7年半ぶりに再開された姫路競馬場。1月15日から4週にわたる開催中、1月30日には重賞・白鷺賞が15年ぶりに行われました。勝ったのは昨年、兵庫県競馬の年度代表馬にも選ばれたタガノゴールド。「脚の使いどころが難しい」という姫路の馬場と合わせて、手綱を取った下原理騎手にお話を伺いました。
15年ぶりに実施された白鷺賞を制したのはタガノゴールド(写真:兵庫県競馬組合)
白鷺賞、優勝おめでとうございます!
ありがとうございます。僕の重賞初制覇もこのレース(1999年ユウターヒロボーイ)だったので嬉しいです。
タガノゴールドは末脚が鋭いイメージがありますが、人気を分け合ったエイシンニシパより前の2番手でレースを運びました。ちょうど枠が隣でしたが、意識していましたか?
それはもう、ライバルなんで。レース前はニシパの後ろからの競馬だろうなと思っていたんですけど、想像以上にスタートが決まったので思い切って行きました。できるだけ好位につけたいなとは思っていましたけど、まさかの先行でした。
3~4コーナーで内からエイシンニシパが進出してくると、それに応えるようにタガノゴールドも仕掛け、直線半ばで叩き合いを制して勝利しました。
溜めると弾ける馬なので、溜められるだけ溜めようと思っていました。瞬発力があるので、ニシパが行くまで辛抱しました。
白鷺賞を制して重賞7勝目としたタガノゴールド(写真:兵庫県競馬組合)
タガノゴールドは約1年半前に兵庫に移籍し、これで重賞7勝目。新子雅司調教師からは「広いコースで走らせたい」というお話も出ました。
JRAで5勝している馬ですから、どのコースでも走りそうですね。広いコースとなると、ポジションをあまり取りに行ったらいけないでしょうから、あとは相手とペースじゃないでしょうか。自分のペースに合わなかったら、ちょっとダラッとしてしまうので、そこだけ僕が気をつけて乗らないといけないなと思います。
7年半ぶりに再開した姫路競馬場の馬場は以前と比べていかがですか?
以前はそんなことなかったのですが、内ラチから2頭分までが深くて、そこは伸びないですね。開幕して1週目は逃げ馬が残りませんでしたが、3週目になってだいぶ逃げ馬も残ってきました。少し馬場が軽くなってきているんだと思いますよ。今週(1月28~30日)はあんまり後ろからだと厳しそうだったので、タガノゴールドも最低でも中団にはいないといいけないなと考えていました。
姫路競馬場での理想のレースは?と聞かれると、どんな展開ですか?
「自分のペースをつくること」でしょうね。何番手でもいいので、自分のペースを崩さずに乗れると、この馬場ではひと脚を使えます。ただ、そのひと脚をどこで使うか、なんですよ。スタートでポンッと出たからといって追っつけて行くと最後に脚がなくなってしまいます。今日、僕も逃げ切り勝ちが1つありますけど、馬なりで行ってのもの。後ろからでも早仕掛けしたら止まります。道中は楽に運んで、最後に貯蓄を残すレースをしないと、ゴール前でポッと差されてしまいます。
最後に、オッズパークの会員にメッセージをお願いします。
これを読まれている頃にはもう姫路開催が終わっているかもしれませんが、引き続き園田開催もよろしくお願いします。
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 大恵陽子
2019年も大活躍だった名古屋の岡部誠騎手。今年に入ってからも絶好調で、1月16日に名古屋競馬場で行われたマイル争覇をサムライドライブで勝利。サムライドライブにとっては1年4カ月ぶりの重賞制覇となりました。
サムライドライブでマイル争覇を勝利(写真:愛知県競馬組合)
まずはサムライドライブ久しぶりの重賞制覇おめでとうございます!
ありがとうございます。本当に良かったですね。去年2月のウインター争覇から乗せていただいて、まず声を掛けていただいた時はとても嬉しかったです。3歳の春頃まではスピードで押し切るレースをしていましたが、やっぱり古馬との戦いになるとスピードだけでは勝てないですし、なかなか自分の形を作ることが出来ませんでした。気難しいところがあって、気分良く行った時と行かない時のメンタルの差があるというか。でも今回のように自分の形になると強いですよね。
秋の鞍以来1年4カ月ぶり、9度目の重賞制覇。本当にすごい馬ですね。
今回は少し間隔が開いていましたし、状態的にまだ100%という感じではない中で結果を出してくれました。もっと良くなる部分はあると思うので、厩舎関係者の皆さんと相談しながら、その辺りをどう上げて行くかがポイントですね。今後もとても楽しみです。
そして去年は岡部騎手自身、大きいレースでの活躍が目立ちました。ホッカイドウ競馬のリンノレジェンドとのコンビでは、黒潮盃(大井)、ダービーグランプリ(盛岡)、道営記念(門別)と3連勝しましたね。
黒潮盃の時に初めて乗せていただいて、返し馬でちょっと気の悪いところを見せていたんですけど、レースに行ったらまったくスムーズでした。過去のレースを見てもバテないので、そういうところを活かしていこうと考えていましたが、何というか、スピードが上がって行くという感じがしないんですよ。ギアが上がるというより、一定のスピードでずっと走っているイメージで。今まで乗ったことないタイプですね。
コンビ2戦目のダービーグランプリは5馬身差の圧勝でした。
あのレースはメンバー的にも絶対に勝たなければいけないレースで、普段僕はあまり緊張しないんですけど、珍しく緊張しました。この時もさっき言ったように一定のスピードで走っている感覚だったので、「え?こんなに離しているの?!」とびっくりしました(笑)。
ダービーグランプリを制したリンノレジェンド
そして道営記念では古馬を撃破、シーズンファイナルを飾りましたね。
このレースは挑戦者としての立場でしたが、道営記念というのは普通の重賞ではなくて、ホッカイドウ競馬に関わる皆さんが目指す大レース。そこを勝つことができて、僕自身とてもいい経験をさせていただきました。
12月19日の名古屋グランプリでは、惜敗続きだったデルマルーヴルを久しぶりの勝利に導きました。
依頼をいただいた時は嬉しかったですし、以前のレースを見ると最後はしっかりと伸びているので、その脚を活かせるポジション取りとコース取りを考えて乗りました。勝ててとても嬉しかったです。
名古屋グランプリをデルマルーヴルで制す(写真:愛知県競馬組合)
岡部騎手自身、名古屋グランプリは3勝目でした。
JRAのジョッキーたちや、(オイシン)マーフィー騎手も参戦していましたけど、僕にとっては馬場的に知り尽くしている場所ですし、とても能力の高い馬を任せていただきましたから、「これは負けられないな」と思っていました。2500メートルというのは名古屋グランプリでしか使わないですが、普段から乗せてもらっているコースですし、長い距離はいろいろなことを考えながら乗れるので面白いんですよ。長年名古屋で乗っている自分しか知りえない部分があると思っているし、癖がある馬場ではないけれど、小回りで難しい部分もありますから、そこで勝たせてもらったというのは自分にも自信になりました。
今年の目標は何でしょうか?
大きなレースも勝ちたいですし、目の前のレースを勝ちたいという気持ちが強いですね。どんなレースでも負ければ悔しいので、いろいろ研究して考えながら、もっと上手くなりたいです。
では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
全国いろいろな競馬場へ乗りに行った時にも応援していただいて、とても感謝しています。地元での騎乗はもちろん、他地区でも声を掛けてもらうというのは期待してもらっているということですから、その期待に応えられるよう頑張ります!
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 赤見千尋