
30日メインはA級一組「小暑特別」(水沢1600m)。一線級は前日の一條記念みちのく大賞典へエントリー。手薄なA級一組戦となったが、期待の1頭ミヤギヴァリアントが出走する。
ミヤギヴァリアントは個人的に注目していた逸材だった。デビュー前、菅原勲調教師の雑談で「今年2歳の期待馬は?」と聞いたところ、「いろいろいるけどモーニンの初年度産駒。サマーセールで購入したんだ」と即答。新馬戦をとても楽しみにして、パドックを注視した。
確かにミヤギヴァリアントの後肢はすばらしかった。同業のトラックマンに聞かれたとき「南部杯にきたモズアスコットみたいなタイプ。ただ男馬にしては腹回りが細いのがちょっと気になった」と答えた。馬体重は469キロだったが、2着に1秒6差をつけて圧勝。粗削りながらスケールの大きさを感じさせた。
しかし2戦目はフジユージーンの強さに手も足も出なかった。菅原勲調教師も「完敗だ」と素直に相手の強さを讃えた。続く2歳戦を完勝し、重賞・若駒賞も1秒8差で圧勝。フジユージーンのナンバー2を堅持したが、一戦ごとに体重が減り続けて456キロ。担当の菅原秀さんも「飼い葉が細いんだ」と悩んでいた。
実は若駒賞後、膝を剥離骨折。8ヶ月の休養を余儀なくされた。自身の強さに体がついてこれなかった。翌年6月に復帰して快勝。2戦目も1着だったが、再び骨折が判明。3歳時は2戦のみに終わった。
今季は4月に戦列復帰。いきなり古馬A級が相手だったが、難なく快勝。馬体重は490キロまで増えていたが、2戦目はマイナス9キロで同厩ボウトロイの2着。連勝が5でストップした。今回は1ヶ月明けての出走だが、4戦4勝と負けなしの水沢が舞台。格上馬がそろったが、素質を信頼。きっちり首位を奪回し、重賞路線へ殴り込みをかけてほしいと願っている。
逆転筆頭はスズカゴウケツ。一昨年、中央3勝クラスから転入。昨年、あすなろ賞を制して重賞ウイナーの仲間入り。ほかに準重賞・かきつばた賞も1着。秋は南関東へ移籍して5戦未勝利で帰郷。3戦とも着外だったが、すべて重賞が舞台。平場戦になれば地力でアッサリまで。
ヤマニンエステルはかつてスピードタイプで鳴らし、盛岡コースに絶対の自信を持っていた。しかし今季は控える競馬も試みて1勝2着2回3着2回。すべて入着を果たし、抜群の安定感を誇っている。主戦場は盛岡だが、水沢でも首位争い必至。
ゲンパチプライドは昨年3月、中央2勝クラスから転入。白嶺賞、栗駒賞と重賞で連続2着。続く3戦目の盛岡マイル戦を快勝した。以降は勝ち星から遠ざかっているが、今季は順調に使われて4戦2着1回3着2回。上位の一角を形成する。
モズユイユイは園田C1から転入。A級編入はどうかと思ったが、2戦目を快勝。通用を証明した。あすなろ賞は8着だったが、前走4着。引き続きマーク欠かせない。
トキノパイレーツは健在を誇示して今季1勝2着1回3着2回。A級復帰後も2、3着1回。前崩れになれば浮上の可能性がある。
◎⑩ミヤギヴァリアント
〇④スズカゴウケツ
▲⑨ヤマニンエステル
△①ゲンパチプライド
△⑥モズユイユイ
△⑤トキノパイレーツ
<お奨めの1頭>
4R オオサキワンダー
盛岡戦をスキップして2戦連続2着。得意の水沢で何とか勝利をモノにしたいところ