
3月の特別開催スタートまであと1ヶ月弱となり、岩手も間もなく雪解けを迎えそうです。それに先立ち、というか遅ればせながらというか、先日決定されました2008年度の岩手競馬年度代表馬・各部門に選ばれた馬たちをご紹介したいと思います。今回は最優秀2歳馬および年度代表馬に選ばれたワタリシンセイキです。
2008年の最優秀2歳馬および岩手競馬年度代表馬は2歳(注・昨年の年齢)ワタリシンセイキに決まりました。2歳馬が年度代表馬に選ばれるのは2000年度のネイティヴハート以来。しかしワタリシンセイキの戦績を見れば2歳にして年度代表馬になるのも納得できるでしょう。
若駒賞・南部駒賞・金杯の2歳ダート三冠を制し、加えてダートの特別戦も全て制して2歳ダート重特を完全制覇。それもいずれも一方的でかつ圧倒的な勝利。「2歳ダートに敵はいない」と、そして岩手デビューの2歳馬としては久々の大物だと、自信を持って言える存在でした。
芝ではついに未勝利でしたが、ダートでこの成績ならばそれも愛嬌というところか。とにかくダートでの彼のパフォーマンスは、最優秀2歳馬にとどまらず年度代表馬に推されるのも何ら不思議ではないものです。
やや出遅れ気味のスタート、後方追走の定位置から、レース中盤にさしかかる頃には早々と捲りにかかって勝負所までにはほぼ決着をつけてしまう。それがこの馬のレースでしたが、鞍上・関本淳騎手いわく「俺がこの馬をあれこれと動かした事はない」。つまり後方から進むのも、早めに捲りに行くのも全て馬の意志。騎手が自分で控えろとか加速しろとか指示を出した事はない、それだけレースを自分で知っている馬だという事なのだそうです。
そんな彼の走りは既に完成されているのか、それともまだ伸びるものなのか。岩手のファンにとっては残念ながら、ワタリシンセイキはシーズン終了後に南関東に移籍(川崎・佐々木仁厩舎へ)してしまい、その答えを岩手で見る事はできません。
ですが、これから本格化していく南関クラシックで彼がどんな走りを見せてくれるのか?そこでこの疑問に対する答えが出る事でしょう。
ワタリシンセイキの移籍初戦は2月19日、大井の準重賞・雲取賞。ライバルはすでに南関重賞戦線で結果を出している馬たち。できれば試金石以上の結果を出してほしいものですが、果たして・・・。
■ワタリシンセイキ
芦毛・牡2歳
父ビワシンセイキ/母シャトーサウザンド(母父プラウドデボネア)
2006年4月9日生まれ
北海道/新ひだか町・マツケン農場生産
2008年度戦績/11戦7勝 主な優勝レース/若駒賞・南部駒賞・金杯
獲得賞金/1,656万5,000円
1月12日 第9回トウケイニセイ記念(オープン 水沢1600m)
トウケイニセイ記念ゴール 1着・アンダーボナンザ 写真・佐藤到)
1着 アンダーボナンザ
メタモルキングが逃げ、2番手外にオウシュウクラウン、3番手にグッドストーン。ペースはさほど速くなく、むしろスローに近い印象。アンダーボナンザは7番手の中につけ、2コーナーを回って外に出してスパートをかけると3番手までに進出。向正面で先頭に立ったオウシュウクラウン、2番手グッドストーンを早くも射程圏に入れ、4コーナーでオウシュウクラウンに馬体を併せる。
オウシュウクラウンは内で必死に粘ったものの、ラスト100mでアンダーボナンザが交わし、あとは突き放すだけ。一瞬のうちに5馬身をつけて待望の重賞初タイトルを手に入れた。
「テン乗りだったが、前回騎乗の(村上)忍騎手に聞いたらクセのない馬だと話していたので不安はなかった。レースでもいい位置が取れたし、向正面ではこの馬の力を信じて早めに仕掛けたが、自分が思っていた以上に強かった。今日はトウケイニセイが水沢に来ていたので是非、勝ちたかった。ずっと重賞を勝っていなかった(今回で3勝目)が、いい馬に出会えてうれしい」と菅原勲騎手。
