鈴木祐騎手は2016年デビューで今年5シーズン目に入った。3歳クラシック路線ではグランコージーの、古馬戦線ではランガディアの手綱をとってビッグタイトルを次々と手にしている。デビューから5シーズン目前後の若手騎手がみちのく大賞典を制したのは30年ぶりくらいの快挙でもあった。今回はそのパートナーたちの話を中心にうかがった。
ではまずグランコージーの話から聞かせてください。鈴木祐騎手がずっと手綱を取っているということで(南関東所属時を除く)最初からお話を聞きたいんですが、2歳時の頃のグランコージーはどんな印象の馬でしたか。
デビューする頃はまだ体ができていなかったですし、走る"気"をあまり感じさせない馬だという印象でしたね。
自分も見ていましたが、デビュー戦は逃げ切って勝ったんだけども、2歳馬っぽい、気持ちで一気に逃げ切る感じではなくて、なんというか淡々と走りきって勝った様な印象でした。
ふわっとした感じの走りでしたね。正直その頃は、ひとまずデビュー戦に向けて仕上げていこうという調整。最初のレースは、差のないメンバーになったから"まずは良い競馬が出来たらいい"と思った記憶があります。
グランコージーのデビュー戦は6馬身差の圧勝(2019年6月2日)
それが新馬勝ちして2歳の重賞も勝ってどんどん力をつけて、今や周りからもあの馬は強いなぁと言われるくらいになりました。そんなグランコージーが去年と今年、2歳時と3歳時でどんなところが成長したと感じますか?
やはり馬体ですね。身体がすごく大きくなっていましたね、去年と比べて。南関東に行って帰ってきてから見たらいい身体つきになったなと感心しました。身体がひと回り大きくなって、がっしりして帰ってきました。
自分も去年の写真と見比べてずいぶん変わったなと思いました。肉付きが良くなったし幅も増した。南関東に行った効果はありましたね。
そうですね。南関東で揉まれてきた事で終いの粘りも一段と良くなってると感じました。
ダイヤモンドカップ優勝(2020年5月3日)
さて、東北優駿から2日経ちましたが、振り返って、"あの時はこうしたら、こう乗ったら......"みたいなのが浮かんでくるんじゃない?
そうですね......。今回のレースはマークが厳しかったですね。控える競馬も試してみるべきだったのかな......と自分では思っています。
東北優駿の1周目(グランコージーは8番)。息の抜けない流れになって4着に終わった
と言うと、他の馬に行かせてしまって、いっそ3番手ぐらいになってもいいか、みたいな?
なんなら砂をかぶるくらいの位置でも良かったかなって。南関東ではそういう競馬をしていますし(クラウンカップは後方から追い込んで6着)。レース前半の速めのペースからそのまま全体に息が抜けない流れになってしまって、向正面で少し息を入れようとしたら、すぐ後ろにもうピアノマンが来ていたじゃないですか。それで余計に息が入らなくなって。結果論ですけれど、周りから目標にされていることをもっと考慮すればよかったと。
他の馬の思惑もあるからなかなか思い通りにならないですよね。その、向正面あたり、もう少しだけ楽ができたら、息が入ったら、展開や結果も変わっていたんじゃないのかなと思ったりもしました。
なので最初から"差す競馬のイメージ"で乗っていた方が良かったのかもしれないですね。
その辺、他の馬の動きの捌き方も含めて、これからの、秋の課題になっていくのかな。
今年岩手1戦目(ダイヤモンドカップ)を大差(9馬身差)で勝ったことで東北優駿では余計に厳しくマークされたとも思います。そういうのをできるだけ受け流すというか、やり過ごすような戦いをしていきたいですね。
距離も、実は2000メートルはもしかしたらグランコージーにはちょっと長いのかもしれないけども、3歳馬同士だったらあまり気にならないのかなと思うんだけど。東北優駿だって最後はたしかに止まったけど、厳しい展開ながらよく踏ん張っていた。むしろグランコージーの地力を感じさせてくれたレースだったのでは。
1600メートルまでの経験しかなかったので不安は確かにあったんですけども、それは他の馬も同じですし、グランコージーは十分やってくれると思っていたので距離はあまり気にしていなかったです。先行した馬の中では最後まで頑張ってくれていましたし、力がある馬なのは間違いないと改めて思いました。
次の三冠目が同じ盛岡2000メートルの不来方賞。秋は頑張ってください。
はい。がんばります。
次にランガディアのお話を聞かせてほしいと思います。ランガディア、どういう強さを持った馬なのでしょう?
