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やっぱり馬が好き(第31回)  旋丸 巴

2007年2月15日(木)

イケメン騎手は難儀な存在?

 ばんえい存続問題で揺れた11月以降、私の人生は大きく方向転換してしまったようで、何しろかにしろ、ばんえい関係の知人が爆発的に増えた。特に、騎手の人達とは、随分、お話をさせてもらうようになった。

 と、ここで、突然話は飛んで、我が氏素性の話になるのだけれど、当方、実は、小学生時代を兵庫県芦屋市という高級住宅街で過ごし、通った小学校は、その名も「山手小学校」。同級生には大企業の社長さんの子息なんぞがゴロゴロ。なおかつ、当時、私は隣街・神戸の乗馬クラブに通っていて、大臣を務める国会議員の先生や経済界の大物であるオジサン達と馬首を並べて馬術に励んだ。

 って、何を言いたいかと言えば、「私ってばお嬢様なの」ということなんである。

 けれど、また、私には別の氏素性物語があって、かくかように優雅な生活の以前に住んでいたのは、大阪南部・河内という地方。御存じない方のために解説すれば、河内というのは、その、あの、まあ、お下劣なお言葉などをお話になる地域で……。

 芦屋育ちにも関わらず、だから、時折、私は、心ならずも、幼少のみぎりの河内弁が口を突くことがあって、この発作が起こるのが、困ったこと競馬場なのである。

 「行け~!! ××~!! こら~っ、××っ、差せ!! 差さんか~!!」

 「××」の部分に、騎手各位の御芳名が入ることは当然で、なおかつ、敬称略、というのも、これまた当然。

 だったのだけれど……。

 ここで話は冒頭に戻る。

 色々な騎手の方々とお知り合いになったのですよ。しかも、その内、何人かとは真剣に意見交換なんぞもさせていただきました。と、なると……。

 そう、前述の如き河内弁での「応援」(世間では、これを「罵声」と呼ぶ)は、できない訳で……。

 のみならず、知っている騎手さんの姿を見ると、馬券検討に大いなる迷いが生じて……って、まあ、元々が、そんな精緻な馬券検討であるはずもないのだが、それにしても、「お話させてもらった騎手さん」というのは、なかなか難儀な存在なのである。

Photo_74  「ナイターを始めるなら、屋台村なんかを誘致して、若い人のデートスポットにするなんていう考えもありますよね」と、先日のシンポジウム後のレセプションで、真剣に「ばんえい再生」について語ってくれた鈴木恵介騎手(写真)。こんな風に熱く紳士に語られたら、以降、馬券を買わずにいられる訳はなく……。

Photo_75  また、12月の署名運動で、「勝負服にも冬用と夏用があるんですか?」という私のアホな質問に、丁寧に答えてくれた阿部武臣騎手(写真・左)も、あの日以来、無視できない存在となって……。

 「あのさぁ、結局、イケメンの騎手さんに気持ちが行ってるだけじゃないの?」と、我が家に生息するオジサン(我らが馬券博士・古林大教授先生のお説によると、これを「ハイグウシャ」というらしい)が嫌味を言うけど……。

 けどね、女性読者諸氏よ、精悍なマスクも凛々しい恵介君の騎乗姿や、ハーフかと見紛う艶やかな武臣さんの笑顔を見て、心動かなくなったら、もう、あなたの「女性度」は、相当、枯れてますぜ。ふっふっふ(写真映りは悪いけど、恵介騎手も、武臣騎手も、実物はもっとイケメン)。

 という訳で、なまじ騎手の方々とお知り合いになったばかりに、生来の馬券下手に拍車がかかって、もう、ズンドコの馬券成績。辛酸をなめることに危ない喜びさえ感じる、この頃の旋丸なのでありました。うわ~ん。

今週のみどころ(2/16〜2/19)

