっています。確実な登坂力に加え、障害に向かっていく気合い、騎手の指示に忠実にこたえる素直さ、なども要求されます。障害の上手な馬、「中よし」の馬は成績もいいはず。だからこそ、第2障害はばんえいの勝負どころ、実況の井馬サンの言う「ばんえいポイント」なのです。

 そして“終い”。“テン”や“中”で無理をしたり、手間取ったりしていたら、“終い”は必ず甘くなります。第2障害を降りてからもしっかり歩ける馬、“終いよし”でなければいけません。

 でも、この3つの条件をすべて兼ね備えている馬なんて、なかなかいません。全盛期のスーパーペガサスはそうでした。どんな馬場状態、どんなソリの重さでも、常に先行できる脚があり、障害は先頭、あるいは2、3番手で必ずクリア。降りてからもしっかりゴールまで歩き通す。強い馬でしたよ。何とかもう一度復活してほしいですね。

 それはさておき、3拍子揃わない馬はどうするか。とにかく、障害はスムーズに越えなければ話になりません。“中悪し”は勝負にならないと考えておきましょう。“テンよし、中よし、終い今イチ”という馬は、第2障害をクリアするところまでに貯金を作ること。先手先手の走りで第2障害を迎え、他の馬が追いついてきたところで、先に障害へ挑みます。なるべくスムーズに越えて差を広げておくのです。他の馬が障害で手間取ってくれれば大チャンス。これが、逃げ馬のパターンです。

 次に“テン今イチ、中よし、終いよし”の馬。これはもう、第2障害まではマイペースを守り、それで障害をスムーズに越えて、前の馬が末を甘くして失速したところをとらえるしかありません。こういう馬が第2障害まで無理に先行集団に付いていこうとすると、たいがい障害で手間取ります。あくまで、こういう馬の存在を先行馬が怖がって、ちょっとオーバーペースになってくれることを期待する。フツウの競馬にもいる、レースを自分で作れない追い込み馬は、こういうタイプの馬です。ただ、差し馬の中には、先行馬を突っつくことができる馬もいます。そういう馬を、“テン今イチ”と言っていいかどうか。それができれば、かなり強い馬ってことになるでしょう。

 ここまでのことを考えながら、レースを見てください。きっと、ばんえい競馬が見えてくるはずです。北海道で発売されている専門紙「馬」と「競馬ブック」には、第1障害、第2障害手前、第2障害越えの時の位置取りと、第2障害まで、第2障害越え、第2障害を降りてからゴールまでの所要タイムが載っています。これを見れば、各馬の「テン、中、終い」が一目瞭然。レース検討には大いに参考になります。残念ながら地方競馬全国協会のホームページで見られる出馬表には、これらの数字が入っていません。これは改善すべき点ではありますが。

 で、馬場水分とソリの重さでタイムが早くなったり遅くなったりすることを加味しながら、予想を組み立てていくのです。考えることが平地の競馬よりたくさんある、と言えるかもしれませんが、芝、ダート、距離、競馬場など、様々に条件が変化する中央競馬を予想されているみなさんだったら、どうってことないファクターの数だと思いますよ。

 そうそう、騎手の腕はレースに大きな影響を及ぼしますね。あるジョッキーに聞いたのですが、出走メンバーの中に目標にできる軸馬がいると、レースを組み立てるのが楽になる、とのこと。その馬を負かすにはどうすればいいか、となるからだそうです。その馬の“テン”、“中”、“終い”にはどういう特徴があるのか。“終い”がちょっと甘ければ、じっくり付いていけば交わせる、とか、“テン”は今イチでも“終い”はピカ一という馬を封じるには、“テン”を心持ち速いペースに持っていって、そこまでに相手になし崩しに脚を使わせ、“終い”のキレを鈍らせる、とか。このレースで、どういう駆け引きが展開されるのか、それを考えるのが、ばんえい競馬の楽しさでもあるわけです。駆け引きに長けた、あるいはそういう揺さぶりに動じない、冷静な騎乗ができるジョッキーが名手と言えるでしょう。

 軽種競馬を血統で予想しているみなさん、ばんえい競馬には、血統作戦を突き詰め、それを披露した人がいません。人知れずやっている人はいるかもしれませんが、まだ公になっていないようです。無責任な言い方ですが、みなさんがそれぞれに調べてみてはいかがでしょう。種牡馬別、馬場水分別、コース別に統計を取ってみれば、何か特徴的なものが浮かび上がってくるかもしれませんから。どなたか、その結果をご披露いただければ、それは他の血統派の方にも、大いに参考になると思いますよ。スミマセン、今のところ私はそこまでの研究をしていませんので。

 ということで、まだまだ書き足りないことは多いのですが、今回はこのくらいにしておきます。折りを見て、この続きを書こうと思います。ではまた。

12/10ばんえいオークス 矢野吉彦

人馬ともに好調のエメラルド

 廃止の瀬戸際に立たされていたばんえい競馬。みなさんのご支援、ご協力のおかげで、わずかながら存続へ向けての光が見えてきました。でも「大手民間企業が支援に名乗りを挙げたんだから、もう安心だろう」というのは早すぎます。まだまだ、新しいばんえい競馬の“あるべき姿”は見えてきていません。時間をかけて議論しましょう。ひとまず、即廃止の決断だけはしないでほしい、と祈り続けようと思います。

