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2007年3月 アーカイブ

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3/4チャンピオンカップ予想 矢野吉彦

2007年3月 3日(土)

ミサイル、カネサの一騎打ち

 今年もアッという間に3月になりました。北海道市営競馬組合主催のばんえい競馬は今月限り、重賞レースはあと3戦です。もうすでに、帯広市主催となる4月以降の開催日程案が発表されていますが、締めくくりとなる今月のレースはビシッと当てていきたいですね。

 今週は、この1年の重賞優勝馬によるチャンピオンズカップ。メンバーを見渡したところ、トモエパワー、アンローズ、ミサイルテンリュウの古馬オープン勢 VS 4、5歳のオープン馬、という構図になりました。で、性齢と今年度獲得賞金によって、ばんえい重量が決められています。古馬オープン勢は、どの馬も今回引っ張るソリの重さを経験済み。一方、4、5歳馬にとって、今回のソリの重さはいずれも初体験。単純に考えれば、重量経験のある古馬勢有利と見ていいんでしょうが、去年のこのレースでは、それまで790キロまでの経験しかなかったホクトキングが、初めての800キロという重量を克服して勝っています。同馬は、前走まで3戦続けて勝ち馬から30秒以上も離されて負けていたんですから、勢いで荷物をこなしたとも言えないわけで、それを考えると今年も波乱の余地があるかもしれません。
 去年のそのレース、ミサイルテンリュウが今年と同じ830キロのソリを引いて2着に入りました。今年は目下2連勝中。調子もよく、この重量にも実績があるとなれば、順当に行けばこの馬で大丈夫でしょう。トモエパワーの近走が今イチ、アンローズは相変わらず帯広苦手、ということからも、これら古馬勢には負けないと思います。あとは初経験ながら軽重量の4、5歳馬との兼ね合い。今回の重量でも勝負になりそうな馬というと、スーパーロイヤル、カネサブラックなんでしょうが、スーパーロイヤルと相性のいい藤本騎手がニシキシャープのほうに乗っています。尾ヶ瀬騎手には申し訳ないですが、今回は見送ったほうがいいかも。それじゃぁ、ミサイルテンリュウとカネサブラックの一騎打ち、然別賞の再現ってことになっちゃいますね。
 どうもそんな雰囲気のレースに思えてきました。でも、やっぱり穴馬を探したくなります。だったら、ニシキユウですか。700キロまでの経験しかない馬が、今回は740キロを引きます。これは確かにキツイですよ。でも、690キロを引いた前走のウイナーズカップで、重賞の常連相手に4着に健闘。第2障害でヒザを折りかけましたがうまく立て直し、降りてからもよく歩いていました。これは弾みになるはず。藤野騎手の腕をもってすれば、ペースが前走より確実に遅くなる分、50キロの増量も何とかしてくれるでしょう。そしてもう1頭、実力は絶対あるので、アッと驚く大変身があってもおかしくないアンローズ。これを穴馬に取り上げてみましょう。
 ということで、ミサイルテンリュウとカネサブラックの馬連を厚めに。あとは、ミサイルテンリュウが頭でニシキユウとアンローズを2着にした馬単を少々。本線の馬連では配当は期待できないので、穴馬券が当たったらいいなぁ、という気楽な気持ちで買ってみます。この気楽さが吉と出るか凶と出るか、さぁどうなりますか? では、今回はこのへんで。

3/4チャンピオンカップ予想 斎藤修

5歳馬スーパークリントンで

 今の力関係からして、まあなんとも見事としか言いようのない重量差で、牝馬の20kg減を考えれば実質トップハンデになってしまうアンローズ以外、どの馬が勝っても不思議はないような難解なチャンピオンカップとなった。390万クラスのニシキユウだってトップハンデのトモエパワー、ミサイルテンリュウと90kgも差があれば勝ち負けになってもおかしくない。
 なんとも残念なのは、いまだに重賞を勝っていないためナリタボブサップがここに出られないこと。その出走資格がないナリタボブサップのぶんまでというわけではないが、同期のスーパークリントンから狙う。銀河賞、ポプラ賞の結果から見ればカネサブラックやスーパーロイヤルよりもこの馬にチャンスだろう。トップハンデのトモエパワー、ミサイルテンリュウとも20kg差なら勝負になってもおかしくない。
 もう1頭注目はトモエパワー。帯広記念を勝ったことでその後の4戦は重量を課され、ハナから勝負にならないレースだった。今回の重量差なら勝負がかりだろう。
 あとは連勝中のミサイルテンリュウに、すっかりオープンの貫禄が出てきたカネサブラック。条件クラスではニシキシャープも好調。
 フクイズミは前走然別賞での1、2着馬との重量差を考えれば、今回は5kgではあるが有利になっているわけで、逆転も十分に考えられる。しかし相対的な重量ではなく、800kgという重量でフクイズミのような脚質の馬がだいじょうぶだろうかと考えると、どうもイメージが沸いてこない。障害で苦戦するような気がする。
 馬券は、◎○の馬連か馬単の表裏で厚く勝負。あとはこの2頭からの流しだが、オッズ次第ではボックスもアリかも。
 ◎スーパークリントン
 ○トモエパワー
 ▲ミサイルテンリュウ
 △カネサブラック
 △ニシキシャープ