そうですね、どこからでも競馬できるし折り合いも付きやすい。乗りやすくてレースもしやすい、本当に良い馬だと思いますね。JRA時代は芝ばかり走っていた馬ですから砂を被った時にどうなのかな?と思っていたのすが、砂を被っても嫌がらなかった。ダートも全く問題ない馬ですね。
地方競馬の深い砂がどうなのかなと思ったんだけども、むしろ合うぐらいな感じ?
パワータイプの走りをするので地方の砂もちょうど良いくらいかなと思います。
あの馬で重賞を2つ勝ったんですけど(インタビュー時はみちのく大賞典の前)、そのおかげと言うか、今シーズンは鈴木祐騎手もいい感じでスタートできたんじゃないですか?
ランガディアといいグランコージーといい凄く走る馬ばかり乗せてもらって、自分の経験にもなります。それがこれから良い方向になって行ってくれれば良いですね。
やっぱりああいう"強い馬に乗って強いライバルと戦う"というのは乗っている騎手にとってもいい経験になるんじゃないのかなと思うけれど?
凄く良い経験になっていると思います。自分にとっても馬にとってもですね。本当に恵まれているなと。
ランガディアはレースぶりも良いものね。シアンモア記念の激闘なんか見事でした。
ファンの皆さんにも楽しんでいただけたレースになったんじゃないのかなと僕も思っています。
シアンモア記念ではエンパイアペガサス(右)との激闘を制した(2020年5月10日)
ああいうレースは、乗ってる方はやっぱり神経が擦り減る感じ?
もう本当にひやひやですよ。心臓がバクバクです(苦笑)。
それは強い馬を勝たせなきゃいけないっていうことで?
本命馬、人気の馬に乗っているというプレッシャーはありますね。絶対に失敗はできないという気持ちで乗っていますから。
シアンモア記念では返し馬で"赤松杯の時よりも元気がないのかな"と感じて、レース中も若干手応えが薄いかなっていう所があったのですが、自分の指示にしっかり反応してくれたし最後まで頑張ってくれた。すごく一生懸命走る馬。力がある馬なんだと改めて思いました。
今後距離が延びたり、あるいは短くなったり、はたまた芝になったりという可能性もあると思いますが、どういう走りができる馬だと思いますか?
あまり短い距離だと流れに乗り切れなくて厳しい競馬になるかもしれません。終いの脚を使ってくれる馬なのでマイルより短くなると持ち味が活きないかもしれないですね。長くなるのは問題ないと思います。良い競馬ができるんじゃないのかな。芝の実績もある馬なのでこれからどう変わっていくか自分も楽しみにしています。
一條記念みちのく大賞典も制しランガディアで重賞3連勝達成
さて話を変えて。鈴木祐騎手がデビューして今年で5シーズン目。もう新人・若手というよりは中堅という感じにもなってきたんだけども、最近の自分に"何か変わった感"のようなものはありますか?
