4月5日 スプリングカップ(3歳オープン 水沢1600m)
(スプリングカップ ゴール 1着・マヨノエンゼル 写真・佐藤到)
1着 マヨノエンゼル
トキワノマツカゼが先手を取り、直後にマドルスルー、3番手外にダンストンジール。マヨノエンゼルはスタートで後手を踏んで7番手からの競馬で「一瞬、やばいかなと思った」(山本政騎手)そうだが、あわてず後方でジックリ待機。
2コーナー、外でセンリグランピーが動き、包まれないように徐々に先陣に接近。3コーナーで3番手まで進出し、トキワノマツカゼ、ダンストンジールを射程圏に入れ、直線では外に持ち出してラスト50mで先頭。ピリッとした脚ではなかったが、終い勝負では2頭との差が明らか。3連勝で待望の特別タイトルを手に入れた。
「1番人気のプレッシャーがあったが、この馬が一番強いと信じて乗った。2コーナーでスパートをかけたのはセンリグランピーの動きが気になったから。追えば追うほど伸びるタイプ、2頭を射程圏に入れた直線入り口で勝利を確信した。
昔、あやめ賞で自分がピスカリアンジュという馬に騎乗。初の3歳タイトルを獲れるチャンスがあったが、エムケイミラクルに敗れて以降は乗り替わりとなった。そのエムケイミラクルの子供で初の3歳特別を制するなんて不思議な縁ですね」と山本政聡騎手。
次走はもちろん阿久利黒賞。地元同士はすでに勝負付けが済んでおり、遠征馬次第だが、重賞タイトルを制する可能性は非常に高い。
2着 トキワノマツカゼ
北海道2歳優駿以来、5ヶ月ぶりの実戦でプラス28キロ。しかし能力検査時にはプラス40キロだったことを考えればかなり絞れてきたのだろう。元々、脚長のタイプだけにまったく太くは映らなかった。パドックで程よい気合いを出し、弾むような動きも文句なしだった。
1枠に入り、包まれるのが不安材料。しかし無理に行ったわけでもなく、馬なりで先手を取りマイペースの逃げに持ち込む。そのまま4コーナーまで主導権を握ったが、追ってからの反応がもう一つ。ひとまずダンストンジールに交わされながら再び盛り返したが、マヨノエンゼルとの脚色の違いは明白だった。
ハイレベル北海道で2勝マーク。3歳戦線で台風の目になるか注目を集めたが、2馬身差2着。これは完敗としか言いようがないが、久々の実戦でレース勘を取り戻していなかったのも事実。ひと叩きされた次走が真価を問われる。
3着 ダンストンジール
体は若干余裕あったが、それでも臨戦態勢は整っていた。ただ装鞍所で相変わらず激しい気性を表に出し、やんちゃな面はまだ残っている模様。
レースでは3番手外の絶好ポジションをキープし、ペースが上がった3コーナーでも遅れずに追走。トキワノマツカゼとの競り合いでクビ差先着されたのは物足りなかったが、一貫してレースに集中。それ相応の収穫はあった。
4月6日 あやめ賞(3歳牝馬 水沢1600m)
1着 シルバーカテリーナ
アンダージョイナーが逃げ、2番手にリリーミッション。3番手外にシルバーカテリーナ。坦々とした流れでレースは進み、4コーナー手前でリリーミッション、シルバーカテリーナの2頭が抜け出し、ラスト100mで内粘るリリーミッションを交わす。
ゴール前は持ったままで余裕たっぷりで岩手初戦を快勝した。トキワノマツカゼと同じく北海道デビュー。1勝マークして南関東へ移籍し、3戦2着1回。この実績があれば今の岩手3歳牝馬なら実力上位は明らかだった。
「落ち着きがあって素直。折り合いもついて非常に乗りやすかった。ただ前日のスプリングカップのタイムに比べ2秒遅く、流れが違ったにせよ牡馬相手だとどうか、な」と菅原勲騎手。
2着 リリーミッション
