今年のLJS、最終の荒尾ラウンドで大逆転の総合優勝を果たした岩永千明騎手。レース後には涙を見せ、感動のフィナーレを迎えました。LJSを中心に、これまでを振り返っていただきます!
赤見:まずは、LJS総合優勝おめでとうございます!
岩永:ありがとうございます。まさか荒尾ラウンドで2連勝して、優勝出来るとは思ってなかったので...。勝った時は本当に嬉しかったです!
赤見:第5戦の『アフロディテ賞』では、圧倒的な1番人気馬に騎乗。プレッシャーもあったのでは?
岩永:前夜祭の時にも話しましたけど、かなり緊張してました。シリーズになってから、なかなか思うような結果が出せなかったし、せっかく地元のファンが応援してくれているのに、悔しい結果が続いていたので。
でも本当に馬が強かったですね。逃げて道中の手応えも良かったし、最後まで追ってたんですけど、8馬身も離していたとは思わなかったです(苦笑)。
赤見:そして第6戦では、一転後方から豪快な追い込みでした。
岩永:もともと後ろから行く馬なんですけど、前が気持ちよく行っていたので、このままではまずいと思って早めに上がって行きました。
最後は平山真希騎手(2着)と、2人でワーワー言いながら追ってました(笑)。
赤見:2連勝、気持ちよかったんじゃないですか?
岩永:はい!本当に気持ちよかったですね。2連勝して馬から下りた時には、思わず泣いてしまいました。
でも、その時は優勝してるって気づかなくて(笑)。一通り泣いた後、インタビューの時に記者さんに言われて気づきました。そんな所が、私だな~って(笑)。
赤見:あの涙は優勝の涙ではなかったんですね(笑)。
岩永:とにかく地元で結果を出せたことが嬉しかったんです。最後の直線では、ファンの皆さんの声援がすごく聞こえました。「ちあきー」とか、「行けー」とか。その声が本当に力になりました。
ファンの皆さんにはいつも応援していただいて、本当に感謝してます。
赤見:今回大逆転での総合優勝となりましたが、この嬉しさをどなたに1番伝えたいですか?
岩永:所属調教師の幣旗吉治調教師ですね。厳しい先生ですが、未熟な私をレースに乗せ続けてくれました。馬主さんに頭を下げて、頼んでくれるんです。
やっぱり、レースに乗らないと上手くならないですから。先生のおかげでたくさん乗せてもらって、感謝の気持ちでいっぱいです。
赤見:荒尾は毎年LJSが開催されるので、他場よりも盛り上がりが大きいように思います。地元で開催されるということでプレッシャーもあると思いますが、岩永騎手にとって、LJSはどんな存在ですか?
岩永:シリーズになる前の、荒尾のみで行っていた女性騎手招待の頃に2連覇して、かなりいい思いをさせてもらいました。
あの頃は、デビューしたばっかりで何もわからないうちに勝たせてもらった感じでしたね。今より全然未熟だったし、ただ乗ってるだけでした。
それからシリーズになって、色々な競馬場で乗せてもらえるようになって。女性騎手たちに会えるのも楽しみだし、先輩たちの話が聞けるのも勉強になります。すごく刺激になるレースですね。
赤見:もともと、騎手を目指したきっかけは何ですか?
岩永:私は西原玲奈さんにすごく憧れていたんです。乗馬クラブの先輩だったので、玲奈さんが騎乗する時に競馬場に応援に行って、それで自分もなりたいって思ったんです。
赤見:実際に競馬サークルに入ってどうでした?
岩永:騎手学校では同期が女子1人だったんですけど、半年後に1期後輩で皆川さんが入って来てくれたので、とても心強かったですね。淋しくなかったです。
赤見:幣旗吉治厩舎所属になった経緯は?
岩永:乗馬クラブの先生が、幣旗先生と知り合いだったんです。「騎手になりたいです!」って言ったら、すぐに「いいよ」と言って引き受けてくれました。
幣旗吉治厩舎に入れたということが、すごく大きかったと思います。勝負に対しては厳しいけど、普段は優しいですし。
赤見:それでは、今後の目標を教えて下さい!
岩永:今164勝(12/20現在)なんで、早く200勝したいです!
荒尾は騎手とファンとの距離がすごく近くて、パドックやスタンドからの声援もよく聞こえるんです。野次もあるけど(笑)、ファンの方の声援が、本当に力になりますね!
これからも1つ1つのレースを一生懸命頑張って、1つでも多く勝てるように頑張ります。
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※インタビュー / 赤見千尋