12月31日 第34回桐花賞(3歳以上オープン・ファン投票 水沢2000m)
(桐花賞ゴール 1着・カネショウエリート 写真・佐藤到)
1着 カネショウエリート
予想どおりジュリアが逃げ、2番手外にダンディキング。カネショウエリートは3番手インにいたが、1周目スタンド前でうまく外に出して理想のポジションをキープ。12秒台の平均ペースで進み、カネショウエリートが3コーナー手前から早めスパートをかけた。
「脚を貯めたからといって末脚が伸びる馬ではなく、早めに動いて粘るのが勝ちパターン。そういう形にいかに持ち込むかを考えた」(村上忍騎手)
4コーナーを回ってジュリアを交わして先頭。これで勝負が決まり、2着ヤマニンエグザルトに2馬身半差をつける完勝劇できんもくせい賞(盛岡芝2400m)に続く重賞2勝目を飾った。
「これがこの馬の勝ちパターンだが、自分が思った以上に強いレースだった。今の馬場も味方しただろうが、ダートでも一線級と戦える力がついてきたのだと思う。来年、どこまで伸びるか楽しみ」と村上忍騎手。
カネショウエリートは昨シーズンまで2勝のみにとどまっていたが、今年は素質が全面開花。桐花賞を含めて今季7勝をマークした。メイセイオペラ産駒はジュリアもそうだが、総じて奥手。年を重ねれば重ねるほど成長するタイプのようだ。
今年のオープン戦線は大混戦で終盤に突入したが、カネショウエリートがそれに断を下した格好。ちなみに古馬オープンの芝ダート重賞優勝はサクラティアラ(せきれい賞、B・ドリーマーカップ)、トキオパーフェクト(OROカップ、早池峰賞)に続く史上3頭目。
また桐花賞の父子制覇はトウケイホープ―トウケイニセイ以来、史上2頭目の快挙となった。
2着 ヤマニンエグザルト
道中は5番手インの経済コースを進む。勝負どころの3コーナーでややもたつき、前に離されるシーンもあったが、菅原俊吏騎手の好判断で直線馬群の中を割って抜け出す。大外ピンクゴールドが一旦2番手に進出したが、内をついたヤマニンエグザルトの脚が上回り2着を確保。
3着 ピンクゴールド
「小林騎手から最近は道中で折り合いを欠いた分、最後伸びなかったと聞いていたので、折り合いをつけることに集中」と沢田騎手のコメントどおり、後方3番手でじっくり待機。各馬がスパートをかけたあと、ワンテンポ遅らせたのも絶好だったようで直線大外から鋭く伸びて3着に入る。
シーズン当初は体重減に悩まされたが、馬体回復とともに本領を発揮。岩手3歳の頂点・不来方賞を牡馬相手に制し、待望の重賞タイトルを獲得。古馬編入後は折り合い面で苦労していたが、今回は前半で脚を貯めることに成功。「ヤマニンエグザルトが選んだコースを取れたら2着があったかも」と沢田騎手がレース後に語っていたが、この結果なら上々。来期の活躍も期待できそう。
8着 リュウノツバサ
菅原勲騎手がテン乗りだった前走は外を回って折り合いを欠いていたが、今回は馬込みに入れて中団を追走。3コーナーからスパートをかけ、その時の伸びはマズマズに映ったが、直線で失速。「調子そのものより、今の泥んこ馬場はこの馬には合わない」と菅原勲騎手。
1月2日 第35回金杯(2歳オープン 水沢1600m)
(金杯ゴール 1着 ワタリシンセイキ 写真・佐藤到)
1着 ワタリシンセイキ
いつもどおりスタートは抜群。そして例によって手綱をガッチリ抑えたが、指定ポジションの最後方ではなく5番手外を追走。「馬に逆らわず行く気にまかせたらこの位置になったが、だからといって下げるつもりはなかった」(関本淳騎手)
2コーナーを回ってから、鞍上がゴーサインを出すといつもどおりの反応を見せ、3コーナーでダンストンジールを交わし、4コーナーでは逃げるトウホクビジンに馬体を併せる。
直線入り口で早々と先頭に立つとあとは独り舞台。ゴールで関本淳騎手は左手で3本の指を出し、三冠達成をアピール。続いてウイニングランを決め、水沢競馬場を訪れたファンから喝采を浴びた。
「レースをするたびに強くなっていくのを実感。自分がこれまで乗った2歳馬では間違いなく最強馬。まだまだ成長しそうなので南関東でも活躍を期待したい」と関本淳騎手。
