10月2日に佐賀競馬場でデビューした加茂飛翔騎手。2戦目で初勝利を挙げ、初日は3戦すべて馬券圏内というインパクトあるデビューを果たしました。
まずは騎手デビューおめでとうございます。実際にレースに乗ってみていかがでしたか?
やっとこの舞台に立てると思って嬉しかったです。ただ僕たち102期生は2人しかいなかったので、他頭数のレース形式の訓練をしたことがなくて。レースに乗ってみて、周りとの距離感が難しかったです。他の人と比べて間隔が開いてしまったり、自分が考えている通りには乗れませんでした。
とはいえデビュー初日の10月2日は、第6レースから第8レースまで3鞍に騎乗し、3着、1着、2着とすべて馬券に絡む大活躍でしたね。
ありがとうございます。いい馬たちに乗せていただいて、関係者の方々や頑張ってくれた馬たちに感謝しています。デビュー戦はスタートで僕がちょっと出遅れてしまって、後方からだったんですけど、道中の折り合いが難しいと言われている馬で、馬の走りたいリズムで走らせて、馬の邪魔をしないように走ることを意識しました。4コーナーですごく手ごたえが良くて、3キロ減だし、外に出すよりも内がいいかなと思って内へ行ったらグイグイと伸びてくれて、自分でも気持ちが良かったです。
デビュー2戦目での初勝利
続く第7レースで、デビュー2戦目にして見事な初勝利でした。
ゲート裏で厩務員さんに「この馬今1番人気だから」と言われて、それまで1番人気って気づいていなかったんです。そこでさらにやる気が出て、「よっしゃー!やるぞ」って。あまり前に行くタイプの馬ではないので、じっくり溜めて4コーナーから仕掛けて行こうと思っていたのですが、手ごたえが良くて、4コーナーで並ぶつもりが先頭に立ってしまいました。あとはもう馬が自分で伸びてくれたという感じでしたね。直線では「勝った!」と思ったんですけど、周りに馬がいなくなるとちょっと不安になってしまって、ゴール直後は勝ったという実感が沸かなかったです。
デビュー日はご家族が応援に来ていたんですか?
はい。地元の競馬場ですし、家族だけじゃなくて親戚や友達、知っている人たちがほとんど来てくれたんじゃないかと。その人たちの前で勝てて、すごく嬉しかったです。ただ3戦目の第8レースは上手く乗れず2着に負けてしまって悔しかったです。
具体的に振り返っていただけますか?
逃げたいと思っていてハナを切ることが出来たんですけど、道中で並ばれないようにすることを意識していたんです。向正面で来られた時に脚を使い過ぎてしまって、最後差されてしまいました。もう少しやり方を考えれば勝てたレースだったと思います。デビュー日の3戦が終わって、自分自身ではそれほど緊張していないと思っていたんですけど、冷静に振り返ってみると、最初の第6レースではパドックで騎乗する時に自分が乗る馬を見失ってしまって、キョロキョロしていたら他の方が「あっちだよ」と教えてくれました。第7レースは勝ったんですけど、その時のパドックでも自分の馬と反対方向に行ってしまって、ファンの方から「逆だ~」って教えてもらって(苦笑)。第8レースはとにかく逃げるということしか考えていなくて、ヘルメットに付けているゴーグルをレース中つけ忘れてしまったんです。でも逃げられたのでゴーグルをしていなくても気づかなくて、レースが終わってから先輩騎手に指摘されました。
ご自身が感じていた以上に緊張もあったんですね。
そうみたいです。頭の中はクリアかと思ったけれど、真っ白だったのかもしれません。でもその中で一つ勝てたというのは大きいですし、自信になりました。
デビュー3週目(10月18日現在)ですでに4勝と、順調なスタートですね。
周りの方々のお陰です。この短期間でいろいろな経験をさせていただいて、自分自身の課題も見えて来ました。今意識しているのはまずゲート。前回の開催では上手く行っていなかったので、馬を出すタイミングや、他の馬が暴れた時に惑わされないようにしたいです。あとはコーナーを回る時に遠心力で外に膨れように、追い込みでもっと腰を入れて追う、改善したいことはたくさんあります。大島静夫先生は普段優しいですけど勝負には厳しくて、「2着3着じゃ意味がない、勝たないと意味がない」と叱られます。一生懸命努力して、周りの方々に信頼していただける騎手になりたいです。
初騎乗
1年先輩の飛田愛斗騎手は意識しますか?
はい!1年で127勝という偉大な記録を作りましたので、飛田先輩を抜くことが出来れば僕がナンバー1の記録になりますから、そこを目指して頑張ります。
では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
これからたくさん乗鞍を増やし、早く100勝して飛田先輩の記録を抜けるよう頑張ります。よろしくお願いします。
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※インタビュー / 赤見千尋(写真:佐賀県競馬組合)