休み明けの前走はプラス21キロ。これはどう見ても体が太かったが、今回はマイナス11キロで出走し、太め感は脱出。しかし冬毛が全身を覆っており、まだまだ仕上がり途上。今回は力負けだったが、レースキャリアも少なく今後まだ成長の余地があるはず。
●最優秀ターフホースはボスアミーゴ
難しい選考が続いた各部門ですが、最優秀ターフホースも決して無風区ではありませんでした。
あじさい賞から桂樹杯まで芝で1重賞3特別を連勝したボスアミーゴでしたが、重賞に限ってみればせきれい賞ひとつにとどまり、OROカップはクルセイズが、きんもくせい賞はカネショウエリートが勝って、結果的には3重賞を3頭で分け合う形に。
ボスアミーゴが芝で無類の強さを誇るだけに、それだけにボスアミーゴを破ったクルセイズやカネショウエリートの評価も高くなってしまう。勝って当然と思われている馬だけに、負けた事が取りこぼしと見られてしまう。そんなジレンマ・・・。
とはいえ、年間7戦行われた古馬オープン級の芝重特戦に全て出走した上で5勝2着1回の実績は、自身最高であるだけでなく前例のない優れたものでもあり、やはりここはボスアミーゴが最優秀ターフホースに選ばれるのが、あくまでも妥当でしょう。
盛岡の芝では距離を問わない堅実さを持ち、また昨年度4歳、来季もまだ5歳という若さがあってまだまだ将来の活躍も見込めます。OROカップを残すのみになった「岩手で行われる芝重賞完全制覇」達成は時間の問題、前人未踏の「同一年度内の芝重特全勝」も、決して難しい目標ではないでしょう。
残る目標は、そう、念願のJRAでの勝利でしょうか。条件は限られていますが、全国の競馬ファンに「芝にボスアミーゴあり」の姿を見せてほしいものです。
■ボスアミーゴ
芦毛・牡4歳
父アドマイヤボス/母サクラユキクイン(母父サクラトウコウ)
2004年2月28日生まれ
北海道/門別・白瀬 明生産
2008年度戦績/11戦5勝(うち芝7戦5勝) 主な優勝レース/せきれい賞
獲得賞金/1,030万円
ジュリア、ピンクゴールド、クルセイズの3頭が候補に挙がった牝馬部門。結果ビューチフル・ドリーマーカップを制したジュリアが最優秀牝馬に選出されました。
ピンクゴールドは牡牝混合の重賞を勝ったとはいえあくまで3歳限定戦。クルセイズはフェアリーカップでサイレントエクセルを、OROカップでボスアミーゴを破る金星を立て続けに挙げましたが、対ジュリアではビューチフル・ドリーマーカップでの1.5秒差5着など5戦4敗にとどまっており、岩手の古馬牝馬の頂点競走と見なされるビューチフル・ドリーマーカップを勝ったジュリアに対してはいずれも分が悪い成績といえます。
シーズン7勝を挙げたジュリアですがうち6勝は平場でのもの。重特戦での好成績はビューチフル・ドリーマーカップただひとつ、というのは確かに最優秀牝馬としては異論が出る実績かもしれませんが、“勝つか、そうでなければ大敗”になりやすいのは逃げ馬の宿命。マークされつつも逃げて圧勝したビューチフル・ドリーマーカップ、その1勝の価値を低く評価する事はないでしょう。
■ジュリア
栗毛・牝4歳
父メイセイオペラ/母グレシアンライコー(母父ゲイメセン)
2003年5月26日生まれ
北海道/静内町・久保秀雄生産
2008年度戦績/16戦7勝 主な優勝レース/ビューチフル・ドリーマーカップ
獲得賞金/908万3,000円
来シーズンもおおむね08年の勢力図が継続すると思われますが、各部門の最優秀馬に選ばれた馬が引き続き活躍するのか、わずかの差に泣いた馬たちが奮起するのか。それとももっと伸びてくる馬が出るのか。もちろん、08年は不完全燃焼に終わった3強、テンショウボス、サイレントエクセル、オウシュウクラウンも来シーズンは全力で戦いを挑んでくるはずです。