 今週から金~月の4日間開催となります。この4日間開催が始まると、ばんえい競馬もいよいよクライマックス。1カ月後にはイレネー記念やばんえい記念などの王者決定戦が控えており、各馬の調整もピッチが上がってくることでしょう。一般戦とはいえ見逃せないレースが多くなってくるだけに、しっかり記憶に焼き付けていただきたく思います。
 16日(金)はメインレースに霧多布岬特別(4歳以上650万円未満)が行われます。ここにはこの路線の有力各馬が集い、楽しみなメンバーとなりました。なかでも注目はダービー馬ナカゼンスピード。前走のポプラ賞は4歳馬として単身5歳勢に挑み、結果5着と健闘。力をつけているうえに、前々走ではここでも中心視されそうなハヤテショウリキを下しています。このクラスなら好勝負必至といえそうで、ダービー馬の底力を見せつけてくれるのではないでしょうか。前述ハヤテショウリキももちろん争覇圏。成績安定バンゼンのほか、キョウエイボーイ、コブライチも注目です。
 この日の第10レースには4歳以上オープンの一戦が組まれています。前走5着に敗れたトカチプリティーの巻き返し、好調ヤマノミント、一発秘めるミサキスーパー、プリンセスサクラコ、タケタカラニシキなど多士済々のメンバーがエントリーしています。
 17日(土)は納沙布岬特別(4歳以上800万円未満)が行われます。前走の北斗七星特別を快勝したツルマキシンザンが中心となるでしょう。大崩れがないのが特徴で、連軸にはもってこいの存在。今回のメンバーとの対戦でも常に上位フィニッシュを果たしており、信頼度は十分といえるでしょう。ほか前走で2着に巻き返したライジングサン、堅実なギャンブラークインも十分争覇圏と思われます。
 18日(日)のメインレースは然別賞(4歳以上オープン)。前開催にポプラ賞に回った5歳馬もエントリーしており、新旧入り乱れたメンバーが集結しました。どの馬を中心にとるか難しいところですが、ここはフクイズミに期待したいと思います。言わずとしれたカミソリ娘。その末脚を武器にオープン戦線を席巻しています。障害に課題はあるものの、少しのミスは末脚で取り返せるだけに、ここも十分に期待できると思います。カネサブラックはポプラ賞こそ4着に敗れたものの、持っている力はトップクラス。一度で見限るのは早計といえるでしょう。ほか、前走の勝利で弾みをつけたいミサイルテンリュウとスーパーロイヤル、好調エビスオウジャも十分に狙えると思います。
 この日の第10レースはジュニアカップ(3歳オープン)。混沌としてきたこの世代ですが、ここにもカネサリュウ、シベチャタイガー、アローファイターといった面々がエントリー。堅実派パンチテンリュウ、もう一発を狙うコーネルフジなど、注目の一戦となっています。
 19日(月)に行われるのは襟裳岬特別(4歳以上550万円未満)。ここは650万クラスとの混合戦で着実に成績を上げてきているコマタイショウに期待したいと思います。そもそもこのクラスではきっちり馬券に絡む活躍を見せており、近3走は上位との混合戦で4、3、2着に健闘。力関係からは十分勝機と思われるだけに、ここも期待できそうです。自己条件では堅実なキタノカイザー、前走1番人気を裏切るかたちになったアローコマンダー、2連勝と好調なワカテンザンも注目です。
 この日の第10レースには4歳以上オープンの一戦が行われます。ここは前走先行策から見せ場をつくったエンジュオウカンが中心視されるでしょう。ゴールまでミサイルテンリュウとたたき合った前走は手ごたえ十分といえそうで、オープン3組戦となる今回は、おそらく陣営も狙ってきているのではないでしょうか。この馬らしい軽快なスピードを見せてもらいたいと思います。ほか、好走を続けているホクトキング、帯広記念の快走が記憶に新しいスターエンジェルなども争覇圏。先行力が光るニシキダイジンにも期待できそうです。

レース回顧(2/10~2/12)

2007年2月13日(火)

 10日(土)は北斗七星特別(4歳以上混合800万円未満)が行われ、2番人気のツルマキシンザンが快勝しました。例によってキタノスサノオが早めのレースを展開するなか、ツルマキシンザンは2番手を追走。第2障害を先頭で越えると、残り10メートルを切っていったんストップ。ライジングサンに交わされましたが、立て直してこれを差し返すと先頭でゴールを果たしました。終始歩き続けたライジングサンが2着を確保。3着にイッスンボウシが食い込みました。障害3番手クリアから脚を伸ばした1番人気のギャンブラークインは、ライジングサンを交わして2番手まで浮上したものの、残り10メートル付近で脚が止まり、4着に敗退しています。
 11日(祝・日)のメインレースは、重賞のポプラ賞(4・5歳オープン)。このレースについてはポプラ賞回顧をご覧ください。
 第10レースに行われたのはつばき特別(3歳牡馬オープン)。6番人気のコーネルフジが優勝し、9月以来の勝利を挙げました。第2障害はアローファイターが先頭で越えるも、シベチャタイガーら5頭が立て続けにクリアする大激戦。コーネルフジもこの一角で、残り30メートル付近から一気に加速すると、10メートルを切ったあたりで先頭へ。外から追い上げてきたミサキスペシャルの追撃を交わし、先頭でゴールしました。粘ったアローファイターが3着に入線し、以下パンチテンリュウ、シベチャタイガー、カネサリュウという結果になりました。
 12日(振・月)のメインレースは白樺賞(4歳以上オープン)。実力馬が多数揃った一戦でしたが、ここは3番人気のミサイルテンリュウが優勝しました。第2障害はエンジュオウカンが先頭で越えていきましたが、差なくミサイルテンリュウが続く展開。そこからゴールまで2頭の激しい競り合いとなりましたが、わずかにミサイルテンリュウが先着。持ち前の先行力を生かした2頭の、見ごたえあるレースとなりました。離れた3着にはシンエイキンカイ。1番人気のトカチプリティーは、真っ先に障害に挑むも苦戦を強いられ、結果5着に敗れました。

映像はオッズパーク内「過去のレースVTR」をご覧ください

2/11ポプラ賞回顧

2007年2月12日(月)

スーパーロイヤル重賞タイトル奪取!