アンダーボナンザは岩手デビューで2勝マーク。重賞・南部駒賞2着、金杯3着の実績を残して冬期間は南関東へ一旦移籍。4戦3着2回後、再び岩手へ戻り3戦2着1回。その後、南関東で2戦を消化したが、成績が振るわず6ヵ月半の休養をはさんで8年6月に再転入。
当初はなかなか本調子を取り戻せず凡走を繰り返していたが、一戦ごとに復調ムード。特に寒い時期を迎えて以降、自慢の末脚が冴え渡り、A級戦、トライアル・白嶺賞と連勝。適性を考えて桐花賞(2000m)には見向きもせず、このトウケイニセイ記念1本の照準を合わせて臨んできた。
今季のオープン戦線はずっと主役不在のままだったが、桐花賞でカネショウエリート、そして今回のアンダーボナンザが台頭。来期に期待をつなぐ形でひとまず今シーズンを終えた。
2着 オウシュウクラウン
メタモルキングの直後、2番手を追走。前に行きたがる仕草を出し、鞍上・関本浩司騎手が必死になだめる。しかし向正面ではもはや抑えることが難しいと判断して早々と先頭。外からアンダーボナンザが接近し、交わされないようにセーフティリードを取ろうとしたが、手応えの違いがありあり。直線を向いても最内で粘っていたが、ラスト100mで一杯となった。
オウシュウクラウンは1年1ヶ月の長期休養を経て今年度6月に戦列へ復帰したが、一昨年の桐花賞を制した頃の迫力には程遠く着を拾うので精一杯に終始。球節にも爆弾を抱えていたが、白嶺賞2着でようやく復調のメド。桐花賞を直前に再び球節に腫れが出て出走見送ったのは痛かったが、逆にそれが功を奏し、白嶺賞は今季一番の仕上がりで臨むことができた。
今回の5馬身差は明らかに完敗だったが、復活の手応えは十分に掴んだ感じだ。
3着 リュウノツバサ
4戦ぶりにコンビを組んだ沢田騎手は前を走る3頭の中に入れ、砂を被らせて折り合いをつけることに専念させる。
ペースが上がったラスト800mでやや置かれ気味となったが、直線で外に持ち出して盛り返す。桐花賞は泥んこ馬場に泣いて8着に凡走したが、今回が前日に砂を補充して時計が非常にかかる馬場を味方に上々の伸びを披露。こちらも来期につながるレース内容となった。
4着 トーホウライデン
道中はずっと中団インの経済コースを進み、直線でもいい脚を使って4着。3着との差は開いたが、ひと頃のスランプからようやく立ち直った。
5着 ヤマニンエグザルト
前半はアンダーボナンザをマークする形で進めたが、各馬が仕掛けても反応がひと息。桐花賞では中を割って豪快に抜け出し2着を確保したが、今回は伸び切れず電光掲示板に載るまでにとどまった。
12月31日 第34回桐花賞(3歳以上オープン・ファン投票 水沢2000m)
(桐花賞ゴール 1着・カネショウエリート 写真・佐藤到)
1着 カネショウエリート
予想どおりジュリアが逃げ、2番手外にダンディキング。カネショウエリートは3番手インにいたが、1周目スタンド前でうまく外に出して理想のポジションをキープ。12秒台の平均ペースで進み、カネショウエリートが3コーナー手前から早めスパートをかけた。
「脚を貯めたからといって末脚が伸びる馬ではなく、早めに動いて粘るのが勝ちパターン。そういう形にいかに持ち込むかを考えた」(村上忍騎手)
4コーナーを回ってジュリアを交わして先頭。これで勝負が決まり、2着ヤマニンエグザルトに2馬身半差をつける完勝劇できんもくせい賞(盛岡芝2400m)に続く重賞2勝目を飾った。
「これがこの馬の勝ちパターンだが、自分が思った以上に強いレースだった。今の馬場も味方しただろうが、ダートでも一線級と戦える力がついてきたのだと思う。来年、どこまで伸びるか楽しみ」と村上忍騎手。
カネショウエリートは昨シーズンまで2勝のみにとどまっていたが、今年は素質が全面開花。桐花賞を含めて今季7勝をマークした。メイセイオペラ産駒はジュリアもそうだが、総じて奥手。年を重ねれば重ねるほど成長するタイプのようだ。
今年のオープン戦線は大混戦で終盤に突入したが、カネショウエリートがそれに断を下した格好。ちなみに古馬オープンの芝ダート重賞優勝はサクラティアラ(せきれい賞、B・ドリーマーカップ)、トキオパーフェクト(OROカップ、早池峰賞)に続く史上3頭目。
