NARグランプリ2021優秀新人騎手賞を受賞した飛田愛斗騎手(佐賀)。2020年10月にデビューし、地方競馬史上最速で通算100勝を挙げると、昨年のヤングジョッキーズシリーズ(YJS)ではファイナルラウンドに進出して総合優勝を果たすなど、勢いは止まりません。
NARグランプリ優秀新人騎手賞、おめでとうございます!
ありがとうございます。受賞できて嬉しいです。佐賀競馬の馬主さんと調教師のみなさんに可愛がってもらって、レースに乗せていただいたおかげです。
2021年6月27日には史上最速となるデビューから268日で地方通算100勝を挙げたほか、同年のYJSでは総合優勝を果たしました。
地方通算100勝は全く意識していなかったんですけど、あとわずかになるにつれ、いろんな人から「あと少しだね」と言われ、そこから意識しはじめました。YJSはトライアルラウンドが(地方)西日本2位だったので、ファイナルラウンドでは優勝したい気持ちが強かったです。1日目に大井競馬場で乗って、普段レースをしている佐賀競馬場とは違った長い直線を経験できたので、2日目のJRA中山競馬場では緊張することなく乗れました。
YJSファイナルラウンド大井第2戦で勝利
地方競馬教養センターには乗馬がほとんど未経験で入所し、ここまでの活躍はすごいですね。何かスポーツなどをしていたんですか?
テコンドーを習っていて、全国大会に出場しました。中学生の時に父と佐賀競馬場に来たことや、叔父さんが経営する居酒屋に佐賀競馬の関係者がよく来ていたことなどがきっかけで騎手になりました。地方競馬教養センターに入る前に1週間だけ厩舎に通って、そこで初めて乗ったゴールドパールという馬がいるのですが、先日のレースで引退しました。すごく大人しい馬だったことを覚えています。
昨年9月のサマーチャンピオンJpnIIIでは急遽の乗り替わりでイメル(JRA)の鞍上に抜擢されました。
いい馬で、あとワンパンチを僕が出せたらよかったのですが。頑張って、いずれダートグレード競走を勝ちます!
今年3月には早くも地方通算200勝を達成しましたが、勝てば勝つほど自身に足りないものも見えてくるのではないですか?
そうですね、メンタルがとても大事だと感じています。競馬は勝つ時もあれば負ける時もあって、「今日はダメだな」と落ち込んでいる時はどんなに強い馬に乗っても勝てません。焦っていないと思っていても、体が勝手に早く仕掛けたりしてしまうんですよね。逆に、「今日はいいな」という流れの時は「この馬で勝てた!」という時もあります。なので、人気馬で負けても、いかに切り替えて次のレースに乗るかが大切だなと感じています。
そういったメンタルコントロールはトップジョッキーになるほど上手でしょうね。一緒に乗ってみたいジョッキーはいますか?
大井競馬の矢野貴之騎手です。ソツなく乗られていて、めっちゃ上手だなと思っています。地元の(山口)勲さんや吉原寛人騎手(金沢)、笹川翼騎手(大井)、(石川)倭さん(北海道)もお手本にしています。トップジョッキーには何かしら魅力があるからこそトップになっていて、僕には足りないものがあるんだと思います。先日、佐賀競馬場では地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップがあって、同日の佐賀皐月賞に岡部誠騎手や吉原寛人騎手、倭さんも乗っていて、ワクワクしました。
佐賀皐月賞をザビッグレディーで勝利
あのレースはジョッキーもいつもより豪華でしたね。そんな中、ザビッグレディーに乗ってしっかり勝ちましたね。
ゲートを上手く切ってくれて、いい位置が取れてよかったです。4コーナーでは逃げたブルーデイジーも粘っていましたが、ザビッグレディーも内にささりながら何とか頑張ってくれました。
いまの目標は何ですか?
勝てるレースをしっかり勝っていきたいです。それと、他場へ期間限定騎乗で行って、自分の足りない部分を感じたいと思っています。
最後に、オッズパーク会員のみなさんへメッセージをお願いします。
いつも応援してくださり、ありがとうございます。こんな僕ですけど精一杯頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー・写真 / 大恵陽子