5月11日(日)のメインは牝馬重賞・第1回カーネーションカップ。オープンから300万円条件までのメンバーが揃いましたが、牝馬の上位陣はなかなか強力で、ハンデ差があっても条件馬が逆転とまではいかないのが現状です。
昨年11月以降に行われた牝馬オープン戦は3レース。その3戦中2戦がフクイズミ、トカチプリティーによる決着でした。残る1戦を制したのがすでに引退したアンローズ(2着フクイズミ)だけに、今回もこの2頭による上位争いは必至。この重量なら、トカチプリティーが自慢の先行力をフルに発揮できます。またフクイズミも先団から離されずに追走できることから、追い込みが届く可能性が大です。
前述2頭と今回出走する5歳以上のメンバーはほぼ勝負づけが済んでいますが、もし両馬が障害に苦戦するようなことがあれば、しぶといスターエンジェル、逃げ残りを狙うギャンブラークインが割って入る可能性もあるでしょう。
昨季、3歳牝馬三冠で活躍したニシキガール、プリンセスモモの4歳馬2頭は、ともに古馬牝馬オープン戦初挑戦。ハンデ差的には有利なだけに、もしここで上位に食い込めるようなら今後に楽しみが広がります。
出走表はこちら
【参考レース】
11/11レディースカップ(勝ち馬:フクイズミ)
1/14ヒロインズカップ(勝ち馬:トカチプリティー)
2/17たちばな賞(2着馬:フクイズミ)
今週からいよいよナイター開催がスタートします。ナイター期間中は基本的には金曜・土曜・日曜の3日間開催となりますのでご注意ください。なお第1レース発走予定時刻は全11レース制の日は15:00、全12レース制の日は14:30。メインレースはいずれの場合も20:00発走予定となっています。
今週日曜(11日)・母の日のメインレースには新設重賞・カーネーションカップ(3歳以上牝馬)が行われます。どうぞお楽しみに。
5月9日(金)のメイン第10レースは若葉特別(300万円未満)。
今季開幕からこの条件を目下2連勝のタケノホウシュウが中心。その2戦とも早め障害クリアから抜け出し、後続を突き放す強い内容でした。前走から中3日という点だけが心配ですが、他馬との力関係ではトップハンデ670キロでも有利な印象を受けます。
相手筆頭は、昨季から自己条件(旧200万円、250万円条件)や世代限定戦で10戦連続連対中のミサキスペシャル。先行しての粘り強さが武器で、今回は4歳馬の10キロ減も生きるでしょう。
割って入るなら、前走(5月4日)の勝入300万円未満で1、2着のファイター、アオノキセキが有力。今回が昇級戦のホシダイキチ、エビスオニワカも好勝負できそうです。
5月10日(土)のメイン第10レースはじゃらんカップ(オープン)。
昨季は重賞2勝を挙げ実績上位のミサイルテンリュウが断然の存在。ばんえい記念では2着に入っていますが、昨季後半は高重量戦でゴール前のふんばりを欠くシーンが多く見られました。しかし今回の700キロなら、先行しての押し切りが期待できるでしょう。
ツジノコウフクは前走ばんえい十勝オッズパーク杯ではやや障害に苦戦し6着でした。しかしもともとは障害巧者だけに巻き返しの可能性は十分。相手関係も大幅に楽になっています。
ほかは前開催の大雪賞(オープン)の7〜10着馬など狙いにくいメンバー構成だけに、前述2頭による一騎打ちが濃厚です。
5月11日(日)のメイン第11レースは重賞・第1回カーネーションカップ(20:00発走予定)。このレースは別掲のカーネーションカッププレビューをご覧ください。
待ちに待った開幕!
みなさーん! お待たせしました~! いよいよ新年度ばんえい十勝開催!
勿論、私も、初日から競馬場に駆けつけたのだが、開門時には入場門前に長い列が!