また桐花賞の父子制覇はトウケイホープ―トウケイニセイ以来、史上2頭目の快挙となった。
2着 ヤマニンエグザルト
道中は5番手インの経済コースを進む。勝負どころの3コーナーでややもたつき、前に離されるシーンもあったが、菅原俊吏騎手の好判断で直線馬群の中を割って抜け出す。大外ピンクゴールドが一旦2番手に進出したが、内をついたヤマニンエグザルトの脚が上回り2着を確保。
3着 ピンクゴールド
「小林騎手から最近は道中で折り合いを欠いた分、最後伸びなかったと聞いていたので、折り合いをつけることに集中」と沢田騎手のコメントどおり、後方3番手でじっくり待機。各馬がスパートをかけたあと、ワンテンポ遅らせたのも絶好だったようで直線大外から鋭く伸びて3着に入る。
シーズン当初は体重減に悩まされたが、馬体回復とともに本領を発揮。岩手3歳の頂点・不来方賞を牡馬相手に制し、待望の重賞タイトルを獲得。古馬編入後は折り合い面で苦労していたが、今回は前半で脚を貯めることに成功。「ヤマニンエグザルトが選んだコースを取れたら2着があったかも」と沢田騎手がレース後に語っていたが、この結果なら上々。来期の活躍も期待できそう。
8着 リュウノツバサ
菅原勲騎手がテン乗りだった前走は外を回って折り合いを欠いていたが、今回は馬込みに入れて中団を追走。3コーナーからスパートをかけ、その時の伸びはマズマズに映ったが、直線で失速。「調子そのものより、今の泥んこ馬場はこの馬には合わない」と菅原勲騎手。
1月2日 第35回金杯(2歳オープン 水沢1600m)
(金杯ゴール 1着 ワタリシンセイキ 写真・佐藤到)
1着 ワタリシンセイキ
いつもどおりスタートは抜群。そして例によって手綱をガッチリ抑えたが、指定ポジションの最後方ではなく5番手外を追走。「馬に逆らわず行く気にまかせたらこの位置になったが、だからといって下げるつもりはなかった」(関本淳騎手)
2コーナーを回ってから、鞍上がゴーサインを出すといつもどおりの反応を見せ、3コーナーでダンストンジールを交わし、4コーナーでは逃げるトウホクビジンに馬体を併せる。
直線入り口で早々と先頭に立つとあとは独り舞台。ゴールで関本淳騎手は左手で3本の指を出し、三冠達成をアピール。続いてウイニングランを決め、水沢競馬場を訪れたファンから喝采を浴びた。
「レースをするたびに強くなっていくのを実感。自分がこれまで乗った2歳馬では間違いなく最強馬。まだまだ成長しそうなので南関東でも活躍を期待したい」と関本淳騎手。
このコメントにもあるとおり、ワタリシンセイキは南関東へトレード。予定では川崎に入ることになるそうで是非、南関東クラシックでも旋風を巻き起こして欲しい。
2着 トウホクビジン
内枠に入ったこともあってスンナリ先手を奪い、マイペースの逃げに持ち込む。道中の手応えも良く、他に競りかける馬もなし。
加えてワタリシンセイキが2番手以下を3コーナーで掃除してくれたので、4コーナー手前まで楽に逃げることができたのが最大の好走要因。さすがに直線入り口であっさり交わされてしまったが、他に台頭する馬もなく2着に粘った。
3着 マサノシャルナ
北海道から転入初戦は1番人気に支持されたが、マイナス23キロと大きく体重を減らした影響もあって3着。今回はプラス4キロまで回復し、担当厩務員によると「飼い葉も食っているし、見た目でも細くないので力は出せるはず」と踏んでいた。
レースは4番手外を追走してワタリシンセイキといっしょにスパート。しかし脚色が違いすぎて3コーナーで交わされ一旦下がったが、直線で再び盛り返す。「今回は動きも良かったし、最後まで気力も失わないで頑張った。牝馬路線なら十分、主役になれると思う」(菅原勲騎手)
4着 センリグランピー
