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2007年7月 アーカイブ

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レース回顧(7/7~7/9)

2007年7月10日(火)

 7日(土)に行われた七夕特別(3歳以上混合500万円未満)は、2番人気のライジングサンが優勝。今季の初勝利を挙げ、元オープン馬が復活ののろしを上げました。
 真っ先に第2障害に挑んだライジングサンは、大口騎手の手綱に応えてひと腰でクリア。後続を置き去りにして逃げ切り態勢を築きました。障害3番手から脚を伸ばしたハヤテショウリキがゴール前で差を詰めてきましたが、ライジングサンは楽な手ごたえ。そのまま先頭でゴールを果たし、元オープンの底力を見せつけました。2着はハヤテショウリキ、3着には絶望的な位置から追い込んだシンザンウィークが入線。

 8日(日)は馬体重選抜による名物レース、ビッグウエイトカップが行われました。これを制したのはスーパークリントン。重賞2勝の貫禄を見せつけ、今季2勝目を挙げました。
 ナリタボブサップが早めに仕掛ける予想どおりの展開で、続けてスーパークリントンも登坂開始。このオープン2頭が並んで障害を下り、早くも一騎打ちの様相。障害後はわずかにナリタボブサップが前に出ていましたが、終いがしっかりしているスーパークリントンが残り20メートル付近で先頭へ。そのまま3/4馬身ほどのリードを保ってゴールラインを通過しました。終いに脚が鈍ったナリタボブサップも、よく粘って2着を確保。障害3番手からきっちり歩いたグレートサンデーが3着に入線しています。

 9日(月)はメインレースに天の川特別(3歳以上430万円未満)が行われ、8番人気のヒカルヨシウメが優勝。2着には1番人気のメジロショウリキが入りましたが、それでも馬連単は万馬券となる波乱の決着になりました。
 第2障害は各馬とも苦戦を強いられましたが、2番手で障害に挑んだストロングペガサスがようやく登り切って先頭クリア。遅れてヒカルヨシウメ、メジロショウリキが障害を越えていきました。しぶとく逃げていたストロングペガサスは徐々に脚取りが重くなり、残り10メートル付近で失速。その隙にヒカルヨシウメとメジロショウリキが交わしていき、ヒカルヨシウメがクビ差を保ったままゴールを迎えました。残り5メートルで脚が止まったストロングペガサスは、ヤマトゼンシンにも交わされて4着に敗れています。

映像はこちら。またこれらを含めた4月以降の映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(7/7~7/9)

2007年7月 6日(金)

 初めて生でばんえい競馬を見た方が驚くのは、体重にしてサラブレッドの優に2倍はある、ばん馬の大きさではないでしょうか。
 今週の日曜(8日)には、前走出走時の馬体重で重いほうから10頭の選抜馬(出走は9頭)による、ビッグウエイトカップが行われます。ばんえいに体重別のクラス分けがあれば、間違いなくヘビー級であろう巨漢馬たちの力強い走りにご注目ください。

 7月7日(土)のメイン第11レースは七夕特別(混合500万円未満)です。
 トカチタカラは今季未勝利ですが、混合600万円未満で2戦2連対、混合700万円未満でも3戦していずれも掲示板に載るなど堅実です。
 同じ600万円条件のシンザンウィークは、前走混合500万円未満で今季初勝利を挙げました。今年3月にはオープンで2着に入るなど実績もあり、この2頭が力上位でしょう。
 500万円条件勢では、出走取消明けが気になりますが今季自己条件で複勝圏を外していないハヤテショウリキ、近2走混合500万円未満で2、1着と調子を上げてきたニシキタカラあたりが有力。また、カゲシュウホーも実績では負けていません。

 7月8日(日)のメイン第11レース、ビッグウエイトカップ(体重選抜)は、オープンから600万円条件までの多彩なメンバーが集まりました。
 クラス混合戦は力量の比較が難しいという印象がありますが、このレースは過去2年でいずれもトップハンデのオープン馬が優勝しています。
 となると期待は730キロを曳く2頭。なかでもスーパークリントンに注目です。前々走オープンで今季初勝利を挙げると、前走旭川記念でもしぶとく3着に入るなど勢いが出てきました。馬場は重いほうが向くタイプで、今の帯広コースはぴったり。相手関係が楽になったここは負けられません。
 障害力と堅実な末脚が身上のナリタボブサップは、帯広は得意なコースですが、今季はオープンで、先行して粘れず、追い込んで届かずといったレースが続いています。しかし、馬場水分4.0%以上ではこれまで30戦26連対という生粋の軽馬場巧者だけに、今の時計のかかる馬場に苦戦しているだけという見かたもできます。もし軽い馬場になるようなら今季初勝利のチャンスでしょう。
 5月13日の混合オープンで前述2頭に先着しているヤマノミント、一昨年の覇者グレートサンデー、一発のあるタカラボーイなども有力です。