このコメントにもあるとおり、ワタリシンセイキは南関東へトレード。予定では川崎に入ることになるそうで是非、南関東クラシックでも旋風を巻き起こして欲しい。
2着 トウホクビジン
内枠に入ったこともあってスンナリ先手を奪い、マイペースの逃げに持ち込む。道中の手応えも良く、他に競りかける馬もなし。
加えてワタリシンセイキが2番手以下を3コーナーで掃除してくれたので、4コーナー手前まで楽に逃げることができたのが最大の好走要因。さすがに直線入り口であっさり交わされてしまったが、他に台頭する馬もなく2着に粘った。
3着 マサノシャルナ
北海道から転入初戦は1番人気に支持されたが、マイナス23キロと大きく体重を減らした影響もあって3着。今回はプラス4キロまで回復し、担当厩務員によると「飼い葉も食っているし、見た目でも細くないので力は出せるはず」と踏んでいた。
レースは4番手外を追走してワタリシンセイキといっしょにスパート。しかし脚色が違いすぎて3コーナーで交わされ一旦下がったが、直線で再び盛り返す。「今回は動きも良かったし、最後まで気力も失わないで頑張った。牝馬路線なら十分、主役になれると思う」(菅原勲騎手)
4着 センリグランピー
スタート直後に控えて後方2番手を追走。ワタリシンセイキが動いたのを見てスパートをかけ、徐々に進出。ただ1頭、ワタリシンセイキのまくりの被害には遭わなかったが、スピードの差が歴然。3着マサノシャルナに首差まで詰め寄るのが精一杯だった。
5着 ダンストンジール
トウホクビジンの2番手外を追走し、ワタリシンセイキが襲ってくる前にスパートをかけようとしたが、寒菊賞でみせた反応が見られず、3コーナーでアッサリと交わされる。「中間に大雪が降って思ったとおりの攻め馬ができなかった。飼い葉調整で体重の帳尻は合わせたが、中味が伴わないとやはり苦しい」と村上忍騎手。
12月14日 第7回寒菊賞(2歳オープン 水沢1600m)
寒菊賞ゴール
1着 ワタリシンセイキ
スマートスパークルが掛かり気味に逃げ、2番手にアンダージョイナー、その後ろにトウホクビジン。ワタリシンセイキは1周目スタンド前で後方3番手につけ、例によって2コーナー過ぎからロングスパート。
南部駒賞でマヨノエンゼルはワタリシンセイキよりワンテンポ遅らせて仕掛けたが、今回はワタリシンセイキより前のポジション。それもあってワタリシンセイキに交わされないように同時スパート。
この2頭が動いたことにより一気にペースが上がり、4コーナーでは内ダンストンジール、中マヨノエンゼル、外ワタリシンセイキの叩き合い。中マヨノエンゼルの脚色が若干劣勢で直線はダンストンジール、ワタリシンセイキのマッチレースになったが、ラスト50mでワタリシンセイキが振り切って完勝。ダート戦、無敗の6連勝を飾った。
「長い脚が使えるけど、前回(南部駒賞)のように後ろから差されるパターンが怖かった。でも今回はマヨノエンゼルを見る形でレースを進めることができたので、自分の競馬に徹すれば大丈夫だと思った」と関本淳騎手。
結果的に1馬身半差で完勝したが、前走比プラス5キロの460キロ。パドック印象でも幾分太めに映り、その影響だろうかエンジンのかかりがいつもより遅かった感じ。もちろん南部駒賞に比べれば大幅にメンバーが楽になり、ハラハラするシーンはなかったが、現時点での理想は450キロ台だろう。
2着 ダンストンジール
パドックの気配は出走メンバー中一番。相変わらず装鞍所で気の悪さを見せていたが、状態は文句なしだった。
レースは先行グループから離されず5番手を追走。道中、気を抜かさせないこと。ワタリシンセイキとの叩き合いになれば勝てないだろうと村上忍騎手は判断し、向正面から早めに仕掛ける。
3コーナーで外を回ってマヨノエンゼル、ワタリシンセイキが接近する前にセーフティリードを取りたいと4角で先頭に立ち内で必死に粘ったが、ラスト50mで一杯となる。それでも南部駒賞では0・7秒差4着に対し、今回は0・2秒差まで差を詰めており、自身は確実に成長している。
「この馬の勝ちパターンに持ち込んだはずだが、これで2着なら仕方がない。以前に比べ安定した力を出せるようになったのが収穫」と村上忍騎手。
3着 マヨノエンゼル