ちょっとスランプ気味と言うか。今ちょっと壁にぶち当たってるような感覚ですね。それは勝ち星的にも、乗り方的にもですかね。どうやればもっと勝てるんだろう......って考えすぎちゃって、迷っている段階ですね......。
随分正直に言うね
いやそれだけ本気でそう思っているんですよ。
見ている分にはよく頑張ってると思っているんだけども。
まあ騎手にゴールはないですからね。常に研究ですから。チャンスがあれば他地区で乗ってみるとかそういう経験を積むのも有りかなと思っています。
一條記念みちのく大賞典は久しぶりに若手騎手の制覇になった
では最後に、ファンの皆さんに一言。
まだしばらくは無観客ですが、自分も頑張りますので応援してください。
あ、もうひとつだけ。ヤングジョッキーズシリーズは、やっぱり若い騎手にはあったほうがいいと思う?本戦まで進んだ先輩として(インタビュー時、今年のYJSの開催は未発表)。
それはあった方が良いと思いますね。かなりいい経験になると思います。ヤングジョッキーズシリーズに出るのはいろいろな経験ができて自分の経験値になってくれると思います。少々日程が厳しくなっても是非やってほしいと思いますね。
今年の鈴木祐騎手はシーズンの1/3を終えた時点で騎手リーディング8位前後に留まっており、その辺が「スランプ気味」と本人が言うことにもなっているのだろう。
とはいえシーズン前半の3歳戦線・古馬戦線のいずれもで有力馬とコンビを組み、大きなタイトルを次々獲得してきたその活躍ぶりは非常に印象深いのも確かでやはり"華"のある騎手だと改めて感じさせてくれた。今年が飛躍の一年になることを楽しみにしたい。
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※インタビュー・写真 / 横川典視
デビュー2年目の昨年(2017年)、NARグランプリ・優秀新人騎手賞や、日本プロスポーツ大賞・新人賞を受賞した鈴木祐騎手。また昨年から始まったヤングジョッキーズシリーズではファイナルラウンドにも出場。その活躍を振り返るとともに、今後についても語ってもらった。
昨年の12月くらいからこの3月くらいまで、いろいろな事があって本当に忙しい数ヶ月だったと思います。そんな時期を改めて振り返ってみて、どうでしたか。
すごく忙しかったけれど充実した感じでした。いろいろな経験をさせていただいて良かったです。
"大変だった"のが先に立つかと思っていたけど、充実していたと言えるんだ?
名誉な賞をいただきましたしね。大変でもありましたけど、嬉しいとかありがたいとか、そういう気持ちの方が大きいですね。
ではその賞の話に行きましょう。NARグランプリの新人賞。前年がね、同期のライバル加藤聡一騎手(愛知)で、その彼に続いての受賞となりました。
正直言って"悔しい"と思いますね、同期に先に獲られたのは。むしろこれから先は負けずに頑張らないとっていう気持ちになりました。
NARグランプリ授賞式・共同インタビュー
こうやっていろいろな賞を貰って、たくさん取材を受けたりメディアに出たりという事も多かったわけですが、今の自分が注目されてきているなっていう意識はありますか?
んー、自分自身これまでそれほど注目されてきたと思っていなかったから、変化があったとはあまり感じないですね。ホントに自分はまだ何もできてないなと思う事の方が多くて。むしろ自分はまだまだと感じています。
そうか。自分でそう言うなら敢えて聞いてみるけど、こうやって露出が増えた分、周りのハードル、評価や比較の基準が上がっている面はあるよね。
やっぱり賞をもらうような人は素晴らしい技術を持っているだけでなく人間もできているんですよ。それに比べたら自分はまだまだだなって思いますし、頑張らなきゃなとも思います。
じゃあ賞を貰った事で、逆に自分ももっとレベルアップしていかないとと感じた、と。
そうですね。逆に今までの自分を見つめ直しました、自分がやってきた事とか今の自分のレベルとかを改めて考えましたね。
ここまでいくつも賞を貰ってきたわけですが、どれが一番嬉しい受賞だった?
どれも嬉しい賞なのですが、どれかひとつとするとプロスポーツ大賞(日本プロスポーツ大賞新人賞)かな。プロという枠でいろいろな競技の選手がいるじゃないですか。その中で"騎手代表"のような形で選ばれたのはやっぱりすごく嬉しいですよね。
日本プロスポーツ大賞表彰式
じゃあレースの方で。ヤングジョッキーズシリーズや高知の新人王と各地で騎乗する機会がありました。その中で一番印象に残っているものを挙げてもらうとすると?