3/4チャンピオンカップ予想 古林英一

頭堅けりゃ、紐弱し

 久々に重賞予想チャレンジである。ということで、小生にとってはチャンピオンカップならぬチャレンジカップなんである。
 然別賞組が7頭、その他が2頭。つまり然別賞の再戦ともみえるメンバー構成であるが、メンバーが同じでも斤量がぐっと違う。この斤量の違いが着順の変化をもたらすのであって、ここらがばんえいの面白いところなのである。
 白樺賞、然別賞とオープン特別を連覇し、調子を上げてきているように思えるミサイルテンリュウ。すでに800kgを超える高重量戦を何度も経験している。順当ならこの馬が中心とみていいのだろうが、ところがどっこいそれでは面白くない。
 ミサイルテンリュウを物差しに考えてみることにする。なんせ、小生は学者である。理路整然と予想するのである。客観的基準のもとに判断を下す。まことにもって理論的である(というほどのことはないが)。
 そしてさらに過去の経験も教訓化する。いわゆる温故知新である。昨年のチャンピオンカップの1番人気はニシキダイジンで3着。2番人気がミサイルテンリュウで2着。勝ったのはなんと9番人気のホクトキング。ちなみに、ホクトキングに騎乗していたのが鈴木勝堤さん。ミサイルテンリュウは鈴木恵介さん。人気薄の親父殿が人気の婿殿を一蹴したということだ。
 今年の親父殿はカネサブラック。奇しくも昨年のホクトキングと同じ5歳馬。前走の然別賞はミサイルテンリュウの2着。ホクトキングとミサイルテンリュウの然別賞での斤量差は10kgで今回も10kg差。ホクトキングが800kgを超える斤量で走ったのはポプラ賞の1回だけ。それに対してミサイルテンリュウは先に述べたように経験豊富。どうもこれは逆転は難しそうだ。それにこれでは小生の儲けは少ない(と、このあたりから「理論」よりも「欲の皮」に基準が移っていくのである)。
 頭堅けりゃ、紐弱しという格言がある。ミサイルテンリュウの頭が堅いとすれば相手は然別賞上位組ではない。とすれば、然別賞で最下位に終わったスーパークリントン! クリントンの副大統領だったゴアがアカデミー賞で賞を取ったことだし、これはいいかも。ただ賞を獲得した映画のタイトルが「不都合な真実」というのが気に掛かる。
 然別賞以外の2頭では、ニシキシャープ。確かにあまりに格下だけれども、ミサイルテンリュウと80kgも斤量差があれば何とかならんものか。80kgといえばちょうど着衣の小生の体重くらいである。ニシキシャープの荷物にさらに小生が乗っかった橇をミサイルテンリュウが曳くというようなもんだ。これはミサイルテンリュウにとっては不利だわな~。
 ということで、結論。
 ◎ミサイルテンリュウ
 ○スーパークリントン
 ▲ニシキシャープ
 △スーパーロイヤル
 ×アンローズ
 馬券的には、馬単でミサイルテンリュウから残りの4頭へ。裏も少々。そして、ミサイルテンリュウがぶっ飛んだときの備えに、△のスーパーロイヤルから馬連で、スーパークリントン、ニシキシャープ、カネサブラック、アンローズへ。

3/4チャンピオンカッププレビュー

2007年3月 2日(金)