南部駒賞ではワタリシンセイキが動いたのを見てスパート。しかし今回は前のポジション7番手につけ、ワタリシンセイキといっしょにスパート。4コーナーでダンストンジール、ワタリシンセイキの間に入り、窮屈になったので一旦下げて外に持ち出し巻き返しを図ったが、ダンストンジールにクビ差まで迫ったところがゴールだった。
南部駒賞でメンバー中一番の上がりでワタリシンセイキに再接近したが、前が総崩れになったあとに進出したもの。しかし今回はワタリシンセイキより常に前目の競馬に心がけ、自力で進出。3着に敗れはしたが、これで今後のメドは立った。
11月24日 第31回北上川大賞典(3歳以上・地方競馬全国交流 水沢2500m)
(北上川大賞典ゴール 1着 ジュークジョイント 写真・佐藤到)
1着 ジュークジョイント
前半はじっくり待機し、後方を追走。サイレントエクセルが逃げ、1周目4コーナーから14秒台のスローに落としたが、それでもマイポジションを崩さない。
向正面、ラプレがまず動いて各馬もスパート。しかしジュークジョイントは追い出しをぎりぎりまで我慢して3ハロン手前からようやくスパート。すると鞍上・岩橋騎手の指示にすばやく反応し、4コーナーで逃げたサイレントエクセルの外に並ぶ。
直線に入ると内で粘るサイレントエクセルに対し、ジュークジョイントは馬場の大外を回ってグイグイ伸び、ラスト50mでアッサリ交わして先頭。サイレントエクセルを2馬身突き放してゴールに入った。
「後方待機したのは予定どおり。小回り承知の上で、できるだけ追い出しを我慢した。元々能力は高い馬だったが、ボクが持ち味を生かせなかっただけ。でも今回は自分が描いていたとおりのレースで勝てたのでとても嬉しい」と岩橋騎手。
そのコメントにもあるとおり、勝因は他の馬が動いても追い出しをできるだけ我慢したこと。それが最後の爆発力に繋がったと見て間違いないが、レース上がりが37秒7。ジュークジョイント自身は36秒台半ばの脚を使ったことになり、上がり勝負になったとは言え、この脚はけた違いだった。しかも今週の水沢は追い込みでも十分に届く馬場だったことも味方した。
また今回、マイナス15キロと馬体重が大幅に減少。これは長距離輸送の影響で「馬体重を見た時はちょっと心配したが、乗ってみたら感触は悪くなかった」(岩橋騎手)という。
今後は鹿児島の牧場で完全休養。新年度の北海道競馬までリフレッシュに専念する予定だと成田調教師。
2着 サイレントエクセル
当初、カネショウエリートが先手を取ると大方は予想していたが、サイレントエクセル=板垣騎手が手をしごいて意表をつく逃げの手。前半1000mは決して遅くはなかったが、それ以降の4ハロンは14秒台に落とす。
「調教師の指示が“行ってくれ”だったのでひとまずカネショウエリートの出バナを叩いたら、控えたので先行策を採った」(板垣騎手)。
2番手カネショウエリート、3番手コスモアンファングの隊列は2周目の向正面まで替わらなかったが、コスモアンファングが脱落。そこからペースが一気に上がり、4コーナーではジュークジョイント2頭の争いに絞られる。
しかしサイレントエクセルが粘ったのはラスト50mまで。ジュークジョイントが馬体を併せず、大外を回って競り合いに持ち込まなかったこともあってあっさり交わされたが、2着を死守した。
今回は期せずして寒波が押し寄せ、サイレントエクセルの体に冬毛。元々、寒い時期には力を出せなかったタイプに加え、昨年ほどの勢いがない現状で2着ならマズマズの結果と判断するべきだろう。
これからは寒さとの勝負となるが、ようやく復調気配が十分の今なら冬の主役を演じる可能性も高い。
3着 ソーユアフロスト
スタート直後は5番手外につけたが、1周目1コーナーから掛かり気味。小林騎手がうまくなだめて同ポジションをキープしたが、勝負どころで反応がもう一つ。エンジンがかかったのは直線を向いてからで、早めに動いたラプレをゴール寸前で捕らえて3着に入線した。
「ペースアップしたところで置かれたのが痛かった。ラプレが進出してきたのは分かっていたが、それについて行けない。今回のような上がりの競馬よりも坦々とした流れになる2000mぐらいの方が合うかも」と小林騎手。
4着 ラプレ