騎手さん勢ぞろいでお出迎え
驚き喜びつつ、その人たちの後ろに並んで入場したら、騎手さん達が勢揃いして、ご挨拶。のみならず、帯広の名店「柳月」の紅白饅頭まで手渡してくれるから、ラッキー! 娘が憧れの佐藤希世子騎手から一箱受け取ったので、その場を離れようとしたら、横合いから私の肩を叩く人が……。
誰かしら? と振り向けば、そこには名手・西弘美騎手の満面の笑顔が! とろけるような西スマイルに心穏やかでいる女性など、この世に存在するはずもなく、私も感謝感激雨アラレ。狂喜恐縮で西さんが手渡してくれた紅白饅頭をかき抱いて、しかし、次の刹那、今度は背中をドシン!と、どつく人が……。
今度は誰? と振り返れば、こちらも名手・大河原騎手が、「おはよっ」と、独特のヤンチャ笑顔でティッシュを差し出してくれたから、思わず噴き出してしまった。
いつも思うのだけれど、ばんえい競馬の騎手さん達って気取ったところが皆無。西さん、大河原さんだけじゃなく、皆さん揃って気さくであって、これが、ばんえい競馬の大いなる魅力のひとつなんだよね~、と、競馬場で落ち合った皆と声を揃えた。
と、そんな嬉しい歓迎を後にしてスタンドに入った我々を次に迎えてくれたのは……
カフェ・ド・ペルシュロン
じゃじゃ~ん! 新規開店の軽食堂。その名も「カフェ・ド・ペルシュロン」というお洒落なお店は、これまた帯広の名店「ますやパン」の直営店。御菓子にしろパンにしろ「安くて美味しい」が帯広近辺の常識だから、このお店のパンも、また低価格。蹄鉄型のパンなんて1個100円なんですよ~。
その他のパンも廉価だし、お店の中には小さなテーブルと椅子が、いつくも用意されているから、気軽に入って楽しく食べられる。
テーブルと椅子がたくさんある店内
「場内の食環境を改善して欲しい」と言われ続けた帯広競馬場。今回のカフェの出店は、そうした観客のニーズに応える「小さくとも偉大な一歩」なんじゃないかと、食いしん坊の私は期待に胸を膨らませているのである。
けれど、食べ物ばかりに目を取られていてはいけないから、更にスタンドをずんずん進んで、今年度から導入された自動券売機で早速、馬券を購入。
後はレースを待つばかりだから、スタンド南側、旧パドック=ふれあい動物園へ。と、いたよ、いました、イッシンブレイブが!
この芦毛馬君、リッキーに続く帯広市役所職員第2号として、今年度からファン・サービスに専念。この日がイッシン君の初出勤日だったのだが、船山騎手に連れられ、ふれあい動物園に登場するや子供や女性に囲まれ大人気。
リッキーの小屋の横にはイッシン君の新しい小屋も建てられ、リッキー・イッシン並んでお客様を迎えたけれど、ニューフェイスながら、イッシンもリッキーに負けず劣らず柔和な顔でファン・サービス。あまりの可愛さに、お客さんがイッシンに集中すると、リッキーが「俺にもかまって~」と抗議の前ガキを炸裂させる一場面も。他にも、イッシン小屋の仕上げに安部憲二騎手が活躍したり、ポニーの引き馬をトップ・ジョッキー鈴木勝堤騎手自らがかって出たり、とレース前とは思えない柔らかな空気が漂う、ふれあい動物園。
イッシン小屋の製作。左から、安部騎手、船山騎手、鈴木騎手
「こんな光景、到底、他の競馬場では見られないよね~」と仲間と笑うこと、しばし。
廃止された競馬場も含めて日本中の競馬場はほぼ訪れたし、外国の競馬場も、それなりの数、訪問したけれど、こんなに和やかで家族的な競馬場というものを私は他に知らない。
もし、未だ、ばんえいをライブで見たことがない方がいらしたら、是非、必ず、絶対に、帯広競馬場においでませ。他では味わえない、「牧歌的で、しかし、レースは実にパワフル」という不思議な競馬が体験できますから。
* * *
そんな心躍る一時の後は、いよいよ待望の馬券勝負! ということなるのだけれど、残念ながら、ここで紙面が尽きた。本当は、初日第1レースから、我らが「ばんえい軍団」が「初っ端から応援杯」なる協賛レースを催したから、その報告もしたいけど、それは次回、大兄・古林先生に報告してもらうとして……。
最後に、ここまで拙文にお付き合い下さった奇特な読者に、お礼として耳寄りな情報を。
26日の開幕を挟んで、4月13日と29日には、2歳馬達の能力検査が行われた。ばんえい十勝HPでも、その結果が発表されているけれど、一番時計のホクショウバンクは本当に強かった。砂の入れ替えで馬場が重くなっていたにも関わらず、1分38秒1という破格の時計でブッ千切り。能力検査で好走する馬には、草競馬でレース慣れしている馬が多いけれど、この馬は草競馬でも走ったことがないというから、これからの成長分も見込めるわけで、いや、末恐ろしい逸材である。
能力検査でのホクショウバンク
でもね、私が密かに期待している2歳馬が、他にも1頭いて、それが29日の第2回の能力検査で一番時計を出したヒカルカチドキ。この馬の調教師は、誰あろう我が友・谷あゆみ調教師。私も、昨秋、谷さんと、この馬を牧場まで観に行ったことがあって、だから、能検でも注目していたのだけれど、期待に違わぬ悠々の一番時計。それにしても、この馬、体力の凄さもさることながら、その勝負強い気性に感服。坂でもゴール前でも、自分から懸命にソリを引く姿に鳥肌立たされた。父エビスカチドキは、谷さんが厩務員時代に大切に大切に育てた馬。その馬の産駒が谷さんの大きな夢をかなえてくれたら……と想像するだけで、またまた鳥肌。
能力検査でのヒカルカチドキ
金髪王子ヒカルカチドキが、ホクショウバンクと、どんなレースを繰り広げてくれるか、今年度、新馬戦が楽しみで楽しみで……。
さて、皆さんの今年の注目馬は、誰?