 4日(日)は重賞のチャンピオンカップ(4歳以上重賞競走優勝馬)が行われます。今季の重賞競走を制した各馬によって争われる一戦。力のばんえい記念、スピードのチャンピオンカップと併称されるだけに、実力だけではない、さまざまな角度からの考察が必要と思われます。
 ハンデ差があるだけに難解ですが、ここはフクイズミ(ヒロインズC)を中心に取りたいと思います。初となる800キロがどう出るかが気になるところですが、確実に追い込んでくる末脚は非常に魅力的。先行タイプが揃っているだけに、この馬のレースができれば勝ち負けは必至でしょう。
 古馬との混合戦では確実に上位に食い込んでくるカネサブラック(旭川記念)は、ここも争覇圏。旭川記念以降、世代限定戦を除いたすべてのレースで馬券に絡む活躍を見せており、歴戦のオープン馬相手でもヒケを取りません。ポプラ賞(4着)で810キロを曳いただけに、今回の820キロでも力は出せるものと見ます。
 帯広記念を勝ったトモエパワーは、800キロ以上のレースを3戦してすべて3着以内にまとめています。パワー勝負ではナンバー1といえるだけに、ゴール前で各馬が詰まるサバイバル戦となれば勝機十分です。
 スーパーロイヤル(ポプラ賞)とスーパークリントン(銀河賞)の2頭が穴候補。カネサブラックとの力比較、重量比較から考えれば好勝負圏内で、ノーマークは禁物でしょう。
 今回のレースのカギを握るのは軽量馬の2頭、ニシキシャープ(750キロ:クインカップ)とニシキユウ(740キロ:ばんえい大賞典)。ともに前半から積極的に飛ばしていくことが予想され、2頭のペース配分次第でレースの様相は一変します。アッと驚く粘り込み、というシーンも否定できません。
 好調のミサイルテンリュウ(北斗賞)ですが、両サイドを軽量牝馬に挟まれた影響がどう出るか気になるところ。アンローズ(岩見沢記念ほか)は帯広記念4着後、9、9、8、8着と精彩を欠いており、今回も帯広初勝利は厳しそうに思われます。

出馬表はこちら

【参考レース】
1/2 帯広記念(勝ち馬:トモエパワー)
1/3 銀河賞(勝ち馬:スーパークリントン)
1/21 睦月特別(勝ち馬:カネサブラック)
2/11 ポプラ賞(勝ち馬:スーパーロイヤル)
2/18 然別賞(勝ち馬:ミサイルテンリュウ)
※映像はこちら。また、これらを含めた2カ月前までの映像はすべてオッズパークにてご覧いただけます

今週のみどころ(3/2〜3/5)その2

 3日(土)のメインレースはシリウス特別(4歳以上650万円未満)。キタノカイザーとキリンオーを除く8頭が霧多布岬特別からの出走となります。しかし、その勝ち馬ハヤテショウリキは800万クラスに昇級、2着のプランドルドラゴンは10番人気での食い込みということもあって、同じような結果にはなりそうにありません。連軸として信頼できそうなのはバンゼンで、近走は安定した成績を残しているうえ、霧多布岬特別も3番人気で3着。今回のメンバーなら実力上位といえるでしょう。ほか、前走5着から巻き返したいキョウエイボーイ、ここ2戦堅実なユウセイマーチが争覇圏。プランドルドラゴンのもう一発、キタノカイザーの勢いも侮れません。
 この日の第10レースにはプロキオン特別(3歳オープン)が組まれています。このレースは出走全馬が前走ジュニアカップを使っており、今回はその再戦。重量も勝ち馬アローファイターが5キロ加増されただけとなりました。3月18日のイレネー記念へ向けて、カネサリュウ、アローファイターを筆頭に、シベチャタイガーやパンチテンリュウがエントリー。本番へ向けて見逃せない一戦と言えそうです。
 4日(日)は重賞のチャンピオンカップ(4歳以上重賞競走優勝馬)が行われます。このレースについては別掲のチャンピオンカッププレビューをご覧ください。
 5日(月)のメインレースにペテルギウス特別(4歳以上オープン)が行われます。一長一短あるメンバーが揃い、難解な一戦となりました。そうしたなかで中心に取りたいのはヤマノミント。前々走のきさらぎ特別を制したのを含め、近3走1、1、3着。前走の3着はトカチプリティーとタケタカラニシキに敗れたもので、今回のメンバーならまずまず威張れる結果といえます。昨季もこの時期は好調をキープしていただけに、今回も十分に期待できるでしょう。ナリタボブサップは銀河賞で10着に敗れて以来勝ち星がありませんが、ポプラ賞2着があるように決して調子落ちとは思えません。然別賞5着は相手が揃っていただけで、ここも勝機十分でしょう。徐々に調子を上げてきたミサキスーパーも争覇圏。人気がないようならスターエンジェルやニシキダイジン、エビスオウジャあたりも狙い目です。

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