そして3歳世代。抜けたトップだったワタリシンセイキが移籍したために大混戦ムード。折しも来シーズンの重特日程が発表され、秋のビッグタイトルとして不来方賞が設定されました。3歳戦線は前半戦から後半戦まで息の長い活躍をしなければトップとして認められないローテーションになったわけで、この長丁場を戦っていく中で新たな馬が伸びてくる可能性は、十分にあるでしょう。
2009年シーズンの開幕は4月4日、土曜日。あと1ヶ月弱に迫りました。4月19日の阿久利黒賞、5月3日の留守杯日高賞、そして5月10日のシアンモア記念。開幕から1ヶ月あまりのうちに立て続けに行われる各世代の重賞レースの結果に、まずは注目ですね。
●最優秀3歳馬はピンクゴールドに
08年の最優秀3歳馬には不来方賞を勝ったピンクゴールドが選ばれました。96年のマツリピロリット以来となる牝馬による不来方賞優勝、加えてそこでリュウノツバサ以下牡馬の一線級を破った点が高く評価されての選出です。
春シーズンの牝馬重特戦線、ここでピンクゴールドは4戦1勝2着3回の成績を残します。パーフェクト、ではありますが、2着に敗れたうちの2戦はカネショウプルートに大きな差をつけられて完封され、この時点の勢いは誰が見てもカネショウプルートが上。2歳時は無名だったカネショウプルートに、ピンクゴールドはこのまま伸び負けてしまうのかとも思えました。
しかし夏を迎えて状況が一変します。あれほど強かったカネショウプルートとの成長がぱたりと止まり、逆にピンクゴールドは対牡馬戦でも好走しつつ、ついに9月7日、岩手3歳の伝統の重賞・不来方賞を優勝してしまったのです。
牝馬らしく微妙で繊細な馬だったピンクゴールド。デビュー時の馬体重が432kg、3歳シーズン最初の菜の花賞では412kgにまで減っていました。使うと体重が減る、反動がくる。ほんの2kg、3kgのさじ加減で調子を整えなくてはならない戦いが続きます。
そんな彼女も夏を越し秋を迎えて、馬体重こそ大きくは増えませんでしたが以前のひ弱さが徐々に薄れていきました。不来方賞制覇をはじめ、ダートも芝も、距離もマイルから2400mまで幅広くこなしつつ、対古馬の戦いもクリアしていったのがその証拠。冬になる頃には陣営は、展開さえ向けば古馬にだって勝てるという手応えを、しっかり掴んでいました。
08年の戦績が示すとおり、ピンクゴールドは芝・ダ兼用。牝馬らしい切れ味で勝負するタイプですがそれなりに自在性もあり、展開次第でいつでも上位を脅かす様な存在になるでしょう。クルセイズがいなくなった穴を埋めるのはやはりこの馬しかいません。
■ピンクゴールド
黒鹿毛・牝3歳
父サクラローレル/ニッポージュリアン(母父ナリタブライアン)
2005年4月25日生まれ
北海道/門別・出口牧場生産
2008年度戦績/13戦2勝 主な優勝レース/不来方賞
獲得賞金/1,024万2,000円
08年の古馬オープン戦線は大混戦となり、抜けた活躍をした馬がついに現れませんでした。最優秀古馬争いは、良く言えば実績横一線の接戦、悪く言えばどの馬も一長一短で“あと一押し”に欠け、どの馬が選ばれてもおかしくないし、逆にどの馬が選ばれても異論がでるだろう、難しい部門になりました。
そんな中カネショウエリートが選出されたのは、やはりダートの桐花賞、芝のきんもくせい賞を勝って芝・ダのトップクラスを破った事が強みになりました。
桐花賞の2馬身半差、きんもくせい賞の4馬身差は完勝と言っていい内容だし、どちらもその時点の一線級が集まっての戦いでしたから、北上川大賞典の敗戦や平場での黒星にややマイナス感があったものの、それも二つの勝利で補ってあまりある、と判断されたわけです。