前半は中団外めを追走し、スローの流れと見て向正面からスパート。3コーナーでは3番手まで進出したものの、そこからの伸びがひと息。前の2頭から徐々に離され、ゴール寸前でソーユアフロストにも交わされて4着。
「スローを意識して早めに仕掛けたが、それで最後が甘くなったかも。ゆったりした流れが合うタイプ。これからも長距離を使っていけばいい結果が出そう」と初コンビを組んだ菅原勲騎手。
5着 カネショウエリート
サイレントエクセルがハナを譲らない構えをみせたので2番手に控える。「ペースが遅すぎたので珍しく掛かっていた」(村上忍騎手)そうだが、ペースアップした3コーナー手前から2番手を死守するのがやっと。直線で一杯となり、4着ラプレからも4馬身離された。
11月16日 第36回南部駒賞(2歳オープン・地方競馬全国交流 水沢1600m)
1着 ワタリシンセイキ
テンショウスズラン、トウホクビジンの5枠2頭が先行。ワタリシンセイキはスタート直後、包まれるのを嫌って前につける気配もあったが、1周目4コーナーでは無理をせず手綱をがっちり抑える。結果的に1周目ゴール前では最後方となったが、そこでうまく外に出していつでもスパートできる態勢。
前半3ハロンは38秒ジャストで決して速いペースではなく、ワタリシンセイキはいつもどおり2コーナー過ぎから徐々に先陣に接近する。向正面なかほどからダンストンジールが早めスパートをかけ、アラベスクシーズが一旦交わされそうになり、鞍上・五十嵐騎手の手が動いて一気にペースアップ。
3コーナー過ぎ、テンショウスズランが一杯になって失速し最内トウホクビジン、アラベスクシーズ、ダンストンジール、大外ワタリシンセイキが横一線で譲れず直線へと向かう。
最初に脱落したのはトウホクビジン、続いてダンストンジールが一杯。アラベスクシーズも必死に粘ったが、ワタリシンセイキの伸びには抵抗できず徐々に離される。ラスト50でワタリシンセイキが抜け出し、楽勝ムードかと思ったが、大外を回ってマヨノエンゼルが強襲。一完歩ごとに差を詰め、マヨノエンゼルは交わしそうな勢いだったが、ワタリシンセイキがアタマ差しのいでゴール。ダート戦で無敗の5連勝を飾った。
「最初、仕掛けてみたが、みんな先に行きたがったので控えてうまく外に出せることに前半は専念した。道中、ゴチャッとした展開だったので早めに捲くった方がいいと判断して2コーナー過ぎからスパートかけた。ゴール直前でマヨノエンゼルがいい脚を使っていたが、何とか我慢。改めてこの馬の強さを実感した。プラス13キロだったが、全然太め感はなかった。多分、これまで盛岡の輸送があったからだと思う。他とのレベル比較は分からないが、この馬ならいろんなところへ挑戦しても面白いのでは」と関本淳騎手。
そのコメントどおりパドックで太め感はまったくなし。今回、ハイレベル北海道から2騎が参戦し、ワタリシンセイキの能力を測る意味で格好の舞台となったが、いつもどおりの強さを発揮してくれた。先にも記したが、決してハイペースではなかったにもかかわらず、自ら競馬を作って勝ってしまうのだからレベルは相当なもの。
「まだ地元でキャリアを積ませたい」(三野宮調教師)そうで、当面は地元の水沢戦を使うことなりそうだ。
2着 マヨノエンゼル
1周目スタンド前ではワタリシンセイキとほぼ同じポジションで、こちらはインにつける。そのワタリシンセイキが2コーナーから動き始めたが、マヨノエンゼルはワンテンポ遅らせてスパート。
一瞬、反応ひと息のシーンもあったが、3コーナーからようやくエンジン全開。外を回って先陣4頭とは10馬身ほど差が開いていたが、直線でものすごい脚を披露。ゴールがもう少し先だったら明らかに交わしていた勢いがあった。
マヨノエンゼルはデビュー戦芝1000m戦を快勝し、その後2ヶ月ほど休養。復帰戦の水沢1400m戦で2連勝をマークして表舞台に登場。しかし、りんどう賞9着、ジュニアグランプリ9着、黄菊賞6着と凡走。前走、若駒賞ではワタリシンセイキを上回る上がり脚で3着に食い込んだが、ワタリシンセイキが前の馬を掃除した印象はぬぐえず、今回も9番人気に甘んじていた。