 11日(日)に行われた重賞のポプラ賞(4・5歳オープン)は、2番人気のスーパーロイヤルが優勝。7度目の挑戦での重賞初制覇となりました。
 前半はほぼ一線で進んでいましたが、徐々にスーパークリントンやエンジュダイヤらが先行。しかし縦に長くなる展開とはならず、各馬ゆったりとレースを進めました。
 第2障害はエンジュダイヤが真っ先に仕掛け、遅れてカネサブラック、スーパーロイヤルといったあたりが登坂開始。しかし800キロ前後の高重量とあって、カネサブラック、エンジュダイヤがヒザを折るなど各馬大苦戦。しかし力強く抜け出してきたのはスーパーロイヤルで、もがく後続を尻目に障害を下りていきました。遅れてナリタボブサップが続き、そこからやや離れてスーパークリントン、立て直したカネサブラックもようやくクリアしました。
 しかし時すでに遅し。先ゆくスーパーロイヤルの脚いろはまったく衰えず、ナリタボブサップも懸命に追走しましたが、差が詰まる気配はありませんでした。そのままゆうゆうとスーパーロイヤルが1着でゴールイン。4秒ほどの差でナリタボブサップが2着入線を果たし、さらに10秒差3着でスーパークリントンがゴールしました。
 勝ったスーパーロイヤルは、前述のとおりこれが重賞初制覇。しかし、これまでイレネー記念、先月の銀河賞でともに2着など世代のトップクラスとして活躍しており、ここまで重賞未勝利だったほうが不思議でした。今回タイトルを獲得したことで、さらなる活躍も期待できそうです。

成績はこちら
映像はこちら

2/11ポプラ賞予想 矢野吉彦

2007年2月10日(土)

もう一度スーパーロイヤル

 先週の黒ユリ賞予想、苦しまぎれの4頭ボックスが当たっちゃいましたね。まぁ、当たるときはそんなものです。でも、正直、ホッとしてます。

 さぁ、今週は4・5歳馬によるポプラ賞。ほぼ、1月の銀河賞の再戦といった様相ですが、騎手が乗り替わったり、ハンデ差に若干の変化があったり、4歳馬ナカゼンスピードが加わったり、といった要素が微妙に影響しそうです。
 さらに気になるのが天気。11日は雪の予報で、銀河賞の時とは馬場状態も違ってくるでしょう。今回はあの時より少し軽い馬場になると思います。それがどの程度なのか。銀河賞より荷物が重くなっても、それを感じさせないくらい軽くなるんでしょうか。そこまで軽くなれば、「高重量になるとどうか?」という馬でも台頭できますからね。ここも悩みますね。
 さて、銀河賞で斎藤編集長と私が軸馬に推したスーパーロイヤル。2着に来たので馬複馬券は当たったものの、馬単の頭に期待していた私は半分ガッカリでした。ゴール前のもうひと踏ん張りが足りなかったわけですが、どうも、前に馬を置いてゴールすることに慣れちゃってるような気がします。その後の2戦も、そんな内容ですよね。でも、実績といい調子といい、まだまだ狙い続けていい馬でしょう。銀河賞の印象からすれば、荷物を積んでも歩けそうです。前走の睦月特別は、カネサブラックに障害で先手を取られ、軽い重量の特別戦でスピード比べのレースになったことが敗因と考えられますし。
 で、今回は、スーパーロイヤルの「ちょっと足りないけど堅実」というところを逆手にとって、スーパーロイヤルからの馬複と、これを2着にした馬単流し、で行こうかと思います。
 相手は、ハンデ頭でもカネサブラック、銀河賞優勝馬スーパークリントン、4歳馬でもナカゼンスピード。ナリタボブサップとコマヨシニセイも買っておきますか。

 今週8日、東京でNARグランプリ2006の表彰式があり、ばんえい年度代表馬に選ばれたアンローズの関係者とお会いしました。もちろん、藤本匠騎手とも。その藤本騎手が、スーパーロイヤルのソリに戻ってきました。スミマセン、藤本騎手、2着でいいですから、お願いします、勝たないでください! なんてムシが良すぎますか? では、今回はこのへんで!

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