意外に価値が高いのが古馬の芝・ダート両方の重賞を制覇したという点。これがいそうでなかなかいないもので、岩手競馬では史上3頭目(トキオパーフェクト・サクラティアラに続く)。また、トキオパーフェクトがマイル・短距離のみで、サクラティアラが牝馬限定戦と合わせての制覇だったのに比較すると、中距離以上の頂点競走で両制覇を果たした意義は、これだけで最優秀古馬に選んでも良いくらいのものがあるといえます。
カネショウエリートは、実は08年シーズン始めはB1級でスタートしています。それも当初はなかなか勝てずにいましたが、6月の盛岡戦からB1級で4連勝してA級に上がり、そこも勝って5連勝でA級に定着しました。
2歳時から3歳前半は芝・ダを問わない走りで活躍した馬でしたが、07年シーズンはついに未勝利。絵に描いた様な伸び悩みから一気に復活できたのは、父メイセイオペラの血の成せる技だったのでしょうか。
■カネショウエリート
鹿毛・牡4歳
父メイセイオペラ/シルバークリエート(母父パークリージエント)
2004年5月10日生まれ
北海道/三石・森 政巳生産
2008年度戦績/16戦7勝 主な優勝レース/桐花賞、きんもくせい賞
獲得賞金/1,134万2,000円
3月の特別開催スタートまであと1ヶ月弱となり、岩手も間もなく雪解けを迎えそうです。それに先立ち、というか遅ればせながらというか、先日決定されました2008年度の岩手競馬年度代表馬・各部門に選ばれた馬たちをご紹介したいと思います。今回は最優秀2歳馬および年度代表馬に選ばれたワタリシンセイキです。
2008年の最優秀2歳馬および岩手競馬年度代表馬は2歳(注・昨年の年齢)ワタリシンセイキに決まりました。2歳馬が年度代表馬に選ばれるのは2000年度のネイティヴハート以来。しかしワタリシンセイキの戦績を見れば2歳にして年度代表馬になるのも納得できるでしょう。
若駒賞・南部駒賞・金杯の2歳ダート三冠を制し、加えてダートの特別戦も全て制して2歳ダート重特を完全制覇。それもいずれも一方的でかつ圧倒的な勝利。「2歳ダートに敵はいない」と、そして岩手デビューの2歳馬としては久々の大物だと、自信を持って言える存在でした。
芝ではついに未勝利でしたが、ダートでこの成績ならばそれも愛嬌というところか。とにかくダートでの彼のパフォーマンスは、最優秀2歳馬にとどまらず年度代表馬に推されるのも何ら不思議ではないものです。
やや出遅れ気味のスタート、後方追走の定位置から、レース中盤にさしかかる頃には早々と捲りにかかって勝負所までにはほぼ決着をつけてしまう。それがこの馬のレースでしたが、鞍上・関本淳騎手いわく「俺がこの馬をあれこれと動かした事はない」。つまり後方から進むのも、早めに捲りに行くのも全て馬の意志。騎手が自分で控えろとか加速しろとか指示を出した事はない、それだけレースを自分で知っている馬だという事なのだそうです。
そんな彼の走りは既に完成されているのか、それともまだ伸びるものなのか。岩手のファンにとっては残念ながら、ワタリシンセイキはシーズン終了後に南関東に移籍(川崎・佐々木仁厩舎へ)してしまい、その答えを岩手で見る事はできません。
ですが、これから本格化していく南関クラシックで彼がどんな走りを見せてくれるのか?そこでこの疑問に対する答えが出る事でしょう。
ワタリシンセイキの移籍初戦は2月19日、大井の準重賞・雲取賞。ライバルはすでに南関重賞戦線で結果を出している馬たち。できれば試金石以上の結果を出してほしいものですが、果たして・・・。
■ワタリシンセイキ
芦毛・牡2歳
父ビワシンセイキ/母シャトーサウザンド(母父プラウドデボネア)
2006年4月9日生まれ
北海道/新ひだか町・マツケン農場生産
2008年度戦績/11戦7勝 主な優勝レース/若駒賞・南部駒賞・金杯
獲得賞金/1,656万5,000円
1月12日 第9回トウケイニセイ記念(オープン 水沢1600m)