4月13日に行われた08年度第1回能力検査に出走した2歳馬263頭(うち合格馬213頭)中で、1番時計を叩き出したホクショウバンク(牡、岡田定一厩舎)が、5月5日(祝・月)の第2レースでデビューを迎えます。近年の第1回能力検査で1番時計をマークした馬には、オレワスゴイ(08年イレネー記念)、シベチャタイガー(07年ばんえい菊花賞)、マルミシュンキ(08年天馬賞など重賞3勝)ら層々たる顔ぶれが並びます。将来の活躍が期待される若駒の初陣にぜひご注目ください。
なお5月3日(祝・土)~5月5日の3日間は帯広競馬場の入場料が無料。また昨年好評を得たふわふわランドを今年も開設します。
5月3日(祝・土)のメイン第10レースはすずらん特別(4歳オープン)。
ここは年明けに出走した世代限定戦3戦すべてで連対していたミサキスペシャルに注目です。今回とほぼ同メンバーだった昨季最終戦・クリスタル特別(4歳オープン)では障害先頭から後続の追い上げを封じて勝利しています。持ち前の先行力に磨きがかかっている近況で、ハンデ差的に今回も押し切りが可能。当日、力のいる馬場状態になりそうなのもプラス材料です。
昨季後半にメキメキ力をつけてきたホッカイヒカル、クリスタル特別2着のコーネルフジ、軽量魅力のプリンセスモモ、エリザベスライデンらが相手として有力でしょう。
5月4日(祝・日)のメイン第10レースはスーパージョッキー賞(混合500万円未満)。
4月27日第9レース(混合500万円未満)の出走馬にハマナカキングを加えたメンバー構成となりました。そのレースは、ほぼ同時に先頭で障害を越えたトカチタカラ(1着)、ストロングペガサス(2着)、フクノカミカゼ(4着)、メジロショウリキ(5着)が横一線の叩き合いを展開。そこに残り10メートルでイナノプリンセス(3着・今回は不出走)も加わって、1~5着までが1秒1差にひしめく好レースとなりました、。
今回は昨季のリーディング上位騎手による選抜戦ですが、上位4騎手、鈴木勝堤騎手(フクノカミカゼ)、大河原和雄騎手(トカチタカラ)、藤本匠騎手(メジロショウリキ)、藤野俊一騎手(ストロングペガサス)がいずれも4月27日第9レースの上位馬に騎乗。この4頭による上位争いが濃厚でしょう。
5月5日(祝・月)のメイン第10レースは大雪賞(オープン)。
昨季、古馬重賞戦線で活躍したシンエイキンカイが実績的には一枚上の存在です。しかしどちらかといえば荷物を積まれたレースで、他馬が苦しむ間隙を突いて好成績を残すタイプ。今回は格的に下のメンバーが相手ですが、この重量では絶対視できません。
中心に推したいのは、昨季後半、主にオープン混合戦で中心的な活躍を見せた、障害巧者ホクトキング、先行力あるニシキダイジンの2頭。昨季最終戦の白樺賞(オープン混合)同様、ワンツーの可能性も十分でしょう。
障害さえまともならヤマノミントや、ホクショウファイトも差はありません。