今回は番外編! ジョッキーインタビューではなくトレーナーインタビューです。
昨年から始まった、オッズパーク地方競馬応援プロジェクト(オッズパークとグリーンファーム愛馬会が共同で行っている、地方競馬向け競走馬ファンド)。その第一弾としてデビューした佐賀のローカルロマンは、新馬戦こそ3着に負けたものの、その後3連勝で見事JRA認定競走を制覇しました! 管理する東眞市調教師に、ローカルロマンについてたっぷりとお聞きしました。
まずは、3連勝でのJRA認定競走制覇(8月30日佐賀8レース)おめでとうございます! 1番人気に支持されての見事な勝利でした。
ありがとうございます。認定を勝つことを最初の目標にしていたので、勝ててホッとしました。ファンの方に人気にしてもらっていたので、期待に応えられて嬉しいです。初めて控える競馬をして、前の馬を差し切る競馬ができたので、勝ち方にも満足しています。今後が余計に楽しみになりました。
具体的にレースを振り返っていただきたいんですけれども、スタートはあまりダッシュが付かずに離れた3番手からとなりました。
最後にゲートに入れる順番だったので、山口騎手とも『ちょっと嫌だな』って話していたんです。というのも、デビュー戦の時に最後入れで全然ダッシュが付かなかった経験があったので。一番最後に入れるとすぐにゲートが開くので、そのタイミングだとまだボーっとしてしまうみたいなんです。2戦目3戦目は速かったけど、今回はちょっと怪しいぞと思って山口騎手も気合を入れて出していました。それでもやっぱりダッシュがイマイチでしたね。
2番人気のラヴインアクションと、同じ東眞市厩舎のガンバルスマート(3番人気)の2頭がハイペースで引っ張る展開になりました。
ガンバルスマートの方も勝ちに行く競馬で積極的に乗ってくれました。前半は少し速いペースでしたが、ローカルロマンにとってはいい展開になりましたね。エンジンが掛かってからは長くいい脚を使ってくれたし、山口騎手は『抜け出してから遊んでいた』と言っていましたから、まだまだのびしろがあると思います。
ローカルロマンはJRA認定競走(8月30日)で5馬身差圧勝。
レース後の様子はいかがですか?
さすがに食が細くなりました。牝馬特有のテンションの上がり方をしていて、なかなかご飯を食べないんです。まぁ、今回は絶対に勝ちたいということで調教でもけっこう攻めましたし、追い切りも好タイムで動いていたので、ある程度の反動は仕方ないと考えています。今後は馬の様子を見ながらゆっくりのペースで乗り始めて、次のレースを決めるつもりです。
具体的な予定というのは?
オーナーサイドと相談になりますが、直近の大目標は10月の九州ジュニアチャンピオンです。そこが1750mなので、その前に一度距離を経験させたいなという気持ちもありますね。馬の回復次第では、1開催休ませて9月の後半の開催でもう一度認定を使うかもしれません。
JRA認定競走を勝ったということで、先々にはJRAへの遠征も視野に入りますね。
意外と芝が合いそうな走りをしていますし、父スペシャルウィークで血統的にも合いそうですよね。デビュー前から認定競走を勝って芝で使ってみたいという気持ちはありました。なので、最初はフェニックス賞(8月15日小倉)を目指したいと思っていたんです。牧場さんやオーナーサイドと相談してかなり早めに入厩させていただいたんですけど、最初の新馬戦が頭数不足で成立しなかったのが痛かったです。認定競走は新馬戦を4レース消化しないと組めないので、今年は8月の終わりになってしまって...。例年通りだったら間に合っていたんですけどね。
となると、今後遠征に行くのは難しいですか?
権利はあるので、あとは時期と場所だけですね。阪神まで行くのはこの馬には厳しいと思うんです。輸送が長くなりますし、食の細い馬ですから。そうなると選択肢は2月の小倉になりますが、その頃は地元の牝馬重賞も始まってくるので。芝に挑戦してみたい気持ちと、牝馬重賞を獲りたい気持ちと...。嬉しい悩みですけど、どちらのローテーションを選ぶのかは難しい選択です。
今後の課題というのはありますか?
今回のレースで控える競馬で勝てたことはすごく大きいです。逃げても番手でもレースができるというのは大きな強みになりました。ただ、予想よりも時計が遅かったので、肉体的にも精神的にも、もう一段階パワーアップして欲しいです。とにかく一番は、ご飯を食べてくれることですね。厩務員さんが工夫して一生懸命食べさせてくれているので、少しずつ体ができてきましたが、将来的には450キロ台(前走434キロ)になって欲しいです。性格もまだ子どもで、他の馬を怖がって怯んだり、かといって誰もいなくなると遊んでしまったり...。まだ真剣に走ったことがないので、本当にこれからの馬だと思っています。
では、ファンの方にメッセージをお願いします。
オッズパークさんの地方競馬応援プロジェクトが始まって、第一弾の馬を預けていただけると聞いた時には、本当にうちでいいのかと恐縮しました。新馬からいい馬を預けてもらえるというのはとても有難いですし、本当にやりがいを感じています。ローカルロマンは入厩当初から高い能力を感じていましたから、ここまで無事に来て、結果を出すことができてホッとしています。ファンの方の期待に応えられるよう、スタッフ一同精一杯頑張りますので、これからもローカルロマンと佐賀競馬をよろしくお願い致します。
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※インタビュー / 赤見千尋 (写真:佐賀県競馬組合)