トウケイニセイ記念ゴール 1着・アンダーボナンザ 写真・佐藤到)
1着 アンダーボナンザ
メタモルキングが逃げ、2番手外にオウシュウクラウン、3番手にグッドストーン。ペースはさほど速くなく、むしろスローに近い印象。アンダーボナンザは7番手の中につけ、2コーナーを回って外に出してスパートをかけると3番手までに進出。向正面で先頭に立ったオウシュウクラウン、2番手グッドストーンを早くも射程圏に入れ、4コーナーでオウシュウクラウンに馬体を併せる。
オウシュウクラウンは内で必死に粘ったものの、ラスト100mでアンダーボナンザが交わし、あとは突き放すだけ。一瞬のうちに5馬身をつけて待望の重賞初タイトルを手に入れた。
「テン乗りだったが、前回騎乗の(村上)忍騎手に聞いたらクセのない馬だと話していたので不安はなかった。レースでもいい位置が取れたし、向正面ではこの馬の力を信じて早めに仕掛けたが、自分が思っていた以上に強かった。今日はトウケイニセイが水沢に来ていたので是非、勝ちたかった。ずっと重賞を勝っていなかった(今回で3勝目)が、いい馬に出会えてうれしい」と菅原勲騎手。
アンダーボナンザは岩手デビューで2勝マーク。重賞・南部駒賞2着、金杯3着の実績を残して冬期間は南関東へ一旦移籍。4戦3着2回後、再び岩手へ戻り3戦2着1回。その後、南関東で2戦を消化したが、成績が振るわず6ヵ月半の休養をはさんで8年6月に再転入。
当初はなかなか本調子を取り戻せず凡走を繰り返していたが、一戦ごとに復調ムード。特に寒い時期を迎えて以降、自慢の末脚が冴え渡り、A級戦、トライアル・白嶺賞と連勝。適性を考えて桐花賞(2000m)には見向きもせず、このトウケイニセイ記念1本の照準を合わせて臨んできた。
今季のオープン戦線はずっと主役不在のままだったが、桐花賞でカネショウエリート、そして今回のアンダーボナンザが台頭。来期に期待をつなぐ形でひとまず今シーズンを終えた。
2着 オウシュウクラウン
メタモルキングの直後、2番手を追走。前に行きたがる仕草を出し、鞍上・関本浩司騎手が必死になだめる。しかし向正面ではもはや抑えることが難しいと判断して早々と先頭。外からアンダーボナンザが接近し、交わされないようにセーフティリードを取ろうとしたが、手応えの違いがありあり。直線を向いても最内で粘っていたが、ラスト100mで一杯となった。
オウシュウクラウンは1年1ヶ月の長期休養を経て今年度6月に戦列へ復帰したが、一昨年の桐花賞を制した頃の迫力には程遠く着を拾うので精一杯に終始。球節にも爆弾を抱えていたが、白嶺賞2着でようやく復調のメド。桐花賞を直前に再び球節に腫れが出て出走見送ったのは痛かったが、逆にそれが功を奏し、白嶺賞は今季一番の仕上がりで臨むことができた。
今回の5馬身差は明らかに完敗だったが、復活の手応えは十分に掴んだ感じだ。
3着 リュウノツバサ
4戦ぶりにコンビを組んだ沢田騎手は前を走る3頭の中に入れ、砂を被らせて折り合いをつけることに専念させる。
ペースが上がったラスト800mでやや置かれ気味となったが、直線で外に持ち出して盛り返す。桐花賞は泥んこ馬場に泣いて8着に凡走したが、今回が前日に砂を補充して時計が非常にかかる馬場を味方に上々の伸びを披露。こちらも来期につながるレース内容となった。
4着 トーホウライデン
道中はずっと中団インの経済コースを進み、直線でもいい脚を使って4着。3着との差は開いたが、ひと頃のスランプからようやく立ち直った。
5着 ヤマニンエグザルト
前半はアンダーボナンザをマークする形で進めたが、各馬が仕掛けても反応がひと息。桐花賞では中を割って豪快に抜け出し2着を確保したが、今回は伸び切れず電光掲示板に載るまでにとどまった。