 7月9日(月)のメイン第11レース天の川特別(430万円未満)は、キョクシンオーストロングペガサスの2頭に注目です。
 ここ2走、混合500万円未満で、いずれも勝ち馬と5秒差以内の5、2着と好走したキョクシンオー。今回は自己条件戦に戻ることから引き続き好走が期待されます。
 ストロングペガサスは、今季430万円未満で2勝ですが、この2勝はともにキョクシンオーを破ってのものだけに価値があります。
 この2頭に割って入るとすれば、柏林賞3着のメジロショウリキ。今季ともに混合500万円未満で勝利を挙げているワカテンザンタカラテンクウらも侮れません。

やっぱり馬が好き(第36回) 旋丸 巴

2007年7月 5日(木)

観戦ボックスとフクちゃん

 読者各位は、御存知だろうか? ナイター期間限定で「ばんえい十勝観戦ボックス」なるお弁当が売られていることを!

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ばんえい十勝観戦BOX(700円)

 地元素材で作られたベーグルサンドとスイーツ、それに牛乳と特製ウーロン茶缶まで付いるのだが、しかし、読者各位は更に更に御存知だろうか? このお弁当には、メインレースの予想が付いていることを!

 お弁当に入れられた予想メモは、予想の大名人が執筆したもの……ではなく、実は、古林先生と、そして、不肖・私が隔週交代で書いているんですよ~。あはははは

 と、しかし、笑ってばかりはいられない。「おお、そういう企画があるんなら、書きますわよ~」と気楽に引き受けたものの、この予想、書いてみるとなかなか当たらないから段々に焦り始めた。担当開始後3日連続で外した時には、「このまま、ずっと当たらなかったらどーしよー」と本気で心配したけれど、担当4日目の7月1日、白夜賞で、ついに単勝と馬複を的中させて、やった~。配当も馬複1000円。これでお弁当を買って下さった方にも満足いただけただろうと、胸を撫で下ろしたのである。

 とは言うものの、白夜賞を的中できたのは、実は、私の大大だ~い好きなフクイズミことフクちゃんが活躍してくれたから。という訳で、今回は「観戦ボックス」の話題と見せかけて、実は、フクちゃんのお話なのである。

fukuizumi.JPG
フクイズミ(撮影は昨年)

 今年新設された白夜賞は、白馬賞に続く芦毛限定レースで、しかし、現在、芦毛のオープン馬といったら、フクちゃん、ただ1頭。だから、白夜賞で優勝したのも、格から言えば当然だったのかも。

 さて、そのフクちゃんだけれど、かつては我らが谷さんも担当したことがあり、なおかつ、今、担当されているヤスさんともお知り合いになったこともあって、昨年来、注目して来たけれど、前述の如く、今や私はフクちゃんの大ファン。だってね、強いのである。愛らしいのである。なおかつ、個性的なのである。

 まず、私を魅了したのは、フクちゃんの「豪脚」。「あ~、今日も走りたくないわ~」と言った感じで、スタートから、のんびりと走り出すフクちゃん。ではあるけれど、第二障害を越した辺りから、ガラリ一変。どどどどど~と豪脚を爆発させ、足取りの重くなった馬を、「はい、失礼」とばかりにアッサリ抜き去ってしまうから、いやぁ、凄いんですわ。

 一時期、「差し馬」と言えばイケダガッツがその名を轟かせていたけれど、今や「怒濤の差し脚」と言えばフクちゃん。旭川記念で、あわやミサイルテンリュウを差し切るか、というほどの急追を見せた、あの場面、読者各位も記憶に新しいのでは?