一番となるとヤングジョッキー、中山競馬場で乗った事でしょうか。夢の競馬場っていうか、中山競馬場で競馬を見た事で騎手になろうと思った所ですからね。もう、その時の光景が頭に焼き付いて離れないです(笑)
小さい頃からの思い出の競馬場で乗れたのは、やっぱり感じるものがあった?
もういろいろ印象的でした。お客さんが多いなとかコースが広くてコーナーも広々してるなとか。緊張はしなかったですが驚く事がたくさんありました。
YJSファイナルラウンド中山第1戦(4着)
じゃあまた乗りに行きたい?
もちろんです。
次は勝ちたい?
もちろんです!
さて、そんな表彰ずくめの1年を終えて間もなく新しいシーズンがスタートします。これからの1年はどんな"鈴木祐"を目指しますか?。
今年の鈴木祐ですか......。そうですね、もっと上手くなりたいですね。今年は自分では勝負の年だと思っているので、もっともっとレベルアップしたいです。技術的にも人間的にも。
それは例えば具体的な数字で何勝とかじゃなくて、技術とかを向上させていきたい......っていう?
勝つ事はもちろん大事だと思うのですが、馬に乗る能力、技術というものが無いとこの先やっていけないでしょうから、そういう部分を身につけられる年にしたいなと。
では、今年ね、またヤングジョッキーのファイナルに行けたとしたら、どんなレースを見せたいですか。
それはもちろん勝ちたいです。勝つだけじゃなくて見ている人に"かっこいい!"と感じてもらえるようなレースを見せたいです。
もうひとつ。同期とか同世代の騎手たちと戦ってきて、新シーズン、そのライバルたちに挑戦状を叩きつけるとしたら。っていうか叩きつけて。
今年は恥ずかしい競馬をしない。ヤングの中で一番上手いんじゃないかって思わせる騎乗をしたいです。
最後にずいぶん大きく出たね!
もちろんです!夢は大きく!
YJSファイナルラウンド中山(左から4人目)
いつも通りというか、大きく話が膨らんで終わった鈴木祐騎手へのインタビューだったが、勝ちたい、若手の中で一番上手くなりたいと何度も口にしたのはやはり、各地を転戦した記憶がそう言わせたようだ。
「JRAの騎手はみんな綺麗に乗りますし、地方の騎手だって凄く上手くなっていました。このままじゃ置いていかれると感じました」とも言っていた鈴木祐騎手。同じ世代の騎手達と戦った事が自分を見つめ直すきっかけにもなったのだろう。来年の今頃はどんな結果を残しどんな事を言っているのか?期待しよう。
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※インタビュー・写真 / 横川典視
この春デビューした2名の新人騎手、その一人が鈴木祐騎手だ。鈴木騎手は初騎乗・初勝利という華々しいデビューを飾っただけでなく、デビューから8月までで19勝と順調に勝ち星を増やしている。そんな注目を集める新人は、どのようにして騎手を目指すに至ったかをたずねてみた。
さて、新人騎手へのインタビューという事なので、"なぜ騎手を目指そうと思ったか"ということから聞きたいのですが、木村直輝騎手がそうだったけれど、鈴木騎手も競馬とは関係がない家庭から騎手を目指したんですよね。
そうなんです。全く関係が無くて、競馬ファンもいなかったですね。それが急に親が言いだしたんです。"騎手になったらどう?"って。自分は身長が低い。動物が好き。それが当てはまる職業は騎手だ、騎手になってみないか、と。
理屈は分からないでもないけど、ずいぶん唐突だよね。
自分もそうでしたよ。馬に関わりがなかったし、生まれが茨城の山の方だったから競馬も知らなかったですし。乗馬クラブに通い始めたのですが、"乗馬をするクラブなんていうものが存在するんだ"とその時初めて知ったくらいでした。それが、乗馬クラブで初めて馬に跨った時に"うわ!"って自分の中で。なんて言うんですかね、"これは楽しい!"って感じるものがあったんです。それで自分も騎手になろう、と考えるようになりました。
それまでは何かスポーツとかやっていたの?
