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2023年度(2023年4月-3月)は135勝でばんえいリーディング2位となり、2024年度(2024年4月~)も2位につけている西将太騎手。1月2日の帯広記念ではコウテイを重賞初制覇に導いた。2016年度からコンスタントに年間100勝以上挙げ、活躍を続ける。
帯広記念の勝利、おめでとうございます。
ほっとしました。いつもあと一歩足りなかったから、1着でゴールできてよかった。馬のペースを心がけてレースを進めました。障害は上がってくれる馬だから心配はなかった。それからは、ここまで来たから『頑張ってくれ』と。思ったより馬場が軽かったからなのか、900キロという(高重量の)走りをしていない。調子も良かったんだろうし。性格は、一生懸命、障害上手。のんびりしているかな。パドックで口をパクパクするところ?気をもんでいるんだと思う。勝ったとき?『またインタビューか』って(笑)
メムロボブサップとはハンディ差もありました。思い通りの展開でしたか。
何も考えていなかったです。いろいろなことを考えるより、コウテイと自分。どのレースも周りは意識していません。自分と、乗っている馬の会話だけでレースをしている。それによって、満足いくレースをしたいと考えています。
帯広記念でコウテイを重賞初制覇に導く
いつもにも増して今年度は勢いがありますね。騎乗数も今年度トップです(1月20日現在)。
いままでよりは、自分が落ち着いているな、と思います。力を抜いてレースに向かっている。今季は春から「今年は力まない!」って決めました。頑張って負けたら悔しいから、力まずに行こうと。自分の中では、毎年の目標として『去年より勝ちたい』という思いがあります。騎乗数については、気づいたら増えていて、恵まれています。
体格ががっしりしているのは、ばんえいでは有利だと思います。
レースでは、力でしっかり押さえることはできると思います。追う時に、体を低くしているのは無意識ですね。体重制限については、レースが近くなったら野菜を多めにしています。
あらためて、大事にしていることは。
馬がいつ止まりたいか、というタイミング。その時によって違うから。馬のリズムを崩さないようにしています。「馬の感じ」でレースを進めることです。
手綱一本で、馬の気持ちをくみ取ることって、すごく難しいと思います。どのようにしているのですか。
うーん......。スタートから道中走っていたら、止まりたがるタイミングがある。だらけて見えるな、というときは気合いは入れます。ハミもあるけど......、手綱から伝わってくる。3メートル先だけど、馬とつながっているのは手綱しかないから。経験で、伝わってくるものがあるんです。
騎手ではないとわからない感覚なのですね。
父(西康幸調教師)に教えてもらったことは大きいです。今になって、馬の扱い方や騎乗について、言っていたことが理解できるようになりました。ここ、2、3年くらいかな。入院しながらも、毎回レースを見ていてくれました。生きていたら(2020年11月逝去)、だめなところをああすれ、こうすれ、と言われていると思う。
意気込みを聞かせてください。
頑張れるだけ頑張るしかないなー。このレースというのはない。勝たせたい、というよりはリズムを大事にしたい。乗っているのは楽しいよ。
休みはどうしていますか?
最近忙しいからな。釣りのシーズンも終わったし、体を休めています。乗馬もしたいんだけど。午前4時半には起きて、ズリ引きを中心に行っています。
騎乗が多いですもんね。新人騎手も頑張っています。中原騎手が尊敬していると聞きました。
頑張っているな~、とは見ています。厩舎が隣で仲良くなりました。身近な存在で、仲がいいんです。釣りにも行きますし、気が合う。レースのことは聞かれたら教えるけど、俺のこと目標にするなと言ってます(笑)
いつでも一生懸命な、西騎手の姿勢が伝わっているのでしょうね。さて、コウテイはばんえい記念に向かいます。オッズパーク会員に一言お願いします。
これからも高重量で力を発揮してくれると思う。ばんえい記念もチャンスはある。ハンデないからね。調子いいから楽しみだ。
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※インタビュー / 小久保友香、写真/ 小久保友香、小久保巌義
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