 で、以下、フクちゃん担当の厩務員・ヤスさんと私の問答。

ヤスさん「あいつ、練習の時も障害見ると、速攻、不機嫌になるんすよね」

旋丸「ってことは、第二障害までは不機嫌なんだ?」

ヤ「そうです」

旋「じゃあ、ひょっとして、第二障害の後の、あの凄い脚は、おうちに帰りたいから?」

ヤ「その通り」

 という訳で白夜賞では私の予想通りフクちゃんの「おうちに帰りたい攻撃」が炸裂。優勝を勝ち取った次第で、めでたし、めでたし。

 さて、こんなフクちゃんだけれど、谷さんからも、こんな話を聞いた。元気溌剌のフクちゃん。普通の馬なら、レース前の調教は軽めにするのだが、そういった軽い調教では物足りないのか、フクちゃん、レース途中、第二障害の手前で一息入れるために立ち止まると、突如、前足を振り上げて、穴掘りを始めるそうな。「あっちに良いもの埋まってるかな~。こっちの方が面白いかな~」 ザクザク。

 かくて、フクちゃんは、レース前の調教でもハードに追われることになったとか。

 その甲斐あって、今は第二障害手前で遊ぶことはなくなったようだけど、「けど、今でも、二障害前で変な角度に前足が上がると、ギクッとします」とはヤスさん。

 こんなヤンチャなフクちゃんだけど、とっても人懐っこくて、厩舎にお客さんが来た時は妙に上機嫌になるそうな。かつまた、そんな日の翌日は、激走することもあるとか。

 余談ながら、こんな可愛いフクちゃんを、担当のヤスさんが心底愛しているのは言うまでもなくて、昨年末の騒動で、ばんえい競馬が廃止になったら、この方、フクちゃんと駆け落ちすることまで考えられたとか。

 勿論、冗談に決っているだろうけど、生きる道を亡くしたフクちゃんのことを思えば、そんなことまでも空想せざるを得なかったヤスさんの心中は察して余りある。

 ヤスさんを誘拐犯にしないためにも、ばんえい競馬が存続して良かった、良かった。

 さて、そんなヤスさんには野望があって、それが「フクイズミをファンに一番近い馬にすること」なんである。「近い」と言っても物理的には限界があるけれど、最もファンに愛される馬として活躍させ、ばんえい競馬を盛り立てて行きたい、というのが彼の目論み。

 可愛くて個性的なフクちゃんのことだから、放っておいても「ファンに一番近い馬」になってくれるとは思うけど、それでも、まだまだマイナーな、ばんえい競馬。読者各位も、是非、フクちゃんや、他の個性派馬に注目して、ばんえい競馬を今の10倍、いや、100倍楽しんでいただきたいのである。

 ついでに、観戦ボックスも買っていただければ、更に、楽しさは倍増する……かも。

レース回顧(6/30~7/2)

2007年7月 2日(月)

 30日(土)は涼風特別(3歳以上オープン)が行われ、1番人気のカネサブラックが優勝。前走旭川記念7着から、きっちり巻き返しました。
 第2障害は外枠の各馬が早めに挑みましたが、ひと呼吸おいて仕掛けたカネサブラックがひと腰であっさりクリア。差なくトカチプリティー、タケタカラニシキが越え、3頭による争いとなりました。しかしカネサブラックの脚いろはまったく衰えず、そのまま逃げ切ってゴールイン。残り20メートル付近で2番手に上がったタケタカラニシキが2着で、3着にトカチプリティーが入線しました。

 1日(日)に行われたのは芦毛馬選抜による白夜賞。ここはオープンのフクイズミが貫禄を見せつけ、断然人気にこたえました。
 第2障害はフクイズミとトウリュウの格上2頭が並んで先頭クリア。ふだんは障害で苦戦することの多いフクイズミだけに、この位置で越えることができれば盤石の展開。しばらく併走し、残り10メートルを切ったあたりから一気にトウリュウを突き放して先頭ゴールを果たしました。よく食らいついたトウリュウが2着。障害4番手から追い込んだ8番人気のダイニハクリュウが3着に健闘しました。

 2日(月)はメインレースに薫風特別(3歳以上オープン混合)が行われました。当初アンローズがエントリーしており注目されましたが、残念ながらここは回避。結果は4番人気のバンゼンが優勝し、前走に続く勝利を挙げました。
 終始ペースをリードしたハマナカキングが、第2障害も先頭で登坂開始。しかし最内枠のバンゼンが掛かりよく登り始めると、これをあっさりクリア。やや遅れてハマナカキング、ギャンブラークインが続き、そのうしろから1番人気のホクショウダイヤが越えていきました。しかしバンゼンの逃げ脚は快調で、ハマナカキングがゴール前で追い上げてきましたが、これを振り切って先頭でゴール。2着ハマナカキングで、ホクショウダイヤはよく追い込んだものの障害での遅れが響き、3着が精一杯でした。

映像はこちら。またこれらを含めた4月以降の映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

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