小学校の6年間はスイミングスクールに通っていました。
中学校では?
陸上部でしたね。
小さい頃から体を使う事が好きだったんだね。
いや、なんで陸上部に入ったかというとですね、小学校6年生の時に乗馬クラブに通い始めたんですけど、中学校では騎手になるための基礎体力を付けようと。そう思って陸上部を選んだんです。
へえ~!真面目だね。凄く真面目。
そうでしょう? 真面目だったんですよ。平日は部活、土日は乗馬クラブでみっちりでしたから。遊ぶ時間を削ってみっちり。何を考えていたんでしょうかね当時の自分(笑)。
初騎乗・初勝利(4月16日、水沢1R)
鈴木騎手は高校にも行っているんですよね。
高校は、馬術部がある高校(水戸農業高校)を選びました。騎手になる夢と並行して"馬術でもインターハイ優勝を狙う!"とか希望を抱いて。だから、馬のため、馬術のためにその高校を選んだと言っていいくらいですね(鈴木騎手のいた水戸農業高校は2012年のインターハイで準優勝)。
しかし、それくらい乗馬の経験を積んで、スポーツもやっているから体力もあって......で、教養センターに入ったら、ある程度自信があったというか、最初からいろいろ上手くこなせたんじゃない?
そういう風に自分も思っていたんですよ。最初の頃は"自分は乗れる方なんだろうな"と慢心した気持ちでいたんです。でも実際に入って1カ月、2カ月経った頃は完全に変わりました。このままじゃダメだと。もう、乗馬なんかやらないで未経験で入った方が良かったんじゃないかと思ったりしました。
それは乗馬のクセがついていたから、とか?
そういう部分もありましたね。毎日同じ所を注意されるんですよ。手綱の持ち方とかもう嫌になるくらい。楽に乗るクセがついていたのかもしれません。それと、半端に体力とか腕力があったから馬を力で操作してしまって、馬の気分は無視......とか。
そんな教養センターでは、どんな生徒でしたか。
一言で言えば"悪い生徒"でしたね。入った頃はさっき話したような事で、その後も続くような気がしなくて、何かやって見つかったら辞めればいいや、くらいに思っていて。センターの生活が辛かったんでしょうね。
でも木村直輝騎手に聞いた話では、センターでは鈴木祐騎手は優等生だったって。
その頃はもう改心していたんですよ。最初の頃は相当やんちゃしました。
櫻田康二厩舎を選んだ理由はなんでしたか?
教養センターの教官に教えてもらって勧められたからです。実は岩手に行ったことは一度もなかったですし、岩手で競馬をやっている事もあまりよく分かってないくらいで。最初に来た時は何も分からないから不安だらけでした。
デビューしてここまで、自分ではどう感じていますか? 初騎乗・初勝利とか派手なデビュー戦も飾ったけれど。
想像以上です。こんなに騎乗できると思ってなかったし、勝てるとも思っていなかったです。他ではこんなに乗せてもらえないでしょうから。岩手に来て良かった、岩手競馬で良かったなと思っています。
デビュー前の鈴木祐騎手が自ら「僕は"ビッグマウス"ですよ」と言っているのを聞いて妙に面白く感じた記憶がある。それだけ自信家なのだろうなとは思っていたが、今回こうして話を聞いて、小学生の頃から将来は騎手になると目標を決め、そのための努力をしてきたのだから、それも当然だろう、と改めて感じさせられた。
この話を聞くにあたって、櫻田康二調教師にもデビューから約4カ月経った鈴木祐騎手の事をうかがってみた。師いわく「こちらが思っていた以上にやれている部分はありますが、まだまだ足りない部分も当然ある。ここまではうまくいきすぎ......って面がありますよねやっぱり。ここから先が彼にとっての勝負の時期になっていくんじゃないか」
鈴木祐騎手のデビュー初年の目標は「50勝」だそうだが、残り4カ月ちょっと、確かにここからが"勝負の時期"になるのだろう。
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※インタビュー・写真 / 横川典視