昨年41勝を挙げて、『NARグランプリ・新人騎手賞』を受賞した、佐賀の清水裕一騎手。ここまで順調な騎手生活を送っている清水騎手に、デビュー3年目を迎えた今の心境をお聞きしました。
赤見:東京都出身の清水騎手が、佐賀所属になった経緯は何だったんですか?
清水:地方競馬教養センターに入って1年くらいしてから決めたんですけど、最初は関東のどこかの競馬場がいいかなと思っていたんです。でも知り合いもいなかったし、特に募集している厩舎がないということで、佐賀はどうかなと。
それに、たくさん騎乗するチャンスがあるんじゃないかと思って決めました。
赤見:実際の佐賀競馬場は、層が厚くてなかなか若手が育ちにくいという印象がありますが?
清水:そうなんですよ!僕、誤解してました(笑)。
本当にベテラン勢が頑張っていて、その牙城を崩すのは大変で...
特に尊敬しているのは山口勲騎手なんですけど、本当にすごいですよ。レースはもちろんだし、調教も人一倍やってるんですよ。人間としても尊敬している先輩です。技術的には、馬乗りは力じゃないってことを教えてもらいました。
赤見:たくさんのベテラン勢がひしめく中、昨年はNARグランプリ・新人騎手賞を受賞しましたね。
清水:いや~本当に運が良かったんですよ。同期があんまり勝ってなかったし。
デビューした頃は狙ってたんですけど、なかなか勝てなかった時期もありましたから。実際新人賞獲った時は、「やばっ!」て思いました(笑)
赤見:年間41勝を挙げて、リーディング10位という数字はすごいですよ。
清水:ありがとうございます。
僕は初勝利を挙げるまで4か月もかかってて、やっと勝つことが出来たんですけど、その勝利で一気に流れが変わった気がするんです。
デビュー戦は5着だったんですけど、特に緊張することもなく乗れました。ただ、それから本当に勝てなくて...。同期はどんどん勝っていくし、かなり焦りましたよ。
赤見:初勝利までの4か月はどんな想いでした?
清水:もうダメだと思いました(苦笑)。
人気になる馬には1,2回乗せてもらったんですけどそれもダメで、もう本当に勝てる気がしなかったです。
でもせっかく騎手になったんだし、ここで辞めるのはもったいないから、1勝するまでは頑張ろうと思って。
赤見:では、初勝利は格別だったんじゃないですか?
清水:本当にめちゃくちゃ嬉しかったですよ。
人気薄の馬だったんですけど、僕自身期待はしていました。最後グングン伸びたんで、「うわ~差してるよ」って思いながら追ってて。最後は鮫島さんと接戦になったんですけど、けっこう厳しいコース取りで来たんで、「もう~勝たせてくれよ~」って念じながら追ってましたね(笑)。
赤見:鮫島騎手との接戦を制しての初勝利。大きな自信になったんじゃないですか?
清水:本当にあそこから変わりましたね。あの時負けてたら、僕は終わってたと思いますよ。いや本当に。あの頃は厩舎の馬も少なかったし、チャンスのある馬にもまだ巡り会ってなかったんで。
あの1勝で流れが変わって、乗れば勝てるっていう時期に入りました。
赤見:乗れば勝てる?!
清水:まぁそれは言い過ぎですけど、そのくらいの気持ちで乗ってました。
今はまた暗黒期です(苦笑)。 もう一回あの波に乗れるように、試行錯誤中なんですよ。 佐賀はとにかく先行有利なんで、前行けるように意識して乗ってます。
赤見:では、プライベートなこともお聞きしたいんですけど、センターにいた頃は、グラビア大好きって言ってましたよね?
清水:いや(照)、それは多分隔離されて自由がなかったからですよ!今は全く興味ないですもん。
確かに、前はとにかくグラビアグラビアって言ってましたね(笑)。
赤見:最近興味あることはなんですか?
清水:そうですねぇ、特に趣味ってわけじゃないですけど、よくカラオケに行ってます。
ロードオブメジャーとか、盛り上がる系をノリノリで歌うのが好きで、たまにしっとりバラードも歌います。
赤見:どなたと行くんですか?
清水:佐賀の若手ジョッキーたちですね。川島拓くんや、田中直人さんとか。
赤見:みんな仲いいんですね。それでは、佐賀競馬のPRをお願いします!
清水:荒尾の廃止が決まって、動揺もあるけど、佐賀も他人事じゃないんで、僕に出来ることを精一杯頑張りたいです。
もしかしたら、荒尾の関係者も何人か佐賀に来るかもしれないし、新しい流れになると思うので、その中で自分らしさを忘れず進んでいきます。
佐賀は超先行有利で、先行争いが激しいのが見どころのひとつ。ぜひ競馬場へ遊びに来て、生でレースを見て下さい!よろしくお願いします!!
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※インタビュー / 赤見千尋