園田競馬で今年4月にデビューしてから10月19日までで13勝を挙げている長谷部駿弥騎手。13勝のうち8勝はナイターでの勝利で"その金の長谷部"の異名も。園田の将来を担う18歳の今の心境を語ってもらいました。
4月のデビューから半年で13勝(10月20日現在)。ここまでを振り返ってみて下さい。
初勝利までが時間がかかりましたが(6月23日)1つ勝ってからは、初勝利の時ほど、間隔を空けずに勝てるようになりました。と言っても、レースでは判断が遅くて反省ばかりです。勝負どころで内を突くか、外に出すかで、迷っている間に進路がなくなったり、後ろから上がってきた馬にかぶせられたり。そのせいで勝てるレースを落としたことも多いです。あとは乗っている時の姿勢や進路の取り方など、直すところがいっぱいで、まだまだだなと思ってます。
騎手になるきっかけは?
両親が競馬が好きで、大阪の出身だったので、小さな頃から、大阪から近い中央の阪神や京都、そして園田にも一緒に行ったり、テレビで見たりしていましたので、騎手になりたいと思うようになりました。名前の駿弥も優駿の駿と、弥生賞の弥から取ったものです。
そこまで競馬に熱心なご両親なら、騎手になることには賛成してくれましたか?
はい、小さい頃から、家からは少し遠い乗馬クラブでしたが、通わせてくれたり、後押ししてもらいました。今も応援に来てくれます。
中学卒業後は教養センターに入所しました。
毎日の訓練や体重のコントロールは厳しかったですが、同期と過ごす時間が多かったので、絆は深まりました。そんな同期と一緒に行った旅行とキャンプが1番の思い出です。
師匠の小牧毅先生との出会いは?
教養センターに合格後、地元ということもあり、園田で乗りたいと思っていましたから、すぐに園田の主催者に電話して、受け入れをお願いしました。その後、小牧毅先生にお世話になることに決まりました。
小牧先生はどんな先生ですか?
基本、乗り方は任せてくれますし、細かいことを言われたことはありません。時々、気付いた時に、騎乗フォームやレースの流れのことで、アドバイスをして下さいます。
目標にする騎手は?
田中学さんです。学さんのすごいところは、ただ勝つだけでなく、制裁が少なく、フェアーな乗り方で勝っているところです。あんな騎乗をしたいと思ってます。
これまでの13勝中、8勝がナイターの日に挙げたもの。一部のファンから"その金の長谷部"と呼ばれています。
なぜかナイターとは相性がいいんですよね(笑)。昼間開催よりもお客さんが多くて、大きな歓声を耳にすると、モチベーションは上がりますし、金曜のナイターが終わったら、体を絞るのも一区切りできるので、最後にもうひと頑張りみたいな感じなんでしょうか。自分でもよく分からないんですが(笑)。
普段の生活を教えて下さい。
調教が深夜1時から始まるので、12時半に起きます。それからレースのない日は9時まで調教に乗ります。レース日は7時まで騎乗します。平均したら、1日20頭くらいに乗ります。夜に寝るのは、だいたい8時くらい。休みの日はテレビを見たり、ゲームをしたりしてますが、最近は自動車の運転免許を取るために自動車教習所に通っています。
11月15日には地元園田でヤングジョッキーズシリーズが行われます。
ここまでの成績が良くないですが(佐賀12着、8着、金沢8着)、勝負どころをよく分かっている地元なので、意地は見せたいです。このシリーズでは色んな勉強をさせてもらいましたし、学ぶことが多いです。
具体的にどういうことを学びましたか?
普段、僕は減量騎手で先輩よりも軽い斤量で乗っていますが、ヤングジョッキーズシリーズでは通常の斤量(牡56kg、牝54kg)。56kgだとゲートからの出脚や勝負どころで追い始めた時の手応えが、軽い斤量で乗ってた時とは違い、明らかに鈍いです。もっと馬に負担をかけないように乗らないといけないし、自分が馬を動かしていたのではなく、軽いから馬が動いてくれていたというのを実感しました。減量の恩恵は大きいですね。
自分を厳しく見ていますね。騎手としての自分のセールスポイントを教えて下さい。
小さな頃から、乗馬をやっていたので、拳や手首は柔らかいと思ってます。それが馬と折り合いをつける時に役立っているんじゃないかと思っています。
最後にオッズパークのファンに一言お願いします。
新人で、リーディング上位の騎手と比べると、技術面ではまだまだですが、馬券を買って下さったファンの期待に応えられるようにこれから成長しますので、見守って頂ければと思います。
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※インタビュー / 松浦渉