スタート直後に控えて後方2番手を追走。ワタリシンセイキが動いたのを見てスパートをかけ、徐々に進出。ただ1頭、ワタリシンセイキのまくりの被害には遭わなかったが、スピードの差が歴然。3着マサノシャルナに首差まで詰め寄るのが精一杯だった。
5着 ダンストンジール
トウホクビジンの2番手外を追走し、ワタリシンセイキが襲ってくる前にスパートをかけようとしたが、寒菊賞でみせた反応が見られず、3コーナーでアッサリと交わされる。「中間に大雪が降って思ったとおりの攻め馬ができなかった。飼い葉調整で体重の帳尻は合わせたが、中味が伴わないとやはり苦しい」と村上忍騎手。
12月14日 第7回寒菊賞(2歳オープン 水沢1600m)
寒菊賞ゴール
1着 ワタリシンセイキ
スマートスパークルが掛かり気味に逃げ、2番手にアンダージョイナー、その後ろにトウホクビジン。ワタリシンセイキは1周目スタンド前で後方3番手につけ、例によって2コーナー過ぎからロングスパート。
南部駒賞でマヨノエンゼルはワタリシンセイキよりワンテンポ遅らせて仕掛けたが、今回はワタリシンセイキより前のポジション。それもあってワタリシンセイキに交わされないように同時スパート。
この2頭が動いたことにより一気にペースが上がり、4コーナーでは内ダンストンジール、中マヨノエンゼル、外ワタリシンセイキの叩き合い。中マヨノエンゼルの脚色が若干劣勢で直線はダンストンジール、ワタリシンセイキのマッチレースになったが、ラスト50mでワタリシンセイキが振り切って完勝。ダート戦、無敗の6連勝を飾った。
「長い脚が使えるけど、前回(南部駒賞)のように後ろから差されるパターンが怖かった。でも今回はマヨノエンゼルを見る形でレースを進めることができたので、自分の競馬に徹すれば大丈夫だと思った」と関本淳騎手。
結果的に1馬身半差で完勝したが、前走比プラス5キロの460キロ。パドック印象でも幾分太めに映り、その影響だろうかエンジンのかかりがいつもより遅かった感じ。もちろん南部駒賞に比べれば大幅にメンバーが楽になり、ハラハラするシーンはなかったが、現時点での理想は450キロ台だろう。
2着 ダンストンジール
パドックの気配は出走メンバー中一番。相変わらず装鞍所で気の悪さを見せていたが、状態は文句なしだった。
レースは先行グループから離されず5番手を追走。道中、気を抜かさせないこと。ワタリシンセイキとの叩き合いになれば勝てないだろうと村上忍騎手は判断し、向正面から早めに仕掛ける。
3コーナーで外を回ってマヨノエンゼル、ワタリシンセイキが接近する前にセーフティリードを取りたいと4角で先頭に立ち内で必死に粘ったが、ラスト50mで一杯となる。それでも南部駒賞では0・7秒差4着に対し、今回は0・2秒差まで差を詰めており、自身は確実に成長している。
「この馬の勝ちパターンに持ち込んだはずだが、これで2着なら仕方がない。以前に比べ安定した力を出せるようになったのが収穫」と村上忍騎手。
3着 マヨノエンゼル
南部駒賞ではワタリシンセイキが動いたのを見てスパート。しかし今回は前のポジション7番手につけ、ワタリシンセイキといっしょにスパート。4コーナーでダンストンジール、ワタリシンセイキの間に入り、窮屈になったので一旦下げて外に持ち出し巻き返しを図ったが、ダンストンジールにクビ差まで迫ったところがゴールだった。
南部駒賞でメンバー中一番の上がりでワタリシンセイキに再接近したが、前が総崩れになったあとに進出したもの。しかし今回はワタリシンセイキより常に前目の競馬に心がけ、自力で進出。3着に敗れはしたが、これで今後のメドは立った。
11月24日 第31回北上川大賞典(3歳以上・地方競馬全国交流 水沢2500m)
(北上川大賞典ゴール 1着 ジュークジョイント 写真・佐藤到)
1着 ジュークジョイント
前半はじっくり待機し、後方を追走。サイレントエクセルが逃げ、1周目4コーナーから14秒台のスローに落としたが、それでもマイポジションを崩さない。