 それはさておき、10日はばんえいオークス。3歳牝馬限定の重賞が行われます。この予想を。
 同世代同士の定量戦ですから、牝馬とはいえ、格をチェックしておきましょう。10頭を賞金獲得順に並べると以下のようになります。

1=エメラルド(398.2万円)12勝、ばんえい菊花賞1着 
2=ニシキユウ(332.8万円)8勝、ばんえい大賞典1着  
3=キタノパワー(271.6万円)5勝、黒ユリ賞(2月)1着
4=ヒメカワキタ(215.7万円)10勝
5=サクラガサイタ(211.4万円)9勝、ばんえいプリンセス賞1着
6=キョウワプリンセス(161.4万円)7勝
7=キキリンドウ(132.9万円)6勝
8=テシオフジ(131.7万円)5勝
9=アグリミズキ(131.4万円)6勝
10=モエレウチウラ(101.8万円)3勝

 1~5の馬と6~10までの馬、明らかに実績が違いますよね。となると、よほどのことがない限り1~5の馬の勝負になるはずです。
 中でもエメラルド。北見絶好調で、前走のばんえい菊花賞では牡馬相手に優勝。今回は主戦の藤野騎手(こちらも絶好調です)に手替わりしたとなれば、素直にこの馬から買うのが正解でしょう。ただし、問題は帯広コースの実績。昨シーズンは7回走って1、2着なし、3着1回と今イチでした。とくに、2月に行われた2歳牝馬限定の重賞・黒ユリ賞では1番人気で8着に敗れています。これをどう見るか。まぁ、あのときは12月末のレースを取り消して以来で、約1カ月半ぶりの実戦。負けてもおかしくないところだったとも考えられます。その後の帯広シリーズは、その流れが尾を引いたとすれば、今年は違うはずです。穴狙いが信条の私ですが、今回はこの馬から買います。
 相手の筆頭はキタノパワー。いきなりの荷物の増量はこたえるかもしれませんが、ニシキユウほか1~5までの馬の中で帯広の実績ではこの馬が一番ですし、ここ数戦の内容もまずまず。それを考えると、この馬が浮上してきます。
 あとはサクラガサイタ、ヒメカワキタ、ニシキユウの順。馬券はエメラルドからの馬単と馬複。オッズを見ながら配分を決めますが、キタノパワー相手の馬券を主力にしたいですね。

 さて、ばんえい競馬存続へ向けての御提言を頂戴している「つづけよう!ばんえい競馬」のホームページには、「ばんえい競馬をどうやって予想したらいいかわからない」という声が寄せられています。そこで、私なりの予想の組み立て方(当たりハズレは別ですよ)をご紹介します。どうぞ参考にしてみてください。では、よろしくお願いします。

12/10ばんえいオークス 斎藤修

混戦必至!キタノパワーから

 ばんえい競馬の存続について、帯広市長からはだいぶ前向きなコメントが聞かれるようになってきましたが、存続が決まったわけではありません。
 まだまだ安心はできません。大げさな言い方かもしれませんが、これからが正念場です。そしてもっと大変なのは、実際に存続が決まってからでしょう。これまでのしがらみや悪しき習慣を断ち切り、ばんえい競馬が赤字を出さずに健全経営を永遠に続けていけるような体制をつくるのは、並大抵のことではありません。
 「つづけよう!ばんえい競馬」では、引き続きみなさまからの提案をお待ちしています。

 さて、ばんえいオークス。
 帯広開催に移って2週目の重賞だけに、10頭中9頭がこの開催での帯広は初出走という対戦。格付けを見ても、ほとんどが220万未満のクラスかその前後で、難解な一戦。
 前馬660kgの定量で、近走の成績だけを見れば、前走ばんえい菊花賞で実績の牡馬勢を相手に重賞初制覇となったエメラルドが断然。しかし、菊花賞は得意の北見と軽い馬場状態に助けられたと見ると、ここでは中心には推しにくい。馬場適性次第ではガラリと形勢逆転の可能性もかなり高い。
 というわけで中心は、昨シーズンこの帯広で黒ユリ賞を制したキタノパワー。今シーズン旭川で2戦、岩見沢では1戦したのみで、本格始動は北見開催から。徐々に調子を上げてきている。
 相手には、帯広コースで2勝を挙げているヒメカワキタとサクラガサイタを取り上げる。菊花賞馬エメラルドは押さえまで。
 ◎キタノパワー
 ○ヒメカワキタ
 ▲サクラガサイタ
 △エメラルド
 例によっていつものごとくオッズ次第だが、キタノワーから馬単の流しと、押さえで馬連複4頭のボックス。

 馬券を買うこともばんえい競馬存続に向けての応援になるはずなので、気合を入れて投票しましょう。

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