その低評価を見事に覆してワタリシンセイキにアタマ差まで肉薄。若駒賞3着がフロックでないことを証明した。400キロを割る小柄な牡馬ゆえ、コンスタントに結果は出せないかもしれないが、切れる末脚は今後も驚異の的となるだろう。
3着 アラベスクシーズ
先陣をにらんで5番手外を追走したが、有力馬が早めにスパートしたため、アラベスクシーズも動かざるを得ず、3コーナー手前からずっと五十嵐騎手の手が動きっぱなし。
一旦、ダンストンジールに交わされ、再び差し返すあたりに底力を見せたが、ワタリシンセイキ、マヨノエンゼルの伸びには抵抗できず3着に敗れた。マイナス14キロの体重減も影響したかも。
「小回りの忙しい競馬が合わなかった。他の馬がスパートをかけたとき、ついていくので精一杯だった」と五十嵐騎手。
4着 ダンストンジール
アラベスクシーズをマークする形でレースを進める。2コーナー過ぎ、決め手勝負ではワタリシンセイキに絶対かなわないと村上忍騎手が判断し、早めスパート。3〜4コーナーで馬体を併せて直線に突入したが、そこで脚色が鈍って4着に沈んだ。
6着 モエレオフィシャル
スタートでちょっと後手を踏み、中団外めを追走。3コーナー手前まで追い出しを我慢し、3〜4コーナー中間でエンジンを全開させたが、前の馬との差はなかなか詰まらず6着に終わった。「大外枠に入ったのが痛かった」と小嶋騎手。
11月9日 第34回赤松杯(3歳以上オープン 水沢2000m)
1着 コンバットキック
有力馬の一角サンシャインヘイロは追い切り後、脚部不安が発生して出走を取り消し。逃げ馬が不在でどれが逃げるか―の展開予想も非常に難しかったが、結果はともかく逃げの手に出たことがあるエアウィード、コンバットキックがハナをアピール。意外な2頭の争いとなったが、エアウィードが譲らない構えを見せたのでコンバットキックが2番手に控える。
前半1000mが1ハロン目から12・9―12・7―13・7―14・0―13・8。超のつくスローペースとなり、3番手外にヤマニンエグザルト、内にリュウノツバサ、直後にコスモスパーブの隊列で進む。
勝負どころの3コーナーでエアウィードが失速。替わってコンバットキックが先頭に立ち、ヤマニンエグザルトもスパート。直線は内コンバットキック、外ヤマニンエグザルトの叩き合いとなり、ヤマニンエグザルトが一瞬交わすシーンもあったが、コンバットキックが内から差し返してゴール。サファイア賞(3歳芝)に続いて、今度はオープン特別を制し、2つ目の特別タイトルを手に入れた。
「先生(三野宮調教師)からレース前、行けと指示があり、ハナに立とうとも思いましたが、エアウィードが内で譲らなかったので無理せず2番手につけました。ゆったりしたペースがこの馬にあったんでしょうが、並ばれてからまた差し返してくれた。初めてのオープンタイトルですから、とても嬉しい」と菊地康朗騎手。
「前回(きんもくせい賞)もひそかに期待していましたが、不良馬場で芝にノメって競馬にならなかった。今回も正直、きついのかなぁと思っていましたが、ペースが落ち着くと全然バテない。気分良くレースを運べたのも勝因でしょうね」と三野宮調教師。
今後は地元と遠征の両にらみでローテーションを組んでいくという。
2着 ヤマニンエグザルト
道中は絶好の3番手外をキープし、コンバットキックが動いたのと合わせてスパート。ラスト50mで一旦交わしたが、再び差し返されてクビ差2着に敗れた。
「位置取りも予定どおり。ペースは緩かったが、勝ちパターンに持ち込んだはず。それでも最後伸び切れなかった」と板垣騎手。
3着 リュウノツバサ
前半ずっとインで我慢させ、直線勝負に賭けて伸びもマズマズ。最後はキャリアの差が出た格好だったが、これまでの酷量から解放され本来のシャープさを取り戻す。しかも初の古馬一線級を考えれば3着は収穫。これで今後のメドが十分立った。
4着 ケイジーウォリア
後方イン2番手を追走し「あまりにもスローだったので珍しく引っ掛かった」(小林騎手)ためインから徐々に前へ進出。結果的に2番手、3番手にいた馬が上位争いとなり、後方タイプには明らかに苦しい流れ。
それでもB1からA級へ昇級初戦、スローペースだったことを考えれば上々。ダートでの連対継続は16でストップしたが、こちらも今後のメドが立ったはず。