向正面、ラプレがまず動いて各馬もスパート。しかしジュークジョイントは追い出しをぎりぎりまで我慢して3ハロン手前からようやくスパート。すると鞍上・岩橋騎手の指示にすばやく反応し、4コーナーで逃げたサイレントエクセルの外に並ぶ。
直線に入ると内で粘るサイレントエクセルに対し、ジュークジョイントは馬場の大外を回ってグイグイ伸び、ラスト50mでアッサリ交わして先頭。サイレントエクセルを2馬身突き放してゴールに入った。
「後方待機したのは予定どおり。小回り承知の上で、できるだけ追い出しを我慢した。元々能力は高い馬だったが、ボクが持ち味を生かせなかっただけ。でも今回は自分が描いていたとおりのレースで勝てたのでとても嬉しい」と岩橋騎手。
そのコメントにもあるとおり、勝因は他の馬が動いても追い出しをできるだけ我慢したこと。それが最後の爆発力に繋がったと見て間違いないが、レース上がりが37秒7。ジュークジョイント自身は36秒台半ばの脚を使ったことになり、上がり勝負になったとは言え、この脚はけた違いだった。しかも今週の水沢は追い込みでも十分に届く馬場だったことも味方した。
また今回、マイナス15キロと馬体重が大幅に減少。これは長距離輸送の影響で「馬体重を見た時はちょっと心配したが、乗ってみたら感触は悪くなかった」(岩橋騎手)という。
今後は鹿児島の牧場で完全休養。新年度の北海道競馬までリフレッシュに専念する予定だと成田調教師。
2着 サイレントエクセル
当初、カネショウエリートが先手を取ると大方は予想していたが、サイレントエクセル=板垣騎手が手をしごいて意表をつく逃げの手。前半1000mは決して遅くはなかったが、それ以降の4ハロンは14秒台に落とす。
「調教師の指示が“行ってくれ”だったのでひとまずカネショウエリートの出バナを叩いたら、控えたので先行策を採った」(板垣騎手)。
2番手カネショウエリート、3番手コスモアンファングの隊列は2周目の向正面まで替わらなかったが、コスモアンファングが脱落。そこからペースが一気に上がり、4コーナーではジュークジョイント2頭の争いに絞られる。
しかしサイレントエクセルが粘ったのはラスト50mまで。ジュークジョイントが馬体を併せず、大外を回って競り合いに持ち込まなかったこともあってあっさり交わされたが、2着を死守した。
今回は期せずして寒波が押し寄せ、サイレントエクセルの体に冬毛。元々、寒い時期には力を出せなかったタイプに加え、昨年ほどの勢いがない現状で2着ならマズマズの結果と判断するべきだろう。
これからは寒さとの勝負となるが、ようやく復調気配が十分の今なら冬の主役を演じる可能性も高い。
3着 ソーユアフロスト
スタート直後は5番手外につけたが、1周目1コーナーから掛かり気味。小林騎手がうまくなだめて同ポジションをキープしたが、勝負どころで反応がもう一つ。エンジンがかかったのは直線を向いてからで、早めに動いたラプレをゴール寸前で捕らえて3着に入線した。
「ペースアップしたところで置かれたのが痛かった。ラプレが進出してきたのは分かっていたが、それについて行けない。今回のような上がりの競馬よりも坦々とした流れになる2000mぐらいの方が合うかも」と小林騎手。
4着 ラプレ
前半は中団外めを追走し、スローの流れと見て向正面からスパート。3コーナーでは3番手まで進出したものの、そこからの伸びがひと息。前の2頭から徐々に離され、ゴール寸前でソーユアフロストにも交わされて4着。
「スローを意識して早めに仕掛けたが、それで最後が甘くなったかも。ゆったりした流れが合うタイプ。これからも長距離を使っていけばいい結果が出そう」と初コンビを組んだ菅原勲騎手。
5着 カネショウエリート
サイレントエクセルがハナを譲らない構えをみせたので2番手に控える。「ペースが遅すぎたので珍しく掛かっていた」(村上忍騎手)そうだが、ペースアップした3コーナー手前から2番手を死守するのがやっと。直線で一杯となり、4着ラプレからも4馬身離された。